『ココロオドル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今回はただの感想文です。
最近心躍ること。
私事で申し訳ないが、今年の8月に発売されたゲーム、アーマードコア6が浮かんだ。
知らない人に少し説明すると、10年ぶりに新作が発売された難しめのメカアクションゲームである。
アーマードコア(以下ac)というロボットを駆る傭兵とり、acをカスタマイズしながら様々な仕事をこなしていく、というゲーム。
さて実をいうとシリーズの半分もやってなかったりする。
クリアしたのも初代と2だけ。
あと5を途中で諦めた位のもの。
そこまで熱心なファンでもなかったりする。
でも発売のことを知った時、胸が高鳴ってしまった。
まさにココロオドルだ。
このゲームには奇妙な魔力があるのだ。
そしてソフトを手に取り、ゲームの電源を入れた時は、かなり浮かれてたのを覚えている。
まさにココロオドルだ。
(あとで似たような人がいるのを知って、ちょっと安心した)
ゲームは面白さも語りたいが、本題ではないので割愛。
さてゲームクリア後も、けっこう心躍ってたりする。
ネタバレを避けるため、SNSや画像投稿サイト、youtube考察などを覗くのを控えていた。
クリアして、ネタバレ解禁したときもワクワクが止まらなかった。
このゲーム、ファン活動が盛んで色々な妄想や二次創作が見れる。
結構なお祭り騒ぎで、自分もその中にいるのだと言う感覚が心地よい。
書いてて思ったけど、なにかに似てると思ったら、昔の収穫祭っぽい。
農作物の収穫(ac6)に感謝しつつ、俺の育てた大根(妄想)を見ろ、みたいな。
まあ、そんな感じで心が踊る以上に、はしゃいでたのは間違いがない。
見たことない人は一度見てほしい。
興味ない人でもまとめを見て、一瞬笑ってほしい。
その価値はある、というのは言い過ぎか?
一人の物書きとして、こんなに色んな人を巻き込めるのは、エンターテイメントとしてすごいなという感想しか出ない。
自分もこのレベルまで行きたいと、妄想してみたりする。
うまく伝わったかは分からないけれど、読んだ人が少しでも心が踊ってもらえれば幸いである。
ps自己満足の感想文読んでくれてありがとう
高揚
聖光教会の本拠地・ガルシア大修道院に併設された教会騎士団の生活棟。
俺は騎士団の中では、教会では執行官と呼ばれる幹部の立場にある。気がついたら手に入っていた地位だが、さして興味は無い。
「ねぇ、ヴァシリー」
「何だ」
「今日は稽古つけてくれないの?」
俺の部屋で、近くにあった椅子に座り不思議そうに首を傾げる赤い髪の娘。名前はミル。数年前に、戦地として赴いた街で死にかけていた娘。いつもなら弱い者は捨て置くが、何を思ったのか俺は今日まで、この娘の面倒を見ている。
しかし、今ではこの娘を拾って正解だったと思うことがある。
「お前は、したいのか?」
「もちろん。この前みたいに怪我して、ヴァシリーに怒られるのも嫌だし」
拗ねたように口を尖らせながら、ミルはそう言った。この前……というのは、先日の反逆者掃討の時のことだろう。こいつは右腕を怪我していたのにも関わらず、戦いを続けようとした。それを俺が止めたことにより懲りたらしい。
(……事実を述べたまでだが)
それをどうやら、俺に怒られたと判断したようだ。何も言わない俺にミルは「それと」と続ける。
「早く強くなって、ヴァシリーの隣に立てるようになりたい」
「……俺の隣に?」
「うん。だって、ヴァシリーは今までの執行官の中で一番強いんでしょう?なら、それに並び立てるようになれば、私がヴァシリーを支えられるようになる」
(それが本当に出来ると思っているのか?)
