『ジャングルジム』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ジャングルジム
あのね、お母さん。今日は湊くんと追いかけっこをして遊んだよ。湊くんは走るのが早いから、いつも逃げられちゃうけど、今日は捕まえることができたよ。エヘヘ、僕頑張ったよ。
ジャングルジムの一番上に立ってお空を見上げると一番早くに光るお星さまが見える。あれが僕のお母さんのお星さま。
僕は来年から一年生になるから、ここに毎日は会いに来れないかもしれないけど、「お星さまはいつも僕を見ていてくれる」
とお父さんが言っていたから寂しくはないよ。いつもありがとう。僕は元気だよ。お母さんは元気?
「おーい。律〜。帰るぞ〜」
あ!お父さんだ。お父さんが迎えに来たから帰るね。また来るよ。お母さん。
ジャングルジムを降りてお父さんのところまで走って行き、お父さんと手を繋ぎ歩き出す。お父さんの手は大きいな。お母さんの手はもうちょっと小さかったかな。覚えてないや。
もう一度空を見上げる。やっぱり、お空のお星さまは光っているけど、ジャングルジムの上より遠くなったかな。
だから、僕はジャングルジムの上に登るのが好き。
ジャングルジム
ジャングルジム♪
ジャングルジム♪
鈴が鳴る〜♪
オープン当初はダンベルトレーニングをするゴリラばかりだったこのジムも、開店から三年を迎え、ありがたいことに様々な動物たちが訪れるようになった。
ランニングマシンにはジャガーやピューマの姿が見られ、ゾウたちからはレッグプレスが人気である(文字通り"プレス"されてしまい、修理費用が嵩むのが悩みのタネだ)。
競泳用プールを覗けばたいていワニかカバが泳いでいる。
現在は小型のサルからの要望が多いボルタリングコーナーを建設中だ。
併設のカフェでは色鮮やかな鳥たちが噂話に花を咲かせている。あまり上品とは言えない羽音と鳴き声に、他の動物たちは辟易してしまい近づかない。
先月床の補修が終わったばかりのダンススタジオでは新たに、ヨガとピラティスクラスの開講を検討しているが講師の数が足りていない。
給与基準を引き上げ再度募集をかけてみる必要がある。
…ジャングル唯一のジムの経営者のつぶやき
お題:ジャングルジム
「ジャングルジム」
子供の頃、ジャングルジムで遊び、楽しかった。という記憶を私は、ふと思い出した。
久しぶりに近所の思い出の公園に来てみた。
あの頃は ジャングルジム が、大きかったが今は小さく見える。
少しは私も成長したということだろうか。と思い、懐かしさを感じながら ジャングルジムを私は見ていた。
ジャングルジムの
登れる高さは勇気を
登れなかった時間は思慮を
登りたい気持ちは志を
登れない悲しさは優しさを
迷路でしかなかった。
上に登れば滑り台があって降りられる。
ただ上へ行けばいいだけなのに、
私はそれができなかった。
何度か繰り返して
やっと滑り台を降りた頃には
大人になっていた。
ジャングルジムはだから嫌いだ。
昔、このジャングルジムでよく遊んだじゃない。ケイドロ。ケイサツとドロボーに分かれた鬼ごっこ。逃げるドロボーをケイサツが捕まえて、ケイムショに入れるやつ。あんたも覚えてるでしょ?
あんたはケイサツで、私はドロボーになることが多かったわね。最後まで残ったドロボーの私を捕まえるのは、いつもケイサツのあんただったわ。ケイムショに見立てたジャングルジムに入れられた仲間も助けられずに、ゲームが終わって。悔しかったわ、ほんとに。あんたから逃げきってやる!って、それを目標にして、毎日ランニングしてたこともあるのよ、私。でも、結局最後まで逃げられることはなかった。
…わかったでしょ、これはリベンジなの。もちろん、他にも理由はあるわ。女の子らしく、宝石が欲しくなっちゃったとか。ちょこっと目立つことをしてみたかった、とか。でもそれ以上に、あんたがこの町の警察になったって聞いて、どうしてもリベンジがしたかった。そしてようやく、あんたを打ち負かすチャンスが来たわ。
この私を捕まえて、ジャングルジムまで連れていってみなさい。せいぜい頑張りなさいな、ケイサツさん?
ジャングルジム
頂上にそびえる君が手招きをした。
仕方ないなと、僕もジャングルジムを登り始めた。
サビの付いた手でハイタッチをしたところで、2人しててっぺんに腰掛ける。大の大人2人には少々狭く、少しおしくらまんじゅうのようになってしまった。
どでかい夕焼けを眺めて君との思い出を並べる。君との結びつきがほどけないように。
よくよく見たら、結ぶ場所はとうの昔に消えていたらしいけど。
ジャングルジム、知ってる?
鉄格子のような網状の”それ”は、
まるで人間関係のよう。
いつか、硬い鉄の棒の様な周辺の人たちも、
丸く優しくなる日が来るのかな?
