『ないものねだり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
週末久しぶりに君に会った
君は見たこともないくらい髪を短くしていて
赤茶色の毛色も相まって本当によく似合っていた
直視する事さえ難しいほどに可愛いと思った
同じソファに君は腰掛け、僕は寝そべり本を読み
笑う君の振動をソファ伝いに感じた時
これ以上の幸福はこの世に存在しないと
確信してしまえるこの中身が、狡さが
やっぱりどうしようもないほど嫌いだ
そういった中身を自分自身で直視する時
いっそこの汚い胸中を身体ごと貫いて欲しい、
なんて思ってしまう事もある
性別が変わってしまえば、と
思った事も一度ではないが
そんな簡単な話ではない事は
自分が一番よく知っている
普段はとても履けないと思ってしまうスカートも
日によっては履いてみたいと思えるし
自然と目で追ってしまうのは異性が多いが
心の底から戸惑い、愛らしいと思うのは君だけだ
そもそも異性になったとしたら
君とこうして並ぶ事も無かったかもしれないが
今の僕は自分の外見と立場を
うまく利用し続けている偽善者のように思えて
結局思考は上手く纏まらないまま
堂々巡りするのである
正常、とは一体どんな感覚なのだろうか
君を愛しているうちはきっと知り得ないのだろうが
君にしか、ないものばかりに目がいってしまう。
私にとって君は、
眩しくて届かない…近づくことも難しい。
でも、近づきたい。
なりたい気持ちがあるから、立ち向かえる。
ないものがあるから憧れる。
それも含めて自分なんだ。
[ないものねだり]
手に入らないと分かってるけど。
欲しいと思ってしまったのです。
笑顔を。言葉を。瞬きを。
全てコピーして、組み込んでしまったら。
髪を。瞳を。心音を。
全て真似て、作り直してしまったら。
私はあの子が秘めてた恋を、再現できたりしませんか。
人は
いつでも
人が持っているものに憧れる
自分にないものを欲しがる
だけど
今はなくていいのかもしれない
ほしいと思うものは
自分しだいで
いつか
手にすることができるはず
ないものねだり
あれがない、これが足りないって、ないものを今日も探していた。
たとえば、目に見えるもの。お金とか美味しい食べ物とか、ほしいものとか。目には見えているのに、私のものじゃないから。ほしいなぁ、なんて思ってもすべて手に入るわけじゃない。
それから、目に見えないもの。嬉しいとか、楽しいとか、友情とか、愛とか、夢とか。これらは目に見えるものより厄介で、わかりにくい。目に見えないからこそ、手に入ったのかすら気づかなかったりするから。
ないものねだりだね、って君が言うから。
あるものをねだってどうするんだ。ないから、ほしがっているのに。ないから、焦がれているのに。
あるものに感謝しなよ、って君は言うけれど。
そんなの、わかってるよ。もうすでにあるものに感謝はしている。
でもね、それでもまだ足りないんだ。
私はまだそれを諦めたくはないから。
【ナイモノネダリの森】
ナイモノネダリの森の中
大きな袋を抱えて
少女は歩いていきました
足元に咲いていた花に こんにちは
「あなたの花びらは素敵ね」
ナイモノネダリの森の中
綺麗な花びらのドレスを袋に詰めて
少女は歩いていきました
背の高い細長い木に こんにちは
「あなたの腕は細くて素敵ね」
ナイモノネダリの森の中
細くて長い枝を袋に詰めて
少女は歩いていきました
優しいおばあさんが こんにちは
『あなたの素敵な笑顔はどうしたの?』
少女は笑顔を探しましたが
たくさん詰め込んだ袋は大きく大きく膨らんで
なかなか見つけることができません
「私の笑顔はどこに行ったの?」
綺麗な花びらのドレスの下に
細くて長い枝の下に
少女の笑顔がありました
ナイモノネダリの森の中
笑顔を一つ袋に詰めて
少女は帰っていきました
森の入り口を潜った時と同じ姿で
ないものねだり
あたし、あたし頑張ったの。
どんなに難しいことだって、どんなに苦しい時だって。なんにも言わずに頑張ったの。できるように努力したの。きちんとやってみせたの。
なんでもできるようになったの。
そうしたら褒めてもらえるんでしょう。偉いねって、言ってもらえるんでしょう。認めてもらえるんでしょう。
こんな。こんな出来損ないのあたしでも、他の子みたいに抱きしめてもらえるんでしょう。
なんにもできないあの子達みたいに、生きてるだけで偉いんだって。やさしく褒めて頂戴よ。ねぇ。
線香のまわりを
飛んでいたちょうちょが
もし君だったら…とか
そんなことばかり考えている。
まるで時が止まっているかのように
静かなこの場所で
君がこっそり、そこらの影から
化けて出てこないかと
実はちょっと期待をしている
こわいけど。
僕はいつも
ないものねだりばかり
している
自分よりも明るくて
自分よりも賢くて
自分よりも可愛くて
自分よりも信用があって
自分よりも人間が出来てて
自分よりも幸せそうで
自分よりも生きてて楽しそう
自分じゃない皆が眩しくて
自分はなんにも残らない
教師なんだから色んな人と話すのは当たり前。
頭ではそう分かっていたつもりだった。
でも。
先生が他の生徒や先生と
楽しそうに談笑しているのを見て。
なんだかどろどろとした気持ちが押し寄せてきた。
私にも
あの子みたいにコミュ力があったら、
あの子みたいに明るかったら、
あの子みたいに要領が良かったら、
あの子みたいに可愛かったら、、、
やっぱりそう考えてしまう。
そんなことしても意味ないのに、
私自身が傷つくだけなのに。
けれどもやっぱり気持ちが押えきれなくて、
私は今日もないものねだり。
アクロバットが出来るようになりたい。
楽器も上手くなりたい。
バイクの免許が欲しい。
サーフィンが出来るようになりたい。
絵も上手くなりたい。
別に出来たって役に立たないし意味もない。
ないものねだり、をする理由‥。
もし、色々できたら無価値な自分をだませるから。
ないものねだり
私はもっと他の人みたいに普通の幸せがほしかった。
でも普通の人は個性がほしいという。
今の自分に満足できる日はいつくるかな?
