『セーター』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
編み物好きな母が昔
編み機で編んでいたセーター
何とも言えない色のセンスを
今でも覚えてる
子供の頃毛糸を頼んだら
買ってきたのはオレンジ色
蛍光色に近いその毛糸で
悩んだ末にマフラーを編んだ
色的にどうにも使う気がせず
後で解いてしまったっけ
帰省するといつも
日が差し込む和室の窓際で
操作し易いラジカセを傍に置き
好きな演歌を聞きながら
ちょこんと座って
黙々と何かを編んでた母
きっと今年の冬も
まだ宛ては無い誰かの為
冬の足元を温める
靴下なんか編んでるんだろう
「セーター」
着たこともない、ピンクのセーター。
白い編み目に、麦みたいに一面穂をつけた、
やさしく細やかに紡がれた糸たち。
「麦みたい」一面のその世界の上に足をおろした君は、きっとそう言うだろうな。わかんないけど。
きたこともないコーデで、わたしは街を歩ける。
ほんわりほんわりと、宙をつかむように、足は雲のうえにぽっかりぽっかり、足をおろしていく。
リズミカルに、君がはしったあとを、
僕も ほそやかに こまやかに ふんわりと ほんわりと 雲の上をなでていく。
暖かさって伝わりにくい
こんなに一生懸命でも
感謝してても
誤解を解こうとしても
伝わらないことがある
でもそこには
本当は過去の自分がしてきたこと
あなたと真っ直ぐに向き合えなかったこと
それらが邪魔してるってわかってる
編んで編んで少しずつ大きくなる
セーターみたいに
私も少しずつでいいから
あなたからの信頼を取り戻す
努力をします
そしたらきっと
伝わるはず
#セーター
セーター
セーターは、チクチクするから苦手
着たら暖かくてポカポカする
心までポカポカする
あなたの肩に額をつけたとき
セーターの毛の感触とぬくもりの匂い
あなたに触れた場所全てから
幸せが入りこんで身体中へ巡っていく
『セーター』
貴方が編んでくれたセーター。どんなに縮んでも、どんなに汚れても、貴方が最初に編んでくれた物だから。
私は大切にし続けたい。
そんな戯言を、貴方は今も天国から見てくれているだろうか?
もしかしたら、幽霊になっているかもしれないし、地獄に落ちているかもしれない。
でも私は貴方のセーターだけは、貴方のいる所迄持って逝きたい。
今、逝きます。貴方のセーターを着て
セーター
ばかなの?笑
あほだよなお前笑
偽善者!
善人ぶるな!被害者ぶるな!
お前なんかが高校行けるはずないだろ笑
これお願い!
真っ白だった僕のセーターには灰色の染みができていく
僕が悪いのだろうか
僕があの子等を…
友達を助けたのがいけなかったのだろうか
助けてって言えば?
そんなこと言えるわけないじゃん!
断りなよ
断れるわけないじゃん!
灰色の染みが増え黒く染まりほつれ1本の毛糸になる
いつの間にこんなにも増えていたのだろうか
いつの間に壊れていたのだろうか
ブツンッ
もういいか、
【sweater】
私は己の持つ野望が
己の持つ才能では成し遂げられないと悟った
やりたいことと自分にできることは比例しない
どれだけ頑張ってもたくさんのお金をかけても
幸福は得られず冬風のように冷たくなっていく
しかしその寒さを遮る方法がわからなかった
寒空の下セーターを纏い私は
自分の才能の中で生きるか
野望の渦に飲まれるかを選択する
人生の岐路はとても過酷である
#46 大切な人がセーターを編んでくれた。
このセーターをきて、出かけることが出来ますように。
まだデートもし、10代なのに。
そう、点滴につながれながら車椅子に座って思っていた。
___セーター
あったかい。
チクチクな。
でもないと困る
そんなセーター
あったかい。
☆セーター☆
めいちゃんは、二歳の初めまでは、よくお洋服を着せていた。
お出かけする時は、ワンピースや、パーカーや、セーター。
誕生日は、ドレス。
夏のお祭りに出かける時は浴衣。
お正月は着物。
凄く可愛かった。
だか、二歳になってしばらくすると急に、お洋服を着ると硬直し一歩も動かなくなった。
急に自我が目覚めた見たいで、お洋服を着せるのを辞めた。
私は、めいちゃんの乳歯、小さいときの首輪、避妊手術した時のエリザベスカラー、それにお洋服等は、全部宝物箱に保管している。
全部めいちゃんとの大事な思い出だから。
時々、宝物箱から、小さくなったお洋服を出して、めいちゃんに見せながら、『この服は、お出かけする時に沢山着たね~。』『このセーターは、じぃじがめいちゃんが初めてのクリスマスだからって言って、プレゼントしてくれたね~。エゾシカの缶詰めをこの時初めて食べたね~。』『めいちゃんは、浴衣と着物がよくにあってたね~。似合いすぎるからママ奮発して、着物2着も買ったね~。しかも、ファー付き。』っと独り言を言いながら、出しては、めいちゃんと照らし合わせて、『めいちゃん大きくなったなぁー。』と思いながら、思い出に浸る。
今はお洋服は、もう着ないめいちゃん。
だけど、首飾りでお洒落を楽しんでるね。
首飾りは大好きだから、顔の前に出すと自分で顔を入れてくる。
新しい思い出は、首飾りで沢山刻もうね。
セーターか。
あまり着ないな。アパレルでバイトしてるけど、中々挑戦したいと思えてないな。意外とアリかもな。セーターをみると、なんだか暖かい気持ちになるよね。特に赤とか?クリスマスが近いシーズンだからなのか。
やってしまった。
昨晩、洗濯機に適当にぶち込んだ衣服の中に縮んだセーターを見つけ、朝一番の軽い絶望に頭を抱えていた。
本当に、何も考えていなかった。確か、これを着たまま寝落ちしてしまい、カーペットとの擦り合いのせいで帯電してしまったのが気持ち悪かったので脱ぎ捨て、寝ぼけた頭のまま洗濯機にぶち込んだのだ。
あまり鮮明に覚えていないが、大体そうだった気がする。
虫にくわれ、静電気が発生し、洗濯で縮み……なんとも面倒くさい衣服だ、セーターは。
……しかし、俺はこんなセーターなんて買っていただろうか?
