ショーウィンドウの中
街中のショーウィンドウに飾られたその白いふわふわのセーターは街を輝かすイルミネーションの光よりも
私には輝いて見えた。
そのセーターを見る度に私は好きな人のとなりに並ぶそのセーターを着た私“を想像した。
イルミネーションに見とれている彼の横顔を想像して胸がキュッとしまって息苦しくとても幸せな気持ちになった。
大学で久しぶりに彼にあった。
毎日、言えない想い募っていく私とはうらはらに彼の表情はいつもより和らいでいるように見えた。
その表情をみて私はまたキュッと息苦しくなった。
その息苦しさは私の想像をショーウィンドウのケースの中からはじき飛ばしていた。
クリスマス当日、私はピンクのクリスマスローズの色をしたセーターをきてイルミネーションに向かった。
隣に彼はいない、でも私の目線はやっぱり彼を見ていた。彼のやわらかい笑顔をみて私はキュッと胸がいたんだ。そして彼も白いふわっとしたセーターをきた子をみて胸をキュッとさせたように見えた。
せっかくみにきたんだからイルミネーションを見ようとしても雪が降ってる時みたいに私は必死に顔を上にあげることしかできなかった。
雪が降ったらこの想いもとけてたのかな。
❦ℯꫛᎴ❧
11/24/2022, 11:17:14 AM