放課後のカーテンは自由に波打つ。日中は生徒の邪魔だからと、まとめられるか窓を閉じられ静かに佇むだけだから、心なしか今の方が楽しそうだった。
「あっ、兄貴!」
嬉しそうに彼が外を覗く。
グラウンドで上級生が駆け回っていて、そのうちの一人は彼の兄だ。人気者兄弟はどこにいても目につく。
でも今はお兄さんのこと置いといてね。
「やらないなら帰るよ」
「えー!?待て、待て!やるからさ」
校内中に友達がいるのに、勉強を教えてほしいと昨日の放課後に懇願された。
私は今、君が頼んだから残ってるんだけど、と言外に伝えれば、慌てて雑にカーテンを揺らして戻ってくる。
彼は前の席の椅子にまたがりペンケースを取り出して「よろしくお願いします」と殊勝に頭を下げた。
「はい、よろしくお願いします」
まずは参考書、ですらない。授業の振り返りも先の話。彼の場合は第一に一年時の学習内容を確かめることからだった。
「──というわけで、この公式に見覚えはある?」
「ねェ!」
「そんな気はしておりました」
「面目ねェ、です」
行儀悪く鉛筆を唇の上に乗せて変な顔をしている。難しいことを考えている顔だ。
予想の範疇であるので私は用意していた小さい冊子を手渡した。
「一年の時使ってたワーク。答え書き込んでないから使って」
「ありがとう!」
嬉しそうに受け取る姿に、もや、と心に妙な気持ちが落ちる。
私はこんなふうに君のお手伝いをするけど、それって私じゃなくていいよね。
君は人気者で、お兄さんもいて、賢い人の伝手は山ほどいる。教師とだって仲が良い。
黒髪が風に吹かれて差した陽から逃れるように影を揺らすこの瞬間を、私だけが見てていいの。
「ねえ」
公式をひとつふたつ指示してやってようやく大問が3割自力で解けたとき、結局私は聞いてしまった。
「一昨日の告白、もしかしてわかってない?」
ぱちり、ぱち、ぱち。
丁寧に三度まばたきをしてから彼はにっこり笑う。
「告白ってあれだろ?俺が好きってやつ」
「そう。わかってたんだ」
「モチロン」
じゃあどうしてこうやって勉強会をするの。きっと避けられると思っていたのに。
重ねて聞きたくても、再びワークに視線を落とした彼には聞けなかった。自分から早く取り組むよう声をかけた手前、中断させるのは気が引ける。
そもそも昨日了承したのが間違いだったかもしれない。あの時はどういう意味かわからなくて引き受けたけど。
胸中に惑いを抱えても埒があかないのにいつまでも考える私の悪い癖だ。君の友達にそんな子はいなさそうだなァ……。
そういったどんよりした気持ちから現実に引き戻すのは、相変わらず彼の快活な声だった。
「できた!できたぞ!」
急に眼前にワークを掲げられる。あまりに近すぎて顔に黒鉛がつくかと思った。
「……答えと合わせるね」
目の前で、合ってると信じて疑わずにあぐらをかいた足ごと揺れて楽しみにしているので、単位を間違えているのは少しおまけしておく。
それで補修テストで数点落としたって知らない。なんでだ!って、また私に聞きにくればいい。
「うん、できてる」
「よし!終わり!」
「え?」
乱暴につかんだ鉛筆をケースに、ケースを机の中に突っ込んで勢いよく立ち上がる彼を目を丸くして見上げた。
「終わりって、時間はかかったけど全然やってないよ」
「いーんだよ。お前と帰りたかっただけだし」
「は、あ?」
何もわからないような顔で見下ろしてくるけれど、私の方だって負けじと何もわからなかった。
「お前が言ってたんだろ。恋人ができても一緒に帰るのは恥ずかしいって。もう誰もいねェし、いいだろ?」
外からお兄さんたちの声は聞こえない。カーテンだけが騒がしくわめいている。
「あと賢いやつがよくて、勉強するやつがいいってのも言ってた。だから、マァ、チョットダケド、やった」
最後は尻すぼみになる真相に、それって一年の時の話じゃない?覚えてたの?だとか、もうそんなことは言えなかった。
