『タイムマシーン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
やり直したい過去ばかり。
タイムマシーンで、戻れたら全部、全部やり直したい。
そしてきっと、同じような過ちを、また繰り返すんだと感じてる。
朝。六時半。苦しい気持ちで、今日が始まる。
題目「タイムマシーン」
タイムマシーン_25
タイムマシーンなんか
私には必要ない。
だが
私がもっと若かったなら
君は私を愛してくれていたのだろう?
私は
「それでも 過去に戻りたい」
などと言う
弱い人間じゃあない。
どうせ人間は 同じ過ちを繰り返す。
だから人間は 結局弱い。
だったら 今の私を 今の君に
心から愛してほしい。
【タイムマシーン】
タイムマシーンを使って、過去の恋人を不幸の連鎖から救いにいく男の物語。テレビの中で繰り広げられるフィクションを眺めながら、隣に座った君の手をそっと握りしめた。
もしも僕の手の中にタイムマシーンがあったとして、僕は過去の君を救いにいってはあげられない。だって傷つくこともなくただ与えられる幸福を享受した君は、もう君じゃない。何度も挫折して、それでも自分の足で立ち上がり続けた今の君は、僕の前から永遠に消えてしまう。そんなのは絶対にごめんだった。
(だってその君は、僕を選ばない)
輝かしいものも苦々しいものも、その全ての経験が今の君を形作って、そうして今の君だからこそ、君は僕と出会い僕を隣に置いてくれた。君の手を握る指に力を込めれば、君は呆れたように笑って僕の顔を覗き込んだ。
「また難しいこと考えてるでしょ。良いんだよ、私は私を救ってほしくないし、私も君を救おうとは思わない。私たちはそれで良いんだ」
美しく微笑んで、君はテレビの電源を消す。落とされた唇の温度が、僕の心を優しく包んでくれた。
タイムマシーン
タイムマシーンに乗って、自分の人生の別れ道になったあの時に戻って違う選択をしでみたい。
もっと幸せになってた?不幸になってた?
幸せのアベレージは同じと思う。この生をドライブするわたし自体が同じだから。
選択や環境で人生随分違うとは思うけど、それを生きてる人間の中身が違いをもたらすと思うからね。
『タイムマシーン』
タイムマシーンがあったなら
過去の自分に会ってみたい。
特に、少し辛かったあの時の私に
会いに行きたい。
うまく言える気がしないけど、
未来は明るいよって伝えたい。
と思った。
何十年か先の未来には
タイムマシーンが作られているかもしれない。
未来の自分が過去に来てくれたりは
しないだろうか…
いや、でも相当な金持ちにならないと
無理そうだ。
タイムマシーンって高そうだから…
タイムマシーンに乗って、
過去に戻れるとするならば。
君が居なくなる前に戻りたい。
君と笑いながらバカやりたい。
君と一緒ならなんでもやれた気がするから。
何者にでもなれた気がするから。
君とまた、笑いたい。
なにかを成し遂げたい。
君とまた、話せるのなら。
何を犠牲にしたっていい。
また、
話したいよ。
褒めてよ。
ハグしようよ。
慰めてよ。
大好きだから、
戻ってきて。
140テーマ【タイムマシーン】
書いてて泣きたくなりました。
せめて夜中に書きたかった。
早朝に書くとはね。
唯一の親友を亡くした大学生のお話。
性別はどちらでも取ってください。
戻りたい
日などもう無い
見てみたい
未来などない
君と誕生日
「タイムマシーン」
タイムマシーンとうと、まっさきにドラえもんを思い浮かぶ。
過去や未来に行き、現在との違いを実感できる。
もし、利用できるとしたら、過去に行ってみたい。
自分が行った行動や言動で、他人に迷惑を掛けたと思うことに対して、しっかり謝りたい。
もしも…
この瞬間に
過去に戻れたら
なんてさ…
そんな現実味のないこと
考えたって
仕方がないのにね…。
だけど少しだけ
ほんの少しだけ…
考えてしまうんだ
この掌から
溢れ落ちたもの
全部拾い集めていけば
どんな幸せな景色を
あなたと一緒に
見ていれたのだろう…って。
あなたからの
最後の言葉
唇が動きだした
そんなギリギリまで…
こんな事を想って
ありえないことを
願ってしまうんだ…。
- タイムマシーン -
もし戻れたら…
あなたと出会う前に戻りたい
「こんなはずじゃなかった」
あなたは優しくて強くて綺麗で儚い
抱きしめたら潰れてしまいそうだけど
あなたは嫌と言って逆に私を潰してしまうのだろう
「心地よかった、気持ちよかった」
最初は自分を1人の男だと思ってた
でもあなたの前では男でも人でもなくなってしまう
あなたは私の『ご主人様』だから
私はそれに逆らえない
「でも怖いんだ…このままでいるのは」
タイムマシンがあれば戻れるだろうか?
