『ひなまつり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「この歳になると、行事に疎くなるね」
弟はそう言って少し笑った
おひなさま、祖母の家の押し入れに仕舞込まれて
もう10年は経つだろうか
人形というのは扱いが難しい
私は彼らの存在を持て余していた
今更出すのも億劫で
かと言って、処分するのは心苦しく
私たちには、結婚して、子どもをつくって
家という重荷を継がせる気も、その必要もない
私たちは自由である
自由であるはずである
ひなまつりもこどもの日も
もう必要がないくらいの大人の楽しみは手に入れた
なのになぜこんなにさまざまなことに悩む
人形の処分とか、何年も先の稼ぎとか
生かすも殺すも私次第
それは、私自身の処遇だって
私は私の手の内に
それがひなまつりを祝わなくていいということ
それが大人になるということ
でもそれがあんまり恐ろしくて
私と人形には未だに判決は下されず
今年も押し入れに閉じ込めておく
ひざしがさしこむへや
なみだこらえるひとみ
まだかえっちゃだめっていうあまえたこえ
つよくだきしめてくれるやさしいこころ
りせいをたもってでもいっしょにいたい
ひなまつり。
赤ちゃんを抱いたお母さんが
ケーキ屋さんの前に
2組ほど並んでいた。
店員さんが、菱形の可愛らしいケーキを
箱にしまっている。
きっと、初節句のお祝いだろうな。
どうかスクスクと育ってね。
まだ、風は冷たいけれど
もう少しで、春が来るよ。
【お題:ひなまつり】
/ひなまつり
ひなまつり ひなまつり ひいなまつり
少しおめかしして お母さんに連れられてった
仲良しのあきちゃんの家
知ってる靴が三和土(たたき)にならんでて、家の奥からもう笑い声がしてた
あんたたち三人官女やね、
と、あきちゃんのお母さんが言い
かおりちゃんのお母さんが
うちら三婆やわ、と言い
うちのお母さんはけらけら笑ってた
あきちゃんはかっこいい長い道具持ってる官女
かおりちゃんは真ん中でおっとり座ってる
わたしはやかんみたいなの持ってる官女
お酒注ぐ道具らしいけど
あきちゃんが引っ越し
かおりちゃんは入院し
三人で過ごしたひなまつりは
思えば二、三年だったのに
毎年三月は思い出す
わたしたちは人形見るのもすぐ飽きて、
ケーキを食べたらいつも通りあきちゃんの部屋で遊んでた
台所ではお母さんたちがお酒飲んでめちゃめちゃ笑い転げてて
女のまつりなんよ、と言ってたけど
大人になったあともあんなまつりにはまだ会えてない
ひなまつり
男祭りなので、ひな祭り感のない人生です。
ひなまつり
小さな女の子だった頃から、憧れているお雛様
祭り。
お雛様とお内裏様。
なぜ、小さな私は、あんなにときめいていたかと、
いいますと、お雛様が、綺麗なことやお内裏様が、
とても美青年だから、凛々しいと思っていたからかな?
それもありますが。
そう、将来の旦那様にお内裏様は、似ているものなのよ。
と、祖母に教えてもらったから。
ああ、そうなんだ。
と、素直に信じて、憧れていました。
結果は、、、。
気になりますところ。
あながち、外れているというほどでもなく。
素敵な旦那様をありがとうございます。
端午の節句の時は、兜ですものね。
どんな凛々しい若武者か。
ご想像にお任せ致します。
かしこ。
ひなまつり
3月のイベント
テレビにも
のるぐらい
有名なイベント
どっかの
県は、
何段もの
階段に
ひな人形を
飾ってる
みんなは、
飾ったのかな?
