『やわらかな光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
古着屋でコートをあてがっていて、ふとポケットに手を入れたとき。
なにかがある。
それに触れていると、じんわりあたたくなって、すごく落ち着いた。
ポケットからそれを取り出そうとしたけれど、出てきた手のひらには何もない。
しばらくてのひらを見つめた。
コートは戻しておこう。
誰かがまたこれに触れられるように。
やわらかな光は私を幸せな気持ちにする。
待っているだけじゃなくて
自分が誰かのやわらかな光になりたい。
やわらかな光のそばに生き物は集まる。
きっと…
あの人も来てくれるかもしれない。
そしてあの人を幸せな気持ちにしたい。
赤子の泣く声。
病室から聞こえる歓声。
抱き合いながら笑い合う両親。
柔らかな日差しも
まるで神様が温かく見守ってるみたい。
何もかもが赤子を祝福する。
僕だってそうだった。
それが最初だったんだ。
僕の居場所が無くなったのが。
やわらかな光
カーテン越しに入る光
光が僕を包む
光とは優しい手のひらのよう
包み込んでくれるから
昔見た夢を覚えている。
好きだった人へ贈る花束は、
丁寧にメッセージカード付き。
知らない校舎の踊り場で、
息の出来る水都を眺めた。
「やわらかな光」の暖かさは、
嘘だって言われても覚えているよ。
『やわらかな光』
ストレスが溜まり飲みなれないお酒を飲んだ
家の方向が分からずふらふらしていたら
目の前にやわらかな光がもれる小さな家の前にいた
光に導かれ中に入ると
そこはやわらかな光と清潔なベッド以外何も無いところだった
私はそのベッドで眠った
何日も何日も眠った
やわらかな光が心をあたためてくれるまで
ただ光の正体は不明
もしかすると天使だったのかもしれない
もしかすると全て夢だったのかもしれない
わたしは せなかをまるくして
どうにもこうにも うごけない
あなたは ゆるりとそばにきて
ひょいと なにかをつかみとる
とてもおもかったはずのそれは
もうどこかにきえてしまった
/ やわらかな光
障子の和紙越しのやわらかい光を受けて窓際のイスに座る。
看護師から「目が覚めたら教えてくださいね。」
処置の際の麻酔で眠ったまま、ストレッチャーからベッドに移された君を見守りながら、手持ちぶさたについついまどろむ
この病院の病室の窓には、カーテンでもブラインドでもなく、大きな障子が入っている。
初めての入院の時、病室に入った時には『和風だね~』ってびっくりしたよね。
障子を開けると、エントランス前のロータリーのタクシーが見えた。
中庭のケヤキが見える部屋の時もあった。
あと何回入院するのかな、何回でも付き添うよ、薬が出来たなんて夢のようだ。
私は、うたた寝から『夢じゃない』と目覚める。
まだ、君は麻酔で眠ったまま。
起きたら教えてね。
【やわらかな光】
やわらかな光
いつも僕はひとりぼっち
何をしても誰と居てても
ずっとひとりだった
けど君だけは
僕のそばにいてくれた
今でもその笑顔を覚えてる
僕にとってはまぶしすぎず
そっと包み込んでくれる
優しい光だったから
やわらかな日差し
暖かい春の日差しが―。
僕たちは今日中学校を卒業した。
長いようで短い3年が終わった。
これから会えなくなる人も出来るんだろうなと一人でふと思っていたそのとき、視線を感じた。
振り返ると、そこには僕の大好きな子がいた。
その子はまるで花が綻ぶように笑う子だった。
だが、今僕の目の前にいる人は別人のようだった。
どうしたのか聞いても何も答えず、悲しそうな笑顔で笑うだけだった。
結局、僕は何も出来ずに彼女と別れた。
その日以降、彼女に会うことはなかった。
その後、僕は晴れて高校生になった。
めくるめく時を過ごし、僕はまた卒業式を迎えた。
やわらかな日差しの日だった。
お題《やわらかな光》
どんなに昏い水底にも月灯りはさしこむ。
わたしを迎えにくる。
いじめの沼は深く濃い。言葉の毒や暴力の傷は、わたしを鳥籠へ閉じ込めてしまう。もう二度と誰かと――希望を、持ちたくないんだ。