もしかしたらこれは心地よくて不気味な夢なのか?
そうであって欲しい
私は………私は…
「自分が分からなくなるのが怖いんだ…」
『タイムマシーン』
私には憧れの人がいる。
背はスラッと高く、優しい低い声を持ち、頭の中に浮かぶ顔はもうはっきりとしないけど、抱きかかえてくれた時の腕の心強さだけは覚えている。
その人は私の命の恩人であり、おそらく私が初めて好きになった人。
「で、その初恋の相手が忘れられないから佐伯くんを振ったと?」
「え!? いやそういうわけじゃなくて……」
中学からの親友、なおちゃんは私の唯一何でも話せる相手だ。
「じゃあ何? うちの学年の女子達が何人も狙っているという彼をその場で振った理由が他にあるとおっしゃるんですか?」
まるで記者の取材のような勢いで、なおちゃんがマイク代わりのシャーペンを私に向ける。
「理由ってほどではないんだけど、今はそういうのはいいかなって……」
これは嘘じゃなかった。三ヶ月後には本格的に受験生となる今、部活はともかく、勉強以外のことが考えられるほど私は器用じゃない。
「ふ〜ん……まぁ葉月がそう言うならいいけどさ」
まだ納得がいってなさそうな顔でなおちゃんはそう言う。
「てかさ、その葉月の初恋の人。近所に住んでる人じゃなかったの? そんな田舎のアパートの前を通りかかった人なんて、探せばすぐに見つかりそうなもんなのに」
「それがね、私もそう思ってお母さんとか近所の人とかに聞いてまわったけど、誰一人そんな人を知ってる人はいなかったの」
「じゃあホントにただの通りすがりの他所の町の人だったのかもねぇ」
「逃げる時ね、あの人は腕に抱えた私を庇いながら火の中に飛び込んだから、外に出たとき腕に火傷を負ってたの。でも手当てもせずにすぐにどこかに消えちゃった。私、お礼すら言えなくてさ……」
「そんなヒーローみたいな人が相手じゃ、あの佐伯くんでもさすがに敵わないかぁ」
なおちゃんが茶化すように笑う。
「だから、そんなんじゃないって」
「でも、条件だけでいったら碧もいい線いってると思うけどなぁ」
「何で碧が出てくるの!?」
「だって2人は幼馴染でしょ? それも幼稚園の時からの。背が高くて、声がいい感じに低くて、あいつあぁ見えて筋肉も結構あるし。もしかしたら今の葉月でも抱えられるんじゃない?」
ニヤニヤしながらこっちを見るなおちゃんの言葉を私はすぐに否定する。
「ないない。碧はただの幼馴染、ていうか腐れ縁。第一、あいつはあの人みたいに優しくない。今朝だって、風で髪がグシャグシャになってるからってさ、『お前髪型変えた? 似合ってるな』ってバカにして笑うんだよ! ホントありえないんだから!」
真面目にそう言ったつもりなのに、なおちゃんには、またいつものが始まったと言わんばかりに「はいはい」と聞き流された。
私は課題のプリントを眺めながら10年前の出来事を思い出す。
小学1年生の冬、当時私の住んでいたアパートが火事で全焼した。火元は下の階の住人が消し忘れたストーブだった。
学校が休みだったその日、母が家を空けていたほんの20分の間にそれは起きた。気づいた時にはもう玄関の所に火がまわっていて、私はどうすることもできずに幼いながらに死を覚悟したのだ。
ところが、煙が充満した部屋で意識が朦朧となっていく中、彼は現れた。
その人は『もう大丈夫』と私を抱きかかえると、その場にあった父の厚手のコートを私に掛け、出口を塞ぐ火の中に飛び込んでいった。
