『やわらかな光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題『やわらかな光』
友達に誘われてギルドを作り、はじめてクエストの仕事を受けることになった。
俺達の職業は皆、攻撃系だった。剣士、拳法家、魔法使い。一人も回復ができる人なんていなかった。
でも酒場のおじさんに『ラクショーよぉ』と言われたので、はじめてで逆に気が大きくなっていたのか、俺たちはダンジョンに向かって最弱といわれているモンスターであるスライムを倒しに行った。
甘かった。
スライムは、一匹だけじゃなかったのだ。宝箱を守るように何匹かいて、それが寄り集まって大きなモンスターに姿を変える。もうすでに拳法家は倒れてて、剣士も膝をつき、魔法使いである俺は牽制に炎を打つことだけでせいいっぱいだった。
そのとき、突如現れたやわらかな白い光が俺たちを包む。
その瞬間、傷が消え、なんだか重かった体が軽くなったような気がした。
続いて青い光が剣士を包む。剣士は雄叫びをあげながら大きなスライムに斬り掛かった。俺も負けじと魔法を発したらいつもより大きな炎が手から出て驚いた。
スライムは、両断され、消し炭になって消えた。
後ろを振り返ると、僧侶が立っている。
「大丈夫ですか? 回復魔法を持たれてないようでしたので心配で」
その僧侶は美人だった。こんな女神が俺たちを助けてくれたのだと。倒れている拳法家に僧侶がやわらかな光の魔法で包んでいるのが見えて、俺は思わず心で
(結婚してください)
と呟いたのだった。
やわらかな光が差し込む。朝の訪れ。あたらしい日のはじまり。終わりへ向かう旅路はまた一歩進んだ。
太陽の光の届かない朝もあるだろう。急激に季節が変わった最近は特にそう思う。寒さというものは心をどんどん殺していくのだと感じる。おそらく人は、あたたかいもの、やわらかいもの、ゆるやかなものを好む。つめたいもの、かたいもの、いそぐことは穏やかとはいわない。差し込む、という表現が似合うのは、あたたかくやわらかい光のこと。朝の訪れ。まぶたで感じるもの。
目が覚める
カーテンを開くと
やわらかな光が入ってくる
今日もいい日になりそう
そんな気がする
お気に入りの珈琲を入れて
一息ついたら出かけよう
やわらかな光
ぐっすりと眠れた天気の良い朝に洗濯機を回し
家族の服を干す
煩わしさの中にも、共に生きていることを感じ
朝の光りと共に心にもやわらかな光が差し込む
やわらかな光
少し早く起きた朝、やわらかな朝陽が差し込むリビングで、豆から挽いたコーヒーをゆっくり飲む
素敵な一日の始まり
現実は………
昨日の茶碗が残ったキッキンで、無言で朝食の納豆を混ぜ、冷食チンして弁当を作り、娘の目覚ましがエンドレスで鳴り響き「遅刻するよ!」と怒鳴りまくる…
風がさわさわと木の葉を揺らす。
月の光が優しく男の顔を照らしてくれる。
包帯でぐるぐる巻きになっているけれども、目や口だけは表に晒されていて、以前と同じようにほんのり色気を感じさせた。
誰なのか思い出せないのにどこか懐かしいのはどうしてだろう。
その全身は酷く爛れていて不気味なのに何故だか涙が込み上げてくる。
男の唇が確かに己の名前を呼ぶ。
お前は誰だ。俺の名前を知っている、得体の知れないお前は。
月影に隠れてしまった男はもうそこにいない。
やわらかな光
(本稿を下書きとして保管)
2024.10.16 藍
あ やば
い 何回も起こしたのに
あ 昨夜、寝られなくて
い がんばるのも良いけど…
あ 大丈夫だって
い はい、お味噌汁
あ 目、さめる〜
い ふふ
あ ありがと
『やわらかな光』
やわらかな光がそっと私の目を覚ます。
寒くもないし暑くもない
今って丁度いい季節。
寝起きの私を起こすために
伸びをしてカーテンを開ける。
風が吹くと少し寒いけど
私には寒いくらいがちょうどいいから
今の季節が大好きだ。
窓から伸びる光が
水の入ったグラスに反射する
少し虹色に縁取られた瞬間が好き。
朝から浴びるやわらかな光が
私に今日も頑張る元気をくれる。
今日も頑張っていかなきゃね
─────『やわらかな光』
やわらかな光
美大に通う彼女が、林檎の絵を描いてXにポストしていた。
どう?
