『もしもタイムマシンがあったなら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
もしもタイムマシンがあったなら、私がスリープする前に行きたい。
過去の自分を知りたい。
過去に居た人間を知りたい。
どうして私は1人になったのか
誰も居なくなったのか
どうして廃墟になってしまったのか。
占いでは相手の寿命を見ることができると言う。
しかしながらその結果を相手に伝えることは決して無い、とその占い師は言った。
先がはっきりと見える人生に何の意味があるのだろうか、終わりの時を知ってしまった人間はこれからどう生きていけばいいのだろうか。
先が分からないからこそ楽しいのだ。結末が見えないから頑張れることもあるのだとその人は言う。
だから私はタイムマシンには乗らない。
未来を知ってしまうことで、将来得られるであろう新鮮な喜びを失いたくないから。その時の深い悲しみに向き合いたくないから。
今に向き合い続けることで手一杯だとも言える。
心の中にあるタイムマシンには過去にも未来にもすぐに乗ってしまうけれども、実際にその目で見ることはしたくない。
過去は変えられない、必ず訪れる未来は知りたくない。
今を懸命に精一杯生きることだけ、考える。
「もしもタイムマシンがあったらあなたはどうしますか?」
駅の広告にそんな文句が書かれていて、思わず足を止めた。
もうすぐ始まるドラマの広告文だった。綺麗な女の人が手を伸ばして何かを掴もうとしている構図。何かを取り戻したいのか、その何かはポスターからは分からない。ドラマのお楽しみというやつだ。
当たり前の構図。よく見た構図。引き込まれたのは、ただ、とても綺麗な色使いだったからだ。無機質な駅の構内に、そのポスターは綺麗な色をして目立っていた。
「タイムマシンねえ」
ショルダーバックを持ち直して、そのポスターから目を逸らして駅の中を急ぐ。いつもの電車には間に合いそうだ。
過去に戻れたら。未来に行けたら。タイムマシンがあったらどうする?
人生で何回か問いかけた事はある。誰だって一度は考える話題だろう。
未来の子供の姿が見たい。未来の結婚相手が初恋のあの人なのか知りたい。
過去に戻ってやり直したい。過去の失恋をやり直したい。過去に戻って子供の頃に死んだ両親に会いたい。
戻れるなら、進めるなら。
だが私は、時の流れが止まらないことを知っている。過去は戻らず、未来はその瞬間になるまで分からない。一秒ごとに過去になる。一秒ごとに未来が来る。
不意に、戻りたい過去を思い出した。
虐められていた学生時代。笑われ、涙し、悔しがり、憎み、助けられず、何も分からず、ただ耐えていた学生時代。今でこそ、ネットの海に火種を放り込めば炎上するような壮絶なものだったが、誰も彼も見て見ぬふりをし、影で笑っていた。
現実を忘れるように、勉強した。勉強すればするほど、それをネタにまた笑われたが、人生を点数で見る社会では、結果的にそれが良かった。
必死に勉強したおかげで、大学に行け、さらに勉強した。そして、今はスーツに身を包み、公務員という立場になれた。
ホームにたどり着くと、ちょうど電車がやってきた。乗り込み、職場に着くまでの間にメールやネットニュースをチェックする。
電車の窓に、私の姿が映っている。
マスクの下で微笑む。
「大丈夫。なんとかなってるよ」
過去の私に届けるように、呟いた。
死ななければ、未来は来るのだ。
もしもタイムマシンがあったなら、常に私の近くに置いておきたいと思う
友達、親、全てのときにおいて、戻りたいと願うときが多い
自分が後悔しないように使いたい
まあそんなことはないのだけれど
タイムマシンがなくてもなんとかここまで、生きているのだから別に大丈夫だ
技術が進化した暁には、タイムマシンも出来るのだろうか
だとしたら、乗ってみたいような気もする
もしもタイムマシンがあったなら、
いつに戻るだろう。
何故か未来に行くという選択肢が思いつかない。
過去に未練があるからだろうか。
それとも後悔?
