『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
十五夜の一夜を彩る月
月はだんごとススキに引き立てられ
美しくなる
可哀想
私もススキも
綺麗な子の引き立て役じゃない
「ススキの夜」
秋の夜、私は町外れのススキ野原にひとりで立っていた。満月の光が銀色の穂を照らし、冷たい風が頬をかすめる。隣にはもういない彼の姿を、どうしても忘れられずに。
ここは、彼が最後に「一緒に行こう」と誘ってくれた場所だった。あの夜、彼はふと立ち止まり、ススキを眺めながら笑っていた。
「ススキって、なんだか切ないよね」そう言って、彼は私の手をそっと握った。「夜になると、こうして月に照らされて、ひとりぼっちで寂しそうに見える」
「寂しいかな?」と聞き返すと、彼は優しく微笑んで「でもさ、こうして君と一緒に見てると、なんだか救われた気持ちになる」と言ってくれた。
その言葉が今も胸に残っている。でも、彼はもうここにはいない。遠い町に引っ越していって、何も言わずに終わりを迎えた恋だった。
「どうして行ってしまったの……?」
夜風に小さくつぶやいてみる。返事がないことはわかっている。でも、銀色に揺れるススキの穂が、彼がいまもここにいるかのように語りかけてくれるように思えてならなかった。
「また、一緒にここに来たかったな……」
そっとススキに手を伸ばし、彼と一緒に見た景色を思い出す。風に揺れる穂先が、まるで彼の指先のぬくもりのようで、切なさが胸に広がる。
「いつか、また会えるのかな……」
そんなことを思いながら、夜の野原を歩き始める。ススキは私の一歩一歩を見守るように揺れ、まるで彼が遠くから微笑んでくれているようだった。
ススキ
はは秋にふさわしい茶色で落ち着く色
秋が来たなと感じるススキ
これから寒くなるんだなと思って色々洋服の移行とか考えよう!
ススキ
イネ目イネ科のこの植物は最初から枯れたイメージが付きまとっている。
青々とした状態を思い浮かべる人は
いないのではないか?
売れることが決まってる人生って、しかもラストで満月とセット売り。
流石クサカンムリ+亡だなぁ。
ススキは日当たりがよく、風通しの良い場所を好むそうだ。ひっそりと河川に生えているイメージがあったので、どこか控えめで寂しそうな雰囲気のある植物だなぁと感じていた。
ススキといえば、「ちびまる子ちゃん」のお話の中でまる子とおじいちゃんが「昭和枯れすすき」を歌うシーンがあった。哀愁漂う二人の歌声が大好きだった。
『ススキ』
家の近くに、ススキに似た植物が生えている。
ただ正直、ススキなのかはわからない。
小さい頃は、それはそれは自信を持って言っていた。
「あ、ススキがあるよ。秋のススキが生えてるよ」
なんとも懐かしい。
緩やかにカーブを描いて垂れる穂が何重にも重なって、風に揺らめいている様は、どこからどう見ても、秋のテレビによく映るススキそのものだった。
それが、ちょっと成長して分別がつくようになった頃。突然に思った。
「あれ?これ、ススキじゃなくないか?」
ぼんやりと見ていると、世間の言うススキと目の前にある植物は、違うものに見えた。
見た目はオジギソウなのに、まったくおじぎをしない植物を、見たことはないだろうか。
そんな感じで、このススキも実はススキではなく別のものなんじゃないか、と思った。だってどこか、違和感を感じるんだ。
そんな疑問を持ってから、はや九年。
解決せずに成人である。
今でも家の近くに生えている、この植物……ほんとうになんなのだろうか。
ススキの思い出といえばお月見。
小学生の頃、お月見の日に空き地から何本かススキを手折って家に持って帰ったことがある。
そして自分で花瓶に生けて、月見団子を皿に並べて、隙間に剣先いかフライ(当時の大好物)を入れて、親からカメラを借りて撮った。
ただそれだけの思い出。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はぁっ、はぁっ…」
ここどこ………?
私、真っ赤に染まるススキ畑を歩いて…?
