『もしも未来を見れるなら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
自分の歩くみちを
知っているのといないのと
どちらがいいのか
以前の自分は間髪入れず
知っている方を選ぶ
しかし ある程度の距離を歩いてきた今
みちは知らない方がいいと気づいた
それは悲しみや苦しみを味わう恐怖からではなく
なにが起こるのか どんな経験が出来るのか
ドキドキワクワク こころ踊るから
未来を見れないこの世界を
とことん楽しむ
#21『もしも未来を見れるなら』
もしも未来を見れるなら
君は何を見たい?
そんなことをら聞く君は?って
うーんそうだな
面白くないから見たくないかな
お題『もしも未来を見れるなら』
もしも未来を見れるなら
頑張れ頑張れと念を送るよ
きっと未来でも闘っているだろうから
なんだかんだで20年以上、仲良くつるんできた奴らがいる。
出会ってから今に至るまで、色んなことがあった。
楽しいことはもちろん、しんどいこともそれなりにあったけど、振り返るとあっという間に過ぎてきたし、こいつらとはこれからもずっと一緒にいると思っている。
もしも未来を見れるなら、いつまでこいつらと一緒に過ごせるのか…知りたい気持ちと知りたくない気持ちがある。
ヒトの身体は思っているより脆いから。
でも思っているよりしぶとくもあるんだ。それは自分が一番知ってる。
ただ時間は有限だから。今までもそうしてきたように、これからも全力でやりたいことをやりたいようにやる、それだけ。
そして心で言えば、こいつらとは永遠に一緒だから、もうそれだけでいいんだ。
【お題:もしも未来を見れるなら】
この先、どんな未来が待っているのかな。
気になると言えば、気になるが。
もしも未来が見れるとしても、見たいとは思わないな。
努力して積み重ねて得る自信こそが、楽しい未来へ繋がる事をすでに覚えている。
逆に、ろくに努力もせずに他人ばかりを当てにして生きている人を見た。良い歳になってから慌てふためいている姿を見て、こんな歳なのに、この先大丈夫かと心配に思った。
未来があるから楽しめる。
わからないから頑張れる。
不安で動けない人にならないために、不安だから努力出来る人でありたいなと常々思う。
未来、
たとえ明るくても、酷い有り様でも、真実を知ってしまえば、
過去,現在,未来
その言葉すべて世界から消えちゃうかもしれないね。元々存在しなかったみたいに。
【もしも未来を見れるなら】
もしも未来を見れるなら
月の裏側に行って
一人佇む
誰の未来も見たくない
月でウサギと戯れていたい
『もしも、未来が見れるなら?』
そんな広告を見かけた。
俺は、隣に座る親友のタクミに聞いてみた。
「もしさ、未来が見れたらどうするよ?」
「えー……、見ない、かなぁ……?」
スマホから目を話すことなく雑に答える。
「はぁ? マジ?」
「マジ、マジ! そういうお前は見るの?」
笑いながら、持っていたスマホで俺を指す。
「見る! どんな大人になってるかーとか、彼女いるのかーとか、大学に仕事、いろいろ見てみたいな。」
「へぇー」
「興味ないだろ、お前!」
軽く体当たりするとタクミは「うげー」と言ってケラケラ笑った。
変哲のない平凡な日常の会話だった。
それが最後になるなんて、俺は思いもしなかった。
突如として現れた“獣”によって人々は襲われ、喰われ、死んでいった。
タクミも、その1人だ。
学校から避難する際に、また獣が現れた。
次々に襲われていく人をかきわけて、俺とタクミは逃げた。
もうすぐ、シェルターに着くというところでタクミは───喰われた。
その後のことは、よく覚えていない。
シェルターから戦闘服を身にまとった人が、数名飛び出してくて煙玉を投げ俺を救出してくれた。
俺は叫んでいた。俺じゃなくてタクミを。親友を助けてくれと……。
俺の両親も、タクミの両親も、俺を気遣って責めることはない。むしろタクミの両親は、「ホタルくんだけでも、無事で良かったよ」と言った。
その言葉が心に刺さって──痛い。
傷口から黒いどろどろとした自責の念が、溢れ流れ俺を染めた。
簡易的な療養部屋で、数週間過ごすことになった。
俺は、親友の死を受け入れることが出来ず、ただ壁を見つめて過ごしていた。
時にパニックを起こし、暴れ、部屋にあるものを壊す。
しばらくするとまた人形のように壁を見つめ、爪で腕をえぐる。
自傷行為は無意識でおこなっていた。頭をぶつける、腕をえぐる、つねる、自分を殴る、首を絞める。
