『不完全な僕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
不完全な存在の我ら
・なぜ人間が不完全なのか。
これは自分の個人的な考えなのだが、
人間は神の分身、欠片なのではないか?と思っている…。
才能という言葉があるが、これは神の欠片の中に一つ一つ神の力の一部が含まれており、一つ一つ偏りがあるから生じるものではないかと思っている。
それならば欠点も同じように、神の欠片一つ一つに力の偏りがあるから、生じるものと考えられる。…単なる想像だが。
・…なんだろうか。"成仏"という言葉は"仏と成る"と書く。人生を終えたら再び神仏の一部となるのだろうか。
我々が生きているのって、もしや、神仏がより神仏としてアップグレードするために一部一部を直そうとしているのか。その為に、一部一部に命を与え、その一部一部である我々に成長させようとしているのか?
…単なる妄想だが、神様はいる気がする。そして、どちらにしても不完全である我々を見守っているに違いない。
【不完全な僕】
僕の苦手や嫌いを知るたび、彼女は「意外」と言う。
なぜか、何でもできる人だと思われているらしい。
学生の頃に生徒会長を務めていたのを知っているせいか。
彼女だけでなく、今まで交際した相手によく言われた。
理想の姿を期待して、現実を知ると離れていく。
とうに慣れてしまった、いつものパターン。
僕に好意を告げた口で「なんか違う」と罵る。
勝手に幻滅したくせに、まるで僕が悪いみたいな。
僕の来る者拒まずな態度は、誰にも期待していないから。
表面だけ見て寄ってくる人間に取り繕うのも馬鹿らしい。
少し見目が良いだけで、勉強も運動も優秀ではないのに。
夢を見たいなら、わざわざ近づいて傷つけないでほしい。
彼女も選ぶ側に立った一人。僕に好意を告げた人。
いつか離れていくのだから、特別扱いなんてしない。
理想と乖離した僕の姿を、どうせ彼女も受け入れない。
そう諦めていたけど、彼女は「意外」と言うばかり。
「期待外れなら、はっきり言っていいんだよ」
今までの相手と違う反応に耐えられなかった。
心の中では何を考えている? 探るように見つめる。
半年も交際が続いたのは彼女が初めてだ。
「別に期待外れなんて思ってないけど、なんで?」
普段と同じ声のトーンで答え、首を傾げる彼女。
口癖のように「意外」と言うのにそれが本心なのか。
素直に信じることはできなくて、まだ疑ってしまう。
「『意外』って言葉、理想と違うって意味でしょ」
「なにそれ、馬鹿にしないでよ」彼女は心外だと憤る。
「新しい君を知ったのに、不快になんて思うわけない」
等身大の姿を見られていなかったのは、僕のほうだった。
不完全な僕にしか出来ないこともあるんです。
認めて欲しい
#122 特別な月が慰める夜
完璧じゃなくても
いいじゃん いいじゃん!
自分は自分ってのが
最近の流行りでしょ?
塞ぎ込む僕を夜が包み
十三年ぶりの大きくて
特別な満月が
僕を見下ろしている
お題「不完全な僕」
品性がない。
知性に欠ける。
人間として不完全。
そんな事を他人から言われたことはあるだろうか。
僕はよく言われる。
だからだろうか、
完全な僕とは?
不完全な僕とは?