「うっ… 」
赤い瘴気のようなもので倒れてしまった。
どうやら赤いススキの花粉らしい。
私はそのまま気を失った。
「…ぶ、大丈夫?!」
気がつくと、なぜか友達がそこに心配そうな顔をしていた。
「な、なんでいるの?ここはどこなの…?」
「わかんないよ!ここどこだろう」
2人、手をつないで座っていると…
……ザッザッ…
足音が聞こえた。
驚いて振り向くとそこには、なぜかうちの学校の理科の若いの男の先生がいた。
「…先生?」
「ちょっと来て」
先生についていくと、そこには人がたくさんいた。
でもなんだか様子がおかしい。
その人達が食べてるのが…
「人……?!」
人の残骸を食べていた。
驚いて先生の顔を見ると、先生は何かを堪えているような顔をして、こちらを向いた。
それは、人を襲うときの目をしていた。
私はとっさに先生の肩を掴んで揺さぶった。
そして友達に言った。
「早く逃げて」
「無理だよ…」
「いいから早く!」
友達は少し躊躇したが私が怒鳴ったことで走っていった。
「先生…お願いだよ…堪えて……」
思わず先生の胸に顔を押しつけた。
すると先生は
「…申し訳ない…」
とか細く言った。
先生の顔はもとの優しい顔に戻っていた。
友達はどこに行ったか分からない。
私は先生と一緒にここで暮らすことになってしまった。
正直怖い…けど、しょうがないと思うことにする。
今日は料理をしてみた。謎に現世の食べものがあったからチャーハンを作って先生に出してみた。
先生は一口食べて、目を潤ませながら
「おいしい」
といった。
私はとてもうれしくなった。
他のも作ってみよう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いやほとんどススキ関係なくなったわ。
ただ夢で見たことをそのまんま書いただけなんで全然もうだめだわ。書きたかっただけだから。
でもこの夢見てからなんか変な気持ちになるんだけど。
理科の先生が夢に出てきたせいだわ…
元々人気ある先生なのさ、1年目だけど。
私も先生の中だったら断然好きだけど、恋愛というわけではないんだけど?この夢のせいで変な気持ちなるわ!
ま、こんな感じで、ススキ関係ないけど許してくれ。
帰り道、道端に生えているススキ
今日も太陽を沢山浴びて気持ちいい風に吹かれて
幸せなススキ。素敵なススキ。
仕事を終え帰宅する。
最近は暗くなるのも早い、家の中は真っ暗だった。
洋服を着替えて眼鏡を外し、食事や家事一通り済ませて「さて、お風呂でも入ろうかな」と思ったところ、窓の外に気になるものを見つけた。
アパートの2階、窓の外から見える河川敷の辺りにぼんやりとした明かりが見えるのだ。あそこは草むらのはずなのに。
まるで人魂のような明かりが…
幽霊など信じて来なかった私は、それを忘れるためにお風呂に入った。
30分後、お風呂から上がり窓の外を見る…まだ人魂もどきがぼんやり浮かんでいる。
いよいよ怖くなってきたがどうしよう。お母さんや友達にこんなことで連絡するのも恥ずかしい。
そういえば、私は帰宅してから裸眼のままだったことを思い出した。
こうなったら自分で確かめるしかない。
自分が帰宅後に外していた眼鏡をかけ直し、もう一度意を決して外を見る。
…そこには叢の中で一箇所だけ生えていたススキが映っていた。
私は思わず拍子抜けして笑った。
外は丁度満月で、今日は十五夜だったことを思い出した。
ススキのイメージは…
縁側にお団子…花瓶にススキがあって
満月の夜空を皆で眺めている
……そんな感じかな
しかし、現実の私は違う…
何故ならば、ひどい花粉症だからだ
その原因の1つは、イネ科の植物だ
春先から秋口までず〜っと悩まされる
ススキもしっかりイネ科だ…
おまけに、日本人の主食である稲穂に