親友の死は俺のせい。生きていることが許せなかったからだ。
そんな俺を見兼ねた殲滅部隊の大将、ツバキさんは言った。
「自分を責める前にやることがあるだろう? 親友は死んだ。他の人間も。今生きている人間も死ぬ。だが獣によって死ぬ人間を減らすことはできる。その方法は──君は気づいているはずだ」
その言葉で俺は、殲滅部隊に入ること決めた。
♙♙♙
私が執務室に戻ると、そこには直属の部下である中将がいた。
「これでいいのか?」
私は聞いた。
すると中将は笑いながらこちらを向いた。
「流石ですねー、ツバキさん。女の中の女って感じで、かっこよかったですよー」
「馬鹿にしているのか? 貴様は」
「いやいや、そんなわけー。本心です! 本心」
ヘラヘラと笑い、何かと読めない男である。
そんな男が連れてくるといった少年は、今精神的に不安定であり、壊れはじめている。
様子を見ていた精神科医も心配するほどに、憔悴しきっていた。
だが、この男は弱っていく少年を見て楽しそうに笑っていた。むしろ、弱れば弱るほど喜び、興奮している。実に不愉快だった。
ある朝、私の執務室を訪ねてきた中将が言った。
「彼に入隊するよう促してください」
この時ばかりは、真剣な表情で、いつものような無礼な態度ではなく部下らしい立ち振舞をしていた。
私は何も言うことなく、その懇願に承諾をし少年に会いに行ったというわけだ。
だから疑問に思っていることを、私は中将に聞いてみることにした。
「何故、私に頼んだ? 貴様が行けば済むことだろう?」
中将はふっと笑った。
「わかっているくせに、イジワルですねー」
「わからないから、聞いているんだ」
中将は、んーと唸るだけだった。
「貴様が行けば、あの少年はあそこまで憔悴することはなかった。悲しみを背負い、自分を責め、自傷行為をするまで苦しむ必要はなかったはずだ!」
私は少し怒気をこめ言った。
しかし、この男に効くことはない。今もヘラヘラと笑っている。
「わー、怖ーい。ツバキさん美人だから、怒ると怖いんですよー」
「はぐらかすな!」
中将は、あはっと笑い「そうですねー」と濁すようブラインドをいじる。
「貴様は、あの少年で何を企んでいる?」
「全ては、世界のためですよ」
中将は言った。
その目は真剣であり、若干の冷たさも帯びていた。
「俺はただ、獣を殺せる適正者を見つけただけ。それが彼だった」
中将は続ける。
「覚醒したものは皆、何らかの強い感情や感覚を抱く。ツバキさんは怒り、俺は痛みで。適正者だとわかったとき、俺は2つの感情が湧いた。1つは希望。もう1つは絶望。あいつは優しんですよ。誰にでも。だから特別がない」
未だに痛むのか左肩を異様に擦る中将。その声は少し掠れ震えている気がした。
「覚醒には強い感情か感覚を感じなければならない。今のままでは、彼は覚醒することなく死にます。だから必要な過程だったんですよ。苦しみも悲しみも、自責の念も。俺個人で企みなんかありませんよー」
「本音か?」
私は自然と訪ねていた。
この男の言うことを、全て否定するわけではないが、本音とも思えなかったからだ。
そして中将はにっこりと変態じみた笑顔を浮かべ「鋭いですねー」と言った。
「誰にでも優しい彼が、誰か1人を想い泣き、暴れ、弱る姿は、控えめに言って──甘美。とても興奮する。むしろ愛しいと感じるほどに」
その表情は恋に落ちた少女のように、うっとりとしていた。はっきり言って──
「気持ちが悪いな」
「酷いなー」
中将はまたヘラヘラと笑い出す。
私はため息を吐き、中将に向き直る。
「貴様がしていることを、私は咎めることはない。業務の一環としての行動だと黙認している。だが、時と場合を考え、行動するように。……こんな役目は、もう、ごめんだからな」
「はーい! 肝に銘じまーす」
「ちゃんと返事をしろ!」
「それじゃあ、医務室に戻りまーす」と言い、中将はドアノブに手をかけた。
「あー、そうそう」
「なんだ、まだ何かあるのか?」
中将は少し目を伏せ、苦笑いを浮かべている。
「いや、ね……。少しは悪いとは思っているんですよ。俺はこんな性格だし、基本悪いとは思わないんですけど」
「だろうな」
私は頷いた。
「えー、そこは否定してくださいよー」
「無理だな。貴様をクズ、クソ、サイコパスで変態だと思っているからな」
「え、シンプルに酷っ」
中将はゴホンと咳払いをして続きを話し始めた。
「まあ、俺の性格は置いといて。俺はどんな手を使ってでも適応者を見つける。それが仕事だから。嫌われようと罵られようと俺はそいつを利用します」
