『セーター』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
〔セーター〕
せつなさ。
切なさ。
刹那さ。
セーターから中森明菜が浮かぶあなたはきっと同年代。
ヒーター
あったかい。
温もりをくれる。
ずっとそばにいたい。
セーターの天敵が毛玉である、ということに異論を唱える人はまずいないだろう。
わたしはあまり洋服の1着1着を大切に着るタイプではないので、毛玉だらけになったセーターは、たいてい1シーズンでお別れしてしまう。
しかし1着だけ、どうしても捨てられない毛玉だらけのセーターがある。もちろん自宅用で、よそ行きではない。
それはいつだったか、ハリー・ポッターとのコラボ商品としてGUで売っていたセーターだ。茶色の生地にうねるようなスリザリンの蛇マークが、ミントブルーの大柄で一面に描いてある。どう考えても非常にダサい。買った自分ですらデザイナーのセンスを疑う逸品だ。
ハリー・ポッターをあまりよく知らない家人には「う…ち」の柄だと勘違いされてしまった。
それはちょっとあんまりだし、そもそも茶色とミントの配色が逆だろうと思いはしたが、いずれにしてもダサいことに変わりはない。
なので「これは蛇です」という反論にとどめておいた。
そのセーターはXLサイズで大変暖かく、着ておけばコートいらずという、とても機能的な品だった。着ていけば同僚に「微熱さんはおしゃれですね」といわれたが、100%お世辞だとわかるのもポイントが高い。
しかし冬の間それを着てデスクワークをするうちに手元が毛玉だらけになって、とてもよそには着ていけなくなった。今は自宅でパソコンを弄るとき以外着る機会がなく、毛玉はどんどんと増殖する一方だ。
ただ、いつの間にか、増えた毛玉を見て「悪くない」と感じるようになった。
過ごした年月の蓄積だからか。あるいは「捨てるに捨てられない」葛藤の積み重ねだからか。
うまく捨てられない留保の連続を愛着と呼ぶのなら、毛玉だらけのセーターと私の関係は疲れた恋人同士のそれに似ている。
膨大な量の毛玉をいまさら取りきれないのなら、いっそのことくたくたのそれと添い遂げるのも、まあ一つの手なのかもしれない。そのセーターを選んだのは私だし、いまも実際気に入ってはいるのだ。
昨今の男女間というのは、どうにもフラットなものばかりが求められているような気もする。誰と話していたの、なんてほんの少しの嫉妬心を見せれば"束縛"などと言われ、手作りの、それも形に残るものを贈れば"重い"などと言われる。かつてはみんなの憧れであった手編みのセーターなんて贈れば立派な重力女の出来上がりだ。
今の彼氏は、嫌いではない。というか好きだ。でないと付き合ってられない。まあまあ長く続いていると言うことは、少なからず好きという気持ちがあることになる。少なくとも、私はそうだと思っている。
普段は大人しいけれど、ロマンチックな雰囲気になれば愛を囁いてくれる。人混みではぐれないように、自然と手を繋いでくれる。素っ気ない普段の態度が、ギャップになって、ますます好きになって目で追ってしまう。だから、気付いてしまう。
バレンタインデー、手作りのチョコを贈ったときは素直に喜んでくれた。誕生日、いつもより豪華な――といっても大学生に出来るくらいのだが――食事と、ペアブレスレットを贈ったときも、少し困惑しつつも喜んでくれた。クリスマス、手編みの手袋を贈った。彼は、一瞬戸惑いと、そしてほんの少しの嫌悪感を滲ませて、けれどそれを取り繕って喜んでくれた。
だから、気付いた。気付いてしまった。私は、他人から見れば重いんだなぁと。私の価値観は、今の社会にはそぐわないんだと。
だから、彼から別れようと告げられたとき、驚きは無かった。すとん、と胸の中に落ちた。彼は、どこまでも優しかったから「彩夏は悪くない、おれの問題なんだ」と言ってくれたけど、それは絶対私の問題だった。
それから、二人の男と付き合った。大学生なんてバカばっかりだ。ノリと勢いだけで生きてるから、直ぐに付き合って別れてをする。私はそんな馬鹿にはなるまいと思っていたけど、どうやらバカになっていたらしい。
二人には重い側面を見せないように、サバサバした、それでいてどこか可愛げのある女の子をしていた。けど、長続きはしなかった。直ぐに疲れてしまった。そして、私から振った。
