『それでいい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
諦めとか妥協とか、全部引っくるめてハハ、という声になって消えた。カラカラと開いた扉の奥から「もう閉店だぞー」という声がして、金色の頭が顔を出す「って、なんだお前か。どうした、こんな時間に」烏養は私を見てそのままレジまで降りてきた「ごめん、お店終わってんのに」「それはいいけどよ、まあ座れ」きっと何か察してくれた烏養が店の椅子に腰掛ける。「いいか」とタバコを取り出すので、小さく頷く。カチ、とライターの音と葉が燃えるチリ、という音だけが店中にこだまする「浮気されてた」ああ、もう涙は枯れたと思っていたのに、言葉にすると溢れてくる。零れてしまわないように息を止めたのに、パタパタと大粒の雨が降る。目に止まるのは自分の薬指に光る約束の証、世界で1番幸せだったのに「相手の子、妊娠してるの」烏養はどんな顔をしてるんだろう、止まらない涙を見られたくなくて、顔を上げられない「別れよう、だって。申し訳ない、だって」ロボットみたいに、あたえられた言葉だったみたいにツラツラと話せるのに、息ができないくらい苦しくなっていく「えーほんと、だっさいんだけどー」ほらまた笑えてくる。烏養は黙ったまま、鼻を掠めるタバコの匂いが妙にホッとする「まだあんだろ」俯いた頭がグッと押し込まれ、わしゃわしゃとかき混ぜられる。堰を切ったように溢れ始める、全部全部全部「おーし、泣け泣け、全部吐き出せ」
もう未練なんてないと思っていたのに、そんな顔をするな。今度はお前を攫う覚悟ができてしまう。でも今は。
それでいい
『それでいい』
それでいいよりも
それがいいの方がいいのかもしれないけれど
あなたの将来に関して
私は何かを言える立場じゃないから
あなたの決めた道を応援するよ。
あなたと一緒の大学がいいけれど
あなたの行きたい大学でいいと思う。
それがいいよりも
それでいい。
ある森には、怪物と呼ばれる生き物がいた。
彼はその名の通り、醜く、誰もが見れば震えあがるような見た目をしていた。
だが、そんな見た目とは裏腹に、彼の心は清らかなもので、慈愛に満ちたものであった。
しかし、そんな、見た目と心の相反などを人は知るはずもなく、皆、醜い恐ろしい彼を罵り、虐げ、恐れた。
人々に恐れられている怪物は、自身の醜さを痛いほどにわかっていた。
そして、そんな醜い自分が美しいものに触れることが出来ないことも同じ程理解していた。
だから、森の中で小さな少女と出会った時、彼は慌てふためいた。
恐ろしい自分の姿を彼女がみてしまえば泣いて収集のつかないこととなると思ったからだ。
姿を隠して逃げてしまうことも一瞬頭をよぎったが、動揺してしまっていても、迷い込んだような姿の少女を森の中で一人きりにしてしまうのも気が引けて、どうしようかと暫く悩みこんでいたら目の前の少女は口を開いた。
「お兄さん、なんでこんなところにいるの?」
その疑問にはかつて自分を恐れた人たちのような恐怖は滲んでおらず、ただただ純粋な疑問の意思しか込められていなかった。
驚いた彼は、思わず彼女に話しかけてしまった。
「僕が怖くないの、、?」
少女はまた迷わず言った。
「なんで怖いの??」
人として扱われることは久しかった。
生まれた時から奇異な見た目をしていたせいで、親からは化け物と呼ばれ、道を歩けばこっちによるなと恐れられてどこからか石を投げつけられた。
「僕の姿気持ち悪いでしょう?」
そんな経験もあって、彼は目の前の少女が不思議でならなかった。
自分でも醜い見た目であることは自覚している。身内にすらこの容姿は忌避された。であるからこそ、少女の純真無垢な瞳が初めて見るもので、初めて向けられるもので、彼は混乱したのだ。
「見た目は怖いかもしれないけど、わたしと同じ人じゃない。何も怖くないわ。」
見た目に似つかないような、少しませた喋りをする彼女であったが、彼はそんな言葉に人生で初めて救われたような心地がした。
それからというもの、なぜだか少女は彼と仲良くしたがり、迷い込んだはずのその地に足繁く通うようになった。
村の人間に見捨てられた彼は、畑などを自力で揃えて、自給自足で生活をしていた。そのため、彼女の遊び場としては適している場所でもあったのだ。
二人は良き友人として数ヶ月ともに幸せな時間を過ごした。
だが、そんな安寧も一瞬にして壊されることとなった。
村人が、怪物が少女を誑かし、家に招き入れてよからぬ事をしようとしていると算段をつけ、少女を救うために、彼を襲ったのだ。
硬い木の床に頭を押し付けられ、大きな身体に数人の男がのしかかり息ができず、朦朧とした意識の中で彼は思った。
やはり、少女と出逢わなければ良かったと。
自分が襲われたことで優しい彼女は自分のせいだと罪を背負うと彼は考えていた。
だから、彼は叫んだ。
自分は少女を食おうとしていたと。
もう少しで上手くいったはずなのにお前らが台無しにしたと叫んだ。
そうすると、彼に襲いかかる男たちの手は容赦のないものとなった。
残虐な場面を少女に見せることはしまいと、彼女は別の村人に抱えられ、去っていた。
それでいいと思った。
自分は変わらず化け物で、怪物のままで彼女がまた平穏な暮らしに戻ればそれでいいと。
薄れる意識の中、怪物と呼ばれたひとりの青年は自分に言い聞かせるようそう思い続けた。
自分は怪物のままで、綺麗なものには触れずに汚さない方がいいと。
仕方ない。これが僕の人生だと割り切った。
でも、それでも、村人に抱えられていく彼女が去り際、こちらを見て苦しそうに泣き、僕の名前を叫び呼んだあの顔は、悲しいことに、どうにも、忘れられそうにないのだった。
―――怪物の正体
お題【それでいい】
自分が思うがままに行動する
それでいい
周りにとらわれることなく行動する
簡単そうで難しい
これができたら最高だ
それでいい、なんて何様なんだろう
自分は人にあまり言われたくないな。
自分はこんなひねくれてていいのか?