うん。林檎だね。
それだけ?
ええっと……。 どうしようか。迷ったけど、僕は彼女に隠し事ができない男なのだ。
影、かな。
影?影がどうしたの。
影がくっきりしているから 瑞々しくていい林檎に見える。特級品の林檎って感じ。店頭に並んでいたら、皆、手に取るんじゃないかな。
いいじゃん。ダメ?
ううんと……。じゃあ同じ林檎で影をぼやかして描いてみて。
2時間後。影のぼやけた林檎がポストされた。
どう?
うん。いい。僕はこっちがいい。
そう。理由は?
くっきりしている影は、強い光が当たっている証拠。ぼやけた影はやわらかな光。林檎にわざわざ強い光を当てるなんて、作為的なものを感じて嫌だ。そんな状況ある?不自然だよ。2枚目の方が温かみがあってホッとする。自然光。陽の光って感じで。
ふむ。じゃあお店だったら2枚目の方を手に取るの?
1枚目。
なにそれ。
食べるから。美味しそうなのは1枚目。
ううん、なんか納得いかない。
だからさ、実際に食べるとか美味しそうとかいうのと、君が何をどう描くのかってのは全くの別問題ってことさ。林檎を良く見せたいなら1枚目でもいい。僕には不自然でありきたりな林檎に見えるけどね。2枚目の方が自然で個性的に見える。絵としてはこっちが好きだな。
そっか。……なんかくやしい。負けた気がする。
まあ気にしないで。所詮、美術は3しか取ったことない男の話だから。
うう、 ますます負けた気がする。すごくする。
No.151『やわらかな光』
やわらかな光が僕の心を緩和されてくれた──
なんて都合のいいこと起こるはずがないのに。
一度は待ったことがあった。でもそんなものは来なかったよ。そんな物語みたいな展開、起きるはずないよ。
いつだって世界は僕らの敵なんだ。
やわらかな光
やわらかな光は安心する
心が穏やかになる
でも
普段は苦手にしている強い光に
心が踊ることもある
救われることもある
何を、どう捉えるか
捉えられるのかなのだろうな
やわらかな光
早起きするといい事がかあったりする。
例えば綺麗な朝日を見れたり。
朝の綺麗な空気を吸うのも好きだ。
だから早起きをする。あぁ今日も朝日が昇ってきた。
やわらかな光が私を照らす。
さぁ、今日も頑張ろう。
やわらかな光
やわらかな光
それは、求めているもの
名前も知らないが
欲しいんだ
やわらかな光
それは、まぶしい存在
トロンと眠らせる
ぬくもりだ
やわらかな光
それは、赤ちゃんに戻す
心をカラにして
泣きなさい
2024-10-17… 【やわらかな光】
さあ、今日も朝が来た。
生まれたての太陽が登り始めた
やわらかな鈴蘭の白と金木犀の橙色を混ぜ合わせたような光
新鮮な少し冷たい空気とともに
やわらかな光が街を…世界を…照らし始める
それは一筋の希望のように
どんな世界にも やわらかな光はさすのだ
✡黒猫ブルー✡
翌日が楽しみすぎて、目覚ましが鳴る前に目が覚めるなんていつぶりだろう。
一度のアラームじゃ気付きもしない私が、
今朝は1時間も前に覚醒していたのだから驚きだ。
昨夜目にした一枚の広告。
それを思い浮かべるたびに、胸がトクンと鳴って
緩みそうになる頬を慌てて隠す。
絵画の展示会なんて、勿論行ったこともないし
それこそ絵を見て心を動かされる日がくるなんて
昨日までの私にはとても考えられないことだった。
叶うことならオープンと同時に駆け込みたかったけれど、今日に限って外せない打合せが入っているため急な休みを取るわけにもいかない。