「ひなまつり」
着物をきかえて 帯しめて
今日はわたしも はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひなまつり
ひなまつり
またこの時期がやってきた
庭には桃の花が咲き乱れ
女の子は楽しそうにこちらを見ている
目を輝かせ心を躍らせ
豪華絢爛なこの飾り達を見ている
奥の方では料理が作られ
お吸い物やら餅やらあられやら寿司やら
彩り豊かな料理が机に用意されていき
女の子ははしゃいでいる
母親がこちらに視線をやり
その目は優しく
何処か儚げで
懐かしみながらこちらを覗く
あの小さかったあの子は
いつしか母親になり
女の子を授かり
その女の子はあの時のあの子の様な面影で
同じように目を輝かせ心を躍らせている
また桃の花が咲き乱れるこの季節で
逢いましょう
あなた達の成長を見守り
健やかに幸せになれるよう願います
今日 、君に会えないことが決まってしまいました
君に会うために可愛くなろうとメイクもオシャレも考えて楽しみにしていたのになぁ
なくなってしまえばいいのに なんて思ってた
でもワクワクして、少し緊張した君の表情を見たら
そんな事言えなくてただ明日頑張って
成功するといいなって 楽しんでくれたらいいなって
それに笑って今日は過ごさなくちゃね
だって今日は女の子のための日
美しく
少しでも 長く 幸せに
年を過ごせるように
祈られた特別な日だから
赤や白
ピンク色を
身に纏う
美しい装い
誰にも染まらず
あなたらしく
生きて
小さな芽から育まれ
心折れても
枯れそうになっても
何度も立ち上がり
花を咲かせたね
この先も
ありのままの
あなたで
その笑顔を
輝かせて
【ひなまつり】
私はひな祭りの日が嫌いだった。
7、8歳の頃だっただろうか。私はひな祭りの日に大きな事故に遇った。内容はというと、大型トラックに撥ねられ、集中治療室で5時間の手術を受けるほどの怪我を負ったのだ。私はその時の事をしっかりと覚えている。
あれは7歳の頃、帰りの音楽が流れた時だったろうか。私は家から横断歩道を渡り、少し歩いた所の公園で一人遊んでいた。当時は私も素直な子だったので、帰りの音楽が流れたら直ぐに家に帰っていた。その日も例外はなく、帰りの音楽が流れたら直ぐに家に直行した。信号が青な上、普段、家の前の横断歩道はあまり車が通らないから完全に油断していたのだろう。私は周りを見ずに走って横断歩道を渡っていた。とその時、大きなクラクションと光が私の視界と耳内を支配すれば、途端に私の体は宙に舞った。体中物凄く痛くて、耳鳴りがした。声も出せず耳を聞こえない。幼かった私でも、車に撥ねられたんだと即座に理解した。数秒して車の運転手と母らしき人が私を囲ったが、私の意識はそこで途切れた。そこからはあまり覚えて居らず、私が気を失っている間、私は大学病院の集中治療室に居たらしい。
私が怪我の治療、リハビリの為に病院に入院している間、机の上に置いてあったのは可愛いぬいぐるみなどではなく、不気味な真っ白の顔をした我が家の家宝である雛人形。夜は怖いし、変に目は合うし、可愛くないしで、幼かった私は何故そこに雛人形が置いてあったのか、理解が出来なかった。だが、今は理解出来る。
お母さんによると、私が集中治療室で治療を受けた後、ずっと私の傍に家宝である雛人形を置いていたそう。御先祖様や神様が、私の命を救って頂いたと思い、病室の机に置いたんだとか。
その話は本当の様で、怪我の途中経過や治りもスムーズに進んで、後遺症と言えば左足の感覚麻痺のみだった。それも、医者の話によれば車椅子生活も視野に入れる。と話していたらしい。だがその車椅子生活にならなかったのも正しく奇跡だと医者もお母さんも言っていた。
きっと、雛人形に御先祖様や神様が宿っていると思っている人は少ないかもしれない。けれど私は信じ続ける。だってあの日は御先祖様や神様に救われたのだから。
今日はひなまつり、明日は私の誕生日
祝ってほしいな…
2023/03/03 「ひなまつり」
今日、君は旅立つ。
幼馴染で、ずっと一緒に居た君が
知らない街に行く。
見た事もない表情の君は
とても幸せそうで…。
ねぇ、知ってた?