それでいいのか。
ところがどっこい。
拳が、一発、とんできた。
今にも君に背を向ける、その良い角度で殴られた。
思ってないだろ、それ、だって?
台詞が嘘くさいだって?
脳筋め。
そんなの殴る前に言え!!
「それでいい」
何かしようかな、なんて公園のブランコを漕いでたら偶然演奏者くんを見かけた。
ピアノからは少し離れているから、あまりこっちの方までは来ないんだろうと予想してたから少し驚いた。
彼は公園から道を1本挟んだ団地の端に生えている色とりどりの花にそっと触れたり、眺めたりしている。
なんだかとってものどかで、ボクに向ける表情とはまるっきり違う。
別に違和感はない。
というか、ボクに対してあんな態度とってきた方がよっぽど面食らう。
例えば、彼に「演奏者くん、こんな所で奇遇だね?」なんて声をかけたとする。
いつもなら彼は「⋯⋯なんだい、邪魔者」とか「僕に話しかけてくるなんてどんな心境の変化だい?」なんて聞いてくる。
ところが今日に限って「ああ、権力者。いい天気だね」とか「きみに会えるかなと思ってこっちに来たんだ」とか言ってきたら。
⋯⋯⋯⋯なんか気持ち悪いな。
この世界に来た迷い子とかにはそういう態度を取ってるのを見たことがある。彼は迷い子をみんな外の世界に返してあげたいタイプだから、印象もなるだけ優しくなるように気をつけている、みたいに見える。
それと同じ態度をされたら。うん、なんか気持ち悪い。
ボクは彼の唯一の敵にならなきゃいけない。
だからそのためにボクは彼と仲良くなってはいけない。
ボクはブランコを漕ぐのをやめて、公園を出たところで彼に向かって声をかけた。
「やぁ、演奏者くん。ピアノを弾いてないなんて珍しいね?」
いつものように距離が近いわけじゃない。道を1本挟んでいる彼の心情を空気として読み取ることはできない。もしも心穏やかそうな彼から、バカみたいに明るい声が返ってきたら。
彼は振り向きもせずに答えた。
「なんだい、どこに居たって僕の勝手だろう」
ああ、良かった。いつもの彼だ。
それでいいんだよ、それで。
『お前は彼女つくんねーの?』
……まあ、肝心の相手にその気が全くないからな。
作ろうにも作れないよ。
「今のままの関係が好きだからいいかな」
そう、今のままの関係、それでいい。
それがいい。
明日は彼の誕生日。
おめでとうって
メッセージ送る勇気はないけれど
そっと心の中でお祝いするね。
いつかもう一度、おめでとうって伝えられる日が
くればいいな。
それでいい
何となく…だけど…こんな何気ない日常が、幸せに感じるから…私の隣には、あなたがいて、優しい時間が過ぎている…目を見張る様な出来事は無いけれど、一緒に食べるご飯、何となく過ごす夕方のひと時、2人で見上げる星空…そんな時に、あなたの何気ない仕草に、ドキドキしてしまう一瞬…穏やかな毎日が、一番の幸せだと感じている…
それでいいの。
あなたはあなたのままで。
いてくれてありがとうね。
毎日頑張って生きているあなたに
幸せが訪れますように。
他人と意見が違う
考え方が違う
自分は間違っているんだろうか。
いや、それでいい。
それでいい。それでいいんだ。
同性愛者だからって、
性同一障害だからって、
障害があったって、
なんにも悪くない。
それでいいんだ。
自分は自分らしく生きればいい。
今日は歯医者に行くついでに、歩き回って買い物をした。
ちなみに歯医者には親不知を抜くように話を進められている。
綺麗に4本生えてしまったが故に、奥歯が磨きづらいのだという。
歯科医が言うならきっとそうなのだと涼しい顔をして受け入れているが、歯医者にいる間は動悸が止まらず、多分抜く日が決まればずっとその事しか考えられなくなると思う。
買おうと決めていて買ったのは、オススメされていたスマートウォッチ、今日発売の単行本。
何故か買ってしまったのは、フレグランスとゴミ箱。あとゲームのワイヤレスコントローラー。
自分の人生は自分で彩らないと!