花が咲いた時なんかも、もちろん鼻水と
くしゃみの連発となる…
だから寝る前のルーティーンは忙しい
痒み止めに目薬·鼻づまりに鼻炎スプレー
イジイジと違和感がある顔にはクリーム
イガイガの喉には、のどぬ〜るとのど飴
布団に入る前にやる事が多すぎて疲れる
昔は、花粉症とかなかった気がするが
今のデリケートな体質がホント煩わしい
さて……今からやるとするか
僕達の大嫌いな思い出の場所で一緒に死のう。
音楽なんか大っ嫌いなんだ。
昔から父さんと母さんにはよく言われたさ。
「お前は音楽の才能に恵まれているんだ。音楽をしなきゃ勿体ない。」
好きでも無いピアノを続けさせられて、それも暴力を受けながら。
俺はずっと友達と外で遊びたかったのに。
だけど俺の好きな人は音楽が大の好きだった。
音楽室、放課後の音楽室はいつにも増して静かだった。
俺と好きな人は2人きり。
夕焼けが音楽室の物たちを窓から照らしていた。
好きな人はピアノを軽く弾いていた。
「……………………音楽、好きなんだっけ。」
「うん。好きだよ。」
俺は静かにピアノを弾いている好きな人の手を取った。
好きな人の手は小さくて、俺の手は震えてて。
「…………音楽が好きなの、憧れるよ。」
「ふふっ、ほら、震えてる。怖いんでしょ、音楽が。」
好きな人はそう言って俺の事を優しく抱き締めてくれたんだ。
「無理に聞かなくても良い、私のことを好きにならなくても良い。ただ、私と__________」
「あぁ、良いよ。ただ、アンタは後悔しないの?」
「…勿論、後悔しない覚悟で言ってる。だってこれが、愛の告白なんだから。」
手繋ぎ歩く 黄金色の線路沿い
若き日の貴女と幼き日のわたし
「ススキ」
母の誕生日に
ススキを見ると、秋なんだなぁって実感が湧く。
秋って、暑すぎず寒すぎずちょっといい気温だから好きだな。
でも、もうすぐ冬が来るんだよね。
嫌だなぁ、寒いの。
ススキとて 夜はひとりよ 目をつむり
なんとなく俳句が書きたくて
でも書けないのでススキについて調べていたら
群生するススキの画像ばかりが出てきたもんで
たまには寂しくなりやがれと思ったのです
月光に照らされて、ススキ野原は銀色に光る。
ところどころ金色のセイタカアワダチソウが揺れる。
カサカサッ
子狐が出てきて、前足を揃えて白い月を眺める。
後ろの方で、ススキを超える高さで大人の狐がぴょんっ、と跳ぶ。
お母さん狐だ。
カヤネズミでも獲っているのだろう。
どこかでアオサギがグワーッと鳴いた。
「ススキ」
ススキの葉が天に向かって咲いている
秋から冬へ移り変わるその様は
きっと自然ともの寂しくも感じるだろう
綺麗だと笑うことさえ叶わなかった僕だ
優しさを優しさと理解出来なかった私だ
僕が私がいつか天高く飛べる様を
誰かは願っているのだろうか
忙しない
2024/11/10㈰日記
朝から町内会の仕事。
10月から日常が忙しない、慌ただしい。
あの大きな公園のコスモスは
もう咲き終えたかも。
尊敬する先生から「忙しいは心を
亡くすと書きます。忙しい、忙しいと思うと自分の心を亡くします」と聞いてから、「忙しない」とか「慌ただしい」に言葉を変えている。
だって心を亡くすと人を傷つけそうだし、自分も思わぬ怪我をしそう。
ただし言い換えをして効果が
あるのかは、わからない。
でね、町内会の仕事は無事に
終わった。
一緒に組んだ人に「あなたと一緒で
良かった」って言って貰えた。
話しやすい人で、楽しく話せたから
僕も一緒で良かった。
今月、まだ1つ仕事はあるから
頑張ろう。
今年最後の町内会の仕事になるんじゃないかな。
夕方、カブと肉団子をカニ出汁で
炊いて餡かけにした。
カブの葉も入れたんだけど、
茎は硬いから普通は食べないもの?
