空を見た海月

Open App

いつも同じ場所で、同じ言葉を交わして別れる。
大切な親友がいた。
小学生の時からずっと同じ学校で、同じ時を過ごしてきたから。
私達は、
卒業式の日でも、言わなかったから。
それが続くんだと思っていたけど。
もう違うみたいで。
おとなになったあの子は、もう「またね」とは言わなくて。
散りかけの桜の中、彼女はゆっくりと口を開いた。

――さよならは言わないで。

12/3/2024, 10:05:34 AM