俺の思っていることなど露知らず、ミルはどうかな?と笑う。
(しかし……ミルの言ったことが現実になったなら、それはそれで面白いのかもしれん)
思わず口元に笑みが浮かぶと、ミルは怪訝そうな顔で聞いてくる。
「何で笑っているの?」
「いや、なかなか面白いことを言うと思っただけだ。俺の隣に立つ……か。なら、その為には俺から一本取れ。来い。訓練場に行くぞ」
「!分かった!」
訓練場に着き、俺はミルと向かい合う。俺の両手には銀のレイピア。ミルはその手に短剣を握っている。
俺は正面から戦うのを得意とし、ミルはその小柄な身体を活かした奇襲を得意としていた。これまでに手合わせを何度かしたから分かる。この娘は暗殺者としての才能が少なからずある。
故に正面からの力のぶつかり合いは当然ミルには向かない。が、訓練時にはこいつは敢えてそれを望むのだ。
(だから、こいつの面倒を見るのかもしれんな)
これから始まる戦いに気分が高揚する。自然と口元に笑みが浮かんでいた。対してミルは無表情で此方を見据えている。
「来い」
「っ!」
ミルは姿勢を低くし、一気に地を蹴る。そして、俺の喉元を狙った正確な一突きを放った。俺はその突きを片方のレイピアで弾く。が、ミルは弾かれた反動を利用して、俺の腹部に蹴りを叩き込んだ。俺が少し怯んだ隙に、娘は一度俺から距離を取る。
「どうした?その程度か?」
「………」
ミルは再度地を蹴ると、今度は俺の腹部を狙った一突きを繰り出す。当然それは俺のレイピアに阻まれる。が、空っぽだったミルの左手に鈍く光る何かがあった。
「……急所が狙えないなら、こうするだけ」
その手には短剣。そして、それは俺の左太腿を貫く。血が流れ、身体が傾いた。
(得物を隠し持っていたか。面白い)
「だが、至近距離で敵を仕留められないなら、返り討ちに遭うぞ?」
俺は笑いながら、ミルの両側からレイピアを振るう。片方は首を薙ぐように、もう片方は腹部を貫くように。
(俺の動きはさぞわかりやすいだろう。さぁ、どうする?)
「………」
ミルは腹部を狙った剣撃を短剣で受け流し、もう片方は姿勢を低くすることで回避した。
獲物の喉元に食らいつく獣のように、ミルは低い姿勢から短剣を鋭く繰り出す。
(この感覚を待っていた)
明確な殺意を持った目。間近に迫る死の気配。そして、この手で相手を殺せるという確信。その感覚が、俺の気分を高揚させる。今、この瞬間がとても愉しいと感じる。
次にはミルの短剣は俺の喉元に。俺のレイピアはミルの首筋にあった。僅かに刃が触れたのか、ミルの細い首筋に赤い線が走る。俺の喉元からも何かが伝う気配がした。
「……引き分け、だね」
「ああ、そうだな」
互いに武器を下ろす。すぐにミルは「ごめんなさい」と言った。
「何故謝る?」
「あなたに怪我をさせたから」
「左太腿なら大したことない。止血すれば、すぐ良くなる」
「なら、早く戻ろうよ。ね?」
「……」
先の高揚はもう無い。心配そうな顔をするミルの手に引かれ、訓練場を後にする。
「ミル」
「?」
「さっきお前の言っていたことは、もしかするとそう遠くない日に叶うやもしれん」
それは俺からすれば何でもない一言なのに、ミルは嬉しそうに笑うのだった。
自分の事を情けない、なんて思うのはもう嫌だ。
一角の…とまでは言わないけど、誰の目にも恥ずかしくない男になりたい。傷だらけになっても僅かな銭を投げるように施される日々で、よくそんな事を思ったなぁ。
土の上に大の字で転がって、碌でもないあの頃を思い出す。
『今日は終いだ。』
着ているものを洗っておけよ、だって。
上司ってものは容赦がない。キビシイ。毎日ボロボロくたくたになるまで鍛錬鍛錬、出来なきゃ死ぬぞなんて何度言われたっけ?
でも、決めちゃったしなぁ、この人についてくって。
初めて、自分で。
顔に冷たいものが触れて、唇がビリッとした。目を開けると白い手拭い。あと、白い、細い手。
えっ、やだなぁ。そんな心配そうな顔しないでよ。
『…ありがと。』 うわ俺、声ガッラガラ!!!