「私、何が悪いんだろぉ。いいじゃんかぁちょっと位重くたって。大好きの裏返しだろー?」
「はいはい、彩夏はいい女よ。ていうか重いとか体軽い私への当てつけか?この隠れ巨乳め」
「そういう話じゃなぁい!」
クリスマスイブ。今年は彼氏もいないから、友達の茉優と宅飲みをしていた。最初は当たり障りのないくだらない会話。段々とプライベートな話。そして、いい感じに酔いも回ってきて、代わりに呂律は回らなくなってきた今、私は溜まりに溜まった鬱憤を茉優にぶつけていた。
「いいじゃん手編みのセーター贈ったってぇ。わぁしの作ったもの着ててほしい!重い女のほうが浮気しないし家事だって出来るいい女だもん!」
「そうねぇ、あと二十歳超えての『もん』はキツくない?」
私は下戸だ。そのくせ酒好きで、それでもって酔っていた時の記憶を完璧に覚えているのだから、次の日に悶えることも多かった。
だから、というわけではないが。この日の選択は、きっと酔っていたからだ。
「はい、そんな彩夏にプレゼント」
「ん?あぁ、ありがとぉ。……あっ、わらし何も用意してなくない?」
「私に聞かれたって分かんないわよ。それより、中身見て頂戴」
「ぁああぁ茉優ごめんねぇ、何も用意してないダメダメ女でぇ」
クソだるい絡みをしながら、覚束ない手付きで丁寧な包装を破かないように開けていく。……ちょっと破けたのは必要経費だ。
「んぁ?お洋服?」
「そ、いいでしょ」
「うん、ありがとおねぇ……これ、手編みぃ?」
「……そうよ」
酔っていたときの記憶が正しければ、その時茉優の顔は赤くなっていたと思う。多分、私の顔も、酔いなんかじゃ説明つかないくらい。
「ね、彩夏。プレゼント、彩夏も頂戴?」
「だからぁ、わたしは用意してなくってぇ」
「いいから、目を閉じて」
言われたとおりに目を閉じる。何をされるかは、何となく、いやはっきりとわかっていた。なのに、拒まなかった。
唇に、柔らかくて、熱くて、ほんのちょっぴりレモンサワーの味がする、なにかが触れた。
「ねえ、彩夏。なんだか、暑くなってきちゃった」
軽い男が言いそうな台詞を、重い女が言ってきた。なんだかおかしくて、少し笑いながら、二人して一枚一枚服を脱がせていった。二人の影が、一つに混ざり合っていった。
「はいこれ、クリスマスにプレゼントできなかったから、バレンタインにまとめてあげる」
「……クリスマスには彩夏の大事なモノ貰っちゃったケド」
「はいこれ、クリスマスにプレゼントできなかったから、バレンタインにまとめてあげる」
「……ああ、はい。これ、今開けちゃっていい?」
「ん、もちろん。早く開けちゃって」
「この激重女め」
「お互い様でしょ」
【セーター】
もうすぐ12月
若いころは
冬になるとモコモコのセーターを着て
寒さをしのぐ&セーターでかわいさをアピール
なんてこともできて
ファッションを楽しんでいた
最近は
更年期のなんたらかんたらで
室温の設定を20℃にしていても
暑くて汗がにじんだりする
なので
ここ数年は
真冬でもまずは長袖のTシャツを着る
その上にカーディガンを羽織る程度
それでも暑くてカーディガンを脱いだり着たり
ほんとはかわいい色の
モコモコセーターを着たい
あと何年かしたら
このガーッと暑くなるやつも終わるはず
そしたら
かわいいセーターを着て
また冬を満喫したいなあと思っている
セーターを買った。
それも好きな人が来ていたのと同じセーター。量販店でよく見る色と形。それでも彼が着ていた。私にはそれだけで価値がある。
次の日に着ていくことを決めた。
決めた次の日に後悔した。
彼は全く違うセーターを着ていたのだ。
彼の趣味とは違うセーター。
ちょっとだけはにかんだ顔をして。
在りし日のセーターは
ひと筆書きのように燃えて消えた
羨ましく
羨ましく
「セーター」
「こんな古くさい手編みのセーターなんて要らない」
またあの日の夢を見ていたことに気付いた
もう5,6年も前の話だ
けど、私はあの時のお母さんの悲しそうな顔が忘れられない
あれが最期だなんて思わなかった
あの時はお母さんの愛情が分からなかったんだ
手編みのセーターがいい
だから
セーターにムギュと顔をうずめる
チクチクの繊維が痛い
セーターにムギュと顔をうずめる
