『ひなまつり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雛飾り、久しく箱の中に閉まったままだ。あの頃、子どもたちはまだ幼かった。今はもう娘は24才、息子は23才。お雛様は箱の中にあるけど、思い出は何時でも引き出せる。そういえば、娘はひな祭りの歌、歌ってたなぁ、少し音程が違っていたけど。
Day.2
あぁ、今日ひなまつりだったんだ。
今日も今日とてその程度の、そんなレベルの
そんな日常を生きている17歳。
昔はひなまつりで祝ったりもした。
しかし今となっては私の中で廃れたもの。
毎日が同じように感じているが実際は無常である。
そんなことを考えながらひなあられを食す。
女の子なのに
ひなまつりが嫌いだった
幼い頃から…
母親が
お雛様が好きだったから…?
母親が嫌い
それが私の記憶の始まり
だから
母親が好きなものを
好きになれなかった
それでもいいんだ…
それも私だから
この思いを昇華できなかったら
私はいつまでも不幸な娘でしかいられない
嫌いなのも私
それが私だから
私自身が認めてあげよう
【ひなまつり】#63
「今日、ひなまつりだって」
「あ、だからやたら桃の花を見るんですね」
バイト先の先輩に言われ、そういえば、と店の中を思い浮かべる。菱餅やちらし寿司もあったな、と今更今日が3月3日だと認識する。
「もう関係ない歳だから、忘れてました」
子どもの頃は、よく家族がお雛様を飾ったりケーキを買ってきたりして盛り上がっていたけれど、いつからか自然と祝わなくなっていた。まあ、あれって女児対象らしいし、と自分の中で納得させる。
しかし、先輩はそうではないらしい。
「えー、もったいない! 女の子が祝われる日なんだから盛大にパーティーしなきゃ!」
「はい?」
「ひなまつり! あ、バイト終わったらひなまつりデートしよ!」
「いーですけど……なんかこのやりとり、前もしませんでした?」
えー? ととぼける先輩の、赤いグロスが艶めかしい。
今日はピンクじゃないんだな、と思う。気分屋の先輩らしいといえば、らしいけど。
ふ、と先輩の手元を見れば、気合いの入ったデコデコネイル。あれ、と首を傾げる。やっぱりこの流れ、前もやった気がするな?
「先輩」
「なにー?」
「もしかして、イベントをデートって言って誘う口実にしてます?」
「ふぇっ!?」
間抜けな声が聞こえたので顔を上げると、先輩の顔がグロスと同じくらい真っ赤になっていた。
あかりをともしていきましょう
えがおとしゅくふくをあびながら
おはなのかざりはみなさまに
うたげのあとにさしあげましょう
ひろうえん
おひなさまのような
きょうのあなたとわたし
ふたりならんですましがお
そんなこといわずたのしみましょう
きていただいたみなさまに
ありがとうをこめて
わたしたちのあしたに
かんぱいしましょう
#ひなまつり
女の子に生まれたことを、
どうしようもなく後悔することがある。
女子力、女子の活躍。
そんな言葉にすごく嫌気が差す。
でも一番嫌いなのは、一番嫌気が差すのは、
自分の性格、性分だ。
ひなまつり。
家族は笑顔でお祝いしてくれるけど、
私は上辺だけの笑顔を浮かべて、
味のしないケーキをただひたすら噛み締める。
「女の子」は、私にとっては重たすぎる。
呪いだ。
僕はこの日が嫌いだ。
女であるということを嫌というほど思い知ら
される。弟は何も祝われないというのに。
早く、日にちが変わることを願う。
* #ひなまつり No.23
今年も、3月3日がやってきた。ひなまつりの日である。女の子の祭りで、その日は雛人形を飾る。雛人形は女の子が結婚できるように飾る人形だ。
今年も、雛人形を飾る。しかし、我が娘は結婚できない。3年前の1月に事故で亡くなった。すでに亡き娘のために今年も雛人形を飾る。バカにする人もいるだろう。娘も成仏できないかもしれない。しかし、娘のために生きていたら行えるイベントは自分でできるものならやってあげたいの。20歳まで雛人形を飾ろう
ひなまつり
お雛様と
お内裏様
私の祖母の家に
飾るのをよく手伝ったの
そしたら弟が
女の子の日はあるのに
子どもの日だけでずるいって
そんな懐かしいことを
思い出した
ひなまつり
ひなまつりと言えば、雛人形が最初に思い浮かぶ。
以前百貨店の雛人形売り場に行ったら、パステルカラーのお着物を着た雛人形やちりめんでできた可愛いサイズの雛人形、お内裏様とお雛様が立っているものを見かけた。
今は色々な雛人形があってどれも美しいなと思いながら見たのを思い出した。
お雛様たちは、いつまでも成長を見守ってくれていると思うと温かい気持ちになる。
お雛様たちに想いを馳せ蛤のお吸い物とちらし寿司を楽しみながら、ひなまつりの夜は過ぎていった。
くすくすと ひそやかに
あかいしきもののした
きかんげんてい ひみつきち
きょうはたのしい ひなまつり
ひそやかに ひめごとを
ひなまつり(お題)
毎年楽しみだった
かわいい
ひな人形が飾られて
ちらし寿司食べて
たのしかった
【ひな祭り】
『日曜日』
桜もちを食べながら思う
「きっと彼も娘と食べているのかな」
小さな女の子を膝に乗せて笑う彼
頭に浮かんで
お茶で流し込む
ねえ私
こんな思い、いつまで続けるの?
