『ベルの音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ベルの音
寒くなってきたので、ピンクグレージュ色の
ダウンコートを出して着た
10年以上前のクリスマスに、主人から
サプライズでプレゼントされたものだ
……ベージュかブラックの方が良かったな
……私はサプライズがキライだ
自分で選んでいない物→自分好みの物が欲しい
予定していない出来事→予定外はただ単に困る
冷めた人だと思われても
事実だからしょうがない
そんな私にも、ジングルベルの音が
聞こえてくる
ベルの音が鳴る
もう時間だ
帰らなければ…
今日だけは一緒に
いさせて…
それでも
ベルの音鳴り止まず
気持ちも溢れたまま立ち止まる
一緒にいさせて
まるで
心の声がベルで溢れるようだ
その声は
届く筈もなくて……
あなたは去って行く
最近、貴方が夢に出てこなくなった。貴方と夢で出会う度に、朝の目覚めが悲しくなっていた。もう会えないという寂しさで眼を涙で真っ赤に染めて、一日が始まっていた。
でも、最近はそんな悲しい朝を迎えることがなくなってきた。貴方のいる夢は滅多になくて、朝も涙を流さずに起きていた。こんなに清々しい朝はいつぶりだろう?
でもね、やっぱりどこかで寂しさと悲しさがあるの。多分それは、貴方に無条件で会う手段がなくなってしまったからなの。現実では貴方に会えないことはわかっている。でも、夢で会えていた。翌朝が多少辛くとも、貴方に会える喜びに変わりはなかった。今ではそれすら許されない。もう、貴方とは一生会えないのかもしれないと思うと、夢で貴方に会った翌朝よりも辛く、胸がギュッと苦しくなる。どうしたらいいの?この痛み。
あー、私やっぱりどうかしてる。忘れなきゃいけない人なのに、まだ会いたがっている。しかも夢の中でも構わないってさ。あんなに悲しい朝を迎えていたのに。だめね、天邪鬼な私…。
『ベルの音』
終着駅だと誰かは言う
金と爆弾のカタコンベ
途中下車のつもりだった
行き先不明の案内板
止まぬカウントダウン
膨らみ続けたスーツケース
回送列車は此処にはない
大音量のオーケストラ
声を張り上げる弁舌家
泣くも笑うもご愛嬌
やがてゼロになった世界
ぼくにとってそれは、君との出逢いを思い出す運命の音。
その音を聞きながら、今日も電車に揺られるのだ。
◎ ベルの音
〘ベルが鳴る〙
ベルが鳴るとみんな教室に入ってくる
「今から何の授業?」
「多分社会だったはず」
そんな話をしながら
卒業までもう少し
あと何回ベルが鳴る?
学校で最後のベルの音を聴けるのはあと何日?
あぁずっと言ってるけどやっぱり卒業したくないや
自分の志望校はみんなとは全く違うから全部受かってもみんなとは絶対に会えない。
ベル鳴らないで欲しいや
「ベルの音」
発車のベルが鳴る。
わたしは故郷を離れるんだ。
さよなら、みかん畑。
さよなら、おばあちゃん。ありがとう。
ドアにもたれた。
涙が頬を伝う。
頑張ろう。
不安もあるけど頑張ろう。
今年も雪が降ってる
あー雪かきしたくないな
今年の雪は重たいな
絶対腰痛くなるなー
よし、やるか
無心で雪かき
ソリを見つけて
ふと、昔のことを思い出した
雪降ってきた~!サンタさんいついつ~!