なんてことを最近よく考える。
朝も昼も夕方も、
夜になっても延々と考えて、
わかったことは、
僕は――いや、人間は不完全であり、
そして完全なのであろうということだ。
例えば、
今日という日から過去を振り返ってみると、
今の僕が完成するために歩んできた日々が思いだせる。
人として欠けていても、不足していても、
それこそが今の僕を僕として構成するパーツだ。
つまり完成した、完全なる僕だ。
翻って、
今日という日から未来を想い浮かべてみると、
今の僕よりも多くのものを取り込んで成長している僕の姿が見える。
その姿と比べると、今の僕は足りないものだらけの未完成品。
つまりは不完全な僕だ。
母のように、
「今の貴方で充分だから、心配しないで」
と慰めてくれる人は、
現在の完成された等身大の僕を見てくれているのだろう。
「人間として不完全」
なんて言ってくる人は、未来の僕を思い浮かべて
今の僕の不完全さを教えてくれているのだろう。
『世の中は悪い人ばかりではない』
他界した父が言っていたことは本当だったのだ。
しかし、そうだとすると、
新しい父が言っていた、
「気味の悪いガキだ」
とは、
どういった意味になるのか?
まだまだ、世の中は分からない事が多い。
// 不完全な僕
大きなことを通しても
いつも通しても
通らないのに
無理だと思うよ
やっぱり 不完全な
僕だから…ネ
常に誰かと比べられては蔑まれる日々
がんばっているのに
何が足りない
どこがいけない
だれかおしえてよ
完全な君と不完全な僕
同じ生命体
何が違う
『不完全な僕』2023,09,01
僕は不完全だ。
そんな言葉をぽろりと口から零すと君はしばらくしてから静かに言った。
「この世界に完全な人っているの?」
そして君は頬にかわいいえくぼを浮かべた。
しなやかに僕を抱く彼の手が嫌いだ。
彼のその白い指先は欠けている。断面には塞がったような跡があるから、後天的に傷ついたものなんだろうとは思う。理由を聞いたことはない。
ほっそりと薄い、ユリの花びらみたいな手のひらが僕の頬を包もうとするとき、嫌でも欠けた指先を感じざるをえない。月はいくらから欠けているほうが風情があると千年前の人間はいったが、僕は彼の手を愛せなかった。
「優しいやつだ」といわれ生きてきて、誰もを平等に愛そうとする心に人の生きる価値があるのだと母から教わった。あなたは優しい。純粋で優しすぎるその心が心配だと、婚約者に言われたこともある。
だから、たかが指先の1本欠けた手に、こんなにも激しい感情を抱かされる自分自身に戸惑い、ただ恐れていただけなのかもしれない。
そして今夜も、人差し指の欠けたそれが僕のほうにのびる。僕は魔物から逃れるように払いのけた。生々しいその断面は、いつか僕を呑み込んでしまうだろう。
「恐ろしそうだ。」
彼の蒼白い顔がかなしげに綻ぶ。しかしその手をおろすことはない。
「かといって義指をつけたら、君はもう僕に執着してくれないんだろう?」
逃げたくても逃げられないのはどちらなのかと、彼の唇が動いた気がした。淡い月夜に世界は落ちている。この薄明かりが、いとしい婚約者の不安を背にして、彼と逢瀬する僕の醜さを透かし出してしまう。
「君も不完全だよ。綺麗だ。」
彼はサモトラケのニケでも、ミロのヴィーナスでもない。美術品として以外では、どこか欠けているものを愛することはできない。拒み続ける僕の心に、失われた白い指先は妖しくほのめき、離さない。
毎日毎日酒を飲み酒に主人格を奪われるくらい飲む。
弱いから飲まずには生きていけない。
嫌な事も全部忘れるまで飲む。
朝起きると、意識が戻ってしまう。
ずっと夜が続けばいいのに。
不完全な僕は1日1日を浪費している。
成績優秀な君
勉強が苦手なぼく
スポーツ万能な君
スポーツが苦手なぼく
顔もスタイルもいい君
見た目に自信が無いぼく
歌が上手い君
歌が苦手なぼく
絵が描ける君
絵が苦手なぼく
学級委員長の君
目立つことが苦手なぼく
誰とでも話せる君
話すことが苦手なぼく
なんでも出来る君
なにも出来ないぼく
みんなに好かれる君
みんなに嫌われるぼく
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事故に遭ったきみ
この世に居ないきみ
生きる僕
心の無いきみ
心無い僕
これで埋まった
僕ときみの不完全な部分
-これで僕達同じだね
きみと僕は不完全。
不完全な僕 #1
お題「不完全な僕」
産まれたときから不完全
どうあがいても死ぬまで不完全
今までも
これからも
完全の幻影を追い求めて
諦めながら生きていく
それが僕
不完全で、不確定で、不透明な僕を愛してくれる人はいるのだろうか。自分が好きな人が、自分を好きだなんて奇跡、僕の人生にはきっと無関係なんだろうな。
「はははは、」思わず自嘲の笑みがこぼれる。
あぁ、壊したいなぁこんな世界を
不完全な僕が目の前に現れた。
私に何か用?完全になる方法でも聞きたいのかな?