「それが親友であってもか?」
「そうですね。その関係性だからこそ利用価値がある……と言いたいところですけど罪悪感って俺のもあったんですねー」
中将は「びっくりー」っと言っていつもの締りの悪い表情に戻っていた。
「じゃあ、一発少年に殴られればいいんじゃないか?」
「そうですねー。俺の部下になったら殴られますかねー」
「……合格するとは限らないぞ」
「───しますよ」
中将が言った。
「はあ?」
「だから、合格しますよ。ホタルは」
「根拠は」
「勘です」
私はため息をつき、目頭を揉む。
「勘か」
「勘ですね」
「そうか」
この男の勘は、外れたことがない。
だから何も言えないのだ。
「それじゃあ、今度こそ行きますねー。痛み止め切れちゃって痛いんですよー」
「さっさと行け!」
「はーい」と言い、中将は執務室から出ていった。
疲れからため息を吐き、胸の内ポケットからシガーケースを取り出した。
煙草に火をつけ、ぷかりと煙を吐く。
この煙草は、亡き夫が吸っていた銘柄だ。
あの少年を見ていると、夫を思い出し、獣の瘴気で昏睡状態となった娘を重ね、
似た境遇に私自身も重ねている。
少年に言った言葉は、全て私への言葉だ。
机の上には夫のオミと8歳のツミキがうつる写真が飾ってある。
私はその写真を見て、煙草を消し業務に戻ることにした。
デスクの上に中将の用意した資料がおいてある。先程居た理由はこれを持ってきたためだろう。
パラパラと捲り目を通していく。
彼が集めた適応者のリストだ。
今回は30人ほど集まったが適応があるからと言って入隊できるわけではない。
それなりの覚悟と才がなければ不可能だ。戦うものが違う分しっかりとしたテストが必要ということ。
そのリストの中には、少年の情報が記された資料もあった。
実に一般的な家庭の長男といった情報だ。
サラリーマンの父親、パートの母親、2つ歳の離れた中学生の妹がいる、15歳の少年。学力も運動神経も平均的で特別な記録はない。
朝何時に起きて、朝食をとり、ゆっくりと登校。学校での授業態度、成績表、テストの点数から寝るまでのことまで事細かく記されていた。
特に気になったのは風呂に入った際どこから洗うかなどの個人的な内容も含まれていた。
やはり、あいつは危険人物だな。
同時に少年を哀れに思う。
私は彼の行動を咎めない。上司としても人としても。それがあの男の業務であり命令だからだ。
すなわち私に少年を助けることはできないというわけだ。
あの男と出会わなければ、今のように苦しむことも、悲しみを知ることはなかった。失う辛さを知ることもなかった。
だが出会ってしまった。それが最大の不運だろう。
これから少年は、あの男によって今よりも辛い目に合うことがわかっている。
だが私は助けない。助けられない。
少年自身がどう生きるかで決まる。
それが今の世の中だ。
ふと思い出す。とある広告の言葉だ。
『もしも、未来が見れるなら?』
昔の私なら見ないと答えただろう。
だが、今は見れていたらと考えることがある。
未来が分かれば今のような現状を少しでも変えられたのではないか。
全てを防げなくとも、家族だけは守れたのではないかと……。
愛する夫は獣に殺され、娘は瘴気で昏睡状態で面会も禁じられている。
私はこの世界に怒りを抱いている。
だから大将になるまで努力した。
もう、私のように苦しまぬように。
後悔しないように。
♙♙♙
もしも未来を見れるなら
知りたいことはなんだろう
知らないほうがいいことが
きっとあまりに多すぎる
それをも超えて知りたいことは
直接確かめてしまうのは少し怖いから、飼っている子猫の未来でも覗いてみましょう。
遠いいつかも、この子があなたの膝の上で眠っていたらいいな。
お題:もしも未来を見れるなら
未来の家族、どうなっているかなにをやっているかが知りたい。今は、自分の家で妻娘3人で生活しているが、近い将来どうなっているか?60歳を迎え、何をやっているのか知りたい。
【もしも未来を見れるなら】
ゆっくり、心を決めて、深呼吸して。
『未来が見える穴』を覗いてみる。
中は真っ暗で、何も見えない。
それでいい、そう思って目を離す。
もしも、と思って覗いて見たけれど、見えるわけないのだ未来なんて。
「見えた?」
隣で友人が、妙にわくわくした顔で聞きながら、その穴を覗き込んだ。途端、わあっと声がした。
「純白のドレス着た私見えた!結婚かな?相手見えなくて悔しいっ」
(え?)