今はそういうターンなんだと思う。
そういえば今年の抱負は「自分の好きに正直に」だった。
好きなものをすきと言える人生に、乾杯!
2.3万歩くらいあるいたので散歩欲も満たされたな〜といった23:36
【それでいい】
それでいい
(本稿を下書きとして保管)
2024.4.4 藍
あなたの、いつもの感じが、
僕はほっとする。
あなたが横で笑って、僕が相づち打って
たわいもない会話で終わって。
2、3回同じこと繰り返しても、
つまらないことでけんかしても、
また、一緒にいる。
それでいい。僕には十分、こんな日々が
ちょうどいい。
小さい頃から自分のことを自分で決めるってことをあまりして来なかった。親に「これでいい?」と聞かれたら「それでいい」と答え、自分の意志で選ぶことが無かった。だから今でも何かを選ぶのが苦手で、コンビニに行くときでさえ、めちゃくちゃ時間をかけてしまう。
「ああ、それでいい」
俺は鷹揚に頷く。
「構わない。犠牲?ああ、それは、確実にこっちの方が少ない。」
近年のシュレディンガーの猫理論を元にした世界線及び運命のパターンの解析、AIによる学習と未来予測の技術の発展により、俺たち人類は、“選択”による未来の複数パターンを予測できるようになった。
「だから…そうだ。たとえそれが発覚したとして、俺たちが頭を下げれば全て収まる。大のために小を選ぶか、小のために大を選ぶか、つまりはそういうことだ。」
高度に発展した未来予測は、民衆個人には秘匿され、国よって、人類の全体的な平和維持と文化推進のために、極めて中立的、公的に扱われることとなった。
「誰も俺たちを責めれやしないさ。つまり俺たちは合理的に、人類全体にとってより良い選択をした、実質的なヒーローとなんだから」
俺は今、未来予測によって得られた結果を元に、人類先行教化委員として、公務員として、人類にとってより“マシ”な選択を支持する仕事に就いている。
「だから…それでいいんだ。人が1人2人死のうが世界は滅びやしない。だが、この選択を間違えれば、何千人もの人たちを地獄に突き落とすことになる。」
現在、俺は今…“選択”を実行する部下たちに、電話で指示をしているところだ。
「ああ、だからそれでいいって。…しつこいなお前も。そうだよ。それで全て上手くいくんだ。」
尚も食い下がる部下を俺は宥めすかす。
「いや、それは今更だろう?…それでいい。…いいからやれ。それが人類にとって最善の選択だ。」
「…ほ、本当に、いいんですね?」
「ああ、やれ」
俺の目の前、震える手で電気銃を突きつける部下に、俺はそう言った。
「コイツと付き合って数年、やっと気づいたよ。…こんな機械を開発し、利用する国家なんてのは、別の国家にとっては脅威だ。ようやく気づいたんだ。この機械とそれに関する組織はいずれ、戦争を引き起こす。」
背後にある、未来予測AIを俺は指し示す。
「だから、俺が命令した通りだ。それでいい。この機械の管理者諸共、吹き飛ばしてくれ。」
「…」
俺は今にも泣きそうな部下にそう告げる。
「…これで、人類の平和は維持される。迷う余地はないさ。徹底的にここを破壊しろ」
「…はい。」
部下は震える声で、それでも、なんとか答えた。
「…お前は相変わらずだな。新人の時に返事は大切だと、教えたろう?今の返事じゃ、及第点すら出ないぞ」
「…っ」
俺の笑い声だけが、部屋の中に響く。
「まあ、今日くらいはそれでいい。さあ、頼むぞ」
「っ、はい」
部下の指が、電気銃の引き金を引く。
「それでいい。…最期の部下が、お前で良かったよ」
霞ゆく視界の中で、部下を見る。相変わらずの情けない顔をしているが、それでも、見違えるほどに良い職員となったものだ。
「…ありがとうございました。さようなら……」
情けない顔をした自慢の部下の、震える、か細い声が、最後に聞こえた。
『それでいい』
人と関わることが苦手で、
対して努力もしてなくて、
そのくせ周りを羨んで。
欠点ばかりを気にかけて、
長所も特技も見出せず、
そのくせ自分を変える気もない。
それでいいのだと呟いた。
自分だけは自分を愛することができるのだから、
ありのままの自分を愛してやればいいのだと。
それがいいとは言えなかった。
現状維持には大賛成だが、
現状に満足はしていなかった。
そういうの全部ひっくるめて、
それでいいと思った。
それがいいとは思えないけど、
今はまだ、それでいい。
それでいい
たまには全肯定してみるのもよい
どうしても人と比べてしまうんだったら、
自分ができていないんじゃなくてできる人がすごすぎ
るんだってマインドでいこう
それで自分ができるようになったら自分すごすぎるっ
て一旦思ってみよう
ほどよく開き直るのって大事
完