少なくとも今は、よっぽどまともだ。毎日扱かれて死に体なのも自分だけじゃないし、傷を作れば可愛い女の子が診てくれるし。…たまに、二人だけでお団子でも食べに行きたいなぁ、なんて夢も見られる。
日陰者には違いないけど、まだヘボだけど、まともな人間に成れたような気がしてる。だんだん嬉しくなってきて、笑ったらまた唇がビリビリいって泣き笑い。
ごめん、手拭い汚しちゃって。 …え? 君のじゃないの?
『あいつ、本気で辛い時ほどヘラヘラしやがる。』
上司が…あの人がぁ? 言ってたって?
……だめじゃん、俺!!!
まともどころじゃない、一角の男にならないと!!!
とっておきの、秘密兵器の、バッチリ決まった、懐刀の、…
とにかく、右腕にならないと!!!!!
今までずっと触れずにいた手をぎゅっと握って飛び起きた。
【ココロオドル】
テレビやSNSを
見ながら
これ
行ってみたい。
いいね。
食べたい!
行こっか。
そんな会話をする。
週末の予定を
カレンダーに書き込んで
さらに
細かく
お店や
泊まるところ
遊ぶところを
調べて
楽しみだなぁ。
#ココロオドル
10/9「ココロオドル」
色とりどりの原色で塗られたオブジェクト。その間をキャッキャッと遊び回る子どもたち。円盤を回すハンドルをめちゃくちゃに回してスピードを競っている兄弟。それは円盤の光の加減を楽しむやつなんだけどなぁ。
科学館。光の屈折を表現した装置も、竜巻を生じさせる実験も、火星が投影されるデジタル地球儀や隕石の展示も、見に来るたびにわくわくする。
子どもの頃から好きだったものって、大人になっても忘れられないんだな。
はしゃぐ子どもたちをにこにこしながら見られるようになったのが、唯一変わったことかもしれない。私のお腹は今、科学でも解明しきれていないだろう神秘を一人、宿している。
(所要時間:8分)
10/8「束の間の休息」
ようやく休憩に入れたのは15時を回った頃だった。今日は目が回るほど忙しい。
「近所でイベントがあるらしいっすよ」
「へえ」
食べ終えたコンビニ弁当の殻をゴミ箱に突っ込み、タバコに火をつける。煙を吸い込み、肺を満たす。
「店長ぉ、今日体調悪いんですかぁ?」
「あ? いや、別に?」
「あ、オレも思いました。ちょっと冷汗かいてないっすか?」
「いやあ…」
タバコを消す。
「まあ、そうかもな。ちょっとトイレ行ってくるよ」
「はーい」
個室のトイレに入り、ようやく深く息をつく。
人が苦手な自分にとって、今こそが本当の休憩時間だった。
(所要時間:7分)
10/7「力を込めて」
「お父さん!」
呼ばれて我に返った。横転し炎上する車の下敷きになっているのは我が娘。
「サヤ!!」
「お父さん、助けて!!」
悲鳴を上げる娘に駆け寄り、車に手をかけた。常識的に考えて持ち上がるはずがない、だが火事場の馬鹿力というものが発動するかもしれない。渾身の力を込めた。
―――車は吹っ飛ぶような勢いで反対車線に転がって行った。
呆然と両手を見下ろす自分に、立ち上がった娘が歩み寄ってくる。
「お父さん、リミッター外れちゃったみたいね」
車で潰されたと思った娘の両足に、金属の輝きが垣間見えた。
「ずっと黙ってたけど、私たちサイボーグなのよ」
(所要時間:8分)
10/6「過ぎた日を想う」
ここは過去、木々深い山々だった。今は見る影もない。
ここから見える海はかつて、青く美しかった。それももう失われた。
今、山は均されて広大な平地となり、その土は海に運ばれ埋め立てられ、立ち並ぶ高層建築物と、その間を走る道路が埋め尽くしている。
「時代の進化だな」
「そうですねえ」
婆さんを隣に乗せてエアハイウェイをかっ飛ばす。中心街まで3分だ。
かつて砂利道を車で40分かけてゴトゴト行くのも悪くはなかった。その間に交わした会話は数え切れない。
夫婦仲も、便利になった生活も、だからこそ今がある。久しぶりに感慨にふけった。
(所要時間:8分)
貴方と話している時はココロオドルという言葉が俺の心にはあってます。
ココロオドル (10.9)
「今週日曜空いてる?じゃあ海王星行こう」
「ちょっと待って、空いてるなんて言ってないし海王星も行かない」
うそつき!暇だって言ってたくせにぃと膨れるどうしようもない幼馴染をシッシッと追い払う。