呼吸もままならない程の熱気を抜け、どうにか火を避けながら下まで辿り着くと、彼は丁度到着した消防隊員に私を預けてその場を離れていった。
人混みの中に母の姿を見つけ安堵の気持ちでいっぱいになった私は彼の背中を目で追うことはなく、その後、彼の行方は分からなくなった。
あの時、彼がいなかったら私は今ここにいない。
彼の姿を思い出すたび、返すことのできない程の感謝と、きっと伝えることのできないだろう思いの狭間で私の心は揺れた。
「おはよ〜葉月! 今日もギリギリセーフ」
なおちゃんが遅刻ギリギリに登校してくるのはいつもの事だ。
「おはよー。なおちゃん、家すぐそこなのに相変わらずだね」
「これが近すぎるとかえってさ、家出るタイミングが難しいんだよね〜」
どうやらなおちゃんには余裕を持って早めに家を出るという選択肢はないらしい。
もうほとんどの生徒が揃った教室をなおちゃんは見渡した。
「あれ、碧まだ来てないの? 私より遅いなんてめずらしいじゃん」
なおちゃんに言われて碧の席に視線を送ると、確かにまだ姿がなかった。
「ホントだ。寝坊でもしたんでしょ。そのうち開き直って登校してくるよ」
でも、1時限目が終わり、2限目と3限目が終わり、4時限目が始まっても碧は学校に来なかった。
4時限目が終わったあと、授業終わりの担任を捕まえた私は碧が休んだ理由を知らないか尋ねてみた。
「あぁ。なんや怪我したって病院行ったらしいわ。様子見て2、3日は休ませますってあいつの母親から連絡があったわ……」
担任の言葉は途中から耳に入ってこなかった。
怪我したってなんだ。どれくらいの程度のどんな怪我なのか。
そんな止めどない疑問と漠然した不安で私の頭はいっぱいになり、私は午後の授業をずっと上の空で過ごした。
放課後、私は久しぶりに碧の家を訪ねた。
インターフォンを押してしばらく待つと、玄関の扉がゆっくりと開いた。
「おう」
そう言って顔を出した碧の右腕には肩の近くまで痛々しげな包帯が巻かれていた。
「『おう』じゃないでしょ! 病院行って学校休んだ上に、あと2、3日も休むだなんて」
「ったく大げさなんだよあの人は。明日には学校行くっつうの」
「そんなんで大丈夫なの? ていうか何でそんな怪我したの」
「これはその……別に」
そう顔を背けて片方の口角を歪めるのは、碧が嘘をついてる時に表れる癖だ。
問いただそうとしたその時、碧の包帯をしていない方の腕に付けられた古い時計が私の目に入った。文字盤は何故か数字が10までしかなく、その文字盤を覆う部分には深くヒビが入っている。
「ちょっと待って。私、この時計どこかで……」
頭の中に10年前の映像が浮かぶ。
迫りくる炎の中、私をしっかりと抱えたその腕にそれと同じような時計があった。
「いや違う。これは貰い物で、今はこの包帯に合うかなってたまたま……」
「数字が10までしかない時計なんて普通ないよ! その怪我ってまさか火傷だったり……いや、そんなわけ……」
いろんな可能性が私の頭の中によぎった。
私は混乱を振り払うように、陽が落ちかけた家の前の道路に飛び出した。
「危ない!!」
その声に振り返ると、すぐそこにトラックのヘッドライトが迫ってきていた。
不意の出来事にその場に立ち尽くした私は、突然どこからか強い力に引っ張られた。
「危ないだろ! お前がここで死んだら助けた意味がないじゃないか!」
気がつくと私は碧の腕に引き寄せられていた。
「……今、なんて……」
「だから、お前が死ぬなんてのは一度で十分なんだよ!」
「私が死んだって……私、生きてるよ」
