微睡み

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さよならは言わないで
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密かに心を寄せている友達がいる
学校で出会って、卒業した今でもたまに連絡をとっている
連絡の頻度はまちまちで、よくメッセージを送り合う期間もあるし、お互いに音信不通の期間もある
今は音信不通の期間

学校の時は普通の友達だったのに、今では心の支えの一つになっているぐらい大切な友達になった
きっと親友って呼んでも大丈夫なぐらい

友達は誰かに自慢したくなるぐらいすごい人で、
つい自分と比べてしまって劣等感を抱いたこともある

ある日のメッセージで、「私なんかと友達でもったいないと思う時がある」的なことを言われた
友達に対して抱いていた劣等感を、友達も私に対して抱いていた
そのとき察した
ああ誰もが無いものねだりなのだと
あんなにすごい友達も、こんな私に対してそう言う感情を抱くのだと知った
どれだけすごいと思われている人も、自分に無いものを強請っていて、私が持っていているものをねだる人もいるのだと知った

言葉を交わし、お互いに様々な気づきを得た
文面越しに、音声越しに、言葉を交わしていくうちに
気がつけば、友達は私の中で大きな存在になっていた
隠しているつもりだけど、この気持ちはもう気づかれてしまっているかもしれない

今は音信不通の期間
そう言う期間があることはお互いに承知している
でも本当は、少し怖い

言葉を交わし終わったあと、
その日の最後のメッセージで、その日の最後の一言で、それが発せられるのが怖い
それを言われてしまうと、なんだかもう完全に縁が切れてしまうような気がするから
だから自分からその言葉を使ったことはない
なるべく、またねとかじゃあねとか、他の表現を使う
完全に縁を切ったりなんか友達はしないことを、よく分かっている
それでも、やはり怖いのだ

だからどうか
さようならだけは言わないで


12/4/2023, 10:05:19 AM