『さよならは言わないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「さよならは言わないで」
いつものように、学校に歩いで登校していた。途中で友達が来る。それは幼馴染。私はその幼馴染が好きだった。いつものように、一緒に喋りながら登校していた。でも幼馴染はいつもより、暗かった。ふと、幼馴染の顔を見た。私は見えた。幼馴染の顔には、悩み不安悲しみが。私は、見えた事と幼馴染の事で頭がいっぱいになり、戸惑うしか無かった。私は、小声で言った。「どうしたの?元気無いね。不安なら、言ってみて。私が慰めてあげる」と。幼馴染に私が言った「俺引っ越すんだ。ごめんね。急に言って」私は思わず手に持っていた絵本バックを落とした。「え?。。。なんで?」と。「さようなら」と言われた。私は「言わないで」と言う会話で終わった
さよならは、あらかじめ、言われているし言っているのだ。
気付かないふりしてるけど。
メメント・モリって呟きながら。
さよならって……言っちゃだめですか?なぜですか。「さよなら」というのは、日常で交わされるほんの一コマの、ほんの一台詞。「おはよう」「どうも」と同種であるように思う。
さよならは言わないで。それとも、それが一生の別れになるとでも思っているのか。こうある以上、この「さよなら」が意味するものは日常で交わされる「さよなら」とは全く変わってくる。さよなら、また明日。じゃなくて、さよなら、次の集合場所は○○な。というのでもなくて、今生の別れみたいな、そういうものが含まれているのではなかろうか。……ただまあ、さよならが無いと、別れ際に何を言うのか、迷うところではある。
さよならが無いと、別れられない。別れられないと、新しい出会いにも恵まれない。やはり、辛くても、さよならを言わなければいけない場面は必ず来るのだ。
冷たい風が頬を刺す。
波が岩に打ち付けて星のように弾ける。
暗い海に、引き摺りこまれそうだった。
「やっぱり、私達の最後は桜の樹の下なんかじゃなかったね」
彼の言葉に頷く。
もとより、俺達の最期は桜の樹の下なんて所じゃなかった。
暗く深い、海の上、もしくは中。
靴を脱いで、隣同士で並べる。
遺書なんて堅っ苦しいものは書かなかった。
どうせ哀しんでくれる友達も親も居ないのだから、必要ないだろうと言ったのは俺だった。
手を繋いで、指を絡める。
「じゃあ、また。どこかで逢えたらいいね」
「ああ、そうだな」
そう言って、二人海に向かって一直線に飛び込んだ。
体が水面に打ち付けると、大きな飛沫とくぐもった自然の音が耳を塞ぐ。
「さよならとは言わないで」
冷たくなる指先、体。
朦朧とする意識の中、いつかの彼が言った言葉を思い出した。
さよならは言わないで
もうお別れだね。
これで最後。
また会えるのかな。
会えないなんて思いたくない。
だから、さよならは言わないで。
私も言わないよ。
言ったら会えなくなりそうだから。
もう、時間だね。
またね。
65さよならは言わないで
ちょっとだけ
ちょっとだけの
お別れ
また今度
笑顔で
そう言って
さよならは言わないで
もう一度
虹の向こうで
会おうね
―11月に急逝したうみ(ネコ)に捧ぐ―
いつも同じ場所で、同じ言葉を交わして別れる。
大切な親友がいた。
小学生の時からずっと同じ学校で、同じ時を過ごしてきたから。
私達は、
卒業式の日でも、言わなかったから。
それが続くんだと思っていたけど。
もう違うみたいで。
おとなになったあの子は、もう「またね」とは言わなくて。
散りかけの桜の中、彼女はゆっくりと口を開いた。
――さよならは言わないで。
さよならより、またねのほうが、
私は好きだよ
「さよならを言わないで」
「さよならは言わないで」とかけまして
「違います! 1+1=2 です! 」と解きます。
その心はどちらも「別れ/分かれ」でしょう。
『さよならは言わないで』
さよならは言わないで。
またねって笑って。
さよならなんてわからなくなるくらい愛するから、どうか。
きっと虹の橋の向こう側でまた出会うから、終わりじゃなくて合間の言葉で笑いましょう。
マーシャは久々にニルヴァーナ修道院に立ち寄っていた。
それはこの近くに用事があったついでであったが、彼に久々に会えるという期待が、彼女を嬉しくさせている。
近場のドニの街で泊まった翌朝、彼女は意気揚々として修道院の門をくぐった。孤児のマーシャは、昔、この修道院で過ごしていた時期があった。修道士ではないただの孤児が、修道院長に面倒を見てもらっていたため、修道士には目の敵にされていたが。
立ち入りを禁じられていたところはあちこちにあった。そんな言うことを聞くような年頃ではなかったので、あちらこちらに忍び込んではつまみ出されてよく怒られていたものだ。お転婆な時分だった。
礼拝堂に入ったとき、裏口からニルヴァーナ修道院付属の修道騎士団――通常ニルヴァーナ騎士団の面々が姿を現していく。彼らは簡易な礼拝を行うと、外に出て行ってしまう。少しずつ彼らの姿は少なくなって――やがていなくなってしまった。
彼の姿も見れるかもしれないと思ってじっと見ていたが、彼の姿はなかった。既に出て行ってしまっていたのかもしれないし、それともまだ彼の自室にいるのかもしれない。
マーシャは彼を直接訪ねることにして、修道士たちの宿舎へと向かった。彼を含む修道士の面々が過ごす宿舎は、関係者以外立ち入り禁止となっているが、彼女だけは例外だ。
門番が一人立っていた。門番は彼女を見て、嫌そうに顔をゆがめた。
「また来たのか。団長に何の用だ」
「少しお話したいことがあって。取り次いでいただけますか?」
門番はなお苦々しい顔を隠さない。
「団長からは、お前が来たら、通すようにと命を受けている。だから通れ」
そう言いながら門番は扉を開けた。礼を言いながら中に入ったマーシャは、勝手知ったる様子で院長室――今は院長代理として執務するマルスがそこで過ごしている――に向かった。
「マルス!」
勢いよく扉を開けながらマーシャは言った。
部屋の奥で書き物をしていたらしい彼が、顔を上げた。彼女の姿を認めると、彼の険しい表情が緩んでいく。
「マーシャ、直接会うのは久しぶりだな。どうしたんだ?」
「王都に用事があって、こちらに戻ってきたんです。みなさんが王都に行ってる間、無理を言ってわたしだけ修道院に」
そうか、と彼は破顔した。
「君に会えて嬉しいよ」
『さよならは言わないで』
「さよならは言わないで」
そう言ってあなたは泣きそうに笑いながらここを出て行った。
「きっとまた戻ってくるから」
でも、私はその言葉を信じられなかった。そう言って出て行って、戻ってきた人なんて1人もいなかったから。
ファスナーが開き、ジャラジャラとコインの音が壁越しに聞こえてくる。
あちら側の出入りは激しいようだ。こちら側は出て行くばかり。もう1週間もそんな感じだ。気づけばここには私1人。
お前もそろそろ怖くなってきただろう。そろそろ人員補充をしたほうがいいんじゃないか?
