『バレンタイン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『チョコあげるね!』
「えっあ、ありがとう...!」
『ねぇー今食べてよ~』
「わかったよ」
「もぐもぐ」
「...!」
「バタンッ」
『アハハッお味はいかが?』
『浮気者さん♪』
中高女子校だったので、バレンタインのときめきとかを全然経験しないで大人になってしまった。女子校のバレンタインは作りたい人が作り、他はもらう人である。私はもっぱらもらう人。今もどちらかと言えばもらう人。
私は人と話すことが苦手だ。
でも、幼稚園から今、(六年間)ずっとチョコを渡してはお返しをしてくれる相手がいる。
その人は他の人よりも少し大人しくて、背が高い。
他の人には、「○○さんって背が高くてかっこいいよね〜」とからかわれるけど、カッコいいから好きなんじゃない。
好きだからカッコいいんだよ。
今年はプチガトーショコラを作って渡した。
「ありがとう」
そう言ってくれた。
「(うん)」
心のなかでそう言った。
伝わるといいな。この思い。
「バレンタイン」
バレンタイン……それは自分が好きな相手にチョコをあげたり相手から貰ったり、友チョコもある……チョコ以外にも飴やハンカチいろんなものがある。でも、バレンタインにあげるものには意味がある…
マシュマロなんかはそうだ甘くてフワフワしてるからいい意味ではない…その逆「貴方が嫌い」と言う意味…
これを嫌いな人にあげようとしてる人は正直どうかと思う。理由は嫌いな人にお金、時間をかけてまでやることなのだろうか…?でも、友達にマシュマロが好きだからあげようとしてる人もいるから意味にとらわれてはいけない…とらわれてると充分に幸せを得ることは出来ない
みなさんは
本命チョコってあげましたか?
私は友チョコと義理チョコをあげました。
本命チョコは一応渡しましたよ
好きな人に
ちゃんと、彼にあげたんです
でも
「これ、本命?」
っていつもの揶揄うように
彼は悪戯ぽく笑いながら言って
つい恥ずかしくて
『違うから、勘違いしないで、』
って
その時の私
どんな顔してたんだろう、w
あぁ、そうか。
今日はバレンタインなのか。
え? 何もしないのかって?
嫌なことを訊くねぇ。
まぁ、僕はせいぜいコンビニで買ったチョコレートを一人虚しく食べるくらいだよ。
いつか、いつか。
この日を好きになれるときが来るといいなぁ、なんて。
〝バレンタイン〟
【待ってて】
「ちょっと待ってて」
入口のドアが開くなり、うちのマスターはお客様の顔をチラッと見るか見ないかのタイミングでそう告げると、急いで奥のキッチンに入っていく。これが、この店の日常の光景だ。
「カフェ アジャスト」には、メニューは一切ない。その名のとおり、ご来店のお客様に合うドリンクやフード(時にはそれ以外に必要だと思われるもの)をマスターが独自に選んでお出ししている。
客の1人として初めてこの店を訪れたときには、独特すぎるマスターと店の雰囲気に戸惑うばかりだった。辺りをキョロキョロ見回していると、マスターがあたたかいおむすび2つと豆腐の味噌汁を運んできた。どうして、今の私が欲しいと思ってたものがわかったんだろう。涙がポロポロ出てきて、しばらく止まらなかった。
「君、まだこの街に来て日が浅いころだったでしょ。そろそろ、こういうのが恋しいのかなぁと思ってね」
後日、スタッフ募集の面接のときに教えてもらったマスターの見立ては完璧に当たっていた。以来、私はこの店でスタッフとして勤務している。
ある日の夕方、ランドセルを背負った可愛い女の子が店に入ってきた。お子様一人の入店なんて珍しいなぁ…と思っていると、
「あ、ちょっと待ってて」
といつものようにマスターはそう言って、奥へと引っ込んだ。しばらくして、マスターは1枚の紙をヒラヒラさせて戻ってくると、入口のドアを開けてその紙をペタッと貼り付けた。入口の張り紙には、こう書いてあった。
本日、貸切りにつき入店はご遠慮ください
※ただし、さくちゃんのお母様は
どうぞお入りください
どうやら、さくちゃんというのが彼女の名前らしかった。マスターはホットココアを彼女のもとに運ぶと、そのまま彼女の隣に座った。彼女は嬉しそうに話し始め、マスターはただ「うんうん」とその話を聞くだけだった。その光景は、陽が落ちて彼女の母親らしき女性の姿が現れるまでずっと続いていた。
さくちゃんはその後も度々店を訪れたが、マスターは隣に座ることも張り紙をすることもなかった。時にはお菓子を頬張りながら、またある時は本を読みながら迎えを待っていた。
「…そういえば、そんなこともあったなぁ」
私が語った懐かしい思い出話に耳を傾けながら、マスターはどこか遠くを見つめていた。
今日は開店20周年記念ということで、普段ご利用いただいているお客様を招待してささやかなパーティーを開催した。お集まりのお客様は、皆口々に初めて店を訪れた時にマスターがお出ししたもののエピソードを語り、当時の自分に必要なものをマスターがくれたと感謝の言葉をおくった。
すると突然、入口のドアが開いて1人の若い女性が店に入ってきた。今日は貸切りであることを伝えようとすると、マスターは
「ちょっと待ってて」
と言って、いつものように奥へ入ってしまった。ほどなくして、可愛い花束を抱えたマスターが現れた。
「誕生日と結婚おめでとう、さくちゃん」
えっ? あの、ランドセルのさくちゃん?
