『エイプリルフール』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
エイプリルフール:
ふと、思った。ただの興味本位だが。今日くらいはお前に言ってやってもいい気がした。
小さくぽつりと呟いた愛の言葉。気に入らないお前にだけ、不本意だが嘘と本当半分の告白を。
「愛してる」
馬鹿らしい。阿呆みたいに頬を緩ませやがって。この様子だと今日がエイプリルフールだとは気づいてなんかいないのだろうな。
苗字は同じ、遺伝子もほぼ同じだろう。お前へ向ける気持ちも同じ。しかし、似て非なる事柄がひとつ。身長は元々変わりなかったため気付かれることはないだろう。お前が好いている奴の真似をするなんて反吐が出るが。髪型まで揃えて俺も必死なもんだな。
早く、長い夢から覚めてやらないと、此奴は俺が掻っ攫っちまうぞ、糞兄貴。
こうして手紙を書くのは久しぶりね。最後に書いたのは確か、去年の君の誕生日だったかしら。
すごく唐突かもしれないけど、驚かないで聞いてね。今だから言うけれど、私ね、ずっと前から君のことが好きだったのよ。君に恋人が出来た時、初めてそれを自覚したの。馬鹿よね。私、何の疑いもなく信じていたのよ?君とは死ぬまで一緒にいられる、なんて。勝手にそんなことを思っていたの。だって、君と私は似た者同士だから。
でも実際は、君と私は全然違ったし、君は私の隣からいなくなった。当たり前よね。結婚するってそういうことだもの。家庭を持つってことは、友人より優先すべきものが出来たってことだもの。
あんなに人間不信だった君が、私の知らない誰かと幸せそうに笑っているのを見ると、正直苦しくて堪らないわ。心のどこかでは確かに祝福しているはずなのに、大半は呪いみたいな黒いものが淀んでいて、嫌になる。あの時、君と出会えた奇跡があったから、今私は此処にいられるのに、今はあの時死んでいれば、なんて考えてしまうの。君と出会えたから、誰かを好きになる幸福を知れたけど、そのせいで自分の度し難い醜さにも気付いてしまったから。
物語を書くことは、私にとってのアイデンティティで、君のために今までたくさんの物語を書いてきたけど、もう終わりにするわ。君がもう、物語を読まなくなったから。読む必要がなくなったから。
知らないでしょ?私が寝る間も惜しんで書いていたこと。君の喜ぶ顔が見たくって、書き続けていたこと。これからも、ずっと、死ぬまで書き続けたかったこと。
たったひとりの読者のための物語は、これで終幕よ。
この手紙を君が読み終える頃には、私はもう君と同じ世界の空気は吸っていないでしょう。言葉も声も届かない場所で、後悔と懺悔にくれていることでしょう。いっそ、願われない流れ星になって、燃え尽きてしまえたら幸せね。
言われるまでもないと思うけど、伴侶のことは大事にするのよ?君がこちら側に来るのは、満腹になるまで幸福を味わってから。でないとそれこそ、本当に呪うのだから。
じゃあね、
そこで慌ててる馬鹿な君、手紙は最後までちゃんと読むものよ?カレンダーはめくったかしら?そう、今日は“エイプリルフール”。嘘吐きの日。
ふふ、ごめんなさいね。今私、ひどい悲劇のような喜劇を書いているから、こんな嘘しか吐けなくて。
執筆が落ち着いたら、そのうち君の新居に遊びに行かせてもらうから、その時はまた、君の話を聞かせて頂戴。
『エイプリルフール』
そう、これは嘘だ。
でないと説明がつかない。
僕の目の前にある、君の姿。
花を添えられていて、綺麗な君。
君がお空の星になったなんて。
───────そんなの、嘘だよね?
イヤね、エイプリルフールだろ?