黙って顔を覆って俯く。風が止んで下校予告のアナウンスが鳴っても正面をまともに見れなくて、馬鹿らしくなってくる。
やがて深呼吸を三回。それからそうっと指の隙間から覗いたら、彼は椅子に座り直して私を見つめていた。
目が合って、一秒。何も言えない私に仕方なさそうに。
「勉強しなくていいなら最後までいよーぜ」
と言って綺麗に笑うものだから、たまらず私は話題を逸らすことになる。
悪いけどまだ勉強に逃げさせてよ。
「さっきの、本当はマイナス1点だから……」
ないものねだり
あーあまたあの頃の貴女に戻って欲しかったな。
ずっと一緒だよって嬉しそうに言ってくれたのに、3年目のジンクスだったのかなあっさり他の子に乗り換えちゃってさおまけに性格まで変わっちゃって
すっかり落ちぶれちゃったね。
私はやっと吹っ切れたよ、今はあなたとは違って幸せだよ気分がいいんだ。
私はもう堕ち切ったあなたを助けることは出来ない、あのまま私といれば良かったね
でも欲を言うならやっぱりもう一度あの頃に戻りたいよ。
もう居ない貴女にないものねだり
恋するあなたが見たかった。
相手は誰だっていい。わたしでなくても、どこの馬の骨が相手でも……とはいかないけれど、あなたを幸せにできる人なら。
恋の熱にうかされ、瞳を潤ませ、頬を夕陽の色に染めるあなたが見たかった。
恋は世界を変えてくれるという。視界に宝石のかけらを散りばめてくれると。不安で眠れない夜を生み出し、同時に世界でいちばんになれるくらいの幸福感を与えてくれると。
わたしの恋とは、恋と呼んでいいかもわからない醜い感情とは違って、あなたなら輝かしくうつくしい恋をできるはずだった。
わたしにはあなたを幸せにしてやれなかった。生まれてきてよかった、このために生まれてきたと思わせてあげられるようなことなんてたったのひとつも、わたしは、終ぞ、あなたに、何も。
棺の扉は閉まっていた。とても見せられるようなものではないと家族は泣き崩れた。頭から落ちたせいで、あなたの顔は復元もできないくらいにぐしゃぐしゃになってしまった。
……恋をして、しあわせになって、穏やかに眠るあなたが見たかった。
「ないものねだり」
あの子みたいになりたい
あのすらっとした手足が、あの綺麗な声が、
知らない人でもすぐ仲良くなれるコミュ力が、
天才的な運動能力が、学年1位の学力が欲しい
自分にはどんなことをしても手に入らないものを
あの子は持ってる
あーあ あの子になりたい
「ないものねだり」
心に空いた穴を
ただただ、埋めたかった
大して旧くもない思い出が、セピア色になって甦る
あゝあの頃が、ずっとずっと遠いよう
今日も、お母さんがみんなを撫でてくれる。
僕は兄弟が多くて、
今日もまた、みんながお母さんの元に駆け寄る。
僕も、お母さんの元に駆け寄る。
でも、僕は1番お兄ちゃんで、
たくさんの妹や弟を待つ。
僕は1番お兄ちゃんだから、
1番足もはやい。
だから、お母さんの元に辿り着くのは僕が1番はやい。
でも、待たなくちゃいけない。
僕はお兄ちゃんだから。
徐々に僕の番が近づく。
うきうきして僕はお母さんの元に寄る。
でも僕は撫でてくれない。
お母さんの愛は全て渡りきってしまった。
僕の分はもう無い。
昨日も、一昨日もこうだったのに、
僕はまた今日も期待してしまった。
「ないものねだり」
「書く習慣っていうアプリやってる人おいで!!!!」
というオプチャでは、
オープンチャットってなんやねんって人も、
とにかく雑談したいって人も、
雑談とかいいから詩の話したいって人も、
みんな募集中です!
サブトーク??とかいうやつをめいっぱい活用しようとしているのですが人が少なすぎて活用どころじゃありません!
皆さん興味があったらとりあえず来てみてください!
待ってます!
ないものねだり
人のもっているものはないものねだり。
持ち合わせの性格や、新しい物など
人が思ってるものは違うが。
なんで欲しくなるんだろうね。
ずるいなって思うんだろうね。
自分の持ってるものが個性で良いのにね。