見返す自分に、笑顔を向けて、
「ねぇ、そっちは何が見えた?」
(見えるのか)
未来を、信じる人には。
隣に、曖昧な笑顔を向けるしかできない自分には、未来を見ることすら無理なのかもしれない。
何かが変わる変わらない
今の自分が未来をつくる
怖がらせる人はだあれ?
心地良い自分でいるなら
何も恐れることはないよ
周りにあるものを大切に
秘めている力は大きいよ
幸せしかない未来を描く
思いの力は現実を変える
信じることから始まるよ
美しいものを見つけてね
『もしも未来を見れるなら』
もしも未来を見れるなら...
10年後の私を見てみたい
私は結婚しているのだろうか...
一生独りは嫌なのだけど。
誰かと一緒に過ごしてる=幸せになるの状態は怖くなって、自ら壊してしまう...
結婚という形じゃなくても、同棲してパートナーという形でもいいかなと最近思えるようになった
仲良しだけど、壊してしまう自分を温かく、受け入れてくれる人に出会えたらな...
壊してしまう自分を変えられたらな...
もしも未来を見れるなら、私は自分の未来だけは見たくない。仮に大きな過ちや不幸を避けることができたとしても、それでも私は見たくない。私達は後悔をしてこそ成長する。涙を流す分だけ強くなる。
現実と向き合わずに、どう未来と向き合えば良いのだろう。
「未来が見れたらどうする?」
「未来が見れたら……うーん、十年後の自分とか見たい」
「働いてるかな?」
「いーや結婚してるね、スパダリと」
「出たよ、願望は程々にしな!」
「黙れ! お前は犬飼ってそう」
「どう見てもうさぎさんだろうが、うさぎさん飼ってそうな見た目だろうが」
「あと一年なんだって。……悔いなく過ごさなきゃ」
もしも、未来を見れるなら、だなんて。
未来なんて。
お前がいない未来なんて、いらないのに。
もしも未来を見れるなら
シンギュラリティ後の世界を見てみたい。一時期、なぜか超未来的な夢ばかり見ていた。読書のしすぎが原因かなとも思った。今では全く読書が進まないが。銀色の金属でできている生きた鳥が空に翔んでいく夢だったり、超ハイテクな夢で目が覚めたあとに言語化できないような世界の夢だったり、幻想的な近未来っぽい夢だったり、あと、未来の病院だったのかなと思える夢だったりと、とにかくどう考えても未来と思える夢をたくさん見て、不思議で仕方がなかった。今は全く見なくなった。普通の夢さえ殆ど見なくなった。
未来といえば、2025年7月25日はどうなるのだろう。ちなみにその翌日は私の59歳の誕生日だ。私は59歳を迎えることができるのだろうか。
(もしも未来をみれるなら)
もしも未来をみれるなら、私は後悔のない人生を歩めるように最善をつくすだろう。
人との出会いと別れ、人生の岐路、悲しいこと悩めることが山ほどあるこの人生。
少しでも分かっていたら、違う未来があったのではないかと考えてしまう。
だが、小さな未来をみる力なら誰にでもある。
生命体は宇宙へと繋がっているから。
魂は高次元へと繋がっているから。
だから、タロットや算命学、手相などの占いがあるのだろう。
誰もが可能性を秘めているのだ。
【もしも未来を見れるなら】
もし自分の未来を見て、彼がいたら今日、告白しよう。
別に特別な関係じゃなくたっていい。
数年後まで関係が続いていれば、脈がないわけがないのだから。
ひょんなことから手に入れた、任意の相手の未来を見に行ける道具。
早速それを使い、未来を見に行くことにした。
友人や親との未来を見たが、そこに彼はいなかった。
私は暫し呆然としたが、気を持ち直し彼の未来を見に行くことにした。
自分以外の人とでもいい。
幸せな姿が見られればそれで満足して帰れる。
たどり着いた彼の未来の景色は、見慣れない石と寂しげに揺れる白い花。
誰が置いていったのかわからないが、見ているだけで感情が伝わってくる美しい花だった。
脳が理解することを拒み、目眩がした。
だってこれは、彼の未来は...
