『不完全な僕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
不完全な私
何もかもが不完全で不確かな私は、
いつも無くしたカケラを探して
見つけた何かを死に物狂いで拾おうとしたら、
いつの間にか大切な物を落としていっていた。
拾っては欠けて、拾っては欠けて、
いつも残るのは歪な関係とそれに流されて
縛られている私でしかなかった。
しかし考えて欲しい。
それも私なんじゃないか?
歪になった私も、私として、私が受け入れてあげれば、
それは本来の私と言うことにならないか?
人は夢を見なければ成長は出来ないというけれど、
今を認めて受け入れる事を忘れて、
自分を見失えば、それこそ本末転倒じゃないか?
この考えを他人に共感して欲しいとは思わないし、
無理強いはもっての外だと思うけれど、
一つだけ、私が言いたかったのは、
不完全な自分は不完全を含めた完全な自分であって、
不完全である事が決して悪い事じゃなく、
不完全を正当化して完全を否定する事が悪いと言う事。
だから、自分自身を否定しないで欲しい。
不完全なあなたを好きでいてくれる人は絶対いる。
この世界は、不完全を補っていくために言葉がある。
以上が、私の大嫌いな感情論であり、本心である。
by N
「不完全な僕」
腕に付けられたマーク。光が灯されていない目。
日焼けのない薄く白く細い肌。
これが僕。先生の元で暮らしている。
僕は先生といる時が1番いい。
食べ物は先生が作ってくれるコロッケ。先生が笑いながら食べているのを見ると、胸の当たりが温かくなっていく。
好きな事は先生とピクニックへ行くこと。太陽が程よく照らしていて、いやすい。
先生は白衣を着ていらっしゃる。僕のお世話をしてくれて、僕は、先生の近くにいると、胸の鼓動が落ち着く。
先生は、それを「大好きなんだ」と教えてくれた。
でも、僕には足りないものがあるらしい。「気持ち」と前に言ってくれた。
うれしい、こわい、たのしい、つらい。そんな言葉がこの世にはあるらしい。
でも、僕にはそれが分からない。胸の辺りの違和感を覚える事があっても、それが、くるしい、とかうれしいとか、そう思うことは無い。
どうすれば、それを明確に分かるんだろう。
むしろ、どうしていれば分かったのかな。先生に聞くと、先生は眉をぐっと寄せて、僕のことを見た。
そんなに、言いづらい事なのかな。僕、なにか昔取り返しのつかない事しちゃったのかな。
そう僕が思っていると、先生は、口をゆっくり開いて「愛情。それがあれば気持ちは生まれる」と言われた。
前に見た本でも、愛がなんたらと書かれていた気がする。
愛とは、なんですかと僕が聞くと、先生は「人によって違うけど、私は温かいものだと思う。」と笑いながら僕の頭を撫でた。
愛。温かい。先生がコロッケを食べている時と同じような胸の温かさが、愛というのだろうか。
もし、気持ちが生まれるほどの愛を僕が受け取ったら、そのあとも僕に愛は貰えるのだろうか。
もう、先生がコロッケを食べているところを見ても、温かいと思うことは無くなっちゃうんだろうか。
それは、何となく胸が締め付けられるみたいだ。だとしたら、僕は。
先生、僕は、気持ちが欲しいです。
でも、愛情の方が、たくさん欲しい。だって、先生と一緒にいると、胸が温かくなるから。
もし、気持ちが生まれて、そこから愛情を貰えなくなるのなら。
僕は、ずっと未完成のまま、不完全なままでいたいです。
先生side
私は、とある機械を専門にしている博士だ。つい最近まで、人間の形をしてAIを埋め込んだロボットを作ろうとしていた。
研究の最中、私は小さい子供を見つけた。
腕に付けられた火傷跡。絶望して光のない瞳。家から出られない。またはろくに食べさせられていないのか、薄く白く細い肌を持つ人。
そう、彼を見つけたのだ。
彼は、まるでロボットのようで。同じ人だとは思えなかった。顔の表情などから、考えている事を読み取る私にとっては、中々大変だった記憶がある。
それが彼が親に捨てられたということだった。私は無理やり私の所へ引き取った。
最初は、ロボットより何をするか分からない人間の研究にもなる。と思っていたが……
今は、彼が安心する居場所になりたい。そう思えた。
もちろん。生まれがあまりにも不遇だった。ということもあるが……それ以上に一緒にいて、もっと、彼に私の思う幸せを共有したいと思ったから。私の幸せと、彼の幸せは、きっと違うだろう。
でも美味しいご飯を食べて、他愛もない話をして。温かい風呂に入って。ふかふかの布団でぐっすり寝て。
そんな、何気ない日常に安心感を持たせたかった。
彼も、引き取る前は、こんな日常は、ありえない事だと思っていただろう。
だからこそ、私はまだ不完全な君に、色々な事を教えたいんだ。
君が、私の事を不要だと思う日まで、私はここにいるからね。
高嶺の花
わからないこともある
できないこともある
忘れたいこともある
忘れたくないこともある
ほしいもの
全ては完全なあなたのせい
※不完全な僕
「不完全な僕」
君があまりに眩しくて
僕は遠くから
声もかけられない。
でも不完全な僕は
きっと君を想うことで
君から、温かさとか
優しさとか思いやりとか
美しい感情をもらって
完成するんだと思う。
僕からも何かあげられたらいいのに。
「不完全な僕」
#65 不完全な僕
かくん、と力が抜け、地面が近づいてくる。
なんとか手をつき、顔を打つのは避けたが。
体を起こす力が足りなかったので、そのまま道外れの草むらに向かって転がった。
仰向けになり、吸い込まれるような青い空を見た。
走り過ぎて痛むほどに上がった呼吸。
今にも飛び出しそうな心臓。
汗で服が張り付いて、とにかく気持ち悪い。
この息が、この鼓動が、代謝が、止まる時。
僕は完全な--になるんだ。
でも、それまでは。
ああ、
どうしようもなく、不完全だ。
僕は、生きている。
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完全=変化がない、不可逆的という解釈。
いやいや不完全な僕って当たり前じゃないか。だって…から始まり。
ウンウン考えて、
生き物が世代交代しながら進化を目指していく限り、完全にはなれず、そして、それが生きている証なんだということにしました。
不変の完全より、
何もかもが移り変わっていく不完全こそを愛したい。(ただし地球温暖化は除く)
ちなみに、生まれたら死ぬまで一直線な人間とは少し違った生き物がいます。
休眠すると耐久性MAXになるクマムシや、
危機的状況下で若返るベニクラゲに、
1000年以上も経って発芽した古代蓮。
気になる方は自由研究だと思って。
未完成で、歪な形でら不完全だからこそ。
僕にはない部分を君が補えるんだよね。
趾のない燕の飛翔を阻むのは趾のみと信じランドセルは群
#71【不完全な僕】
例えば僕が
何の欠点もなかったら
きっと面白味がないし
君のセンサーにも
引っ掛からなかっただろう。
不完全なくらいが丁度いい。
それが魅力になることもあるでしょう?
