『ココロオドル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
メルルはいつも以上に優しく大地に下ろされた。
足元でさっくりと砂が沈む。靴を通して熱が伝わってくる。
「気ぃ付けろよ」
「はい」
砂浜って…こんなにも柔らかいんだ。ヒムの注意は予告であったのか、メルルはバランスが崩れてよろけてしまう。彼が咄嗟に腕を掴んで助けてくれる。
「ごめんなさい、ヒムさん」
「いや。すまね」
砂を構成する成分は、単に海流が運んだ泥であったり、すっかり角が取れて丸まったれき岩であったり、大陸からの風で集まった砂であったり、砕けた貝殻であったりと様々らしい。足元の白い砂は粉のように細い。
たくさんの仕事の合間を縫って、二人で南国の島へ文字通り移動呪文で飛んでやってきた。
太陽は眩しくて、海の反対の砂浜の向こうは南国の木々がゆさゆさと揺れている。甘い香りさえしてきそうだ。
ヒムは芝居掛かった声を出す。
「で。お気に召しましたか、お嬢さんよ」
「なにがですか?」
「珍しく海がみたいとか言うからよ」
彼はなんだか眠そうな顔をしている。
「あ。それ…嘘なんです。ごめんなさい」
「は?」
ヒムはなかなか事情が掴めない。このお嬢さん、今嘘って言ったか?
「ヒムさんと2人になりたかったんです」
波の音がちゃぷちゃぷと続く。メルルは彼に背を向けて海を眺める。
どうしてか分かりますか?と付け加えれば良かった。
波間は日差しを照り返して眩しくて、木々は緑が濃くて、砂浜は穢れを知らぬほどに白い。どうか。はにかんでしまう子供のような顔は見ないで。
『ココロオドル』
静かだった水面に
大小様々に
波紋が広がっていく
静寂だった森で
大小様々な草木に
雨粒が降りそそぎ
音楽を奏でる
向風の中
荒野にひとり立つ
2本の足で
しっかり大地を踏みしめ
真っ直ぐ
前を見据える
未知なる世界への
旅立ちを前に
ココロオドル?
否
足がすくみ
きびすを返し
逃げ出す準備をしている
戦わずして
白旗を上げようとしている
恐怖で心がざわつき
叫び声を上げる
敗者 負け犬
所詮
底辺の人間なんて
こんなもん
頭に
ふっと浮かんだ
言葉や情景を
文字にしたり、
絵に描いたり
そうやって
ココロオドルことを
表現しているときが
一番好き
「Trick or Treat!」を待ちわびて
秋風が冷たくなり、夜がだんだん長くなると、ボクの一番好きな晩秋の祭りがやってくる。
「小麦粉にバター、砂糖に……」
台所の籠には収穫して寝かせているカボチャと栗と芋。棚にはお酒に漬け込んだドライフルーツ。
「卵の手配はしたし、後は……」
窓の外、浮かぶ細い月に
『Trick or Treat! ココロオドルネッ』
店の棚に飾ったジャック・オ・ランタンがケタケタ笑う。
『Trick or Treat! お菓子をちょうだい!』
オバケのボクが一夜だけ、人に紛れて自慢のお菓子をふるまうことの出来る夜。
今月のカレンダーの残りの日数を数える。ボクは鼻歌を歌いながら、仮装のローブと帽子にコウモリの飾りをつけた。
お題「ココロオドル」
『ココロオドル』2023.10.09
心が躍る瞬間は、なんといっても新しい作品の台本をもらったときだろう。
今回はどんな人物を演じるのだろう。どんなセリフを口にして、どんな歌を唄うのだろうか。
真新しい台本をパラパラとめくる。それだけで、自分や他の演者がどのような動きをするのか頭の中で想像する。
自分のセリフを素読みすれば、そこにはその人物が見える。
なるほど、コイツはこんなやつか。
ごくたまに、自分とは合わない性格のやつもいる。自分だったらこんな言い方や態度はしないのに、と憤りを感じることもある。絶対にコイツとは友達になりたくない、とブツブツ文句を言いながら演じることもある。
しかし、それも公演が終わるころになると、あれコイツもしかしていいヤツなんじゃねと考え方を改めることもある。
そんなときは、やっぱり新しい友達ができたみたいで心が躍るものだ。
これまで演じてきた役、すべてが大切な友達。
たとえそれが一回きりだったとしても、出会いは出会いなのだ。
もし、魔法か何かでその友達全員と話すことができたらどうなるだろう。
やっぱり気が合うやつは合うし、合わないやつは合わないのかもしれない。
そんな妄想すら、ココロオドルものなのだ。
紙の上を滑る文字の海
いつもこの時間がいっとう好きなんだ
それを読む、私だけが感じられる時間
言葉というものはなんて素晴らしいのだろう
こんなにも人を楽しませることが出来るのだから
[ココロオドル]
やった!
ついにやってやった!
嫌いなアイツから全て奪ってやった。
地位も名誉も、富も名声も!
あぁ……なんて至福なんだろ。
まさにココロオドル、夢心地。
"ココロオドル"
#ココロオドル
涼しい風が吹く。
長くて暑い夏が終わった。
ふわりと布団をかけて二度寝する。
暖かい飲み物がおいしい。
マカロニチーズとマッシュポテトのグラタンを作った。
お腹いっぱい。
ココロオドル
沸き起こる気持ちが
僕を
俺を
私を
オドラせる
この気持ちが
光へと繋いでく
#ココロオドル
ドウドウ?