なのに、あなたはわたしを迎えにくる。
「学校が怖いなら、俺のとこへおいで」
「どんなに高位の者であろうと、やってることが最低なら人間として愚かだ」
「わかるよ。俺とおまえは似ているから」
――あなたを知りたくなっちゃうのは、似ているから。
――せめて。せめて、おまえだけは。
それぞれの痛みを照らすのは、光(自分)。
1度手にした花は、とても綺麗で見てて心地良かった。でも離してしまうとなにかがつっかかって
それを手に掴んだままなにもできないでいた
引きちぎった罪悪感と共に、その花は枯れたまま私の心臓の中に入った。
#やわらかな光
例えば…
カーテン越しに差し込む光
春の日の穏やかな朝
部屋に灯すアロマの蝋燭
私の進む道を導く光
………
やわらかな光は
どれも優しい…
私が逝く時にも
柔らかな光に包まれているといいな…
その日まで
悔いのないように
私らしく…
優しく交わす視線
近くでそっと話す声
ふわっと支える手
早歩きなのに気づくと合わせてくれる歩幅
私よりやっぱり大きな背中
あなたのすべてが
私にとって
やわらかな光
【やわらかな光】
なんか近所で流行りのパン屋とか出来たらやっぱ一度は行ってみるわけで「あれもうまそげ、これもうまそげ」ってトレイが山になる。で、確かに美味しいのだけども。どんなにパンが旨くても、所詮日本人は二千年以上前から米を作って生きてきた民であるので。すぐ「きさままさか、胃もたれか」ってなるんだわ。バターへの閾値が低い。ババアだからとか言いたいけど体質が根本的にくそ。
さあそれに対し米を見ろ。何だあの初見のふっくらツヤ。釜を開けた瞬間のぱちぱち弾けるみたいな音とか。あまい匂い。あー米。やっぱ米だ。思い出すと食べたくなる。「それではお聞きください。打首獄門同好会で、」って流れだ。いいよ米。これは体に良い宗教。米は信仰対象。しかも取り込めるんだぞ。これ以上最高なものないのでは。
とどかない、
だから小さく見えてたんだ。
いざ向き合ってみると
くじけそうになってしまう
夢を描くのはあんなに楽しかった
だけど、実際楽しむって
努力の先にあるんだね
先が見えないと
沈んでくいっぽうだよ
でもきっと
まだ、楽しめてない。
それだけなんだ
今は少し、先が見える
あとは自分のペースで
少しずつ輝度をあげていけばいい
#やわらかな光
やわらかな光
朝の光はどうしてこんなにやわらかいのだろう?
隣で寝息を立てる君の頬をそっと撫でる陽の光、もうちょっとと寝返りを打つ君。
窓を開けて大きく深呼吸。すうっと体の中に新鮮な空気が流れ込んでくる。朝の空気は澄んでいて美味しい。
なぜ地球はいつも僕らに変わらず恵みを与えてくれるのだろう?ふとそんな事を考える時がある。人の歴史なんて地球の歴史に比べたら比べられないほど短いものなのに、僕らは好き勝手に過ごしている。
雨の日も晴れの日も。
朝、やわらかな光で目を覚ます。
それは、数年に一回やって来る。
朝から目が覚めた途端から、物凄くただただ、しあわせなのだ。
理由はわからない。
前の日に何かあったとか、いい夢だったとかじゃない。
あまりに突然でハッキリしあわせだから、もしかしたら、今日が最後の日なのかと思うほど。
次の日には続かないけどね。
ふらっと立ち寄った浜辺
4月の終わり
まだ風は冷たい
雲の隙間から
海を照らす陽は
やわらかく光る
#やわらかな光
今日は何する?
ノープランで会うことは、私達にとって大して珍しくない。
「暖かいし、川辺に行こうか」
なんとなく、その日の気分で決まる行き先。
確かに今日は暖かい。
桜の花も5分咲といったところか。
土手には菜の花も揺れている。
草むらの上に並んで腰をおろす。
今日はジーンズだからへっちゃらだ。
頭の上には桜の花
川のせせらぎ
菜の花の甘い香り
気付けば貴方は横になって、私の膝に頭をのせて。
陽だまりの中、時が止まったような気がした。
穏やかな、平凡な、幸せな時間。
あと数日したら、私達は離ればなれ。
新しい旅立ちまでの優しい日々。
20年経った今でも思い出す。
桜色の、やわらかな光。