品性がない。
知性に欠ける。
人間として不完全。
そんな事を他人から言われたことはあるだろうか。
僕はよく言われる。
だからだろうか、
完全な僕とは?
不完全な僕とは?
なんてことを最近よく考える。
朝も昼も夕方も、
夜になっても延々と考えて、
わかったことは、
僕は――いや、人間は不完全であり、
そして完全なのであろうということだ。
例えば、
今日という日から過去を振り返ってみると、
今の僕が完成するために歩んできた日々が思いだせる。
人として欠けていても、不足していても、
それこそが今の僕を僕として構成するパーツだ。
つまり完成した、完全なる僕だ。
翻って、
今日という日から未来を想い浮かべてみると、
今の僕よりも多くのものを取り込んで成長している僕の姿が見える。
その姿と比べると、今の僕は足りないものだらけの未完成品。
つまりは不完全な僕だ。
母のように、
「今の貴方で充分だから、心配しないで」
と慰めてくれる人は、
現在の完成された等身大の僕を見てくれているのだろう。
「人間として不完全」
なんて言ってくる人は、未来の僕を思い浮かべて
今の僕の不完全さを教えてくれているのだろう。
『世の中は悪い人ばかりではない』
他界した父が言っていたことは本当だったのだ。
しかし、そうだとすると、
新しい父が言っていた、
「気味の悪いガキだ」
とは、
どういった意味になるのか?
まだまだ、世の中は分からない事が多い。
// 不完全な僕
9/1/2023, 9:37:02 AM