『モンシロチョウ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【創作】モンシロチョウ
飛び立つ 君の羽は白く
あまりに美しかったから
地を這うだけの醜い僕には
もう二度と届かないものなのだとその瞬間理解した
だけど
その理解に気持ちは追い付くことはなく
僕は君の羽を毟りたい衝動に駆られ
醜い顔を更に歪めるばかり
ああ、僕が君と同じ羽で飛び立てたら…
衝動を夢に換え、目を瞑り僕はただ夢を見る
僕が夢うつつなら
きっと君は幸せになれるから
僕が居ない世界で君だけは自由でいて
綺麗な物が好き。
蝶や花、宝石に絵画、移ろいゆく景色。目に写るもの全てが綺麗だと思えた。
でも普通の人とは違って欠けている部分がある。
綺麗な物が好きだけど、その綺麗な物を壊すのはもっと好き。
気づいたのは子供の頃だった。綺麗だと思って摘んだ花を踏みつけたくなって、踏んでぐしゃぐしゃに潰した。
親にそれが見つかって、なんでそんなことするの?お花さん痛いでしょう?って言われたから
『なんで?リサはおはなじゃないから、いたくないよ』
って言ったら悲しそうな顔をされた。あぁ、これは普通ではないんだな、と子供ながらに悟った。
それからは隠れた衝動をどうにかして晴らそうと虫を育てて、観察して、色々な形で標本にして。心の中にある欠けた部分を補うように、どんどん小さくしていった。未だに衝動はあるけど落ち着いた方。
そして今、野原に虫を探しに行っていると目の前をモンシロチョウが羽ばたき始めた。
キラキラと日光を反射する白い羽が綺麗。
(...これを手の中に納めたら......)
モンシロチョウは気づかずに花に止まる。
そっと手を伸ばす。
あと少し。
もう少しで。
「やっ!!」
頭上で声がして、突然視界が真っ白になった。
「わ、えっ、え、え、え」
「あ、逃げた」
頭に被せられた物を剥ぐとモンシロチョウは居なくなっていた。
「何してるの雪(ゆき)くん!」
「ごめん、実験用の蝶捕まえようとして失敗した」
「も~そんなので捕まるの?」
「素手で蝶捕まえようとしてたリサこそ、実験用に使う気ないだろ」
「ちゃんと捕まえようとしてたよ~!」
そう怒ると雪くんは呆れたように他の方へ向かっていった。
「...あとちょっとだったのになー」
先程までモンシロチョウが止まっていた花をギュリッ、と握り潰す。
まだ人までに手をかける気はないけど、雪くんも綺麗だと思うよ。
お題 「モンシロチョウ」
出演 リサ 雪
モンシロチョウ
ずっと書くことないなとか思ってたけど、
そういえばあった。
モンシロチョウに対して思ってたこと。
モンシロチョウとモンキチョウってたまに
見分けつかないよね。
モンシロチョウってアゲハチョウとかモルフォチョウよりなんとなく地味なイメージだけど、かわいいよね。
素朴っていうか、素直っていうか。
なんか好き。
ひら、ひらり。
白い蝶が幼子の前を踊るように横切った。
「あっ、もんしろちょうだ!」
その幼子は近くにいた母親らしき人に笑顔で話しかけている。
あの時の私は、モンシロチョウで一喜一憂していたな。
そう思いながら、コーヒーを口につける。
ふとした時に、子供の時の気持ちに戻りたくなる時がある。
あの時は何にでも好奇心を持てたなぁ…
今じゃ、あまり何かに好奇心を持つということは無くなったし、
友達からのおすすめも見なくなった。
モンシロチョウのように軽い気持ちで過ごせたらいいな、
そう思いながら、カフェを後にした。
【モンシロチョウのような軽い気持ちで】
愛のベクトルが違うんだ。
君が僕を5思っていても僕は80思ってる。
100本ある愛の花のうち、
君は僕に渡したより多くの花を他の人に手渡すから。
虚しいんだ。
僕を置いて進む君が。
目移りを抑える心が。
果てなく報われないのに謙虚でいようとする体が。
僕の心に塗された君の鱗粉が払えないんだ。
神様みたいに白く清く美しい君が
僕の手の内で孵化したのに。
蛹から孵ってすぐ、羽ばたいて行ってしまう。
見てるだけじゃ物足りない。
もっとずっと僕を求めて欲しい。
あわよくば添い遂げて、君の死に顔を眺めたい。
そうしてずっと、僕だけ見ていて欲しい。
こんな気持ちを抱えるくらいなら、
もう叶わないことを願うなら、
君なんて握り潰してしまえばよかった。
「モンシロチョウ」
最近はモンシロチョウをみただろうか?
記憶ないな?あの白い羽。たぶん、キャベツ畑をみていないぁ?
子供頃は、よく見たけど。なぜだろ?キャベツはあるのに。
色々、なくなっている。なぜだろ?