後悔なら沢山してきた。
戻りたい瞬間も数多くある。
でもきっと。
私はタイムマシンを使わないだろう。
この後悔を抱いたまま。
両親を助ける一択。
皆で生き直す。
「理不尽」には抵抗も対抗も不可能。
なんせ愛惜から思い出すたび
ふたりは繰り返しころされるのだ。
さりとて実現すれば
バタフライ効果に絶望するのだろう。
熱湯わかしてたまごをポチャン
スマートウォッチでタイマー設定
固茹でだから10分後
眠るまで
プレイリストのオフ設定
1時間で寝てるかな
駅で気付いた忘れ物
スマートウォッチで時間を戻す
家にいたのは10分前
スマートウォッチの新機能
10分だけ過去に戻れるリワインド
忘れ物も失言も事故も激減
便利だな
後悔って言葉も減ってきたかも
「もしもタイムマシンがあったなら」
#469
もしもタイムマシンがあったなら
たらればなんかは言いたくない
未来は見たくないから
過去に行って一つだけ取り戻したいものはある
もしもタイムマシンがあったなら歴史学者の人と過去の邪馬台国やエジプトを観るツアーに行きたいな。絶滅危惧種でも良い。
自分のことに使うのは、今以上にたらればを考えてしまうだろうから、できればしたくないなぁ。
「タイムマシンを作ろうと思うんじゃが。」
「博士!そんなものが作れるんですか!?」
博士の突然の言葉に助手のジョシュアくんは目をキラキラと輝かせた。
「うん。理屈的にはいけそー。
だけど形をどんなものにしよーかなー。
うきわ型、ひよこボート型、銀の卵型………。」
「うきわ、ひよこ…………?」
「うきわ型は全身うまく転送されるか自信ないんじゃよなー。」
「博士!それはいけません!」
「でも持ち運びしやすくて身軽じゃぞ。」
「いえ、それでもいけません。
それはやめましょう!」
「そうか?じゃあひよこボート型かな。
まあそれならなんとか持ち運べるし。」
持ち運べる……?
この博士の言葉で、博士の言うものが、池にある足漕ぎのボートのようなものではなく、海に浮かべる空気で膨らますようなものだというのがジョシュアくんに伝わった。
「銀の卵は仰々しすぎるしな。むだに重くなるし人が驚くし。」
形はひよこボート型に決定してしまったみたいだ。
かっこいいのがよかったジョシュアくんはちょっとがっかりした。
「ところで博士、博士はタイムマシンで一体どのような偉業を成されるのでしょうか。」
「ん?
今はもうなくなった三軒隣にあったパン屋の角食パンを買うんじゃよ。」
口をあんぐりしてるジョシュアくんを尻目に博士は続ける。
「おいしいんじゃよ?
毎週買えるよ?」
「……………。」
「もしもタイムマシンがあったなら」
もしもタイムマシンがあったなら
もしタイムマシンがあったら、私は、あの日まで戻って、違う生き方をしたら、今ごろどうなってるだろうと思うことがある。
あの日とは、10才ごろの夏休み、朝5時台、ラジオ体操の集合場所に向かって歩いてる途中、集合場所が見えたとたん、近所のジュンちゃんが、もう先に来てて、あー、先をこされたーと思った、子供の夏やすみの何気ない朝のこと。なぜか、この何気ない朝の光景が、記憶として大事に心に残っている。
そして、私は、もしもう一度過去に戻って、やり直せるのだったら、あの日まで、もどりたいと思うことがよくあった。ここ、4~5年ぐらいは、遅咲きですが、なりたい自分に成ってきていて、あの日に戻りたいとは思わなくなりました。
ただ、もしあの日に戻ったとしたら、私は、おとなしい自分は止め、何でもはっきり物を言う。教師も厳しかったので、教師にもガツンと物をもうしてやりたい。あまりにもひどい教師がいたら、現在の世のように、パワハラという言葉を使いたい。
それから、勉学に励みたい。私の関心のある、天文学、量子力学、物理学、電気、歴史、英会話など沢山、勉強したい。勉強ばっかりしたいです。4年制大学にも生きたい。
そして大人になったら、世の中に恩返ししたいという気持ちになっていたい。
もう1つ、今と同じように、感謝の気持ちを大切にする大人になっていたい。
あの時の失敗をやり直したい
巻き戻せない過去を
やり直す妄想をして
ため息を吐く
もしもタイムマシンがあったなら
思いのすべてを歌にして
きみに伝えることだろう
アベノマスクは高くならないから
早く捨てても大丈夫
断捨離しても大丈夫
だけど僕にはタイムマシンがない
きみに聴かせる腕もない
マスクはいつでも棚の中
アベノマスクは残される〜
アアア〜 アア
もしもタイムマシンがあったら
旦那の病気の症状が出始めた日々に戻りたい
ちょっとしたことは気にしないんじゃなくて
病院に検査に行ってもらいたい
もしそれが叶うのならば…
旦那は、私の隣で笑う旦那は、
写真ではなく本人だったかもしれない
『もしもタイムマシンがあったら』
トムの部屋は物で溢れていた。棚にも作業机にも床にもテーブルにも。普段どんな暮らしをしているのかと思うほどだった。なんの計器かわからないものがあったり、どんな機能をもつのかわからない丸い機械があったり、歯車だらけでどんな動きをするのかわからない時計があったり、フラスコの中には濁った色の液体が蠢き、マイケルの目には意味がわからないものだらけであった。