魅セル
堂々
躍ル
乱破ノ音
百合ガ
舞ゐ散ル
ヒトヒラリ
貴方ハ踊ル
手ノ上デ
ココロオドル
私ノ 愛シイ 御人形
毎日同じことの繰り返しで
つまらなく感じてた
そうだ楽しいことを探しに行こう
自分から動き出さないと
ココロオドルことはない
何かないかな
考えただけでワクワクしてきた
ちょいとドキっとしちゃったさ
ココロオドルのお題を見て!
まー
ココロオドル
さむいひは温かお風呂で
…ココロオドル
あーあたたまる😮💨
好きな音楽聴いたら…
もっとココロオドル
踊って跳ねて…
あーたのしいわ
ココロオドル…
ウキウキワクワク
いい気分
「ココロオドル」
昔は世界が輝いていた、ように思う。
何はなくても学期末の休みが楽しみだった
誕生日やクリスマスを手放しで祝えた
祖父母の家まで数時間かけて行くことも厭わなかった
川に入るのが好きだった
スキーも毎年行っていた
自然を愛していた
いつからか、本心を隠すことが美徳となった。
ひとの嫌がることはやめなければならなかった。
そうでなければひとに認められないから、社会に属せないから。
そのうち、何にでも理由を求めるようになった。
休暇はやることがないから楽しくなくなった
歳を取ることに意味を見出さなくなった
クリスマスは一人だから祝わなくなった
ボケてゆく家族に付き合いきれず疎遠になった
偶に行くと歓迎されて駄賃を渡されるが、金の無心のようで罪悪感が芽生えた
川は遊泳禁止になった
年々雪は減り、値段も高騰したのでスキーも行かなくなった
身の回りにあった木々や川は、ビルと人混みに変わった
生活は無味になった。
金のために数日働いて、休暇という名の睡眠時間を過ごして、
いつか来るはずの迎えを待ちながら、ただただ時間を浪費している。
どうか音楽だけは、あの頃と同じように意味も理由もなく、
心を昂ぶらせてくれたら良いと思いながら、
一人、スピーカーを付けた。
あまり感じなくなってきてはいる。
好きなんだけど、ずっとときめいているわけでもない。
日常となっていることが嬉しい反面、味気なくなってきているのかなと不安になったり。
”ココロオドル”って、そんな狭間なのかもしれない。
嫌いじゃない。でも、夢中すぎることもない。
冷めているんじゃないんだけど、熱中しすぎるわけでもない。
でも、好きなことに変わりはないんだって思うから不思議だ。
ココロオドル
#3『ココロオドル』
私服登校の学校なので、いつもはうーんと何を着て行くか悩んでいるけれど、今日はお目当てのカーディガンにYシャツとスカートを取り出す。ループタイをつけたらオシャレかも。
クラスのお姉さん達みたいにバッチリメイクはしないけれど、化粧下地を塗ってパウダーで眉を整えたら、まつ毛をカールさせて、リップを選ぶ。髪はいつものポニーテールに今日は毛先を巻いて。
「えーっ!制服珍しー!」
「今日一段とビジュいいじゃん!」
「何々、彼氏?」
ふふっ、ありがと、うーん、まぁそんなとこ?と返すけれど、口角が上がって戻らない。早く会いたいなー。予鈴が鳴ったので席につく。英単語のテストも数学の確認テストだって楽勝♪昨夜しっかり対策したもんねー。
最後の授業が終わったら速攻彼に連絡を入れる。OK、駅で待ち合わせね。今日は違う高校に通う彼と放課後デートなのです!まあ、まだ付き合ってないし、というか幼馴染みっていう今の関係でいい感じだからずっとこのままかもしれないけど。
HRが終わり、ローファーを鳴らして歩く。ついつい早歩きになっちゃう。でも君も楽しみにしてるの、知ってるよ?既読早いし、きっと私より先に着いてるんでしょ?
こんなの好きだったな。
こんなことに興味あったな。
夢中になってたな。
愛していたな。
努力してたな。
恋していたな。
ワクワクしてたな。
やっぱり好きだな。
あぁ、なんだか、
–ココロオドル–
ココロオドル。
カタカナで変換された文字。
何だが凄く軽く感じる。
文字の威力が一気に無くなった気がした。
連絡をしようと思って、やめた。
心躍る、なんて、どんな内容の連絡なんだ。
「でも……、顔が見たかった……」
こんな変な文章で送れば、何これ?って返信が直に来そうな感じがした。
けれど、私はそれが出来なかった。
なんだか、邪魔になったら嫌だなって思ったから。
「せいじー、会いたいー」
私の彼氏の誠司は、今大学の野球部の合宿で
遠方に居る。
なかなか連絡は繋がらず、すれ違い気味。
それでも、ちゃんと連絡を文面でしてくれる所が私は大好きだ。
「……もう一度……、してみようかなー」
スマホを持っては置いて、持っては置いてを繰り返している私。
早く連絡すれば良いのに…、と、もう一人の私が言っている気がする。
意を決してスマホを持ったとき、
〜♫とスマホが鳴った。
そこに書いてあった名前は、私の大好きな人
誠司からだった。
ココロオドル
見たことがある文字だと思って検索したら、どうもアニメの主題歌らしい。
ニコニコ動画で耳コピ動画を拾って聴いてみた。
リズミカルで力強い、けど軽快な心踊る曲という印象だ。
人気が出すぎて音MADが多数投稿されるも、著作権侵害の問題から次々に削除されたと記事にあった。
ココロオドル。
どこか切なさと勢いをはらんだ秋の香りの音楽。
流される前に、有意義に過ごしたいと思う。
私事ではありますが、10月10日明日から10月12日まで
修学旅行に行ってまいります!
なので2日間もしくは3日間小説を書くことができません…。
すいません😭
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修学旅行楽しみ、!
【ココロオドル】