とりあえず、知ってるかわいいこに告白したのよ。
断られても、ウッソーで済むだろ。
そしたらよ、ミキちゃん。告白したらオッケー。
俺びっくりしたのよ。だから付き合う事になったのよ。
うん? お前どしたの? え? もしかしてミキちゃん好きだったの? ゴメン、俺
ミキちゃんと
ウッソーー!!
エイプリルフールでした♪
いや、俺はカオリ派だから。
ゴメンゴメン
えっお前もエイプリルフール!!
カオリ派なの!
昨日が平和な地球最後の日でした。
今日からはあなたの知らない地球の新たな1日が
始まりました。
あなたは記念すべき今日という日に
何をしますか?
あん🌟
毎日のように私自身に小さな嘘ついて
周りに嘘ついて
本当の自分が分からなくなった
そんな汚い世界にいつまでも居たくないな。
昼を生きる人達は
今日という日をどう過ごしましたか?
#エイプリールフール
去年のエイプリルフール
好きな人が同じクラスの女子全員に嘘告してたらしい
私のとこには来なかった
本命ってことかな?
でも死んでほしいまじで
『エイプリルフール』
行事ごとなんかはただの口実です。
あなたと喋りたいが為の口実。
別に「このうちどれが嘘でしょう」なんて
どうでもいいクイズ出さなくても。
必要以上に嘘をついて「嘘です」なんて
口癖のように言ってみたりしなくても。
頭ではそう思うけれど、
あなたと喋りたいだけです。
どんなにくだらないことでも、その時
話している時、あなたが私を見てくれるのが
嬉しいから、良いのです。
エイプリルフールは特になにもありませんでした
何かあるとするならちょっとだけ辛いことがありました
それは嘘告されたことです。私はその日エイプリルフール
だということを忘れていて本気で返事をしてしまって
相手に本気で返事してやがるー!今日何の日だと思う?
って言われてしまい正直辛かったです。
皆さんもエイプリルフールに限らず嘘告には注意してください
ほんとに辛いので嘘告はなくなってほしいです
というか嘘告する人いなくなってほしいです。
お題 エイプリルフール
『嘘つきチョコレート』
──そう筆記体の文字で書かれた紙箱が目に止まった。
悪戯グッズのひとつだろうか、と物思いにふける。
残業が日常になりつつある繁忙期
胃を酒で満たすのも疲れるほどの疲労を抱え
かと言って まっすぐ帰宅するのも気が進まないこの頃。
気まぐれで立ち寄っただけの埃臭い古書店で
帰りがけに まさか自分の興味を惹く品があったとは。
手のひらサイズの箱は意外と薄手の柔い素材で、
手に取ってみるとほんのりカカオの香りが漏れていた。
本当に売り物なんだろうか。
値札を探そうとして箱を裏返すと、
潰れた手書きのインク文字で小さく何か書いてある。
『隠し事を秘めた貴方へ』
思わず苦笑する。
確かに俺はこのチョコレートにふさわしい嘘つきだ。
この嘘に値段など つけられまい。
[気まぐれ] で毎日通ったこの店は、そして [彼女] は
とうの昔に見抜いていたのだ。
迷わずチョコレートをレジまで持って行き、
待ちくたびれたような顔をした [彼女] と目が合う。
「──もう、嘘はつけませんね」
そう微笑んだ [彼女] の後ろで
木製の大きな時計が0時を回るのが見えた。
言い訳がましく長い俺のエイプリルフールは
どうやらもう終わりらしい。
2023/04/01【エイプリルフール】
皆馬鹿になりましたか?
