『エイプリルフール』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
300字小説
叶えたい嘘
俺には人のついた嘘が結晶のように見える。いつもは真っ黒だったり、毒々しい色だったり、見えて楽しくないものばかりだが、エイプリルフールは違う。いつもと違うワクワク感でつかれる嘘はカラフルに色ついて綺麗に見えるのだ。
小学校の登下校の道端に転がっているのは小学生の可愛い嘘。通勤通学の電車のソファに転がっているのはSNSを通して飛び出してきた楽しい嘘。そんな嘘を眺めながら、今日は軽い気分で街を歩く。
病院の中庭から転がってきた透明に光る涙色の嘘。転がる先を目で追うと涙を拭き、顔を上げて病室に向かう女性の姿。
俺はその嘘をそっと拾うと、神社の賽銭箱に賽銭とともに入れ、手を合わせ、この嘘が叶うように祈った。
お題「エイプリルフール」
「エイプリルフール」
エイプリルフール、それは一年に一度嘘をついてもよい日だ。
ただし嘘をついていいのは午前中のみで、午後にはネタばらしをするというふんわりなルールがある。
だからと言って、過度な嘘はその後の関係に亀裂が入る可能性がある。
皆が楽しめるような嘘をつくのが定石だろう。
片や私も、今日、エイプリルフールで人間関係を壊しそうになった。
危うくLINEブロックを喰らうところだったが、なんとか回避した。
誰にでも失敗はある。
だが、していいことと悪いことの区別はつけておいたほうがいいだろう。
エイプリルフール
可愛い嘘なら花束にして飾りましょう。きっと何回思い出しても笑みが溢れるから。
悲しい嘘なら風船にして私に渡さず、そのまま割ってくださいね。
日々家
ようやっと桜の花も咲いたのに
嘘から始める始まりなんて
/お題「エイプリルフール」より
ねるねるねるねには、
日常とエイプリルフールの区別はない。
色には、嘘も本当もないのだ。
もちろん、色を信じるのはあなたの自由だ。
しかし、実存するのは、練ったという事実。それだけである。
フィクションに救われ愛す故ただの四月のノリの嘘なら乗らぬ
題-エイプリルフール
◆エイプリルフール◆
エイプリルフールに勇気をもらって
告白じみたことを言ってみる
アイツは大きく目を見開いて
そのあとに破顔した
なにそれウケる
そんなこと言うなら、こっちもかましてやるから!
そうしてエイプリルフールだから!と、告白じみたことを言われた
「「本気にしていいんだよな?」」
言葉が重なる
唇も重なる
エイプリルフールだから、と言って朝からきみが嘘をついてくる。
「夢の中にキミが出てきたんだ!」
「今朝ワンちゃんとお話して「それは、絶対、嘘」…えへへ、バレた?」
「わかりやすすぎ」
買い物袋を持たされた俺と肩を並べて歩くきみ。恋人でもないのに、
「不純なんかじゃないよ、幼馴染に買い物付き合ってもらってるだけ!」
「そんなこと思ってな「顔に出てた」……ふん、」僕は、顔には、出ないほうだ。断固として。
「あーー!観覧車ある!光ってる!」
キラキラと光る観覧車にぴかぴかと目を輝かせたあと、僕の方に向いて
「一緒に乗ろうよ!ね?」と告げてきた。
夜景がきれいに見えるところまで_観覧車の四分の一のあたりまで_登ってきたところできみが呟いた。
「覚えてる?ここのジンクス」
「なんだっけ?」
それ自体の意味は、知っていた。知っているに決まっている。
「てっぺんで告白したら成功するってやつ」
「そうなんだ、でもありがちなやつじゃん」
「うっさいなー…乙女は、こういうの信じたいの!」
「へいへい」
頬を膨らませて怒るきみを見ながら思う、今日こそ告白しようかな…、と。
きみと出会ってから何十年もたった。もうそろそろ潮時じゃないか?頂上まであと、3…2…1!
「「あのさ」」
……見事に被ってしまった。なんでだ。この観覧車に乗ったらいつもこうだ。少女漫画じゃあるまいし、まあ見たことは、ないけれど
「あ、ごめんなに?」
「や、おばさんに連絡しなくていいのかなって」
「あー、うん!キミの家に泊まろっと!」
「は!?お母さんいるし…」
「嘘つき、一人暮らしのくせに」
「うるせぇ自宅ぐらしめ」
「何だと!?」
あぁ、これでいい。これが心地良いんだろう。進展なんてしなくていい。
「おかえりなさーい!」
スタッフの人の声が聞こえてきみと観覧車から降りるとき、「先降りる」ときみが僕を押しのけて前に出た。
「ちょ、すみません」
他の人に謝りながら先々と進むきみを追いかける。あと、数メートル、届い、
「好きだよ」「……は?なんて、」
「ずいぶんと韻を踏んだね。……好きだよって言ったの」
「ちょっと、待って!」
「いいじゃない、キミの家で答え合わせしたら」
そう言いながら僕の隣に立ったきみと同じ家にかえる。
よく見るときみも僕と同じように顔も耳もピンクに染まっていた。
この時間がいつまでも続いたらいいと思う。
けれど答え合わせは、今日のうちに終わらせねば。僕がどれだけ有頂天になって変なことを
言ってもエイプリルフールのせいにできるように。
“エイプリルフール”
「私、君の事が好き、」
テッテレー!エイプリルフールでしたー!笑
私が君の事が好き?