#ひなまつり
【ひなまつり】
会社出社時。
「今日ってひな祭りですよね」
私は何気なく言った。
すると鈴木先輩は答えた。
「ああ、あの日か。うちの会社も騒がしくなるな」
どうやら何かあるようだ。
鈴木先輩は続けた。
「まぁ見ればわかるさ。よくあるやつだよ」
しかし会社に着くと想像を絶する光景が広がっていた。
「ギァ゙ァ゙ァ゙ーーーーーーーーーー」
祭壇にはたくさんの人が並べられ生きたまま火をつけられていた。
周囲には松明が大量に置いてあり、よく見ると生首がくべてある。
祭壇の中央では司祭らしき人が生贄を日本刀で滅多刺しにしている。
「な、何ですかこれは?」
私が誰もが抱くであろう疑問を呈すると鈴木先輩は答えた。
「何って?ひなまつりだよ。年に一度、クレーマーや使えない部下を燃やして神に捧げることで会社の繁栄を願う祭りさ。まぁ祭りの形は地域差があるからちょっと驚いちゃったかな。ハハハハハ」
なるほど。
「ちなみにヒナアラレというのはここで燃やした人たちを砕いて丸めたお菓子のことだよ。後で食べるからよく覚えておいてね」
なるほど。
「あとひなまつりの由来は火成(ヒナ)祭りからきてるらしいよ」
なるほど。
私は即行で退職した。
私は五人兄妹の3番目ちょうど真ん中に生まれた。
兄がいて姉がいて下には妹が二人いる。
我が家には4人も女がいるのにひなまつりの雛人形は無かった。
でも、料理があまり得意じゃない母のちらし寿司がとても好きだったのを覚えてる。
大人になってからは久しくやってないなとふと思い、いつの間にか母の代わりに料理担当になってしまった私がひなまつりっぽい事をやろうと母が昔作っていたちらし寿司を私なりに作ってみた。
でも、夜ご飯の時間になっても父しか帰って来なかった。
まぁ、いつもの事かと割り切り父と2人っきりのひなまつりをした。
今日はほろ苦いひなまつりになったなぁ、とほかの兄妹の分を冷蔵庫へ入れた。
昔はみんなでご飯を食べてたっけな。
あの時はまだ家族は仲良しだったけ。なんて。
昔と今じゃ全部変化して家族というものが無くなった。
一緒に住んでいるのにまるで他人みたい。
分かりきってたことなのになんでこんなにぽっかり穴が空いてるんだろうな。
なんでこんなに虚しいのだろう。
思い出の中のひなまつりは過去の私に嫉妬してしまいそうなほどみんな笑っていてきらきら光っていて眩しかった。
【ひなまつり】
タイトル: ひなまつりの秘密
ひなまつりの日、小学校の女子生徒・美咲は、母親の手作りのお雛様を学校に持っていった。しかし、帰宅した美咲は、お雛様を見つけることができず、困惑する。
そんな中、彼女は部屋の中に小さなお雛様を見つける。美咲はそれが母親が作ったお雛様だと思い込むが、そのお雛様には不思議な魔法の力が宿っていた。
美咲はその魔法の力で、お雛様の中に入り、そこで出会った7人のお姫様たちと共に、ひなまつりの秘密を探ることになる。彼女たちは、昔ながらのひなまつりの行事を行っていたが、美咲はそれが本当のひなまつりの意味ではないと感じる。