「そうだ。でも俺が元いた世界では死んでんだよ、あの火事で」
「じゃあ……やっぱり、あの時のあの人……あの時、火の中から私を助けてくれたのは……」
「俺はお前のいなくなった世界を生きていた。あの火事を、どうすることもできずにただ見ているしかなかったことをずっと後悔しながら」
あの時、同じく小学生だった碧もあの現場にいたのだ。
「それから10年が経って、お前を助けるチャンスをもらった。この時計で過去に戻れるってな」
碧がヒビの入った時計をこちらに向ける。
「そんな危ないことして、碧まで死んだらどうするの」
「俺が死ぬわけないだろ。お前を助けないままで死ねるかよ」
私の命の恩人は碧だったのだ。10年憧れて、探し続けた相手はこんなにも遠くて近くにいたのだ。
「碧……私ずっと探してた。あの時私を助けてくれた誰かを。まだお礼も言ってなかったから」
私は碧と視線を合わせた。
「私を助けてくれてありがとう」
私がそう言うと碧は黙って頷いた。
「あのさ、こんな事言って申し訳ないんだけど」
「ん?」
「どうせ助けに戻るんだったら、火の中にじゃなくて、もっと早くに来てくれれば良かったんじゃない?」
碧が意表を突かれたような目でこっちを見る。
「だってそうでしょ。わざわざ火事が起こってから助けに来るなんて」
「俺はただ、あの時助けられなかった瞬間に戻ろうと思って……」
「碧って、前の世界でも相変わらずだったんだね」
「はぁ!? それを言うならあの頃の葉月はもっとこう、おしとやかで愛嬌があって……」
「それどういう意味! まるで今の私がそうじゃないみたいじゃん!」
私が食って掛かると碧がニヤッと笑う。
その表情に一瞬顔をしかめた私は、ふと浮かんだ疑問を口に出した。
「今の碧が別の世界から来た碧なら、この世界にいた碧はどこに行ったんだろ」
私の疑問に少し考え込んだ碧が口を開こうとした時、突然夜の住宅街に冷たい風が吹き込んだ。その風で私の髪が乱れる。
そんな私を見て隣にいた碧が吹き出した。
「なんなの、失礼な」
私に合わせて少し腰を落とした碧が私の目を見て笑う。
「その髪型似合ってるよ」
わたしには
タイムマシーンは要りません
わたしの目的地は
来世
そこで待っていてくれる人に
逢うために
今を精一杯
生きていかなければなりません
過去や未来に
寄り道をしている暇など
どこにもないのです
# タイムマシーン
「タイムマシーン」
パート①
タイムマシーンがあったらな
過去に行って教えるの
これから起こる災いを
喜びに変えるために行かないと
タイムマシーンがあったらな
ちょっと前の失敗を
成功に変えるために
努力しよう
タイムマシーンがあったらな
未来に行って叫ぶんだ
今の自分のこと全部
先にある自分にぶつけよう
自分を見つめなおすとき
タイムマシーンがあったらな
いろいろなところに行って探すんだ
自分のあるべき存在を
自分だけの物語を
詠歌
パート②
タイムマシーン
それはきっと己の中の
絵巻物だと言えるだろう
詠歌
あの日あの時の小さな後悔
もしも…なんて思うけれど
きっとこの道が最善なのさ
最善が今に繋がってるのさ
経験が自分を作っているか
未来から導かれているのか
もしや夢の中で時間飛行か
分からないから美しいのさ
色んな伏線を張り巡らせて
最高の人生に仕上げるのさ
『タイムマシーン』
タイムマシーン
イフえの憧れなのかな
総合的には
そんなに変わらない気がする
経過の誤差で
本人がどう思えるかは大差
