『さよならを言う前に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【さよならを言う前に】
出会ってくれてありがとう
こんなにも与えてくれてありがとう
さよならなんて言わない
「そんな顔すんなよ笑 死にたくなっちまう」
「やだよ、やだ、やだ…!まだ…あなたと…!」
「ああそう、別れの言葉を言う前に……言いたいことがあったんだ」
「………なに?早くして、」
「はいはい。…実はさあ、うん、やっぱり…ずっと一緒にいたかったんだ」
「っ、ねえ、」
「早まるなよ。…もし、生まれ変わってまた出会えたら…その時は必ず、好きだったって伝えてやるよ」
「………ぁ、ああ、ねえ…、ねえ…!」
「じゃーな」
炎の火は燃え盛って消えないまま、呑気で、平和な世界は進んでいた。
さよならを言う前に、伝えたかった言葉があった。
「 」
#2024.8.20.「さよならを言う前に」
どっちが死ぬ側?
さよならを言う前に
力強く抱き締めて
優しい瞳で私を見つめて
ふと微笑んだその唇で
あたたかいキスをして
さよならを言う前に、これだけ言わせておくれ。
ここで表現される「さよなら」は別れであることが多い。今生の別れ的な。そりゃ、「さよならを言う前にこれだけ言わせておくれ。また明日も遊ぼうな」こんなことを言われた日には、明日会う気も失せる。
僕はさよならを言う前に何かを言ったことがない。なんなら、さよならさえ言わない。突然消える。だから別れの時、何と言えばいいのか分からない。洒落たことでも言えばいいのか。詩でもプレゼントすればいいのか。やはり、僕は誰にも見送られず、一人で別れたい。さよならも言わなくていい。一人で歩く人生が合っている。
小学校の卒業式はどうだっただろうか。違う中学校に行く友人にはさよならを言っただろうか。淡い記憶の隅っこにある「さよなら」を掘り返していきたい。
#さよならをいう前に
少しこの世界に疲れてしまったようだ。
プカプカと浮かぶ雲の上で休憩をしてみようか。
その前に見たかったアニメを一気見しよう。
そして次は、行ってみたかった高級レストランに行ってみよう。
その次は、振られたら怖かったアキちゃんへ
告白してみよう。
そして最後は、親に感謝の気持ちを込めて何かしよう。
全部やった。
なんだろう、
なんかまだやりたいことが出てきた。
もう少し頑張って生きてみよう。
僕はこれを何回も繰り返してる。
聞きたかった言葉がある
言いたかった言葉がある
でも、私たちは口を噤んだ
後悔はない
でも、もしかしたらを考えてしまう
もし、言葉を、どちらかが声に出したなら___
『さよならを言う前に』2024/08/20/798/809
『サヨナラを言う前に…』
この世にサヨナラを言う前に…
恩師に会いに行かないと…
さよならを言う前に
暗い顔をして
下向くのやめてよ
ちゃんと笑顔で
私見て
見送ってよ
また会える、と安心するから
満面の笑みで
ありったけの感謝を伝えよう
その日がきたら
………さよならを言う前に
さよなら。
僕が軽々しく口にしない言葉の一つだ。
さよならは、僕にとっては永遠の別れ。
それを告げた相手とは、二度と会わない覚悟がある。
さよなら。
それを言う前に、本当にさよならしていいのか考える。
さよならするしかないのか考える。
一度口から出してしまったら、二度と言葉は戻らないから。
さよなら。
の前に。
言っておきたいことは言っておく。
ありがとう、でも。
好きだよ、でも。
クソ野郎、でも。
これでおしまいだから、包み隠さぬ本心を。
そして
さよなら。
これきり、おしまい。
(お題:さよならを言う前に)
大切な人と海辺を歩く
ああ もう少し一緒にいたいな
そう思っていたのに
あの人はいってしまった
さよならとだけ伝えて
もう少し話したいよ
近くにいてよ
悲しい気持ちも怒る気持ちも
ごちゃごちゃだ
けど頑張らなきゃいけない
あの人が心配しないように
【さよならを言う前に】
さよならを言う前に
残すものは愛か憎しみか
「さよなら」だけが人生だ、と
別れ
死別
離別
どちらにしても、
私の心の中に残っている
いつも通りの何気ないやり取り
出来れば、ずっとこのまま
一緒に居たい
でもさ、君の1番は私じゃない。
ふと、脳裏に浮かぶのは、
知らない子と肩を並べて歩く
彼の姿、
きっと、彼の1番はあの子で
特別もあの子なんだろうな…
だからさ、私
貴方に連絡するのはもう辞めるね
さよならの前に/夜凪
「さよならを言う前に」とかけまして
「もう何時間こうして説明しているのか……」と解きます。
その心は「別れ/分かれ!」でしょう。
さよならを言う前に
もう一度抱きしめてほしかった
「好きだった」って
〜さよならを言う前に〜
駅の改札前
別れ間際に君が見つめるその瞳が
私を離してくれなくて
また君のもとに戻ってしまった
手を繋ぐことも見つめ合うことも
もう何度も繰り返していることなのに
どうしてこんなに胸が高鳴るんだろう
さっきまで普通に交わしてた会話も
今はどこか緊張していて
上手く言葉が出てこない
お互い熱を帯びた瞳で見つめ合う
どうかこのまま
もう少しだけ…
『さよならを言う前に』
やれる事はやりたい
それでも難しいようであれば
1度さよならをするのも1つの道だと思う
さよならは悪いことではない
お互いを守る事にも繋がるから
