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ジャングルジム。

一度は夢を持って登った公園の遊具。きっとあの日見た、観ていた景色を、もう一度感じられると、信じていた。
夜の公園は自由だ。子供も居ない、大人もいない。ただ私と、私の気を許した君だけが居て、爪を噛むような退屈な日々を忘れさせてくれる。
音楽を聴き、通りすがる犬に嫌悪か好感を抱き、隣を走るあなたの匂いが気になる。散歩なのかランニングなのか、とりあえず過ぎるこの時間が好きで、目的地を目指す。あの日の思い出の遊具。
ジャングルでも無いし、退屈なジムでもない。そそられる魅力は無いし、吸い寄せられる力も無い。そんなはずの、あのジャングルジムに、夢をみてる自分がいる。
肌が啜り泣く様な悪寒と、不安定な足場がマッチして、歳の残酷さを知る。あぁ、と。怖いのかと。
あの日感じた自由という高揚感が、今では足元の見えない只々不安定な忌み嫌う空虚にしか見えない。
ブランコなら良いのか。滑り台はどうだ。
他人とでも漕げる舟なら、もっと心地良いのか。
知りたくはない。

9/23/2024, 3:04:10 PM