知らないよ、そんなもの。え、違う?
じゃ、完全じゃなくても大丈夫って言って欲しいの?
私の言葉なんか何の担保にもなりゃしないよ。え、違うの?
そうか、分かった。ま、そうかなと思ったけど。
完全から程遠い私の前なら自分のがマシって安堵出来る!
これも違うの?
ま、お座りよ。座るにちょうどいいブロック塀があるよ。
私もちょっと休みたかったのよ。ほれほれ。
まあなんだ、わざわざ「不完全」って銘打ってるってことは
自分の不完全さに思うところがあるってことだね。
完全はいいことだと思うよ。目指すのはいいことさね。
自分の為の目標にするならカッコいいことだけど
誰かの為ならオススメしないよ。やめたがいい。
誰かの期待を裏切っても、自分の為に生きるのさ。
だって自分の人生じゃん。
だいたい相手に完全を期待するやつは止め処ないよ。
完全になった瞬間から次の完全を提示してくるよ。
満足なんかしやしないからね、アイツら。
だから…、あれ?
不完全な僕はいなくなった。
ま、シラフの人間にくだを巻かれりゃね。
9月1日
私は生きます。皆さん辛いなら逃げてもいいです。
だけど星にはならないでください。私からのお願いです
なぜ、姉はああも毎朝嬉しそうに鏡を眺める?
なぜ、姉はむっつりとした顔をしていても大勢に好かれる?
なぜ、姉は生まれながらに両親に愛されている?
私にはできない。
なぜなら、私は生まれながらに不完全で、大事なものをいくつもいくつも姉に盗まれて生まれてきたからだ。
僕はきみを愛することはできないけど、他のなによりもきみを優先しよう。大切に守り、慈しみ、そばに居続けよう。
だから、こんな不完全な僕をあいしてほしい。なんて。
そんな自分勝手な望み、きみを前にして言えるわけがなかった。
▶不完全な僕 #2
こんな惨状で
僕ら
分かり合えやしないから
ずっとこのまんま
僕ら
認め合えやしないから
ずっとこのまんま
僕ら
信じ合えやしないから
ずっとこのまんま
僕ら
それでも愛し合えてしまうから
ずっとこのまんま
不完全だからこそ
僕なんだわ
不完全な僕
【34,お題:不完全な僕】
不完全な僕ら
互いに埋められない空白を抱えて生きている
その空白は 冷たく 暗く とても寂しい
埋まらない隙間を埋めようと
人は人を求める
その体温が 手の温もりが
「君はここに居ていいんだよ」 そう言ってくれる気がして
人は手を取り合って生きることを選んだ
まだ不完全な僕ら
完全になれる日なんて来ないのかもしれない
それでも
この地球に僕ら
支え合って立っている
『不完全な僕』
歳の割に大人だよね。
よく言われる言葉。何を言っているんだろう。
自分は周りが思っているより大人じゃないと思う。
僕だって感情的になるし、わがままだって言う。
朝は起きたくないし、仕事も家事もしたくない。
学生時代から変わらないまだまだ未完成なやつだ。
「君って大人の皮被るの上手いよね。」
笑いながら言う彼だけが、僕のことを知っている。