騙される馬鹿と
騙す馬鹿。
皆仲良く四月馬鹿
愉快ですね。
忘れてた馬鹿も
いるのですけど。
題 エイプリルフール
オォ─────イ、先生、居るかい⋯⋯。 おや、ハジメマシテ、新人サン。君は、火傷は診れるかい。⋯⋯ グラッツェ。
後ろに、火吹き者が居るのに気が付かなかったのサ。運悪く、背中を炙られてしまってネ、アハアハアハ⋯⋯。⋯⋯ イヤ、このサーカス団ではよくあることサ、みんな、思い思いに練習しているからね、今日は、ボクに炎をブッカケタイ気分だったのだろう。⋯⋯ そんなに酷いかい、あまり痛くは無いけどねェ⋯⋯ アハアハ。⋯⋯ アァ─、首のところのアザは気にしないでくれ、それは昔に付けたものだから⋯⋯。
⋯⋯ そういえば、フェデリーコ先生はどこに行ったのだい。⋯⋯ ヘェ、町医者に⋯⋯ ソレはザンネン!ボクたちは、彼にとてもお世話になったからね、将来はこのサーカス団で死んで欲しかった!
⋯⋯ ソ、もうひとりはボクの親友サ。出会ったのはズゥッと昔で、ズゥッと一緒に道化師(ピエロ)をしていた。ボクと同じ服を着て、同じメイクをして、同じ口調で喋るのサ。そのうちお互いの癖まで真似るようになって、お客さんの前に立つ度に、双子だと勘違いされたよ、アハアハアハアハ。
ボクはその度にヨロコビを感じたよ、大好きな親友の唯一無二の存在になれているのだから!
⋯⋯ ボクたちは、もっと一緒になろうとした。同じ料理を食べて、同じ身長にして、同じ名前にした。とてもゼイタクな日々だった⋯⋯。 新人が入る度に、ドッペルだと勘違いされたよ、アハアハアハアハ⋯⋯。 この上ないヨロコビだったよ⋯⋯。
⋯⋯ けれどネ、何かが足りなかった。ボクは最上を超えるヨロコビが欲しかったのサ。そのためには、何かが足りなかった。そのことを親友に泣いて訴えたら、親友も泣きながら、
「ヤッパリ、ボクらは同じだ、道化師(ピエロ)の名にフサワシイ存在サ。明日、ショウメイしようじゃないか。」
と言って、パペットのように寝てしまった。
⋯⋯ そして次の日、丁度1年前の今日、親友は死んでしまったのサ。2段玉乗りの練習をしていて、チョウシに乗って弾(はず)んだ時に落下して、ウチドコロが悪くて死んじゃった⋯⋯。
ボクはネ、最上を超えるヨロコビを感じたよ!!だって、キット、ボクは将来、そんなフウに死ぬだろうから!ボクの親友らしい死に方だ!⋯⋯ けれどネ、首の裏にアザが残ってしまったことだけが、ザンネンだった。ボクにはそんなアザはなかったからサ。
⋯⋯ おや、どうしたんだい⋯⋯ 医者のくせに具合でも悪いのかい。しかし、困るなぁ⋯⋯ キミには、も少し仕事をして欲しいのだけれど⋯⋯ キット、そろそろ⋯⋯。
⋯⋯ アァ、グットタイミングだ親友。新人サンに火傷を診てもらうといい⋯⋯。⋯⋯ ワオ、これは酷い。けれど、痛くはないだろう?