「あんたね、いくら片道5000円で行けるってたってまだまだ危険なんだよ?宇宙に放り出されて窒息死とかマジあり得ないから」
そんなの0.5%だよ〜と笑うから宝くじ当たるより確率高いっつーのとデコピンする。可愛い顔して恐ろしい子だ。
「太陽系の1番外側まで行ったら何が見えると思う?海王星の青と地球の青じゃどっちが綺麗かな?ねぇねぇ、ワクワクしないの?」
無視。
ワクワクに命は換えられません。
「しょうがないな。サプライズしたかったんだけど」
顰めた顔のまま振り返ると、幼馴染がにんまりとして口を開く。
嫌な予感。
「海王星ってダイヤモンドが降り注いでるんだって」
うわ、それは。なかなかちょっと、いや、かなり。
「行きたい」
「君はホント、わかりやすくって可愛いな」
また負けた。
私には、ぺろりと出された憎き舌を睨むことしかできないのだった。
強拍、弱拍、弱拍
強拍、弱拍、弱拍
手をとり、目を見る
音に乗り、円を描く
温かくて、眩しくて
苦しくて、楽しくて
曲が終わって
時が止まって
強拍、強拍、強拍
強拍、強拍、強拍
あなたが紡いだ言葉に
わたしの言葉を重ねて
/お題「ココロオドル」より
2023/10/4(お題「踊りませんか?」)に書いたものと対になるものです。
ココロオドル
わたしは、その言葉を口にした時にカタカナということをなにか意味がある気がした…
わたしがそう思う時はいつなのだろう
すぐには思いつかないかもしれない
でも、きっと幸せって感じる時に思うのだろう
ココロ、オドル日々をひしひしと感じられますように
I.m.
今日の夜、大好きな恋人が帰ってくる。
長すぎた1週間の出張を終え、ヘトヘト顔で帰ってくることだろう。
今日はあの人の好きなものだけで晩ご飯を作ってあげよう。今日は今週会えなかった分だけたくさん話して、1週間ぶりに2人で寝よう。
そんなことを考えたら幸せな気持ちで溢れた。
『ココロオドル』
世代すぎてあの曲しか出てこない!
(ココロオドル)
家で過ごす、あいつとの時間。
ご飯を一緒に食べて
テレビを見ながら楽しく談笑して
一緒に寝る
そんな何気ない時間一つ一つに、俺の心は踊ってる。
#ココロオドル
84作目
今回は雑過ぎてすみません!!
先程まで私は言葉にできないような事を悩んでいました。
このような気持ちを言葉にしている人はいないかと、共感できる人はいないか、と思い小説投稿のアプリを探していて見つけたのがこのアプリでした。
今から探す共感できる投稿を見つけられるかと私はココロがオドっています。
想像すると
ココロオドル
あと1週間
あの日を乗り越えて
大学への切符をつかみ取れば
やりたいことが沢山できる
ココロオドル
最近の自分でココロオドルとき。
それは新しいお茶を発見したとき。
本当に私はお茶が好きで、
お茶のレポートを書いて賞を取ったこともある。
今までは緑茶とかほうじ茶とか抹茶とか、
日本って感じのお茶しか飲まなかったけど
最近は色々なフレーバーの紅茶にハマっている。
まだ知らないものってわくわくする、うきうきする。
それが私のココロオドルとき。
メルルはいつも以上に優しく大地に下ろされた。
足元でさっくりと砂が沈む。靴を通して熱が伝わってくる。
「気ぃ付けろよ」
「はい」
砂浜って…こんなにも柔らかいんだ。ヒムの注意は予告であったのか、メルルはバランスが崩れてよろけてしまう。彼が咄嗟に腕を掴んで助けてくれる。
「ごめんなさい、ヒムさん」
「いや。すまね」
砂を構成する成分は、単に海流が運んだ泥であったり、すっかり角が取れて丸まったれき岩であったり、大陸からの風で集まった砂であったり、砕けた貝殻であったりと様々らしい。足元の白い砂は粉のように細い。
たくさんの仕事の合間を縫って、二人で南国の島へ文字通り移動呪文で飛んでやってきた。
太陽は眩しくて、海の反対の砂浜の向こうは南国の木々がゆさゆさと揺れている。甘い香りさえしてきそうだ。
ヒムは芝居掛かった声を出す。
「で。お気に召しましたか、お嬢さんよ」
「なにがですか?」
「珍しく海がみたいとか言うからよ」
彼はなんだか眠そうな顔をしている。
「あ。それ…嘘なんです。ごめんなさい」
「は?」
ヒムはなかなか事情が掴めない。このお嬢さん、今嘘って言ったか?