チクチクと心臓が痛い
肌ざわりならコットンだけれど、幸福感なら断然ウールだ。
肌にしっとりなじむコットンとちがって、ウールの場合、肌とセーターの間にいつでも少し距離があり、その空間の微妙な体温は、ちょうど幸福、という温度だと思う。
江國香織
「楽天的なミイラ」
#セーター
"今年の冬は記録的な寒さになるでしょう"
朝、寝ぼけた目を擦りながらニュースを
流し見しているとそんな言葉が聞こえた。
嫌だなぁ、寒いのは苦手なのに。
単純に寒さに弱いだけもあるけれど、
今年の冬は1人で過ごさないといけないから。
2年前に同棲を始めた彼は、
今年の夏に仕事でパリへ行ってしまった。
来年の夏には帰って来るけれど、
同棲して初めて1人きりで過ごす冬。
そんな年に記録的な寒さだなんて。
「もう、早く帰ってきてよ…」
思わず漏れた声をかき消すかのように
チャイムがなった。
「え、こんな朝早くに誰…?」
「すみません、速達です」
「あ、ありがとうございます」
誰からだろう…。しかもこんな時間に。
「嘘…」
宛名を確認すると彼からだった。
思わず袋を破ると、中からセーターが出てきた。
"今年の冬は一緒に過ごせなくてごめんね。
君がいなくて、パリで凍えそうだよ笑
お揃いのセーターを買ったから送るね。
来年の冬は一緒に過ごそうね。大好きだよ"
手紙と共に、同じセーターを着た
彼の写真が入っていた。
「もう、私も凍えそうなんだけど…笑 大好きだよ」
さっきまで寒さで震えていた体が
彼の笑顔とセーターで温まった気がした。
【歪んだ愛】(上から、下から読むと、、、)
メリークリスマスと今年も始まった特別な日だからね
今年も私と楽しい夜を過ごそうね!
今年はこれをプレゼント♡
「セーター」
これを着れば今年の冬は乗り越えることができるでしょう?
私の愛する人♡♡
やっと久しぶりに会えのに
なんでそんな顔するの、、?
今日はクリスマス!
ほんとツンデレなんだからそんなとこも大好きだよ!
グサッ。あぁドキドキする。
二人だけだったらと思うよ
他からの印象とやらに
あまりに無頓着な君を
連れ出して買った赤い服
気に入ってくれたし
最初のクリスマスに着て来てくれた
君にとても似合っていた
写真の中で
最近見なくなった笑顔で
知らない人間の隣に座る君が
それを着ている
ああ世界が
君と私の二人だけならと思う
寒い季節は特に
『セーター』2023/11/2516
あったかいもこもこしたセーター
ちょっぴりちくちくするセーター
ぱちっとびりびりするセーター
ふんわりぬくぬくできるセーター
あなたの思いが詰まったセーター
いつでも着てたい可愛いセーター
ボクの身近にいつものセーター
お題『セーター』
編んで縫って可愛らしくて
いろんな色があって
いろんな種類があって
「ねぇ、これ似合う?」
と聞いてきて
結局違うの選んで買って
買ったばかりのを身につける姿は
やっぱり可愛くて
冬も捨てたんもじゃ無いな
なんて思ったりして
–セーター–
『セーター』
「ごめん!遅れた!」約束していた時計台で待っていると彼女の声がスッと耳に入る。彼女は少し前髪を気にしながら小走りでこちらへ向かってくる。僕がいつも集合時間の1時間前に来ているせいで彼女にいつも遅れていないのに遅れてしまったような態度を取らせてしまう。彼女には申し訳ないと思っているが僕はそれくらい少し前髪を気にする小走りの彼女が好きだった。僕らは出会ってから約一年、付き合ってから約半年だったためお互いがお互いの冬服を見たことが無かった。彼女は黄色いセーターを羽織り、袖口からは指が3本だけ見えていた。このままでは3本の指が寒いだろうと思い、僕は彼女の手をそっと掴んでポケットにしまった。時計台の長針が音を立てるより先に。
セーターか…冬の定番だなぁ。
洗濯しても、なかなか乾かないんだよなぁ。
と愚痴を言っても仕方ない。本格的に寒くなってきたけれど、セーターはまだ着ていない。私の冬のパターンは、タートルネックの服の上にセーターを着る、二枚重ねのパターンだ。
まだ秋の格好でいる。タンスの中をのぞいては、セーターはまだ早い、と手を出さずにいる。
もう着てもおかしくないんどけどね。冬の到来をまだ認めたくなくて、意地をはっているだけなんだ(笑)。
「セーター」
外は寒い。その分、こたつが温かい。