#025 『置き土産』
合鍵を返しに行ったついでに部屋をのぞいたら、案の定、酷い有様だった。
机の上には空き缶とコンビニ弁当の空が置きっぱなし、ゴミ箱に向かって投げたのだろうゴミがゴミ箱の周りに散乱している。脱衣所には洗濯物が山積み。靴下もシャツも、裏返ったまま脱ぎ捨てられたものが何枚もある。
当然のことながら、掃除機をかけた形跡もない。
これは予想以上だったかも、と思ったら笑えてきた。年下だからとついつい甘やかしすぎたのを反省しながら、勝手知ったる室内を手早く片付けていく。もともと、片付けや掃除は好きな方だ。
一時間後、すっかり綺麗になった室内を見回してニンマリ笑い、ふと思い立って冷凍庫を開けた。帰宅が深夜になった時、温めるだけで食べられるようにと一食分ずつ分けて冷凍しておいた数々の料理をすべて取り出し、片っ端から温めていく。
食材がもったいないとは思ったけど、そもそも冷凍庫の中身を見もしないでコンビニ弁当を買ってくるような男だ。存在さえ忘れられたまま死蔵されていつか捨てられるより、少しくらいはマシな気がする。
食べ残しを冷蔵庫に入れるなんて、きっとしないだろうな。でもそんなの、あたしの知ったことじゃない。
冷蔵庫に食材のひとつやふたつ、入っているだろうか。そっと開けると、中には缶ビールが並んでいた。それも発泡酒じゃない、高めのやつ。
よーく冷えた缶を左右の手に持ち、気がすむまで思いっきり振って冷蔵庫に戻しておいた。あいつが帰ってくるまで、多分あと一時間くらい。
吹き出した泡に狼狽する姿を想像して、あたしはご機嫌で玄関へと向かった。どうか泡が落ち着いちゃう前にあいつが帰ってきますように。そしてスーツを脱ぎもせずに冷蔵庫に直行して、真っ先にビールを開けてくれますように!
エレベーターで階下へ降り、「さよなら」と書いたメモで包んだ鍵を郵便受けに放り込む。
これでおしまい、何もかも。最初から二股かけられてたなんて知らなかったあたしも、影で掠奪した女扱いされてたことを知らなかったあたしも。簡単に騙せるチョロい女扱いされてたあたしも、お節介な母親みたいに甲斐甲斐しく世話を焼いちゃうあたしも。
初めての浮気に気づいたつもりでいたあたしも。
さよなら、無邪気で素直なあたし。
そしてバイバイ、クソ男。
お題/さよならを言う前に
2023.08.21/こどー
さよならを言う前に
彼女がさようならって言う前に
僕はやらなくてはいけないことがあるんだ。
君に愛を与えること。
君に愛を伝えること。
僕はきみにやってもらったこと、全部返さないと。
君から愛を伝えられること。
君から愛をもらうこと。
君から愛を与えられたこと。
君とさようならって言い合う前に
一度だけ伝えていいかな
『大好き』
【さよならを言う前に】
「りょおちゃん、晩ごはん何食べたい?」
朝ごはんを作りながら、スミレは僕に問いかけてくる。これが、我が家の毎朝の日課だ。
「まだ朝ごはんも食べないうちから、晩ごはんなんて決められるわけないんだけど」
と思いつつ、それでも日々の献立に頭を悩ませている彼女のためにと毎日何かしらのメニューをリクエストすることにしている。
昨日はハンバーグ、一昨日はゴーヤチャンプルー、その前は麻婆豆腐だったっけな…と最近の夕飯を思い返しながら、ふと思い出した料理があった。初めてスミレが僕のためにと作ってくれた『鶏もも肉のトマト煮込み』だ。
「お肉がいっぱい入ってると幸せな気持ちになるんだよね〜」
という彼女が作るトマト煮は、小さめに切った鶏もも肉が大量投入されている。そこにたっぷりの野菜も入るので、2人分だというのに鍋いっぱい出来上がっていた。その後、パンに挟んだりパスタソースにしたりして何日か食べ続けた記憶が蘇ってきた。
あれはあれで美味しかったし、その都度アレンジしてたから何日食べ続けても飽きなかったんだよなぁ。久しぶりにアレ、リクエストしてみようかな…
「オーダー入りまーす、スミレさん。鶏もも肉のトマト煮をお願いしまーす」
これも、いつものやりとり。彼女はリクエストメニューによって「は〜い、りょおか〜い」とか「う〜ん、もうちょいお手軽なのがいいなぁ」とかさまざまなバリエーションで返してくるのが常だ。
ところが、今日はその返事がない。返事どころか、気がつけばあの問いかけ以降は物音ひとつしていない。
「スミレさん?」
僕は席を立ち、彼女がいるキッチンへと向かう。そして、彼女にもう一度声をかけようとしたその時-
プツン
突然、テレビの電源コードが抜かれたように見ていた映像と聞こえていた音が全て消えた。そして、それらが再び戻ってきたときに僕は気づいてしまった。
あれが、3年前にスミレと過ごした最期の「日常」の記憶だったということに。
あの日、スミレは僕に夕飯の献立を尋ねた後で突然意識を失って倒れた。僕は、震える手でスマホを手に取り、救急搬送を依頼した。
そして、懸命な救命処置が施されたが彼女の意識も心音も戻ることはなかった。
僕は、3年という月日が経っても彼女にさよならを言うことができない。永久に別れる前の記憶が、今もあまりに鮮明すぎるからだ。
いつ、彼女にさよならを言えるのだろう。その言葉を言える日が来たら、何かが変わるのだろうか。今日もその答えは出ないまま、また朝を迎えてしまった。
「晩ごはん、何食べたい?」
さよならを言う前の僕の中で、まだ彼女の問いかけが続いている。