決定的には違わない
誰にそれを負わすのか問題で
全ての決定を試さないことには
どれがベストかも判断できないし
ざっくり言うと
生きてれば死ぬんだけど
生そのもの死そのもの
これ自体は変わらないよ
あと経過も自分1人では決まらない
避けられるなら
避けれたほうがいい
そんな過去もある
しかしそれは経験したからこそ
そう思うんじゃないかな
タイムマシーンを使った後は
それはもういまの自分ではない
常にいまなんて自分は変化してくけど
タイムマシンを使ってみたいですか?あなた自身に備わるタイムマシンを使ったことがあるでしょうか。それは宇宙の根源から繋がる次元移動装置です。今ここから発生しており、あなた方のポータルから移動可能となりますよ。
さぁ今すぐポータルを開けてください。あなたたちが私たちのエネルギー、宇宙エネルギーと同期し、目を出すようにどんどんと伸ばしていく感覚です。宇宙に伸ばして探索することによっていろいろな惑星に到達することができるでしょう。
あなたは今すぐにいろいろな星とコンタクト試みることができるのですよ。そしてあなたの未来生や平行生は今まさにあなたとコンタクトを取りたがっています。
それは今ここですぐにできることです。特に1月23日2時34分、これは既に可能となっておりますよ。さぁ試してみてください。
タイムマシンがあったら
未来を知りたいか
過去を変えたいか
私は変えたい過去が沢山あるけど
やっぱり変えないと思う
だって変えてしまったら
現在が変わってしまうから
過去を変えた所で
心に負った傷は消えなくて
事実が変わっても
私の身に起きた事実は消えない
辛い経験があった
嫌な事があった
変えたい過去がある
消したい過去もある
けれど全部が私を形作る要素で
全部が現在の私の未来に繋がっている
だからきっと過去を変える事はないだろう
そして未来を見にいく事もしない
知らないからこそ楽しいから
それはそれとして
過去の事実を
この目で確かめたい気持ちはあるね
昔行ってた駄菓子屋さんの屋根の色を確認したいとか
初恋のお兄さんの顔を拝みたいとか
そんな記憶の端の疑問も
ピラミッドがどうやって作られたのか
ケネディ暗殺の犯人は誰なのか
UFOがアメリカに来ていたという話は本当か
なんていうオカルトチックなミステリーも
どれも現在では確かめようが無い過去で
変えたい過去を変えられる訳もなく
どれも出来たら良いなのお話で
その妄想を楽しいと思えるかどうかの話
私はこんな大層な事を言ってみても
やっぱり変えられるなら変えたい過去が沢山あって
変えられるならを考える度に
辛かった過去を思い出しては苦しくなる
本当にこの手にタイムマシンが手に入ったら
私は過去を変えてしまうかもしれない
それが現在を変える大きな事柄だったとしても
自分の運命が全く違うものになるのだとしても
それで私は救えなかった私を救えるかもしれないから
縋るものがそれしか無いのだから
#タイムマシーン
タイムマシーン
でーきた!じゃじゃーん!これを使えば何時にでも行けるよ!
え!すごいじゃーん!…ってことは、君は今じゃないいつかに行きたいってこと?
いんや?でもそういうきかいがあってもいいかなぁって思って
なるほど。まぁでも自分は必要ないかなぁ
どうして?
「今」を過ごすことが何より楽しいからね
ふーん。じゃあ要らないか
そう言って廃材入れと書かれた箱にそれを放り込むと、君は嬉しそうに笑った
今ってことは一緒にいる「今」ってことでいい?