しかも、お誕生日に結婚て…
さくちゃんと呼ばれたその女性は、マスターから花束を渡され笑顔で「ありがとう」と一礼した。
「あの、もしかしてですけれど、さくちゃんてマスターの…」
「うん、俺の娘。20年前、この子の誕生日に合わせて店をオープンしたんだ。だから、招待状送ったら結婚が決まったって言ってね。慌てて花屋行って用意したんだよ」
なるほど。そうだったんだ。いつもとはちょっと違う、父親の顔をしているマスターが眩しかった。
お題:バレンタイン
今年のバレンタインは大学病院。
昨日、初めて出会った37歳のギャルママと仲良くなって、今日初めてスタバのチョコレートフラッペを飲んだ。
凄く美味しかった。
優しくて明るく、面白い女性に出会えた私の人生には、また1つ新しいカラーで彩られそうである。
バレンタインを意識して、病院食にチョコレートケーキが出た。ケーキといっても蒸しパンに似ているようで似ていないもの。少しパサパサしていて、噛めば噛むほどねっとりしているのが特徴だ。
今年は色んな人と出会えた。いつも入院するたび温かく迎えてくれるバイト生のあなたは言葉では言い表せない程大切な存在だった。出会って、親しくさせてくれて、ありがとう。
私の病気がどんどん悪くなっていて、治療が追いつかないから、、とこれからの通院に関しての新しい方向性に決心ができた今日。
慣れ親しんだ大好きな場所にたくさん来れなくなるのは、大好きな人にあまり会えなくなるのは、とても悲しいし淋しいです。
でもたくさん治療して、元気いっぱいになった時に、その人達にたくさん会えるように、私は頑張りたい。
:
:
ツーショット撮ってくれた!
そして、また会えると約束してくれて嬉しかったから、今日いい夢見れそう…(◍•ᴗ•◍)
色んな好きな人との写真、きちんとしたアルバムにしよ〜っと!
2024/02/14/(水)
貴方はこの好きに気づいてくれますか?
キャンディ
「貴方の事が好き」
自分のためにチョコは買います。誰にも文句は言わせない。
バレンタインで初めてチョコを貰ったときに、姉ちゃんに自慢しようと思って、目の前でわざとチョコを落としたんだよね。
でも、姉ちゃんの方がたくさんチョコをもらってた。中学生女子には敵わないって思ったね。
バレンタイン。
今までの俺の人生には縁のない日だった。
いや、縁がないというと語弊があるか。
毎年その日はいつも、生まれて18年、
雨の日も風の日も共に登下校をした親友に、朝から大きな紙袋を手渡され。(俺がその日をバレンタインだと気づけるのはこの紙袋のおかげだ。)
それが合図だと言わんばかりに、どこからやって来るのか次々と話しかけてくる顔も名前も知らない男女に色取りどりの箱や袋を手渡され。
夕方にはぱんぱんにチョコレートが詰め込まれた紙袋を両手に、腕がちぎれそうな思いをしながら家路に着く、という特殊で受動的な日で。
チョコレートがそんなに好きじゃないこともあり、
言うなれば強制発動イベント、
といったような認識で、
自分から行動を起こす必要の無い日だった。
だから忘れていた。
俺にとって19回目のバレンタインは、一昨日だった。
訳が解らないくらいモテた時期は高校までで終わり、大学ではちょっと気になる子が出来て、
そうだ!バレンタインデーにプレゼントして告白しよう!…なんて意気込んでいたのに…。
ここ最近始めたゲームが面白すぎて頭がトリップしていたことが敗因だろう。間違いない。
春休みなのもあって一歩も外に出ていなかったし、日がな1日ずっとゲームをしていた期間が長過ぎた。
ゲームの中でチョコレートの話が出てきたおかげで気付けたのだ…。
不幸中の幸い、と言っていいのか…。
兎にも角にも俺は久しぶりに外に出たが、後の祭り。
どこの店舗を見ても、つい一昨日にバレンタインが終わったところだというのに、もうホワイトデーのPOPをでかでかと掲げている…。
…俺を嘲笑っているのか…!?泣くぞ…?
