やわらかな日差し
暖かい春の日差しが―。
僕たちは今日中学校を卒業した。
長いようで短い3年が終わった。
これから会えなくなる人も出来るんだろうなと一人でふと思っていたそのとき、視線を感じた。
振り返ると、そこには僕の大好きな子がいた。
その子はまるで花が綻ぶように笑う子だった。
だが、今僕の目の前にいる人は別人のようだった。
どうしたのか聞いても何も答えず、悲しそうな笑顔で笑うだけだった。
結局、僕は何も出来ずに彼女と別れた。
その日以降、彼女に会うことはなかった。
その後、僕は晴れて高校生になった。
めくるめく時を過ごし、僕はまた卒業式を迎えた。
やわらかな日差しの日だった。
10/16/2022, 5:57:55 PM