こんな日は1日中家の中にこもっていたいけれど今日はそうはいかなかった。
そういえば彼と初めてであった日も、今日と同じような状況だった気がする。
一年前の冬…
「美憂。そろそろ家でないと、塾に遅れるわよ。」
お母さんの大きな声がキッチンから聞こえてきた。
今日寒いし、塾休めないかな。
そんなことを思っていると、お母さんがキッチンから出てきた。
「ちょっと、はやくしてちょうだい。お母さんだって暇じゃないんだから。」
お母さんはいつもにましてイライラしていた。
おそらく、原因は離婚した父親が会いに来るからだ。
離婚してしばらくたつのに、お父さんは未だにお母さんのことを引きずっている。
今日塾を休みたいと言っても、余計に機嫌を悪くするだけだろう。
「今行くから。」
私は仕方なく、塾へ行く準備を始めた。
塾につき、私は車から降りた。
「じゃあね」
お母さんの車を見送ったあと、目の前にそびえ立つ大きなビルを見上げた。
このビルのニ階に、私の通っている塾がある。
受験を受けなくちゃ入れないような、名門塾だ。
でもどうしても今日は行く気が出なかった。
サボったらバレてしまう。
塾をやめさせられて、お母さんに打たれてしまう。
だめだとわかっているのに、私の足はどんどんビルから遠ざかっていく。
たどり着いた先にあったのさ、小さな公園だった。
そこにある遊具はブランコだけで、あとは木のベンチがぽつんとあるだけだった。
寒いから屋内に入りたいはずなのに私は吸い込まれるように公園内に入っていった。
よく見ると、ブランコには同い年くらいの男の子が座っていた。
彼も私に気づいたみたいで、「あっ」と小さな声を上げた。
何となく彼のことが気になって私は男の子へ近づいていく。
「隣、いい?」
ブランコを指さして、私が尋ねると、男の子はコクリと頷いた。
しばらく二人でブランコをこいでいたとき、私はあることに気がついた。
「それ、うちの塾のスクールバックじゃ…。」
彼はびっくりした表情で私を見つめた。
「きみ、星羅塾に通ってるの?」
「うん、そうだけど。」
「僕、今日からこの塾に通う予定だったんだけど、サボっちゃって。」
「入学初日からサボったの!?」
編み物は 心が安らぐ
1,2,3,4,目を数えて集中
他のことをきれいに忘れ
ひたすら手を動かす
きっと脳波も安定
セロトニンも出てるはず
そのうえ気付けば
大切なあの人に
ちょっとした作品が仕上がってる
Happy knitting 🧶♪
「セーター」
#255
私が高校生の頃の話です
知り合いのヤンチャな方が
真面目にセーターやら編み物してる姿を見かけて
腕の長さが左右…(笑)袖口も解れていて…(笑)
でもって真面目に一生懸命なんです!
彼のために一生懸命なんです!
今度は彼の好きなヤンチャな車のプラモデルを…(笑)
また一生懸命なんです!彼のために一生懸命なんです!
今度はクリスマスケーキです…(笑)…ねぇ…(笑)
一生懸命なんです!ひたすらに向かう姿…素敵でした!
その人は苦労人と知ってました…
子供の頃から真面目に一生懸命生きて…
弟2人妹1人お母さんと協力しあって…
私が恋でなくて初めて身内近親者以外の
母性愛を感じた方でした
私の共通な友人も何人か同じような思いをしてました
しばらく…いやいやしばらくどころか…一昔以上後に
紆余曲折有り離婚されてお子さん2人と暮らしていると…
またしばらくして…
とあるマンモス団地の脇のコンビニの駐車場で
会社の名前有る白いバンに乗った姿を見かけて…
何か…一生懸命電話していて…
何も変わってないや…
そう思いました…
声掛けてバカを言ってみたい…
思ったけど…
一生懸命な変わらない姿に…
声は掛けれず…
私は私で…
今日も一生懸命に過ごそうと思いました
変わらない母性愛…
私は大人な嬉し泣きしそうで…
ただただ変わらない母性に
一生懸命な姿に感謝しました🍀
当時好きなアーティストの
UP BEAT
シスタートゥモロー
最近はそんな歌を思い出して口ずさんでいて…
あなたが若い時に俺や俺の仲間やヤンチャな人へくれた
その母性愛は沢山の心地好い愛情を育てたよ
いつかまた何処で見かけたら言いたいと思います
これまでも これからも一生懸命に過ごして
一生懸命な自分でありがとう言おうと思います🍀