『さよならは言わないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ホント、いいから。ぜひ見て!」
「分かりました。見ます!」
職場の後輩の美湖ちゃんにこの冬からスタートする新ドラマについて力説し終える。
『さよならは言わないで』
冬から始まるドラマ、通称『さよいわ』は同名の漫画が原作で、嫌いになった訳ではなく別れた夫婦がまた出会い、周りの人々を巻き込みながら再構築していくハートフルラブコメディ。
偶然本屋さんで『さよいわ』の単行本が目に入ったのがきっかけで、すっかり『さよいわ』の虜だ。
「さよならは言わないで」とお互いに言い、離婚してそれぞれの道を歩いていた2人がひょんなことから再会し、また関係を深めていく…。
私がこんなに『さよいわ』にハマってしまったのも、自らの経験に重ねているからかもしれない。
10年前、私には付き合っている人が居た。
当時私は20代半ばで、彼は10上の30代。
一緒にいると年齢差を感じないくらい居心地が良くて、穏やかな恋。
しかし、別れは突然にやってきた。
彼のお父さんが病に倒れ、自営業のご実家から「帰ってきて後を継いで欲しい」と打診があったのだ。
彼は地元へ帰ることになり、私はまだ仕事もがむしゃらに頑張っていた時期で年齢的にもまだ独身を楽しみたいという思いもあって、彼に付いて行って結婚…とは考えられなかった。
嫌いになって別れた訳じゃない。
だからなのか、10年経っても後悔に似た感情と共に思い出す恋。
あの時、彼に付いて行っていたら、私の人生はまた今とは違っていたのかなぁ…と思うことがある。
彼は元気だろうか?
彼はもう40半ばになっているだろうから、きっと地元で素敵な人に出会って結婚しているだろう。
そんな事を最近やたらと考えてしまうのは『さよいわ』のドラマ化決定も大きいけど、私が未だ独身で彼氏もいないからかもしれない。
そして…仕事で彼の地元を訪れる事になっているから。
今週木曜から金曜日にかけて、新規取引先農家さんの開拓に数件回る事になっている。
彼の経営する農家名と彼の名前が書かれた書類に目を落とす。
結婚していて欲しい様な欲しくない様な。
オジサンになってて欲しい様な欲しくない様な…。
あの日、一緒には行けないと泣きながら告げた私に「さよならは言わないよ。またどこかで出会ったら笑って話をしよう」と最大限の優しさをくれた彼。
再会したらラブコメにならなくてもいいから笑顔で話せたら嬉しい。
辛いけど
さよならは言わないよ
また出逢うんだから
いつかじゃない
来世でもその次の世界でも絶対に
何度でも君の隣に居るから
だから、またね
『さよならは言わないで』2023,12,04
さよならは言わないで#17
私との時間が終わる時またねって言ってほしい
また君に会いたいしまた君の声を聞きたい
君はしょうもない話だけど聞いてくれる?って前置きをして話し出すけれどその話は私にとってすごく貴重なものだと思う
だって私の知らない君の世界を知れるから
いつだって君は自分を卑下するのは悪い癖だと思う
私は君と話している時間が何にも代え難い幸せなのにその時間を否定しないでほしいな
君はいつも私との話が終わる時にさよならって言うけれど、さよならは言わないでまたねって言ってほしい
#47『さよならは言わないで』
レコードを出してジャクソン5のNever Can Say Goodbyeをかける。ねぇ、コーラスしてくれる貴方がいなきゃ本当に淋しいじゃない。
「さよなら」は、基本的に言わない。
毎日の終わりの挨拶なら「お疲れ様でした、また明日」だし、遠くに旅立つ人になら「体だいじに、元気でね」だし、永の別れというときでも「本当にありがとう、どうか最良の旅路を」だ。
「さよなら」は、なんだか寂しいのだ。縁もそこで終わるようで。だから人との別れのときに「さよなら」なんか言わない。…相手が「さよなら」を望むときは仕方ないけどね。
そういえば、そんな歌あるね。
高校生の頃
彼氏がいた
一緒に帰るのが
定番だった時代
なんだか
気まずい
夏休みを過ぎ
別れ話になった時
新学期の
帰り
電車で
無人駅
自宅までの道
後をつけてくる足音がした
逃げてしまった
心から
会話出来ずに
振り向くことが
出来ずに
逃げてしまった
本当は
二人とも
別れたくなかったんでは
ないかと
さようならと言わないで
思い出す
追いかける足音
スキが伝わる
足音がした
ByeBye、またね、別れる、じゃあね、さよなら
不在着信後にしばらく連絡取れないブロック
容(かたち)と意味は違えど一緒。
大好きなキミに1度ブロックされたあの日
愛犬抱いていた
言の葉を残さずここを去り、
彼方へと赴き、影も失せた。
見せた笑顔はあの日で止まり、
焼きついた記憶は輝いたまま。
縁側で私は月を眺め、
散りゆく花弁が水面に浮かぶ。
暗がりの桃色と群青の一夜。
馳せる心に瞳が沈む。
あの日に差し伸べるべきだった。
突いて出る言葉すら出なかった。
貴方は告げずに笑みを浮かべた。