そうだね。かけがえのないこの「今」だよ
過去に行っても「今」になるし、未来なんて結局は「今」の積み重ねなんだから
隣の家のお姉さんに恋をした。
「お姉さんは…その人のこと…好きなの?」
「えっ!?あ、ははっ…恥ずかしいなぁ。どうだろうね。でもその人に会いに、12年前の過去に戻りたいと思うほどには好きなのかも…」
子供ながらに思った。叶わない恋だと。
僕よりも12歳も歳上で、綺麗な黒髪は夜に散らばった星たちよりも光輝いていた。
「恥ずかしいから…もうこの話はおしまいね」
僕を優しく見つめるあの眼差しに恋をしていた。
「あっ……あのお姉さん!またタイムマシンの話しして!」
「好きだね?いいよ」
お姉さんとの会話を終わらせたくなくて、お姉さんが部活で研究しているというタイムマシンの話を興味もないのに聞いてた。
こんな何気ない日常だけでもお姉さんへの恋心は募るばかりだった。
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「気を付けてね。はぐれないように手を繋ごうか」
ソースの香ばしい香りと甘いりんご飴の香りに包まれて、僕とお姉さんは夏祭りに来ていた。
「今日は絶対に私から離れちゃ駄目だよ!」
「お姉さん。僕もう6年生だから」
「それでも離れちゃ駄目だからね」
そういうとお姉さんは僕の手をぎゅっと優しく握った。
「今日はりんご飴を食べるをノルマに楽しもうかなー」
「お姉さん…りんご飴食べたいの?」
「お祭りと言ったら…りんご飴でしょ?」
目を輝かせてお姉さんは人混みの中を進んでいく。
「あれ!来てたの?」
お姉さんが、ピタリと立ち止まるとお姉さんが時々来ている体操服を来た人達がいた。
「私ら部活で居んの。来てるなら言ってよー」
「あははーごめんね。今日は…」
「お姉さん…僕のことは気にしないで。僕、あの石のとこにいるかるさ」
僕が石を指さすとお姉さんは、そこから離れないでねと忠告を残して友達と話しているようだった。
「りんご…飴」
お姉さんの喜ぶ顔が思い浮かぶ。
僕はそっとその石を離れて1人で人混みの中を急いだ。
「はい、りんご飴ね」
「あ、ありがとう…ございます」
少し遠い所にりんご飴の屋台はあった。
時折、車が通る。
「早く…戻らなきゃ…」
もしかしたらもうお姉さんは友達と話をしていないかもしれない。
「危ない…!!」
周りの声がより一層大きく聞こえる。
地面には先ほど買ったりんご飴が無惨にも割れていた。
僕は、力いっぱいに押されて地面に倒れている。
僕がさっきまでいた場所にはお姉さんが倒れていた。
「ちょっと救急車を!」
「女の子が轢かれた!」
「お、お姉さ…ん…?」
僕が近づくといつもの優しい瞳で僕を見つめている。
「あのね…本当は…あなたに会いたくて…12年前の過去に…戻ってきた…の。あなたは今日の…祭りで…私を助け…るために…車に轢かれた…ずっと眠っている…あなたを…みて…過去に戻りたいと…思った…会いに来…たよ」
「お姉さん…喋ったちゃだめ!今…タイムマシンの…話はいいよ!」
お姉さんは力なく僕を抱きしめる。
「今、しか…言えない!好き…だよ」
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「その人のこと…好きなの…?」
「えっ……。そうだなぁ。好きだよ。多分、この先あの人以上の人には出会えないんだろうなって思うほどには…。というかこの話は…僕が恥ずかしくなるのでもう辞めです。」
12年の歳月が経った。
お姉さんはずっと眠ったままでいる。
お姉さんと同じ歳になってわかったことは…お姉さんもこんなに寂しくて辛い気持ちでいたのかな。
叶わないって思ってた恋だったけど、あの何気ない日常に何よりの幸せを僕は感じていた。
「あの…お兄ちゃん!私にまたタイムマシンの話しして欲しい!」
「好きだね?いいよ」
だから、僕も会いに来たよ。
タイムマシンが使えたら、
自分が生まれないよう阻止したい。
そしたら、あの子のこと泣かせずに済む。
傷つけずに済む。
あの子とは出会いたくなかった。
それくらい、大好きだった。