そんなわけなんじゃんっ…!笑
それが、君に初めてついた、真っ赤な嘘だった。
4月1日、今日はエイプリルフール。つまり新年そうそう嘘をついていい日だ。何故嘘をついてはいけないと教わるのに今日だけ嘘をついていいのだろう?誰がいつ決めたことなのだろう?
まあ、嘘をついていいなら誰かにドッキリしてみようかな。と思う自分も居た。 【エイプリルフール】
エイプリルフール
昔、昔のエイプリルフール…
私が小さかった頃に
8歳年上の兄に「公園でアメ配ってるよ」と嘘つかれて大泣きしたのを覚えてる…
あれから何十年後の今日の朝、またしても兄に「公園で飴配るってよ」と嘘つかれた。
お兄ちゃん!ウケる(笑)
「エイプリルフール」
この世界は、親切な人ばかりだよ
この世界は、苦しみなんかないよ
この世界は、みんな平等だよ
人生は、楽しい事ばかりだよ
人生は、すべてうまくいくよ
人生は、バラ色だよ
今日はエイプリルフールだからね…
これくらいの事言わせてよ
あえて
嘘のように
本心だとバレないように
想いを伝える
このドキドキも
隠し通す
『エリプリルフール』
今日って なんの日だっけ
あぁ エイプリルフールか
この日に ウソをつく人って いるのかな?
少なくとも 私はウソをついたことはない
だまされたことも ないなぁ
なんで エイプリルフールって あるんだろ?(笑)
僕は彼女に嘘をついた
どう考えても嘘だとわかるような
「エイプリルフールって4月2日になったらしいよ!」
とってもくだらないことだ
ただ、僕の彼女は違う
天然なのか何なのか知らないけど信じてしまった
ほんとに馬鹿だ
そこで僕は
「嘘だよ」
というと彼女はほっとしたかのように
「なんだぁ」
という
ほんとに僕の恋人は可愛いし、面白い
エイプリルフール
無意味なものはないと思っていたが
まさかの無意味な風習があった。
バレンタインやハロウィンのように
イベント商戦があるわけでもない。
子供時代は、4月1日だけできる会話
として特別感は確かにあった。
大人になってする会話ではない。
変なの。
ちなみに、今日の夕飯は
A5ランクの牛肉でした。
【エイプリルフール】
嘘かもしれない
という希望を残したいから
どうか
告白の返事は
エイプリルフールに
この人生どうか嘘だと言ってくれ
世界はこんなにも美しいのに
「エイプリルフールについたウソって、一年間は叶わないらしいよ」
へぇ、とキミは興味なさげに相槌を打った。
「ウソは嫌い?」
「嫌いもなにも、嘘なんてつくべきじゃない」
「はははっ、相変わらず頑固だねえ」
私がそう返すと、キミは不服そうな顔をする。
素直に感情を出してくれることが嬉しくて、私は笑顔になってしまう。
そんな私の顔を見て、キミは更に嫌そうな顔をする。
「……笑うなよ」
「はははっ、ごめんごめん」
笑うことをどうにかこらえて、キミへ呼びかける。
「ねぇ」
「なんだよ」
「来年も、再来年も、その後もずーーっとこんな風に生きていたい!」
いきなり大きな声を出して私に、キミはポカンと口を開ける。
「それは嘘か……?」
「どうでしょう?キミが信じるほうでいいよ」
目をぱちくりとさせて少しの間キミは考えているようだったけど、やがて穏やかに言った。
「じゃあ、そう思っておくよ」
「えー?そう思うってどっち!?」
「秘密だよ」
普段はしないような、いたずらっぽい笑みを浮かべてキミがそんなことを言うから、なんだか心がふわふわしていた。
「エイプリルフール」
「ああ。嘘だよ。だってエイプリルフールだよ」
君は笑ってそう言った。
「良かった。君に何かあったら私は」
と、ホッとした。
「ごめんね。驚いたよね」
「うん」
「君の事、好きなのは嘘じゃないよ」
「知ってる」
と笑い合った今年のエイプリルフールだった。