⋯⋯ エ、1年前に死んだって⋯⋯ ?アハアハアハ。騙したお詫びに、イイコトを教えよう。
道化師を人間と思ってはいけないよ、兄弟
朝を迎えたいかい、グラスホッパー
振り向かないこと!ココロッチ
カナリアが鳴いているよ、レモネード
耳を貸すな!ジンジャエール
4月1日、エイプリルフールなんだと思うと
幼い頃に先生や大人たちによく、
素直でとても良い子だねと言われて
育った事を思い出す。
大きくなるにつれ、嘘のスキルを嫌でも
身につけて、自暴自棄に堕ちた。
エイプリルフールに限らず
エイプリルフールだからではなく
この世界で生きるには、正直者では
生きられないのでしょうか。
去年の今私は友達から騙された。
それは付き合う報告でめでたいと思っていた。その束の間すぐにLINEのステメにt君とか、背景を手繋いでる写真とかにしていた。
「もう、好きじゃないから」
声が震えないように
出来るだけ、突き離すように
俺のことを、一生振り返らないように
「だから、もう会わない」
お前が、嫌いな煙草に火を点して
泣きじゃくるお前に背を向けて
俺は、歩き出す。
吸いかけの煙草の火を、左手の甲に押し付けて
だけど、こんな痛みじゃ
これっぽっちも、効かねぇよ。
お前をえぐった痛み
失った痛み、巻き戻せない全てに…
【お題:エイプリルフール】
「あ、もう四月一日おわっちゃった」
「そういえば、そうだっけ。なんか年度末から年度はじめってふつうに忙しくてエイプリルフールのための嘘って考えてらんないよね」
お互いにスマホを触りながらの会話。それがいつからか当たり前になってた。
高校時代から付き合いが始まって、あっという間に六年。今年で七年目の関係。
お互いが社会人になって、その忙しさに同じ家に帰ってきても、昔みたいにのんびりしていられる空気じゃない。
「嘘ってさーいざ騙すぞ! って意気込むと逆にネタが浮かばないんだよね」
「わかる。なんかいい感じの嘘って難易度高いよな」
「企業のネタみるとすごいのもあるし、微妙ってのもあるからセンス必要だよね」
まったくだと同意をしながら、ずっとDMのやり取りを続ける手は止めない。
職場の教育係だった先輩社員とのやりとりはずっと続いてる。
退社後に同じ駅に向かうまで話し、それぞれの路線に別れてからはこうやって帰宅したあとまでずっとDMで会話。
それが楽しい。恋人との会話よりも。
「そろそろ寝るか。明日も早いし」
「んー。あ、歯ブラシ新しいの買っといたから」
「忘れてた。サンキュー」
お互いのスマホを、それぞれのパジャマのポケットに入れて歯磨きをして、同じ寝室に入って左右で充電器に繋ぐ。
いつからかお互いに、スマホを放置しっぱなしにすることもなくなったけど、どちらもその事実に言及することはないまま嘘つきの日の翌日を迎えるために眠りに就いた。
#エイプリルフール
「大丈夫だよ」
今日だから?
いいや
「また」
いまはちがうよ、
毎日、毎日、ちょっとしたウソをつく。
うれしい、たのしい、すごいね、おめでとう。
本当は、これっぽっちも思っちゃいない。
妬ましい、羨ましい、アイツだけ、ワタシだけ。
本音を包み隠して、優しいウソで塗り固めて。
その重い鎧に、いつか押しつぶされてしまうのではと、恐々と今日もウソを積み重ねる。
そうして本当の自分も忘れて、騙して、どうにかこうにか、人並みに人間をやっていく。
テーマ「エイプリルフール」
「私、貴方の事ずっと嫌いだったの」
大好きだった君がそう言った。
君は学校で虐められていた
僕を唯一助けてくれる優しい子だった。
だけどそれは嘘だったんだ。
周りがクスクス笑う。
あぁ、君を信じた僕が馬鹿だった。
次の日僕は嫌々学校に行った。
先生が入ってくる。
「残念な事にうちのクラスの○○が
昨日自殺しているところが発見された。」
君が死んだ???
「先生、、、エイプリルフールは昨日なんだけどw」
「嘘だよね、、、」
みんなが、いろいろ言っている。
僕はもう何も考えられなかった。
君が死んだ理由は家庭内虐待だった。
何も知らなかった。
僕は助けてもらってたのに、
僕は君に何もしてあけれなかった。
僕は大人になってからも君の言った
「私貴方の事ずっと嫌いだったの」の意味を考えた。
君は、、、僕に私は貴方の事ずっと好きだったの
そう言いたかったんじゃない?
もし君がそう言ってたら話は変わったのかな?
エイプリルフールの
嘘の答え合わせは午後にするものでしょ?
まだ、答え合わせ出来てないんだけど。
【エイプリルフール】
今日は沢山嘘をつける日
「大好きです!!」
その告白は嘘コク?
それとも保険としてエイプリルフールに?
全く分からない モヤモヤしちゃう