小さい頃からずっと
君の事が好きだったんだよ?
今日、君は旅立つ。
知らない街に。優男の所に…。
さようなら、僕のお雛様…。
みんなの投稿を見た。
ひな人形の人形供養をしたというのがあった。
我が家の雛人形、20年以上押入れに入れっぱなしになっている。どうなっているのか、恐ろしくて中を確認できないでいる…
ガラスケースの3段飾り。箱にしまって
真っ暗な押し入れの中に眠らせている。
カビが生えていたらどうしよう…有り得ないが、中で何かが腐っているかもしれない…
また、会えましたね
一段とたくましく、美しく育った貴方
年々貴方はこちらを見てはくれなくなってきたけれど、きっと外の世界が輝いている証拠なのでしょう
私が見ている貴方は、1年のほんのひとときの姿でしかないけれど、ずっと我が娘のように思っています
今日はめでたいひな祭り
来年も会えるかは分からないけれど、あなたの幸せをひな壇の上、ひそやかに祈っています
この思いが伝わることはなくても、どうか叶いますように
「ひな人形の祈り」
うちにも可愛い木目込人形のお雛様ありました。
各々は小さい手のひらサイズだけど
ちゃんと勢揃いしたもの。
終の住処にやっと連れて来たんです。
私だけの雛飾り。
日々忙しくてなかなか飾れない今の自分には
愛でるのはまだ先のお話。
三月二日、明日はひなまつり。小学校低学年の女子達はうきうきしていた。
「りかちゃん、雛人形かざったー?」
給食時間中、おかっぱ姿の女の子が、髪の長いりかちゃんに問う。
「もう二月の最初の方に飾ったよ!」
「はや!」
「早く飾らないと結婚早くできないらしいよ!」
「そうなんだ!」
この時期の小学生の夢は、お嫁さんが多い時期だろうか、女子トークの入り口のようなやりとりである。
三月三日、ひなまつり当日。
豪華なご飯を食べ、雛人形を飾って、小さな女の子がいる家庭は過ごしているだろう。
翌日、四日。りかちゃんの方から声をかけてきた。
「雛人形もう片付けたー?」
「え? まだだよ?」
「早く片付けないと、結婚遅くなるみたいだよ!」
「そうなの!?」
「早く出して早く片付ける、が、早くお嫁さんになる言い伝えだって」
「そうなんだ!」
小さいながらも女子は女子。
ひなまつり一つでも、女子トークには花が咲くのであった。
【ひなまつり】
「今年は、ひな人形出してやれなくてごめんね」
とママはいった。
ママは先月から入院してて、かわりにおばあちゃんが来てるけど、おばあちゃんもパパもすごくいそがしくってもうひなまつりがきてることなんてわすれてたんだ。
「ううん、あたしママが元気なのがいちばんだから。人形なんてなくたっていい」
でもホントはひな人形もほしくて、がっこうで折った折り紙のひな人形をおうちにかざった。
パパもおばあちゃんも、すごいって言ってくれた。
ママ、はやく元気になって、おひなさまいっしょに見よう。
テーマ:ひなまつり #111
私は小さい頃正直、お雛様が怖かった。
毎年毎年、お雛様が出てくる頃になるとその前を恐る恐る通る。お雛様に罪はないはずなのに、何だかずっと見られているような、そんな感覚になった。
母はそんな私のことを知らず、ずっと
「朝起きたら、お雛様におはようって言って、寝るときはおやすみって言うんだよ」
そういった。私は怖かったけど、お母さんに頷くと毎朝毎晩必ず挨拶した。
そんな私も年を経て、今年もひなまつりがやってきた。
もうお雛様を見てそんなに怖くないと思うし、挨拶もしなくなった。
でも、ふと思ったときそっと心のなかで今でも言ってしまう。
『おはよう。お雛様』『おやすみ。お雛様』
って。
帰ってこないはずの挨拶。でも、挨拶するたびお雛様が怖くなくなる。だんだん、表情が和らいで見えるのは、流石に思い込みだとは思うけど。