けれど、楽しみが待っていると思えば
きっとあっという間に仕事は片付くだろう。
すっかり秋めいてきた早朝の空気と
天空から注がれる柔い陽の光に瞳を細めながら
今日は絶対に定時で上がるぞ、と
心に誓いを立て
軽やかな足取りで電車に乗り込んだ。
Theme/やわらかな光
Writer/Akari✿
光を見た
俺を救ってくれた光だ
それはとても小さく臆病な光だけれど
俺にとってはとても強く温かい光だ
この光を守るためならば俺はなんでもやるだろう
なんでも
そう、なんでもだ
そしていつも通りにゴミを埋める
あの光は眩しすぎてそれを嫌うものが出る
だから埋めるのだ
あの光が損なわれないように
あの光が奪われないように
やわらかな光を守り続けるために
俺はそうやって生きていくのだ
#やわらかな光 #鰯と柊
やわらかな光
久しぶりにカーテンを開ける
朝のやわらかな光が入ってきた
この光はこの後ずっと会えないだろう
やわらかな光
麗らかな春の日。少しだけ開けた窓から入り込む風は、まだ少しだけ冷たい。けれど、この午後一番の授業を眠らずに過ごす為には、ちょうど良い刺激となっていた。
(あー…早く終わんないかな…)
英語は苦手だ。何を言っているかさっぱりだ。
高3にもなってbe動詞で躓いてるのは、きっと私だけだ。
「ーーーはい、じゃあこの問題は…青井!分かるか?」
さっぱり分からない英語だが、何故か先生からは好かれていた。
「え"」
「えってなんだ〜?分からんのか〜?去年も教えたところだぞ?」
全く、嫌な大人だ。
「そうでしたっけ?えー…確かwas!」
「全然違う。青井だけ一年やり直しだな。はい次、増田!」
…別に英語が出来なくても生きていけるし。英語と物理以外は点数良いし。
そんな屁理屈を心の中でぶつけながら、視線をノートに戻した。
「青井さん、やっぱり当てられたな。去年も毎回だったもんな。」
話しかけてきたのは、隣の席の野球部エース芦田君だった。
「…どうにかしてほしい…」
「それは多分青井さんの上下左右の人たちが思ってる事だと思う…」
「え、どうして?」
「青井さん当たると、必ず青井さん起点に当てられるから。」
「……」
…私だって別に当てられたくて当たってるわけじゃない。黙ってぶすくれる私を見て、芦田君は軽く笑った。
「ふ、怒んないでよ。ごめんて。」
柔らかく笑う芦田君に心臓が鼓動を速めた。
芦田君とは高2から同じクラスになった。初めは別に何とも思っていなかったが、授業中、柔らかな光に包まれて窓際の席で堂々と居眠りをする姿が、何故か輝いて見えて釘付けになった。
それからというもの、私は芦田君をずっと好きでいる。
しかし彼は野球部のエース。顔も整っており、性格も良しときた。そんな人が人気にならないはずがない。
いくら同じクラスで出席番号が近いからと言っても、所詮はそれだけの繋がりなのだ。教室を一歩出れば見えなくなってしまうような、儚いものなのだ。
近くで想っていても、届きはしない。彼女だなんて夢のまた夢だ。芦田君の彼女になるような子は、きっと可愛くて、野球にも詳しくて、周りにも気が利いて、英語もできる、そんな子に違いない。
ーーーだから、いちいちドキドキするな。
勘違いしそうになる心をぐっと抑えようと、唇を強く噛んだ。
「え、な、泣く!?」
それを見ていたのか、自分が揶揄った所為だと思ったらしい芦田君が、慌て始めた。