「ヒムさんと2人になりたかったんです」
波の音がちゃぷちゃぷと続く。メルルは彼に背を向けて海を眺める。
どうしてか分かりますか?と付け加えれば良かった。
波間は日差しを照り返して眩しくて、木々は緑が濃くて、砂浜は穢れを知らぬほどに白い。どうか。はにかんでしまう子供のような顔は見ないで。
『ココロオドル』
静かだった水面に
大小様々に
波紋が広がっていく
静寂だった森で
大小様々な草木に
雨粒が降りそそぎ
音楽を奏でる
向風の中
荒野にひとり立つ
2本の足で
しっかり大地を踏みしめ
真っ直ぐ
前を見据える
未知なる世界への
旅立ちを前に
ココロオドル?
否
足がすくみ
きびすを返し
逃げ出す準備をしている
戦わずして
白旗を上げようとしている
恐怖で心がざわつき
叫び声を上げる
敗者 負け犬
所詮
底辺の人間なんて
こんなもん
頭に
ふっと浮かんだ
言葉や情景を
文字にしたり、
絵に描いたり
そうやって
ココロオドルことを
表現しているときが
一番好き
「Trick or Treat!」を待ちわびて
秋風が冷たくなり、夜がだんだん長くなると、ボクの一番好きな晩秋の祭りがやってくる。
「小麦粉にバター、砂糖に……」
台所の籠には収穫して寝かせているカボチャと栗と芋。棚にはお酒に漬け込んだドライフルーツ。
「卵の手配はしたし、後は……」
窓の外、浮かぶ細い月に
『Trick or Treat! ココロオドルネッ』
店の棚に飾ったジャック・オ・ランタンがケタケタ笑う。
『Trick or Treat! お菓子をちょうだい!』
オバケのボクが一夜だけ、人に紛れて自慢のお菓子をふるまうことの出来る夜。
今月のカレンダーの残りの日数を数える。ボクは鼻歌を歌いながら、仮装のローブと帽子にコウモリの飾りをつけた。
お題「ココロオドル」
『ココロオドル』2023.10.09
心が躍る瞬間は、なんといっても新しい作品の台本をもらったときだろう。
今回はどんな人物を演じるのだろう。どんなセリフを口にして、どんな歌を唄うのだろうか。
真新しい台本をパラパラとめくる。それだけで、自分や他の演者がどのような動きをするのか頭の中で想像する。
自分のセリフを素読みすれば、そこにはその人物が見える。
なるほど、コイツはこんなやつか。
ごくたまに、自分とは合わない性格のやつもいる。自分だったらこんな言い方や態度はしないのに、と憤りを感じることもある。絶対にコイツとは友達になりたくない、とブツブツ文句を言いながら演じることもある。
しかし、それも公演が終わるころになると、あれコイツもしかしていいヤツなんじゃねと考え方を改めることもある。
そんなときは、やっぱり新しい友達ができたみたいで心が躍るものだ。
これまで演じてきた役、すべてが大切な友達。
たとえそれが一回きりだったとしても、出会いは出会いなのだ。
もし、魔法か何かでその友達全員と話すことができたらどうなるだろう。
やっぱり気が合うやつは合うし、合わないやつは合わないのかもしれない。
そんな妄想すら、ココロオドルものなのだ。