実家は葉はどうしてたんだろ。
細かく刻んでお味噌汁にすれば
良かったのかな。
カニ出汁ね、北海道物産展で
買ったもの。
卵焼き、茶碗蒸しに
使ったら美味しいの。
良い仕事している、少し高かったけど買って良かった。
餡かけ始めました。
冬の始まり。
おやすみなさい。
ふわふわと風にゆれる穂が秋を告げていた。
良い思い出はいつもススキと共にあったように思う。
田舎暮らしは存外良いものだ。
テレビに映る高いビルやたくさんの店なんかはないけれど、文字通り自然だけが取り巻いている環境も悪くはない。あるがままの全てを受け入れるというのもまた人間の一つの当たり前の姿なのだ。そんな田舎暮らしも、のんびりと時間がすぎているわけではなく、案外常に忙しい。
特に、秋は。食欲の秋と言われるように、それらを作るものたちは一年で一番忙しい時期なのだ。
わたしはそんな忙しい秋が好きだ。農家は汚くて古臭くて良い印象を持たれないが、きっとあなたも農家に生まれていたら汚いからと簡単に捨て去るのは難しいだろう。生まれ育った場所を売り払うのは勇気がいる。捨てる勇気がなかったから、わたしは今もひとりで続けている。少しずつ、少しずつ思い出の場所を削りながら。
失ってゆくのが怖いだけだ。
冬は枝を切る。大きな鋏も今は手に馴染む。
春は田に水を引き、種を植える。横を見れば隣で一年越しの日焼けをした祖父が笑っている。
夏は野菜を収穫し、強い日差しの中林檎に袋をかけたり、庭の見事な花たちの世話をする。雑草抜きはキリがないけれど、祖母と話していれば一瞬だった。
秋は米や林檎の収穫だ。最近そんなに高くは売れないけれど、愛を込めた果実が誰かの笑顔になれば良い。
秋は、忙しくて悲しみさえ吹き飛ばす。
冬まで一瞬だ。
脱穀や林檎の選定に疲れて、汚れた服のまま外に出る。
秋は月がよく見えて、ススキが冷たい風に揺れる。
耳を澄ますと虫や鳥や木々の囁く音が聞こえる。
大きく息を吸えば爽やかな林檎と木箱の香り、米から落ちたもみ殻の癖になる匂いが胸いっぱいに広がる。
月が綺麗で、ススキが揺れて、匂いがして。
そうすれば記憶の中の祖父母は頑張ってるなと笑う。
秋がすきだ。
愛されなかったわたしを愛してくれた人が好きだから。
世界でいちばんの幸せをくれた。
もの言わない植物たちに、思い出が水となって実りを与えてゆく。そしてそれらに触れたとき、また私の中に思い出が巡るのだ。
ほんとうは、こんな風にずっと過去に縋っていてはいけないんだろうけど、何もかも捨てられないでいる。もう農業をやるには厳しい世の中だ。知り合いの年老いた農家は皆、木を切って畑を焼いて売り払ってしまった。一回り上の世代でさえ継ぐ人間はいなくなってしまっている。それでも手放したく無いと思う。だって秋がこんなにも美しい。
忙しくて目が回っている間は辛くなんてないんじゃないかと思っていられる。何にも返せなかった、何にも持っていないわたしが作った物が誰かの喜びになれば救われるような気がする。ただの死までの時間稼ぎのような毎日だ。
月が綺麗で、ススキが揺れて、匂いがして。
私の秋は今年も、密やかに愛を告げている。
手を振っているのか、会いに来たのか枯れ尾花
愛しい人たちが作り上げた美しいものたちが失われていくのを必死に繋ぎ止めて生きています。他の人から見ればぐちゃぐちゃで統一性のない庭園も、虫や獣や泥ばかりの畑たちも、古臭い機械や家も。ぜんぶ私にとっては輝く宝物なのです。今は兼業してどうにか回していますが、きっと私ひとりきりでは歳をとって、いつかは駄目になってしまうでしょう。それまでには思い出を切り捨てる決心がついていれば良いなと思います。規模の大きな遺品整理をし続けているのです。秋くらいは人手が欲しいのでススキになって手伝いに来てくれないかな。会いたいな。
骨は語らない。石や木に書かれた文字は癒してはくれない。けれど、枝の切った跡や植えた植物たちは色濃く彼らの生きた証を示し続けてくれる。ここで生きていた事を。
ススキ
ススキ
やっぱり秋が1番好きだ。春よりも夏よりも冬よりも秋。夕暮れどき、あの人と歩いた道にそよ風が吹く。通り過ぎる度にススキがゆれて少しこそばゆい帰り道となった。