俺の運命やいかに。
いや、神になど祈らない。
必ずや今日、想いを告げる…!
みんな、俺の情けない話を聞いてくれてありがとう。
ハッピーエンドを願っていてくれると嬉しい。
【バレンタイン】
失敗・・・失敗・・・失敗・・・
今年もまた駄目だこんな失敗作じゃ私の気持ちは伝わらない・・・!
1年目・・・失敗
2年目・・・失敗
3年目・・・失敗
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今
20年目・・・失敗
ああ駄目だこんなんじゃ・・・もっともっとこの気持ちが伝わるように・・・
「今年もチョコはくれないのかい?」
という夫は寂しそうに笑う。
「うん。また失敗しちゃって・・・」
そう言って私はチョコを見えないように隠す。
あいつが部屋へ戻ったのを確認して作ったチョコを今年も自分で食べる。
私の憎悪や嫌悪そういった負の感情がこもった不味いチョコなので美味しいはずはないがもう慣れた。
ああ早く別れたいな・・・
お題「バレンタイン」
俺には、好きな人がいる。
そいつは、いつも明るく元気な、クラスのムードメーカー。
今日、2月14日はバレンタイン。
どうやらそいつは、友達とチョコを作ってきたらしい。
男女問わず、クラスみんなにチョコを配っている。
何故かすげぇモヤモヤする……
そして、俺の番が回ってくる。
「はい、チョコ。みんなに配ってるんだ」
「サンキュー……」
俺はこいつから貰ったチョコを、じっと見つめた。
義理チョコでも、こいつから手渡しされるのは正直嬉しかった。
けど、叶うことなら──
「お前からの本命チョコ欲しかったなぁ……」
「えっ……」
「あ……」
もしかして、俺声に出て──
「知ってたの?」
「え?」
「私が、君のこと好きってこと……」
「ん? え、は!?」
「あ、あとで改めてちゃんと言うから! に、逃げないでよ……?」
俺には、好きな人がいる。
そいつの好きな人は、俺だった。
ぐしゃりと音を立てて、僕の体が潰れた。
これで213回目の失敗。
そして迎えるのは、今年214回目のバレンタインデーだ。
家を出ると、ポストの周りに大量の包みが置かれているのが見えた。
ざっくり確認したが、目当てのものはない。
落胆しつつママチャリで通学路を進んでいると、投げ入れにより、たちまちカゴがいっぱいになった。
学校に着くと、靴箱から箱が溢れていた。
昨日の時点で持ち帰っていた上靴を履き、教室に入る。
机の中から持ち主の分からないチョコレートを抜き出しながら、右斜め前の席を見遣る。
「あ、おはよう。幹人。朝から忙しそうだね」
気づいた葵が笑いながら振り向いた。
緩くウェーブのかかった髪が揺れる様子に、意識と視線が全て奪われた。
「嬉しい限りだよ」
と返すが、内心はうかない。
大量にもらったその中に、葵からのチョコはないからだ。
葵は幼稚園からの幼馴染であるが、僕にチョコをくれたことはない。
それどころか僕のことを異性として見てすらいないようで、毎年何かしらのアプローチをかけるが、気づかれてすらいない。
しかし、今日は高校生最後のバレンタイン。
こいつからのチョコレートをもらうため、僕はこうして何度も2/14を繰り返している。
高いところから飛び降りればリセットできる。
このことに気づいたのは全くの偶然だった。
それは2/14の放課後。
他校から群がる女性たちによる圧死を防ぐため、屋上に避難していた時のことだった。
今年はすべて受け取っている暇はない。
今年こそは、葵からチョコレートをもらいたいんだ。
何とか五体満足で包囲網を突破する計略を練っていたとき、唐突に風が吹いた。
ヤバいと思ったその時には、体が宙に浮いており、そのまま地面に叩きつけられた。
しかし、予想していた衝撃と痛みは訪れない。
代わりにふんわりとした心地の良い感触があった。
そして体の上には掛け布団。
時計の短針は7時を、日付を表す小さい文字盤は2/14を指していた。
その後、何度か試してみて、僕は高いところから落ちると2/14の朝に戻ることができるのだとわかった。
そして、すぐにチャンスだと思った。
何度もやり直せば、いずれは葵からチョコをもらえるはずだ。
そう思った僕は様々な計略を実行しているのだが、213回やり直しても未だチョコは手に入らない。
そうして214回目の朝礼を終え、3階の踊り場にあるロッカールームに隠れながら決意を固めた。
今回こそは葵のチョコをもらってやる。
ロッカールームから出ると、周囲は既に包囲されていた。
隙間を狙って駆け出すと、人波がうねる。
躱しながら、葵のもとに向かう。
一緒に帰ろうと、声をかけるために。
食後に君が差し出した
1ダースのチョコレート
リボンは付かなくなったけど
このやりとりは途絶えずにいて
ほっと胸をなで下ろしたら
だらしないお腹に行き着く
リボンが付いていた頃は
ズボンに乗ってなかったな
運動不足が祟ったかな
はみ出たお腹をなで上げては
その日限りの反省をする
食べすぎるのはよくないし
このくらいにしておこう でも
もう一個だけを繰り返すから
今でも幸せ太りは続く
「バレンタイン」
君からのバレンタインも
僕からのバレンタインも
もう叶わないのだろうか
あんなに君のことを
想っていたのに
あんなに君は
眩しいくらいに見つめてきたのに
もうそれは叶わない
きっと僕もわかってた
だけどもう一度だけ
【バレンタイン】
君にバレンタインチョコをあげようと思う
えっ君、チョコ嫌いなの?