終わりの見えない雪かきに目処をつけ
家に戻った
ストーブの前でぼーっとしていたら
小さい頃に戻った気がした
ベルの音が聞こえる
今年はきっと懐かしいあの頃に
幼い頃に少しだけ戻ってみよう
ベルが鳴ったので
お腹の中からでてきたの
扉を開けて
そして
もう一度ベルが鳴ったら
私の持ち時間は終わり
遠くで誰かのためのベルが鳴るのを
優しい気持ちで聞いている
甲高く、家のベルが鳴る。
それは、友達が来た事を告げる音。
静かに、玄関のベルが鳴る。
それは、親戚が来た事を告げる音。
ゆっくりと、家のベルが鳴る。
それは、久しく懐かしい友達が来た事を告げる音。
堂々と、玄関のベルが鳴る。
それは、酔った父が帰ってきた事を告げる音。
ただ高く、アパートのベルが鳴る。
それは、見知らぬ勧誘が来た事を告げる音。
単調に、アパートのベルが鳴る。
それは、宅配便の届けを告げる音。
優しく、扉からベルが鳴る。
それは、母が差し入れを持ってきた事を告げる音。
点々と、玄関からベルが鳴る。
それは、唐突に友達が来た事を告げる音。
軽快に、家のベルを鳴らす。
それは…
私を待つ人に、帰った事を告げる音。
顔が見たい、声が聞きたいだけ。
ただ会いたいだけ。
あとちょっと
息も絶え絶え
上り坂
響くベルの音
ラストスパート
寒かったでしょう
暖かいおしぼりをどうぞ
本日のおすすめは…
頭の中で繰り返す
最高の笑顔を思い描いて
ベルが鳴るのを待ちながら
カランカラン
いらっしゃいませ
ベルの音
それは誰かが来たことを知らせてくれる音。その音が始まりだった。
いつしかその音はただいまの音に変わった。二人で過ごす大切な時間の始まりだった。
青空の下でたくさんの人の歓喜に負けないくらいにひときわ大きく、低いその音は二人の幸せを祝福する音。家族という名の新しい始まりだった。
そして、静かな部屋に響く優しい音はあなたの魂が安らかに眠れるように祈る音。始まりの音たちとはすこし違うその音に耳を傾ける。
もし天国であなたが待っていてくれるのなら、私はきっとベルを鳴らす。あなたが見つかるように、あなたに見つけてもらうために。
【ベルの音】
鳴っている
ずっと鳴り続けている
12時の魔法も
メリークリスマスも
ウェディングドレスも
その音から産まれてきた
鳴っている
鐘の音は遠くて
今は耳元
聞き慣れたスマホのアラーム
Angelusの鐘が
鳴り響き
天から使者達が
舞い降り
哀しい笑み浮かべ
軈て時を刻む
私はベルの音が嫌いだ。
ベルとはいっても、それにもたくさんの種類がある。
家の呼び鈴の音、注文する時の音。
今の時期だと、サンタさんのベルの音かな。
私は全部嫌い。
家の呼び鈴が鳴らされる時の、無駄なドキドキ感も。
注文をする時の、店員さんをあごで使ってるあの感じも。
もう来ることもないサンタさんのあのベルの音も。
みんな嫌い。大嫌い。
けど、いつかは好きになれるといいな。
新しい自転車を手に入れて半年以上経った。
兎にも角にも、次に交通事故に遭ってもちょっとやそっとじゃ壊れないよう、ママチャリ最強と名高いブリヂストンを奮発して購入したのだ。最強なだけあってかなり重量級の(丈夫さ=重さである)しかもうっかり27インチにしてしまったのを、なんとかえっちらおっちら乗りこなしている。
さて、ベルである。
通常、自転車のベルというのは「チリンチリン」もしくは「ジリジリジリジリ」といった、いかにも、自転車のベルです!という音がする。こいつを後ろから鳴らされると、故意に道を塞いでいるわけでもないのに「アッ、スンマセン…」感に苛まれるアレだ。
しかし、ママチャリブリヂストン氏は違う。
「ピーーーーーーン」とも「チーーーーーン」とも言えるような言えないような、頓狂な音がするのだ。ママチャリブリヂストン氏のベルは、ベル状の金具をプラスチックか何かの爪で弾くだけの造りをしており、そしてその構造通りの音がする。
この「ピーーーーーーン」もしくは「チーーーーーン」を聞いた時の衝撃…!は、さほどでもなかったが(何せ構造通りなので)しかし若干の戸惑いはあった。
何せ自転車のベルというものは、あの「そこのけそこのけチャリンコが通る」的な五月蝿さを持ってこそのベルであり、あの騒々しさ…もっと平易に言うと、ウザさ、が、自転車ベルのアイデンティティではなかったのか。
さらに言うと、自転車の通称である「チャリンコ」の語源だってベルの音だ(注:諸説あります)あのベル音があってこそのチャリンコなのだ。
このママチャリブリヂストン氏の音で通称をつくると、「ピーンコ」もしくは、「チ(自主規制)」になってしまい、およそ呼称として使えない上に、小学生男子が大喜びしてしまう。
だがしかし、
よく考えてみると、チャリンコのあのベル音は、皆にこよなく愛されているのかというと、それはそれで微妙である。
何せ、歩道を歩いている真後ろから、あの「チリンチリン」だの「ジリジリジリ」だの鳴らされると、「アッ、す、スンマセン…」的気分になるし、そもそも歩行者を退かすためにベルを鳴らすのは道路交通法違反…ということに気付くと、音にもじわじわと腹が立ってくる。
だから、あの「ピーーーーン」や「チーーーーン」は、なかなか考えられた音なのかもしれない。
人を不快にせず、しかし金属の高い音で危険をしっかりと知らせる…ために作られたのかもしれない。
そう思うと、自転車????か????みたいなベル音にも、ほんのりと愛着が湧いてくるのである。
愛着湧きついでに、私のママチャリブリヂストン氏は通称を「チー(自主規制)」で呼んでみ…、
いや…ないな…さすがにな…
テーマ:ベルの音 #38
※この物語は#20からの続編です
ベルの音がどこからか聞こえる。
この音を聞くと自然にクリスマスを連想する。
「なんの音?」
隣にいたミデルがあたりをキョロキョロと見回している。
「ベルだよ」
「べる? それは何?」
ミデルは首を傾げる。ベルも知らないのか?