財布の隙間から覗くそいつの目に光はない。
後先考えずにバイトを辞めてしまうからだ。貯金もないくせに馬鹿なやつ。
さよならは言わないで
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.12.4 藍
さよならの時間はわからないようにするから
【さよならは言わないで】
曖昧の中に浮遊していたい。だって、物事を終わらせるのにそんなにつまらない言葉ってないよ。これまで何を頑張りましたか。って言われて、受験勉強です。って答える時空みたいに歪んでいなくて。
どこまでも遠くへ逃げられるようになってきたけれど、世界の果てまでも追いつけるようにもなってみたらしい。時空間移動なんてしないまでも、世界の端から端まで随分近しくなった。
同じくして、さよならの言葉が重力を失ってから随分久しい。二度と会えないなら、それは意思だった。つまり、二度と会わないということだ。あまり強い言葉は使わないでいたい。不可能という宇宙を失って、随分自由でなくなったから。
さよならは言わないで
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密かに心を寄せている友達がいる
学校で出会って、卒業した今でもたまに連絡をとっている
連絡の頻度はまちまちで、よくメッセージを送り合う期間もあるし、お互いに音信不通の期間もある
今は音信不通の期間
学校の時は普通の友達だったのに、今では心の支えの一つになっているぐらい大切な友達になった
きっと親友って呼んでも大丈夫なぐらい
友達は誰かに自慢したくなるぐらいすごい人で、
つい自分と比べてしまって劣等感を抱いたこともある
ある日のメッセージで、「私なんかと友達でもったいないと思う時がある」的なことを言われた
友達に対して抱いていた劣等感を、友達も私に対して抱いていた
そのとき察した
ああ誰もが無いものねだりなのだと
あんなにすごい友達も、こんな私に対してそう言う感情を抱くのだと知った
どれだけすごいと思われている人も、自分に無いものを強請っていて、私が持っていているものをねだる人もいるのだと知った
言葉を交わし、お互いに様々な気づきを得た
文面越しに、音声越しに、言葉を交わしていくうちに
気がつけば、友達は私の中で大きな存在になっていた
隠しているつもりだけど、この気持ちはもう気づかれてしまっているかもしれない
今は音信不通の期間
そう言う期間があることはお互いに承知している
でも本当は、少し怖い
言葉を交わし終わったあと、
その日の最後のメッセージで、その日の最後の一言で、それが発せられるのが怖い
それを言われてしまうと、なんだかもう完全に縁が切れてしまうような気がするから
だから自分からその言葉を使ったことはない
なるべく、またねとかじゃあねとか、他の表現を使う
完全に縁を切ったりなんか友達はしないことを、よく分かっている
それでも、やはり怖いのだ
だからどうか
さようならだけは言わないで
♪また会う日まで
会える時まで
別れのその理由は話したくない
でも、だから。
さよならは言わないで。
「さよならは言わないで」
言いたいことはありすぎた。
でも、言い残せる時間は残り少ない。
ごめんね、先に逝く僕を許してほしい。
僕のことを愛してくれて、ありがとう。
君の心に生き続けたいから、さよならは言わない。
「…ずっとずっと、大好きだよ」
さよならを言われると
別れたくないなぁ
待ってよ
きっとまた明日も会えるよ
「さよならは 言わないで」
お見舞いに行った時、君はそう言った。
本当に会えなくなそうだからって、君は泣いていた。
「さよならは 言わないで」
元気になってから学校から帰る時、君はそう言ったね。
また病気をしそうで怖いからって、君は泣いていた。
「さよならは 言わないで」
高校の卒業式の時、君はそう言った。
離れたくないからって、君は泣いていた。
「さよならは 言わないで」
デートのとき、君はそう言った。
一人は寂しいからって、君は泣いていた。
「さよならは 言わないで」
プロポーズのとき、僕は君にそう言った。
もう離さないからって、君は泣きながら笑っていた。