でも受け取ってくれるの…?
訳の分からない14歳のバレンタイン
疲れているのに全速力で走って来るとは思いもしなかった。
「まずは…っ、これ…、はぁ…」
ぜぇ、はぁと呼吸を整えながら、台風にでもあったと言いたげな小振りな花たちを渡されて花瓶に生けた。
彼を椅子に座らせて呼吸も穏やかになったところで、紅茶と私の想いをお皿に乗せて運んでいくと、食卓に飾った花が元気を取り戻し、本来の色を、部屋を明るく見せ始めている。
「紅茶をどうぞ」
ウェイトレス気取りで湯気のたつ紅茶を渡し「いつもありがとう」と日頃の感謝を込めチョコケーキを並べた。
「こちらこそ。いつも君のお陰で幸せだよ。ありがとう」
慣れた手付きで私の髪を耳にかけ、彼の整った顔を眺めているとシャラと金属が擦れウィンドチャイムのような軽やかな音がした。私は今日、アクセサリーを付けてはいない。
「?」
「うん、よく似合う」
自分の見立てに狂いはない、自信たっぷりに彼が微笑んでいた。彼の手を覆うように触れるといつの間にか髪飾りが。手触りから予想するに繊細で複雑そうな物。モチーフは花っぽい…かも?彼からの贈り物だ。
「これじゃ貰った私が見えないけど…?」
「付けたところを早く見たくて、外した後でゆっくり眺めてくれよ。」
ケーキを崩さないようにフォークをゆっくり動かして、
「一日中君が作ってくれたケーキのことで頭がいっぱいでさ。なんでひと口食べてこなかったんだろう…!って。やっと食べられる」
ゆっくり過ごすはずが急な仕事でスケジュールが狂い、名残惜しげにちらと覗いた箱の中身。ご褒美に相応しく、頭から離れなかった。
ケーキを刺して口を開ける。ひとりで食べるには少し大きいチョコケーキのはずだけど仕事で疲れてお腹を空かせた彼にはちょうどよかったみたい。
「ほろ苦いチョコケーキだ。すごくきれいに作ってくれたんだね」
ひと口いれてまたひと口。美味しい、おいしい。と夢中で食べてみるみる減っていく。苦いと顔をしかめられなくてよかった…!と私は胸を撫で下ろしていた。
大きなハートもペロリと平らげた彼の口の端にクリームが付いてる教えると見当違いな場所を拭う。
「全然違うってば」
「ん、どこだろう…。とってもらえる?」
「子どもみたい」
くすりと笑みを溢してちょこっと拭えば手首を掴まれ
「子どもはわざとクリームを付けて君の気を引いたりしないよ」
後頭部を引き寄せられてほろ苦いチョコの味。くちが離れるころには独特な苦味は消え失せ、ただただ甘い。
とてもあまくて、ビターチョコで正解だったと過去の私に拍手を贈って彼に抱き付いた。
耳もとで「ハッピー『バレンタイン』」と囁くと、大好きな優しい声色が、私の鼓膜をゆらしてとけた。
(三日連続でお題を繋げて書くなんて思ってもみませんでした…!)
きっとなんの意味もない言葉なのだと思う
「可愛い」だなんてお世辞でしょ。
そんなひねくれ者の私に貴方は
「今日も可愛いね」だなんて。
だから私はなんの意味も無い
チョコレートなんかを
唇なんかを、貴方にあげた。
--《バレンタイン》