NoName

Open App

着たこともない、ピンクのセーター。
白い編み目に、麦みたいに一面穂をつけた、
やさしく細やかに紡がれた糸たち。

「麦みたい」一面のその世界の上に足をおろした君は、きっとそう言うだろうな。わかんないけど。


きたこともないコーデで、わたしは街を歩ける。
ほんわりほんわりと、宙をつかむように、足は雲のうえにぽっかりぽっかり、足をおろしていく。

リズミカルに、君がはしったあとを、
僕も ほそやかに こまやかに ふんわりと ほんわりと 雲の上をなでていく。

11/24/2022, 2:16:16 PM