ちょうちょが、京都の東本願寺を今日も楽しく舞う
去年の大晦日に東本願寺はじめておとずれ、今日で2回目 わたしひとり、ちょうちょのように
酒が入った席の後に誘い、誘われるがまま一人でふらふらとやってきたのが彼との最初だった。誘っておいて言うことではないが、あまりにも簡単に掛かったから少し心配したものだ。それはある意味杞憂だった。この家で自由に過ごしながらも、常にこちらのことを見ているのだ。少しでも隙を、あるいは牙を見せれば蹴飛ばしてでも出て行きそうな、そんな気配がいつも彼にある。ひらひらとした翅の下に針が仕込まれている。気づいた瞬間、刺し貫かれてでも手の中に収めたいと思った。だから逃げられぬよう、慎重に。口実をいくつも拵えて通話をタップする。今宵もこの家に蝶を呼ぶ。
(題:モンシロチョウ)
モンシロチョウ
モンシロチョウが一匹、ひらひらと飛んでいた。おぼつかない軌道を描いて、鉢植えに舞い降りる。疲れているのだろうか。ゆっくりと細い脚を動かしている。
こんなところまで、ご苦労なこった。
アパートの五階。地上から飛んできたのだとすれば、かなりの高さだ。何に釣られてきたのかはわからないが、種族の中でははぐれ者だろう。メスかオスかはわからないが、つがいがいる場所ではない。
地上へ帰りな、と心の中で諭す。だが、あろうことか、その蝶はまた上の階へと彷徨っていく。
空へ上りたいのか。
幼虫の頃、空を知りたいと願ったのだろうか。地上から離れ、生物としての使命すら置き去りにして、高みを目指すことを決めたのか。
頑張れよ。
階上へと消える白い蝶を見送る。
俺だって負けてられないな。
机に向かい、今日も創作の世界へと舞い上がる。
伝説の白色モンキ探してる 目立たぬふりで紛れるソレを
モンシロチョウ
「世界一キレイな蝶って知ってる?」
そう聞いてきたのは誰だっけ?
でも確か私はこの問いに答えられなかったんだよな。
だから適当に知ってる名前を言ったんだったけ?
そしたら、「それは、お前な」ってバカにした
返しをされたな。
お前よりもっと美人がいるんだよって……?
………んだとゴラァーー!!!!
ーーモンシロチョウ
モンシロチョウ
この時期、何気なく庭に目をやるとたくさんのモンシロチョウがいた
ぼんやりと眺めているとあるモンシロチョウが目に留まった
あの子…あの輪の中に入れないのかな…
そう思ったが、人のエゴで小さな檻の中に閉じ込める訳にもいかなかったのでそのままにしておいた
モンシロチョウ。アゲハチョウには勝てないけど楽しそうオスは残されたたった10日の時間で必死にメスを探すそう。春も夏も秋も。
モンシロチョウ
ヒラヒラ舞っててキレイだよね。
キレイだと思って捕まえてみる。
間近で見るとなかなかに苦手な見た目。
遠くからじゃわからないこともあるよね。
人間も同じかな。
#03 『泥中で舞う』
私がまだ初等学校に通っていた頃、バレエを習っていた。バレエはお母さんが子供の時の憧れだったらしい。母子家庭で貧乏だったのに、決して安くない月謝を払って私は約4年間バレエを習った。
上手く踊れるとお母さんが喜んでくれるから、一生懸命練習したのを憶えている。暮らしていたアパートは小さくて狭くてとても練習できたものじゃなかったから、いつも近所の河川敷で練習していた。勿論通りすがりの人にジロジロ見られるし、同級生に会った時なんて生きた心地がしなかった。それでも、いつも疲れた顔をしているお母さんを笑顔にさせたくて、毎日のように踊っていた。
一度だけ、踊っている時に話しかけられたことがあった。それは自分よりずっと小さな女の子だった。
『おねぇちゃん、チョウチョみたい!』
そう言って手を振ってくれた名も知らぬ女の子。
それまでの努力が報われた気がして、心の底から嬉しくて、人は声から忘れていくと言うけれど、あの声だけは、一生忘れられる気がしない。大切な思い出だ。
あの子を見つけたのは凍えるような寒さの冬の日だった。もうすぐ、雪が降る頃だった。
彼女は薄汚れた白いシャツを着て、裸足のままで、美しく舞い踊っていた。誰にも見向きされないのに、懸命に踊っていた。思わず立ち止まって見入ってしまう。
スラリと伸びる手足は力を入れなくても折れてしまいそうなほど細い。ご飯を満足に食べれていないのか。よく見てみれば彼女の足元には錆びた缶がポツリと置いてある。踊って物乞いをしているらしい。
そういえば、彼女の着る白いシャツは最近まで近くの河川敷に住み着いていた家なし子達が揃いで着ていたものだった気がする。3丁目のオグラのおばさんがボロボロの服を着ている子ども達を見て作ってあげたという噂を聞いたことがある。最近はその十数人いた家なし子も見なくなっていた。