ジャングルジムの頂上から眺める景色が、
あの頃の僕にとっては宝物だった
いまは
この景色を
一緒に見て欲しい、一緒に歩んでいきたい
と思える人に
出会えました。
いちばん真ん中のいちばん下。
ボサボサになった木々の間、ちょうど鬱蒼とした葉が開けた場所に立つジャングルジムが秘密基地。
そのまま真上を見上げると真四角に切り取られた空が見えて、ほっと息を吐く。
上からぽつ、と雨が落ちてきた。
晩ご飯の献立を巡らせながら、落ちたランドセルをがさつに拾い上げて背中で揺らした。
青い塗装が剥げた、錆だらけのジャングルジム。
灰を浮かべた低い空に近付いて、
見渡した町は思ったよりも小さくて、
それが、あの頃の僕の世界の全てだった。
「もう潮時か」
子供の頃よく遊んでいた公園からジャングルジムが撤去されたそうだ。
その公園は、通学路とは反対方向にある。
高校生になってからというもの、その公園の前を通ることが減ってしまったから知らなかった。
「遊具を撤去する公園って、増えてるらしいよ。とくにジャングルジム」
「へー。なんでだろ」
「危ないからじゃない?」
「そんなん、今さらじゃね?」
「あんたも何回も落ちて怪我してたしねぇ……」
幼馴染がニヤニヤと笑いながら俺を見ている。
小学生の頃から高校生になった今も、一緒に登下校しているが、彼氏彼女の関係ではない。まだ……
話題にのぼったからと、少し遠回りして懐かしい公園に寄り道。
「あー、本当にないね」
子供の頃、広かったと思っていた公園は、それほどでもなくて、それは俺たちがそれなりに大きくなったから。
でも、体は大きくなっても、それ以外が成長しているかどうかはわからないよな、などと思ったりする。
「一番上に登ったとき、自分最強だと思ったなー」
「そのあと落ちてビービー泣いてたけどね」
「うるせー。忘れろ。そういうお前は、怖がって一番上に登って来なかったじゃねーか」
「だって、危険だってわかってるのに、行こうとは思わないもん」
「……ほんと、変な子供だったよな、お前」
「でも、ずっと友達でいてくれてるあんたも変だよ」
あの頃からずっと一緒にいる俺たちだが、三年後どうなっているかわからない。
この公園の遊具のように、ある日突然俺の隣から居なくなったりとか……そう、彼氏が出来たり……
それだけは勘弁してほしい。
「そろそろ友達は卒業したいんだけどな……」
思わず呟いてしまった一言。
どういう意味かとしつこく聞いてくる。
あぁ、もう潮時か。この気持ちを隠しておくことは出来そうもない。
────ジャングルジム
「気をつけて下さいよ」
昇っていく背中に声をかけた。
「大丈夫だよ」
彼はそう答えてどんどん上へと向かう。スーツのままジャングルジムを昇っていく姿はなんだかちぐはぐな感じがした。
「こんなに低かったかなぁ?」
「貴方が大きくなったんでしょう。身長何センチあると思ってるんです」
見上げてそう言った私に、彼はゆっくり振り返る。
「あははっ、そうか」
月を背にくしゃりと笑うその顔は、いつもより少し幼く見えた。
帰り道、たまたま通りがかった無人の公園。
街灯の灯りに照らされたジャングルジムに、彼は引き寄せられるように歩き出した。
「子供の頃はよく昇って遊んだなぁ」
そう言って彼は錆びたパイプを懐かしそうになぞる。
「妹もよく昇っては頭をぶつけたり落ちて膝を擦りむいたりしてましたね」
「君は?」
「私もまぁ、よく落っこちました」
「だよな。私もだよ」
そんな他愛ない話をしていたら、急に「昇ってみよう」なんて言い出した。呆気に取られた私に彼はジャケットを押し付けて、「よっ」などと言ってパイプに足を掛ける。
私はと言えば、半分呆れ、半分心配しながら昇っていく彼を見上げるだけだった。
「到着」
てっぺんに辿り着いた彼が声を上げる。
「景色はどうですか?」
パイプに寄りかかって尋ねた私に、彼は「あんまり変わらないね」と答えた。
それはそうだろう。身長190センチを超えるいい大人が使うものじゃない。飽きてすぐに降りてくるかと思ったが、彼はてっぺんのパイプに座るとそのまま月を見上げた。
「·····」
煌々と輝く月を背に、ジャングルジムのてっぺんに佇む彼の長身は妙に絵になった。
「君も来ればいいのに」
「遠慮しときます」
「じゃあ、落っこちたら頼むよ」
「いい大人なんだから落ちないようにしなさい」
隣に並ぶのはいつでも出来る。
今はこの、多分レアであろう構図をしっかりと目に焼き付けておきたい。
私の気持ちを知ってか知らずか、彼はしばらく月を見上げたまま動かなかった。
END
「ジャングルジム」
ジャングルジム
「よく遊んでました。テッペンまで行くの誰が一番速いか勝負ね!って。」
「小さい学生の頃はテッペンからの景色が最高でしたねぇ…懐かしいです。今登ってもそんな感嘆しないだろうに(笑)」