ミデルはイルミネーションといい、ベルといい知らないことが多いな…。それくらい、地下牢の労働には余裕がなかったのだろうか。
僕は、ミデルに過去の生活について問うことはなかった。なぜなら、ミデルにとっていい過去ではないと思ったからだ。
いつか、自分から話してくれる日が来るんじゃないかと心の中では思っている。
「ベルは楽器だよ」
「吹くの?」
「ううん、振るって言ったほうがいいのかな…?」
僕はベルのある体で腕を振ってみせた。
「そうやって音を鳴らすんだ…」
不思議なものもあるものだと言うような表情でまじまじと僕を見つめてから、鳴っているベルの音に耳を傾けている。
「ミデル、もうすぐクリスマスだね」
僕がそう言うと頷く彼女。昨年よりもゆとりがあるからこんなことにも視野を向けられる。
今年のクリスマスは何か、ミデルにプレゼントしよう。そう心の内で思った。
冷たい風に乗せて、ベルの明るい音がなる。
〜ベルの音〜
人通りの少ない古い道を歩く
時折とび出ている道に足を引っ掛けて転けそうになるが、周りの目を気にして必死に耐えた
色の変わった石のタイルを子供のようにはしゃぎながらルンルンとした足取りで踏んでいく
街の中はシャッターのしまった店の後だったような場所、営業しているが人が来ないため無人販売状態になっている場所と個性的だった
その中でぽつんと一つ洒落ているが落ち着いている喫茶店がひっそりと建っていた
コーヒーの香ばしい匂いが扉の隙間から香り立つ
うずうずとしていたが、いてもたってもいられなくて扉を開いて中に入る
カランカランと澄んだベルの音が店内に響く
【いらっしゃいませ】
古い町にしては珍しく若い男性が店員として働いていた
この人…、ここで何年働いてるんだろう、
【こちらメニューです。お決まり次第そこのベルを鳴らしてくださいね】
メニュー表を持ってきて営業スマイルを見せてテーブルへと戻って行った
ここは、コーヒーが美味しそうだったな…
香ばしいコーヒーの匂いを思い出しドリンクはコーヒーのホットにしようと決断した
【ご注文は、】
注文したのは、コーヒーのホットとたまごサンド
こういう店のたまごサンドは絶品なのだろうという予想でウキウキとしながら背負っていたリュックからパソコンを取り出す
クチコミを開き書き込む
数十分後
【お待たせしました、こちらオリジナルブレンドコーヒーのホットと、本店手作りのたまごサンドです。ごゆっくり】
持ってくる姿もイケメン、差し出す姿もイケメンと…
クチコミには女子ウケするようなことも書いて、写真をひとつ取りコーヒーを手に取る
匂いを楽しみ1口コクと飲み込むと香ばしい匂いと共にほんのりとした苦味が口いっぱいにひろがった
サンドイッチもとても美味しく、自家製オリジナルのサンドイッチだからか、家庭の味といった懐かしさを持っていた
【気に入って頂けましたか?】
そう言って食器を片付けていく青年
めっちゃ美味しかったですと答えると嬉しそうに微笑み奥へと戻って行った
また来よう、次は友達も連れて
そう、思っていたが、友人を連れて行くとそこは何も無くて、そんなカフェ地元の人も聞いたことがなかったそうでした。
これは不思議な体験談
※実際の店や団体とは関係ありません