少しだけ恵んであげようかと鞄の中のお財布に手を伸ばす。相変わらず景気が良くないし、稼ぎの良い仕事をしているわけではないから沢山はあげれないけど。せめて今日と明日くらいは食べられるように。缶に少しばかりの硬貨を入れるとカランと音がなった。顔を上げると彼女がこちらを見つめている。
「少しだけだけど、頑張ってね」
咄嗟にそう言った。彼女は深く、深く頭を下げた。
「ありがとう、ございます」
綺麗なアルトの声は、少しだけ濡れているように思えた。
それから何度も彼女に会った。彼女は雪が降ろうが変わらず踊り続けていた。私は会う度にお金を恵んだ。自分のご飯が危うい時だってあったけど、私には風が凌げる家があるだけ彼女よりましだと思って晩ご飯を食べずにお金をあげたこともあった。
彼女は『これで新しい服が買える』と泣いて喜んでいた。そして、深く深くお辞儀をして、また美しく踊るのだ。
春が来た。そして、私の人生に大きな転機が訪れた。かの大都市キリサメへの移動だ。実質的な昇進と言っても過言ではない。冬の間にキリサメから視察が来て私の仕事を評価してくれたのだ。素直に嬉しかった。来週にはこんな地方都市を出て大都会で働く。同僚との間で話していた夢物語が目の前の現実にあると思うと踊りだしてしまいそうだ。
履き古したブーツの音を立てて帰る道、今日も変わらず彼女は踊っていた。もう少しで彼女に会えなくなると思うとどこか寂しかった。
「あれ、」
彼女はいつもと少し違っていた。変わらない白いシャツ。元々薄汚れていたそれは、泥に塗れていて酷く動きにくそうだった。
「服、大丈夫?」
思わず声をかけた。自分の声は思ったよりも小さくて、気付かなかった彼女は踊り続けている。
今日も真っ直ぐに伸びる細い手足。クルリと回ってその場で飛ぶ。その姿は、最近暖かくなってきて見るようになったモンシロチョウに重なって見えた。ついこの前見た、泥に羽が塗れて、それでも懸命に空を飛ぼうとしていたモンシロチョウに。汚れた服で踊る彼女は、よく、似ていた。
「ねぇ、私の家、来ない?」
気付けば口から飛び出していた。今度はお腹から声が出て、よく響いた。彼女の動きが止まりこちらを見た。
「私の家、来ない?」
もう一度言った。自分から言ったその言葉は意外と重みがある気がした。
名前も知らない少女だ。過去に何があって物乞いをしているのかとかなんて1ミリも知らない。知っているのは、彼女の踊りがとても美しくて、綺麗なアルトの声を持っているくらい。
「私と一緒に、暮らさない?」
彼女の未来が見たくなった。泥に塗れたモンシロチョウではなくて、純白を誇りながら舞う、美しいモンシロチョウを、見たくなった。
(雑感です)
モンシロチョウと聞くと、以前の職場にいた兼業農家のパートのおばさんのことを思い出します。
その方、モンシロチョウに限らずちょうちょが畑にいるのを見かけると、網持って追っかけると仰る。別にちょうちょ大好きな訳ではなくせっかく作った畑の野菜に卵産むから、にくったらしくて!ということでした。
確かに手間暇掛けて育てたものを青虫にムッシャムッシャ喰われるの、相当腹立つよな、と納得するやらおかしいやら、仕事の合間の雑談でした。
小学生の頃、近所にガーデニングが素敵なお庭のある家があって、その庭先でモンシロチョウが羽化するところを見せてもらったことがある。
時間をかけてもがきながら、蛹からゆっくり手足を出して、想像よりずっと大きい羽根を伸ばすさまの一部始終を見た。なんだか痛そう、って思った。そうやって生まれ直したあとも、しばらく動けずその場でじっとして、意を決したようにふわっと飛んでった。わたしたちが生まれるとき、お母さんは色んな辛さに耐えてくれたけど、わたしたちもきっと痛かったし、怖かったと思う。歳を重ねても、今の自分じゃ環境じゃいられなくて、痛みを伴いながら変わらなきゃいけないときなんて、いつもある。形を変えるってすごいことで、新たな自分で飛び出すって、とても勇気がいることだ。でも、やらなきゃ。そういうときに、あのモンシロチョウを思い出している。
モンシロチョウ
小学生の時にモンシロチョウを学校で飼っていたけど
せっかく蝶になれたのに、
土日だったせいでカゴから出れずに、
飛べなかった蝶がいて悲しかった。
:モンシロチョウ
ひらりひらり柔らかな羽ばたきのぬくもり
知らず知らず夢中で追いかけて
きらりきらり閃く白い羽
指で掴んで渡したい
粉だらけの指先で
ゆるくすべり落ちては踏んづけて
何事もなかったようなふりをして
恐れ知らずの無邪気さ
幼さゆえの驚きを
ふわりふわり微笑む羽ばたきの優しさ
そんなあなたはモンシロチョウ