『セーター』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ショーウィンドウの中
街中のショーウィンドウに飾られたその白いふわふわのセーターは街を輝かすイルミネーションの光よりも
私には輝いて見えた。
そのセーターを見る度に私は好きな人のとなりに並ぶそのセーターを着た私“を想像した。
イルミネーションに見とれている彼の横顔を想像して胸がキュッとしまって息苦しくとても幸せな気持ちになった。
大学で久しぶりに彼にあった。
毎日、言えない想い募っていく私とはうらはらに彼の表情はいつもより和らいでいるように見えた。
その表情をみて私はまたキュッと息苦しくなった。
その息苦しさは私の想像をショーウィンドウのケースの中からはじき飛ばしていた。
クリスマス当日、私はピンクのクリスマスローズの色をしたセーターをきてイルミネーションに向かった。
隣に彼はいない、でも私の目線はやっぱり彼を見ていた。彼のやわらかい笑顔をみて私はキュッと胸がいたんだ。そして彼も白いふわっとしたセーターをきた子をみて胸をキュッとさせたように見えた。
せっかくみにきたんだからイルミネーションを見ようとしても雪が降ってる時みたいに私は必死に顔を上にあげることしかできなかった。
雪が降ったらこの想いもとけてたのかな。
❦ℯꫛᎴ❧
あぁ。君が編んでくれたセーター。
クローゼットから出てきたのは、酷く色が薄くなったブルーのセーター。
愛する妻が編んでくれたセーター。
でも、それはもう着れるものではなくて。
虫食いが酷かった。
もう、君に編み直してもらうことはできない。
この数十年。
僕だけの時間が止まった___……。
コールドスリープから目が覚めると、知らない景色。
僕の奥さんも、知人も。
誰ひとり、見つけられなかった。
でも、ただひとつだけあった。
「___あぁ。君が編んでくれたセーター」
セーターを出すと
冬が来るんだなと思う
コートも準備して
冬支度が始まる
今年は
どのくらい
雪が降るんだろう
そんなことを
考えながら
セーターを着る
本格的な冬が
もうそこまで来ている
《セーター》
私のセーターには君の香り
なんでか知ってる?
君が帰り際に私のセーターに君の香水をかけたからだよ
これも1種のマーキングなのではないか
君の香りがするセーターを身につけていて
君を忘れることが出来るはずがない
最近になって君の香りが薄れてきました
君とはもう3週間近く会っていません
次に私を君の香りにそめてくれるのは
いつですか?
大学生1年生の冬、coenの優しいピンク色のセーターを買った。左胸にくまちゃんの刺繍がはいってるやつだ。
普段はダークカラーに身を包み込むことの多い私だか、2年に一度位は明るい色の服が欲しくなる。
確か店舗で試着してみたら、店員さんにそういうのもいいですねって言われて思いきって買ったんだ。
この前ぎゅうぎゅうの衣類棚からくしゃくしゃになったそれを発見して、全然似合ってないのになんでこの色買ったんだろうって首をかしげたよ。
田舎物の私には、店員さんのいう言葉は優しく甘い響きを纏ってたんだ。
セーター
冬の時期の女の子は可愛い
あなたに可愛いと思われたい。
そんな一心で私はあなた好みのセーターを買う。
身体にフィットしたセーターが素敵
あなたがセーター着てきたとき
どきっとした。
むかしむかし、
彼にセーターを編みました。
彼は着てくれました。
手編みなんて気持ち悪い!
と言っている人がいました。
あなたは優しい人でした。
ありがとう。
あのね、苦手だったの
チクチクして
でもね、あの模様可愛くて好きだったよ
昔の記憶
『愛してる』
がいっぱいこもった贈り物
ありがとう
お母さん
きっとずーっと忘れない
IKKOが寒さで震えた。
「やだー。セーターでも着ようかしら〜」
タンスを開けると中は空っぽで〈タンスにゴンゴン〉しか入ってなかった。
「ゴンだけ〜〜〜!!!」
『セーター』
幼い子どもの頃は
お父さんのセーター
大きく見えていたのにね
いつの間にそんな
寄る辺ない葦みたいな
*セーター
若い頃は編み物が好きで、よくセーターを編んだ。
出来上がったセーターは形が崩れてたり、体に合わなかったり、とても外出用に出来る代物ではなかったけれど、ただ編み針を動かすことが楽しかった。一本の糸が形になっていくことが楽しかった。
無心になれた。
…だけど一番の理由は、彼氏もいない暇な休日の時間を埋めることだったのかも。
手抜きコーデのセーター。重宝してます!
セーターだけでなんとなくお洒落に見える!
セーター姿の好きな人。1割り増しで可愛いな!
「セーター」
貴方が編んでくれた、手編みのセーターに袖を通すと貴方の温かさを思い出します。
でも、少し悲しくもなります。
だって貴方はもうどこにも居ない
セーターを一つ置いて何処か遠いところに行ってしまったようでした。
貴方が残してくれたセーターに意味を探す日々を送りました。
それでも都合のいい解釈やバカバカしい想像ばかりで実の所、何一つそれらしい考えは思い浮かびませんでした。
何も言わず、セーター、一つ置いていった貴方の真意を私はもう知ることが叶わないのでしょうか。
その日も貴方が残してくれたセーターに袖を通し
貴方の温かさを感じながらあの頃を思い出していた。
その時ふと貴方が言った、ある言葉を思い出しました。
「語るのも大切だけど物事や行動で示す事も同じくらい大切なの」
「強い想いや願いは言葉にしなくても自然と伝わるもの」
あぁ、このセーターには貴方の心が入っているんですね。
きっといつか、その時が来れば貴方の真意にも気づける日が来ますよね。
そう思うと何故か少し、心が軽くなった気がしました。
72
君がいなくなってから、セーターを何度だめにしただろう。セーター特有の洗濯方法なんて知らないし、今後覚えるつもりもない。だってまた君が洗ってくれるんでしょ。
ああ、あんたは俺なしで生活できないんだろうなって思うと少し優越感がある。一緒に洗濯した服みたいに、狭い空間だからこそ絡まり合ってしまったあんたと俺はもっと早く絡まりを取り除くべきだったのだと思う。
濡れて重みを増してしまったそれを無視して自分から離れたはずなのに、いき苦しくてしょうがない。
狂信
共依存 加筆11.24.22:22
『セーター』
大昔、友達が
「セーター編んだよ」って言うから
競争心に火がついて
編んだよ、セーター
しばらく編み物してないな
手を動かすと
心が落ち着く
マフラーあたりから
また始めてみようか
緑のセーター着て笑ってる
彼の写真をみつめて
思案するの
セーターは温い。
夏の想いは温い。
冬の握手は温い。
君の体温は温い。
生きているとは、体が温いと言う事。
温いのは、生きていたいと願うから、
あれ、なんなんだろう
シャツ以外と着合わせてる人、見たことないや。シャツ専用?
ま、なんでもいいけどね!
「セーター」
子供の頃冬になると当たり前に着ていたセーター。
大人になってからは、ほとんど着ることがなくなった。
どちらかと言うと敬遠している感じがする。
セーターの着心地が何だか妙にしっくりこないのだ。高級なカシミアのセーターなら、暖かく上品さを醸し出せるが、そうでないセーターはデザインも平凡で高級感どころか侘しさをオーラで出してしまうような気がするのだ。
偏見なのは分かっているけど、中高年になった今でもセーターは自分のアイテムには無いものになっている。
チクチクして苦手だったの
ピンクでとても可愛かったけれど
すぐ脱いでしまってた
母の手編みのセーター
懐かしくて、なんだか切なく思う
会いたいな、母に