なんとか現代に戻ってきた私は、彼のもとへと走る。
一緒にいられる時間を大切にするために。
もしも未来を見れるなら
「店番」
何処にでもある駅前の商店街に、おばちゃんの店はあった。そこが1号店だから結構古い店だ一階がテナントで上はアパート7年くらい前からそんな感じで、おばちゃんは店番兼務の管理人だ。以前は内外兼務で飛び回っていたおばちゃんも、今はわりと暇な商店街で店番だ。
過去には三泊四日くらいで行きたい気がするが
「見たい未来」となると・・・あるかねぇと、おばちゃんはスマホから目を上げ店の外を眺めた。
猫は客用の長椅子を占領し眠っていた。
閉店までのひととき。
忙しいのは午前中と帰宅ラッシュの時間帯だけ後は呑気な店だ。繁忙期は春先の季節商売それもコロナで大打撃だ、おばちゃんの店も何店舗か閉店の憂き目にあい、商店街も歯抜けになっていたが、最近ようやくもとの賑わいをみせるようになっていた。それでもおばちゃんは相変わらず呑気で店番をしながら通りを眺めている。
呑気なおばちゃんは暇そうな若僧を見つける。
漫画「おじゃまんが山田くん」の山田くんの様な風貌の若僧は今起きましたというような顔にボサボサ頭を掻きながら、きっと世界がその色で見えているのではと思われるような灰色のスエットに素足にサンダルで店の前を歩いて行く
平日の午後2時過ぎ、1番店が暇な時間帯に前を通り過ぎる暇な若僧。
暇同士のニアミス。
「あの子また来てるよ、無職かねぇ…こんな時間に、あんな格好で」
おばちゃんは独り言を言いながら勝手に名付けた山田くんを見つめた。
すると山田くんもこっちに目をやった。
「暇そうな店だなぁ…」とでも独り言を言っているのか。
目が合う 暇そうな人二人。
そうだ、もしも未来を見れるなら。
半年か1年くらい未来に行って
山田くんがどうしているか見たいわ。
おばちゃんは、そう思った。
もし、まだ同じようなら声をかけてやろうか。
時間を無駄にするな!
時間泥棒のような日々
それは、もっと先にいくらでも出来るから。
先ずね
暇そうな人にも色々あることを学んで。
自分は今どの時なのか?
人生の大切な時間を時間泥棒に盗まれないようにねって。
冬眠が必要な雪深い場所で生きているのに死んでいるような時を過ごしていると狭苦しくなってしまうけど、街に出ればみんなそれぞれの時間を生きていることに気づくもの。
火曜は飲食店は休み
水曜日は水商売は休み
土日祝日に休む客商売は無し
だから平日の休み
暇な日も時間も
人によりけり
暇な理由も人によりけり
それに気づく事はとても大切
山田くんとおばちゃんは暇だけど暇な理由は同じじゃないきっと。
おばちゃんは山田くんの未来が狭い灰色の冬眠中のクマが見る世界じゃないことを祈ってる。
おばちゃんは、山田くんと名付けた灰色のスエット姿の青年と目が合って微笑んだ。
平日の午後2時過ぎ。
2024年4月19日
心幸