「トム」マイケルはドアの向こうにに呼びかけた。「君が呼び出したんだろ、待たせるなよ」
「すまないマイケル」ドアが開きボサボサの髪でやつれた顔が覗いた。「見せたいものがあるんだ」
トムは不思議な少年だった。自分の容姿には頓着せず、いつもボサボサ頭で縒れた服を着ていた。いつも何かの実験や工作をして、皆と外で遊んだりもしない。だからと言って、決して嫌われることもなかった。
それは彼の特技のせいだった。
誰かが物を無くすと、トムは必ず見つけてきた。消しゴムや髪留めといった取るに足らないものから、学生証や財布、パスポートといった大事なものまで、無くしたものをトムに告げると、次の日にはトムが見つけ出し、本人の手に戻っていた。
失せ物はトムに聞け。
マイケルはそんな風変わりなトムに興味を持ち、たまに一緒に帰ったりしていた。
そんなトムが、マイケルを家に誘った。
「なにもこんな日じゃなくても良かったじゃないか。もうすぐ始まっちゃう」黒いスーツを払いながらマイケルが愚痴た。「トム、お前まだそんな格好なのかよ、早く着替えろよ」今日はこれからクラスメートの葬儀である。
リサは美しい少女であった。勝ち気で成績もよく、クラスでもよく目立っていた。マイケルも二言三言は話したことがあるが、それほど親しい間柄でもなかった。
そんな彼女が殺されていた。
リサは先月以来行方不明だったが、昨日死体で見つかった。自慢の金髪はズタズタにされ、顔といい体といい、体の前面は刃物で切りつけられ、凌辱の噂も囁かれていた。リサの両親は半狂乱となったが、犯人の目星はついていなかった。
「君さ、先月お母さんの形見のカメオのペンダントが無くなったと言ってたろ。先週クラブに向かうリサが着けていたのを見かけたんだ。だから先月に戻ったら案の定、リサが君の家から出てきたのを見つけてさ、取り押さえようとしたけど……」
トムの言うことがよくわからなかった。先週にリサがクラブに向った?先月に戻る?
はた、とマイケルは気が付いた。この雑然とした部屋に、もしもタイムマシンがあったなら……
「今は先月にリサがいなくなった『未来』だね。はい、お母さんのカメオ。今度は無くすなよ」
『もしもタイムマシンがあったなら』
過去の自分に手紙を送りたい。
常日頃から母さんを労り、母さんからの愛を後悔ないくらい感じろ、と。
なぜ俺がそれほど過去に執着してるのか、それは4年前の。
夏のあの日だった。
花火大会でとても賑わっていた。
皆、楽しそうに花火大会を満喫していた。
母さんがどうしても花火大会に行きたいとせがむから仕方なく来たが思いの外楽しいひと時だった。
だが、母さんは今にも死んでしまいそうだったのに、それを隠して笑いながら線香花火をしていた。
俺の線香花火が落ちた時、静かにこの世を去ったかあさん。
許せなかった。
俺を
一人にしないで…
ほんとは強がってただけなんだ。
母さん、もう一度、母さんと線香花火したいな、
線香花火が得意だった母さん。
線香花火を見るたびに母さんの顔がフラッシュバックする。
もう、逃がしてよ。
思い出させないで。
もう、疲れたんだ。
今から、そっち、行くね。
もう、忘れたりしないから。
お題『もしタイムマシンがあったら』
大人になった今でもずっと妄想し続けている。もしあの時、うまく学校生活を送れていたら今、友達が一人もおらず、いい年して恋人一人いたことすらない人生を送っていないだろう。
タイムマシンで過去に戻れるなら小学校時代に戻りたい。あそこでクラスで目立つ立ち位置の男に目をつけられて、それはもう人間として扱われなかった時期を過ごすことになったから。
先生に言っても、主犯は教師の前では猫をかぶっていたので信じてもらえないどころかこちらが嘘つき呼ばわりされ、さらなるいじめを受けた。あれがきっかけで僕は人を信用できなくなり、何年か心療内科に通い続けている。勉強だけは頑張ってそれなりの大学、会社に入ることはできたものの、今も人を信用出来ない。
だからあの頃に戻れるなら、目をつけられないように立ち振る舞う方法を教えるか、否、そうじゃない。
あの頃の僕にボイスレコーダーを持たせて証拠を録音し、教師に言う時はこれを再生するように伝えたい。
ブラッシュアップライフを思い出した。
過去に戻ったら。
小学校の頃、親が習わせてくれると言ったピアノも頑張れたかもしれない。
嫌いな先生の子供のやる気と可能性を潰すような、辛辣な言葉にも耐えられたかもしれない。
今の精神なら出来ないと最初から決めつけずに飛び込んでいける、出来ないと思い込まされていたのに今気づいてしまったから。
こんなに早く人生が過ぎるなんて、子供の自分は思うことは無かったから。
やらなきゃ。動かなきゃ。
考えなきゃ。立ち止まるより進まないと。
走れ。時々歩いてもいいから。
体だけは丈夫なんだから。
と言い聞かせてる。
もし戻れるのなら
14歳の夏にもどりたい
花火大会の混雑のなか
君と離れないように手をつなぎたかった
でもあの頃は恥ずかしくて勇気がなくて
私わい辛い思いをしてます、私わばぁちゃんがいきらいだうるさいいしわたしだけにうるさいわたしわつらい