もちろん迷惑をかけることもあるけれど。
2人で1人前ってことで。
よく言うじゃない。
そういうことにしておこうよ。
ね?
だめ?
「なんでこんな事も出来ないかな」
「貴方は私の理想であってほしいのに」
『ごめ…ごめんなさい…』
『こ、今度は完璧にこなすから…』
「………」
「……何か…変な勘違いしてるんじゃないかな」
『……へ…?』
ガシッ
『うっっ…!』
「貴方は何で何もかも完璧にこなすのかな」
『…え』
「…いい?」
「私の理想は不完全な貴方なの」
「全部出来たら困るのよね」
「貴方はただ、私の為に」
「不完全な貴方を完璧に演じればいいだけ」
「こんな事も出来ないなんて」
「育て方を間違ったわ」
ー不完全な僕ー
昔つけてた
香水の匂い
思い出して
胸
締め付けられるのは
想い出が
哀しいからじゃなく
誰かが
懐かしい訳でもなく
何かを悔いて
苦しいからでもない
言葉に出来ない
不思議な切なさに
喉が
締め付けられるのは
もう
二度と帰らない
二度と戻れない
再びは無い
過ぎ去った時代の中
必死に生きていた
確かに生きていた
そんな
全ての命達を
想うから
「香水」
君を救う事ができなかった。
そんな不完全な僕をまだ許せないでいる。
いつも僕は独りぼっちだった
けれど君と居る事ができて二人ぼっちになれた
僕とずっと一緒に居てくれるって約束したのに
君はそれを破った
なんで?僕を一人にしたのさ
なんで僕を置いて遠い空なんか逝ったの?
「今日のテスト一位は、…」
毎月やってくるテスト返しの時間。
皆、頭が良くて大学はいいところに行く人が多いこの塾で僕はいつも浮いていた。
「△△だ。」
いつものメンツでどんどん順位が並べられていく。
「最下位は、お前だ。」
僕の手に渡ったテストの点は75点。
深くため息が出る。
いくら徹夜をして勉強してもいつも最下位。
ここに完全な僕はいない。
いつも、不完全な僕。
この努力って、いつか報われるのかな。
不完全な僕
不完全な僕
そもそも私は魔石になる為に生まれた人間だ
人に嫌われるのが標準であるし、好かれようとも思ったことがない
父のために。頼まれた兄、領地のために。役に立たないと生きている意味が無いと思っていた
そんな人間として不完全な私に、君は本当の意味での生きている理由をくれた
どうかこれからも私の生きる理由となって欲しい
私の全ての女神よ
不完全な僕
昔は完璧を目指していた。
完璧じゃないと駄目だし完璧がいいと思っていた。
今はでも完璧ってなんだろう。
そんなの全然ならなくていいやって、思う。
不完全な方が何でかいい気がするな。
年の離れた私の胸で
少年のように眠り
髪を撫でると
子猫のように嬉しそうに喉を鳴らす
きっと私だけが知る
貴方の姿
題:不完全な僕
僕は、何も凄くない。
特別なものも何も無い。
いつもいつも不完全。
そんな僕でも
いいのかな。
不完全な僕 愚かな選択をした僕
醜い僕 役に立たない僕
なんだかんだ頑張ってるんだけど…な僕
「ぼく」じゃなくて「しもべ」って読むと
妙に愛着が湧いて許せる気がするでしょ
不完全な僕
まぁ、人間は、完璧じゃ無いから…そう自身に言いながら、ここまで生きて来た…言いわけ、逃げ、その他色々言われるけど、結局、それでも今の自分がここいいて…
俺の片翼は、人として酷くバランスが悪い。
信じられないくらいに基礎知識に欠け、言葉も間違いだらけ。なのに得意分野に関しては玄人はだし。俺の出る幕はない。
そういうの、天才って言うのかな。まぁそうは見えないけど。
天才じゃないってことではないんだ…なんていうか…人じゃないみたいというか。
だってあいつ、信じられないくらいに優しくて…優しいなんて言葉が裸足で逃げ出すくらいに優しくて。
今だって悲しみに押しつぶされそうで項垂れる俺の横に何も言わず…本当に何も言わないで俺の横に。ただ、俺の代わりに涙を流す。
バランスの悪い君と、不完全な俺と。人としてデコボコなところが嘘みたいにしっくり合うんだ。
▼不完全な僕