「確かに(笑)」
…
……
………
頭のなかのどっかでこんな会話を交わした。
ジャングルジム
ジャングルジムと聞いて思い出すのは、小学校の校庭で高い鬼をした記憶。
別にあの頃に戻りたいとは思わないけど、私の中で綺麗な記憶として残っている。遊ぶのをやめて、ジャングルジムの上に登って、なぜかみんなで自分の一人称について話していた。放課後の空か、昼休みのの空が、きらきらと光っていた気がする。
今の自分よりずっと活発で、陽キャだった。今思うととても羨ましい。痩せてたし。
何年も前の自分は、確かに今の自分と同一人物なのに、何故か違う人間な気がする。
あの時の私は何を考えていたんだろう、じゃなくて、君は何を考えているの、って二人称になってしまう。
小学生なんて、悩みなんか無いと思ってしまうけど、絶対そんな事はなくて、でも、大人になる程、子どもの悩みを思い出せなくなる。それが嫌だったから、最近は日記のような何かを書くように心掛けてるんだけど、小学生の君の悩みはもう思い出せない。いつか君と話したい。夢の中でも良いから。あーあ、こう思うならタイムカプセルとか作っとけば良かった。
ジャングルジム。
一度は夢を持って登った公園の遊具。きっとあの日見た、観ていた景色を、もう一度感じられると、信じていた。
夜の公園は自由だ。子供も居ない、大人もいない。ただ私と、私の気を許した君だけが居て、爪を噛むような退屈な日々を忘れさせてくれる。
音楽を聴き、通りすがる犬に嫌悪か好感を抱き、隣を走るあなたの匂いが気になる。散歩なのかランニングなのか、とりあえず過ぎるこの時間が好きで、目的地を目指す。あの日の思い出の遊具。
ジャングルでも無いし、退屈なジムでもない。そそられる魅力は無いし、吸い寄せられる力も無い。そんなはずの、あのジャングルジムに、夢をみてる自分がいる。
肌が啜り泣く様な悪寒と、不安定な足場がマッチして、歳の残酷さを知る。あぁ、と。怖いのかと。
あの日感じた自由という高揚感が、今では足元の見えない只々不安定な忌み嫌う空虚にしか見えない。
ブランコなら良いのか。滑り台はどうだ。
他人とでも漕げる舟なら、もっと心地良いのか。
知りたくはない。
運動がニガテで
高所恐怖症な
わたし。
ジャングルジムは
なるべく
やりたくなかった。
一応は
登れるけど
下が見れない。
なんだか
吸い込まれて
落ちちゃいそうなんだもん。
そして
降りるのは
もっと
怖い。
大人になって
好きな運動を選んで
ニガテな運動を避けて
過ごせるって
超!
最高だ!
#ジャングルジム
ジャングルジム
夕陽を浴びて、ひとりジャングルジムの天辺に腰掛け夕暮れの空を見つめている男の子に出会った、それが4歳の息子でした。
なぜか、胸が締め付けられるような、懐かしい自分に出会った様な、まさに昨日の夜の逆行だった。ここにもまた、20年ほど時を遡り逆行転生を見た女がいました。
なぜだか女は、その子がそこでそうして空を見上げている気持ちに共鳴出来たのでした、理由は分かりすぎています、自分も同じことをしたから。高い場所で、空を見上げるのは少しでもお母さんに近づきたいから。
誰も迎えに来ないと分かっている公園で
その時、自分には高く大きく見えたジャングルジムの天辺で、自分には広く広く見えた自分のいる場所から見える天。
井の中の蛙はまだ大海を知らず、静かな夕陽に母の面影を描いていた、天は高く澄んでいた。
そうだ、私はこの子の根っ子になりたい、そう思った、けれど逆だった、それから30数年私を大地に立たせ根っ子になったのは、夕焼けの男の子それが息子との縁でした。
早いもので、あれから30数年の時が経ち、今ようやく、息子が自分の子を抱いてジャングルジムで遊ばせる姿を見て、あのジャングルジムの天辺で夕焼け空に、実母の顔を思い描いていたであろう男の子に言えるのです。
「頑張ったね、ありがとう」そしてあの子が描いていたお母さんの顔の人に、「あなたの、目に手になれましたか?選んでくれてありがとう」と言えるのです。
神様、時間をありがとう
令和6年9月23日
心幸
ジャングルジム
小学校の校庭に、登り棒や鉄棒、ブランコや回転遊具…色々なもので遊んでいたけれど、ジャングルジムが、結構好きだった…
迷路の感じ、ちょっとした秘密基地みたいだし、てっぺんから見る景色は、小さな私には、迚も魅力的だった…普段は、見上げる様な上級生も、見下ろす感じが、何となくカッコよく思えた…
あれから何年も経って、久しぶりに母校を訪ねたら、もう沢山あった記憶の遊具は、随時減っていた…校庭にあった鉄棒も新しくなっていたけれど、意外と小さくて、吃驚した…子供の頃は、大きく感じていたのに…
ジャングルジムのあった場所が、何となく刹那く…