美咲は、秘密を探る中で、ひなまつりの真の意味と、七福神を祀る秘密の祭りについて知ることになる。さらに、美咲は、七福神たちから、ひなまつりの行事を守るための使命を与えられる。
美咲は、魔法の力で、七福神たちと共に、ひなまつりの本当の意味を取り戻すために戦う。そして、彼女たちは、人々が忘れかけていたひなまつりの意味を再び蘇らせることに成功する。
女の子だけのお祝いの日に僕は生まれた。小さい頃はひな祭りになると、家に雛人形が飾られるのは僕の誕生日だからだと勘違いしていた。雛壇に並んだ人形をとっては一人で人形遊びをしていた。ひな祭りというぐらいなのだから、楽しい日なのだと思っていた。
だが、僕の六歳の誕生日からは飾られなくなった。
「ねぇママ。今年は雛人形飾らないの?」
純粋な気持ちでそう聞いてみると、ママは泣いて暴れた。
「お前なんか欲しくなかった! 私は女の子が欲しかったのに!」
幼いながらに、その言葉の意味を理解して家を飛び出したのを覚えている。誰に助けられて、どうやって家に帰って、お母さんとなにを話したのか、なにも覚えていなかった。
そして、高校生になって恋人ができたとき。隠していたはずなのに、すぐにお母さんに気づかれた。そして、なにを言われたのかって。
「早く結婚して、女の子を生みなさい。絶対よ、絶対に女の子よ」
まだ結婚なんて考えてもいない時にそんなことを言われたものだから、こわくなってしまった。だから、お母さんにどれだけ彼女を紹介しろと言われても、絶対に家に連れて行かなかった。
だが、それも長くは続かなかった。ある日、お母さんは彼女とのデートを尾行してきたのだ。そして、レストランに入って昼食にしようとしたタイミングで偶然を装って合流してきた。
彼女は気まずそうにしていながらも、しばらくは楽しそうに会話をしていた。だが、僕は嫌な予感しかしなかった。そして、その通りになった。お母さんは彼女にも、女の子を生めと言い出した。それを聞いた彼女は申し訳なさそうにした。
「ごめんなさい。結婚するつもりはなかったから言わなかったんですけど、私、病気があって子どもは生めないんです」
言いにくいことだっただろうに、勇気を出してはっきりと言ってくれたことが僕は嬉しかった。だが、母はそうじゃなかったらしくそれを聞いて発狂した。どうして私の元には女の子が来てくれないのと。
それから程なくして、僕と彼女は別れることになった。そして、その恨みを晴らすかのように僕は、母が眠っている寝室に火をつけた。そこにあの日の雛人形が片付けてあることも知っていた。
そして、後々知ったことだが、雛人形が飾られなくなったあの日。母は女の子を流産したのだという。少しばかり可哀想だとは思ったが、これで天国にいる自分の娘とやっと会えるのだから、きっと感謝してくれるに違いない。
あれ?