「へ?あ、違う違う!大丈夫!そんなんじゃないから!」
説明は出来ないが、とりあえず否定はしておいた。
「ほ、本当に?…よかった…俺青井さんの事泣かせたんかと……」
「本当にそんなんじゃないから大丈夫だよ!」
「何が大丈夫なんだ?」
ぬっと現れた教師に軽く息が詰まる。いつの間にか大きくなっていた声は、先生のみならずクラスメイトの視線まで集めていた。
「青井、お前は全然大丈夫じゃない。私語している場合か?芦田も、青井の事を思うなら、単語の一つでも教えてやれ。」
「はい…」
「すいませんした!」
やらかした…芦田君を巻き添えにしてしまった。
その日の英語の授業は全く頭に入らずで(いつも)終業のチャイムが鳴ると、私はそのまま机に突っ伏した。
きっと芦田君呆れてる…。
そう思うと本当に涙が溢れ出しそうになった。泣くなと言い聞かせていると、机の角をコツコツと叩く音がした。
「?」
顔を上げると、芦田君が自分の英語ノートを差し出してきた。
「その文章訳して」
私に英語を教えようとしてくれている?
先生に言われた事をすぐに実践するなんて、なんて真面目な人なんだ!…て芦田君はそんなに真面目な人だったか?
だいぶ失礼な事を思い浮かべながらノートを見ると、真っ白なページに一文だけデカデカと書かれていた。
『I want you to come and watch the game on Saturday.』
「えーっと…アプリ使って良い?」
「ダメ。」
意外と優しくない。
私は頑張って訳す事を試みた。
「んーと、…ほしい…comeは来い?…見る…ゲーム、土曜日……」
知っている単語の意味を並べていく。
何故だか、息苦しいほど心臓が音を立て始めた。
いや、待て。これは都合のいいように私が解釈してるだけでは…?
落ち着けと言い聞かせて、芦田君に視線をやると、芦田君もじっとこちらを見つめていた為、バッチリと目が合った。
「意味、分かった?」
期待してはダメだ。期待するから、そうじゃなかった時落ち込むんだ。勘違い、するな。
「あ…、え…と、」
芦田君が目を逸らさない。
「ゲーム、土曜日にゲームをするよって」
「違うよ」
食い気味に否定された。しかしこれ以上核心に迫るのが怖かった私は、分かりませんと白旗をあげた。
「青井さんは本当に英語が苦手なんだね。」
未だ鳴り止まぬ鼓動がうるさい。
「"土曜日の試合を見に来てほしい"」
教室のざわめきが嘘のように聞こえなくなった。私の耳は、心は、全身は、紡がれ続ける彼の音だけを拾っていた。
「土曜日の試合、俺が先発なんだよ。…だから青井さんに見に来てほしい。青井さんが来てくれたら、俺すげぇ頑張れる気がする。」
少し頬を赤らめた彼がぼそりと呟いた。
「来て、くれる?」
届かないと思っていた。想うだけ無駄だと諦めていた。
なのに…
「わ、私で、いいのっ?」
「青井さんがいいんだよ。」
君が手を伸ばしてくれるなら、心を向けてくれるなら、喜んでその手を取ろう。
「いっ行きます!!!」
こんなに嬉しい事はきっとない。
「声でかww」
麗らかな春の日、やわらかな光が私たちを包んだ。それはほんのり暖かく、何かが芽吹くには丁度良い心地だった。
きっとこの先、大輪の花を咲かせる2人の未来は、やっと膨らみ始めた蕾のようで、まだ少し淡かった。
手をつなごう
カサカサと葉っぱを踏むと秋の音がする
早起きして作ったハムたっぷりの厚切りサンドを
広げると嬉しそうに笑う
すごく幸せだな