「エイプリルフールについたウソって、一年間は叶わないらしいよ」
へぇ、とキミは興味なさげに相槌を打った。
「ウソは嫌い?」
「嫌いもなにも、嘘なんてつくべきじゃない」
「はははっ、相変わらず頑固だねえ」
私がそう返すと、キミは不服そうな顔をする。
素直に感情を出してくれることが嬉しくて、私は笑顔になってしまう。
そんな私の顔を見て、キミは更に嫌そうな顔をする。
「……笑うなよ」
「はははっ、ごめんごめん」
笑うことをどうにかこらえて、キミへ呼びかける。
「ねぇ」
「なんだよ」
「来年も、再来年も、その後もずーーっとこんな風に生きていたい!」
いきなり大きな声を出して私に、キミはポカンと口を開ける。
「それは嘘か……?」
「どうでしょう?キミが信じるほうでいいよ」
目をぱちくりとさせて少しの間キミは考えているようだったけど、やがて穏やかに言った。
「じゃあ、そう思っておくよ」
「えー?そう思うってどっち!?」
「秘密だよ」
普段はしないような、いたずらっぽい笑みを浮かべてキミがそんなことを言うから、なんだか心がふわふわしていた。
4/1/2024, 11:16:42 AM