今日ひなまつりだな、女の子の御祝いの日
でもわたし、物心ついてから、
ひなまつりやってもらった思い出ないぞ
雛人形はあったはず
引っ越しの時に処分してた
古臭くてカビの臭いがした
お母さんが面倒で出さなかったんだわ
ないわー
男兄弟の中の女の子なんだけど
こどもの日はみんなで祝った
しかしひなまつりはなかったぞ
どうなっとるんだ
あの雛人形お母さんがおばあちゃんから
引き継いだんだよ
わたしが産まれたからね
全然引き継ぎ出来てないー
ないわー
わたしのこどもは息子だし
雛人形に縁がないのね
だから女らしくないのかもな
ひなまつり
金平糖は、ひな祭りに食べません
いつでも食べてください
ひな祭りに食べるのは、雛霰(ひなあられ)ですよ
気をつけてくださいね
何なんだって感じですよね、すみません
お気になさらず…
今日は本当にネタが思いつきませんでした
【ひなまつり】
バタバタ
『たっだいま〜!』
午後4時半。
私は学校から帰る。
『おかえり!』
家には既に小学生の弟と2歳の妹が居間で遊んでいた。
『たでーま。お母さんは?』
続けて帰って来たのは中1の弟。
『あー、、今日も遅くなるみたい。』
『ふーん。』
私達は母子家庭で育っている。
毎日母親がいないのは当たり前で、長女の私が1番しっかりしないといけない。
『今日何が食べたい?』
『肉ー!』
『はーいもやし炒めね。偉いね勇将。』
『言った意味!』
弟の意見を聞かなかったことにし、弟の頭を撫でて料理に取り掛かる。
『むー、、』
『克平、茉里の面倒見ててくれる?』
『おーす!』
料理の間はみんなで協力する。
勇将には学校の課題をしてもらい、後から茶碗洗い。
克平は茉里と一緒に遊んで茉里から目を離さないようにしてもらう。
私が母親代わりだから、弟達もわがままを言いたい歳なのに大人になっている。
私がしっかりしないと。
『さ、出来上がり。いただきますするよー。』
『はーい。』
ちゃぶ台を囲んでみんなでもやし炒めと昨日作った低コストなおからの炒め物を食べる。
『食べ終わったら、勇将茶碗洗いお願いしますね。』
『うぃーっす。』
食べ終わった後は妹からお風呂に入らせる。
『う〜!お風呂やーだ!』
『こら、ヤダじゃないでしょ!ほら、早く入らないと克平にぃと遊べなくなるよ?』
駄々をこねる妹を動かすのにもかなり苦労する。
『こら、暴れないの!』
『わーい!あわあわ!あわあわ!』
シャンプーが目に入らないようにシャンプーハットをつけようとするのにも時間がかかる。
妹よ、、落ち着け、、
あがらせた後も時間がかかる。
『濡れてるから走らないでー!』
『うぉー!!』
ビチャビチャのまま床を走り回る茉里。
私はタオルを持ってワイシャツ姿のまま追いかける。
『茉里確保ー!』
そんな時に助かるのは長男の勇将の存在。
『ああ、ありがとう勇将。』
『ん。姉ちゃん茉里は俺が見てるから、克平の宿題見てやってくれ。』
勇将に重ね重ねお礼を言いながら居間へと急ぐ。
そこには撃沈している克平がいた。
『ほら、克平、さっさと終わらせてお風呂入って寝るよ。』
克平に宿題を教えながら明日の夕食を考える。
下の子達をお風呂に入らせた後は自分も入り、妹を寝かしつける。
『ねーんねー、ねーんねー、いい子だよー。』
寝た茉里を確認したら克平と勇将も寝かせる。
みんなが寝ているのを確認し襖を閉め、時計を見たらもう11時だ。
『ふー、、疲れた。』
ちゃぶ台に突っ伏し、静かな室内で今日の出来事を振り返る。
ガチャ
しばらくしてからお母さんが帰ってきた。
『おかえり。』
『ただいま〜今日もありがとね。』
お母さんは強い。
少し寝たらまた早朝に起きて仕事に行ってしまう。
母と話せる少ない時間を、寝て過ごすわけにはいかない。
『今日ね、学校でね、、』
お母さんは疲れてるのに、頷きリアクションしながら聞いてくれる。
『春陽、今日は何の日か知ってる?』
もしかして、誰かの記念日だった?
茉里の誕生日でもないし、克平の誕生日でもない、勇将の日でもないし、、
『わかんない、、』
『今日は、3月3日ひなまつりだよ。お姉ちゃん、いつもお母さんの代わりをしてくれてありがとね。』
そう言って渡してくれたのは小さいけれども可愛いお代理様とお雛様。
『、、うん。』
堪えてくる涙を唇を噛み締めて抑えながら、何とも愛らしい2つの人形を見つめる。
『これからも健やかな成長と健康を願ってるよ。』
久しぶりのお母さんのハグは、暖かかった。
寒かった私の体と、愛に飢えていた心を母は溶かし包んでくれる。
『ひなまつりは、お姉ちゃんの日だよ。』
今までずっと、頑張らなきゃと思って来た。
何でも、しっかりしとかないとダメだって。
『この日はお姉ちゃんは何もしなくていい。大丈夫。勇将達が支えてくれるからね。よく頑張ってくれたね。』
私にとってひなまつりって、実感がなかった。
だって私の家には雛人形なんて無いし、毎日毎日バタバタ忙しいからいつのまにか終わってるなんて事もザラにある。
でもこれからは、私のひなまつり。
3月3日は、ひなまつり。
お姉ちゃんのひなまつり。