セーター
向い合うひとにも じぶんにも
モコモコのあたたかいセーターを届けよう
ふわっとこころをつつみこむ
あったかいことばをめいっぱい編み込んだ
わたしメイドのセーター
修行が必要だけど......
子どもは3歳までに親への恩返しを全部する、
みたいな話を聞いたことがあるけれど
確かに私のことを大好きでいてくれた時もあった。
あの時代をもっと味わえばよかった。
いつも一緒にくっついてあったかかった。
今では、冷えた体にセーターを重ね着して暖める。
あたしはあとどれくらい
ひとりで意味もわからず生きていくんだろうか。
セーター
玄関を開けたら、そこには彼がいた。自分よりも背が高いから見上げるような形になる。
「入れて」
明らかに寒そうな様子に、仕方ないな、と体を横にずらした。満足げに微笑んで、彼はいそいそと靴を脱ぐ。ふと見た外の世界は細かい雪が降っていた。
どうりで寒いわけだ、とドアを閉めて、すっかり寒くなってしまった体を暖めるためにこたつへと向かう。
「何か飲む?」
手を洗い終わった彼がキッチンからひょっこり顔をのぞかせた。せっかくだから、と甘えてココアを頼めば、鼻歌が聞こえてくる。
少し経って彼が二つ分のカップを持ってこたつへとやってきた。甘いココアが入った方を渡されて、ありがたくいただく。
あたたかい飲み物で内側からさらにぬくぬくと暖まっていたのに、急に足先が冷たいものに触れて、ぴっ、と鳴いた。すぐさま足を引っ込めれば、いたずらっぽく笑う彼が目の前にいた。
じとー、と見つめれば、彼はまたこちらに触れてこようとする。冷たいからやだ、と言えば、彼は少しだけ寂しそうな顔をして下手くそな泣き真似をした。
「だって、寒いもん」
可愛い子ぶったような表情をされても、これは許せない。せっかく暖まったのだから、とこたつ布団にくるまれば、彼は立ち上がって正面からこちらの後ろへと移動する。
後ろから抱きしめるようにこたつに入り、こちらに体重をかけたりしてじゃれてくる。
しばらく構ってやっているとだんだんと暑くなってきて、着ていたセーターを脱ごうとする。しかし、しっかりホールドされているため、上手くいかない。少しでも動こうとすれば、さらにその腕の抱きしめる強さは強くなる。ぺしぺし、と腕を叩いて合図をすれば、耳元で甘い声が落ちる。
「だーめ」
むっ、と唇を尖らせれば、それに吸い寄せられるように彼の唇が落ちる。ちゅ、と可愛らしいリップ音が鳴り、彼はまた満足げに微笑みながら抱きしめる。
「今日の格好、かわいいから。脱いじゃだーめ」
その一言で脱ぐ気も起きなくなったのだから、完全にこちらの負けだ。ずるい。
一年でさよなら、毛玉取るの面倒だし
"セーター"
-セーター-
違う「夢」だけど、
同じ「合格」というスタートを目指してる。
周りの人は、スタートの後のことを語るけど、
今は、スタートまで届くか分からない。
不安に押しつぶされてる日々。
上がらない点数。変わらない判定。
今を生きるので精一杯。
頼むから、完璧を求めないで欲しい。
こうやって、自分を追い込んでいく。
自然と涙が溢れてくるまで。
ただ、ここで辞めたら、今までのものがなかったことになる。
また、自分を奮い立たせる。
こんな日々を、私は求めていたのか?
その答えは、スタートに立ってから分かるのかもしれない。
色々な感情の波にのまれても、また弾いていく。
「一緒に、最高の景色を見てみるか?」
ところどころほつれた
不格好なセーターが、
私のぐさぐさな心と、
どこか共通している気がして
手放せない。
服のカタログを手に取り
セーターのページを捲っては
これでは無い、
と首を振って
やっぱりいつものセーターに腕を通す。
「セーター」
どんよりとした曇り空から
しんしんと雪が降り積もる。
色の無くなった世界に
気持ちまで沈みそうになった
そんな日は。
あたたかい色のセーターを着て
ふわふわのマフラーを首に巻いて
お気に入りのブーツを履いて。
あまくておいしいものがたくさんある
あの喫茶店へ出かけよう。
セーター