その日から私は華を失った。
好きだったことをしなくなった。
憧れていたことも忘れてしまった。
貴方が故郷に戻るまで待つだけ。
夢路で終われども私は待つだけ。
地を踏む聞き慣れた靴音ではなく、
心を包む穏やかな声から望んで。
【さよならは言わないで】
「5月と8月に似たお題があったわ。『さよならを言う前に』と『昨日へのさよなら、明日との出会い』ってやつ」
まぁ、エモネタと天候ネタと時期ネタが多いこのアプリだもんな。「さよなら」ってだけでちょっとエモいもんな。
某所在住物書きは、過去作でどのような「さよなら」を書いたか思い出そうとスマホをスワイプし、途中面倒になって、努力を放棄した。
約4か月前と7か月前である。どれだけ下に潜っても潜ってもたどり着かぬ。根気の敗北であった。
「『さよならは言わないで◯◯と言われた』とか、
『さよならは言わないで指文字で示した』とか、
『さよならは言わないで無言で微笑んだ』とか、
他には……?」
ま、エモネタ不得意な俺には、どれも難しいわな。物書きはガリガリ首筋を掻き、天井を見上げた。
――――――
最近最近の都内某所、某職場、昼休憩中の休憩室。
同部署の先輩と後輩のタッグが、同じテーブルで向かい合い、座っている。
先輩の雪国出身者、名前を藤森というが、浅いため息ひとつ吐いて、テーブルに弁当包みを、その中のスープジャーを、上げる。
「おー。これが」
後輩はジャーのフタを開け、深く香りを吸い、
「これが私が買ってきちゃった、テツパイポー……」
感嘆の声を吐いて、即座に藤森に訂正された。
「パイカだ。鈍器ではない」
――物語は前日の夜までさかのぼる。
『5時間?!』
『鶏と違って、豚バラの軟骨は固い。圧力鍋や炭酸水、重曹を使えば時間を短縮できるが』
『さすがパイプ』
『パイカだ』
生活費節約の一環として、週に数回、シェアランチやシェアディナーをしている。
予算5:5想定で、食材や現金を持ち寄り、調理して、結果低出費で済み双方金が浮く。
提案したのは数年前の後輩。調理担当が藤森だ。
その夜後輩はスーパーマーケットで、見慣れぬ「豚バラ軟骨」なる部位を見つけた。
鶏軟骨なら知っている。豚バラ軟骨とは何か。
やすい。デカい。
深く考えず、深く調べず、それこそ鶏軟骨の唐揚げのイメージで、後輩は豚バラ軟骨のパックを買い物カゴに入れた。
先輩ならば、これを美味いメインディッシュに変えてくれるだろう。
再度明記する。「豚バラ軟骨」である。
ネット情報によれば、可食レベルに骨を柔らかくするには、普通鍋による煮込みで5時間を要する。
『私も昔一度、知らずに買って、晩飯ではなく翌日の弁当になった。上京してきて最初の年だったな』
どうしよう、5時間とかナニソレ夕食より夜食、
「メインディッシュ不在でシェアディナー不成立です。さよなら」は言わないで。ゼッタイ言わないで。
あわあわ慌てる後輩に、藤森は言った。
『明日の弁当にするか?お前のコレも?』
その日のシェアディナーは、肉も魚も使わぬ健康的な精進料理となった。
すなわち半額野菜と木綿豆腐を用いた、コショウと微量の塩の優しい、コンソメベジスープに。
あるいはそこに低糖質麺を投入した、煮込み塩野菜ラーメンに。
――と、いうのが昨晩。
「オーソドックスに、醤油とみりんの甘辛煮風だ」
昼休憩中の休憩室。最初のジャーを後輩に渡し、自分用のもうひとつをテーブルに上げながら、
後輩の紙コップに、タパパトポポトポポ。
ゆず皮香るほうじ茶を注ぎ、藤森が言った。
「これに懲りたら、食材で冒険する際は、少し対象を調べてからにするんだな」
「わかった」
濃い琥珀色に染まった骨は、そこにくっついた肉は、箸で割るに柔らかく、口に入れて素直に崩れる。
「食材で冒険する時は、先輩に頼ることにする」
はぁ。幸福にため息を吐き、先輩から貰ったほうじ茶を喉へ流し入れると、ゆずの清涼感が甘辛煮風のこってりを払った。
最初で最後の口づけは氷みたいに冷たい君の唇。
さよならなんて言わないで。
さよならは言わないで
そう言えば、「さよなら」ってなかなか使わない。
それじゃね
バイバイ
じゃーね
ほんじゃ、また
まぁ、ひどい言葉使い。
人間関係もひどいものかもしれない。
深く付き合いたくない。
それが本音。
厄介なことに巻き込まれそう。
キチンと「さよなら」なんて言う間柄の人は
いない。
さよならは言わないで
天邪鬼(あまのじゃく)の
小悪魔ちゃんへ
堕落しそうな天使より
75作目
徳博😇
君にさよならって言われたとき
胸がきゅーってなった
#さよならは言わないで
またそうやって
いつものように置き去りにする
気づいてよ 気づいてよ
孤独が怖い
孤独な僕のこと
昔結んだ小指は
今になって解けてしまうの?
さよならは言わないで
あなたは準備をさせてくれた。
そのまま消えてしまうこともできたのに、
傷つくだろうと私のために時間をかけて。
だから寂しいけれど、恨みはしない。
今は笑って見送ろう。
いろいろ思い出をありがとう。あなたと過ごした時間は私の大事な宝物になりました。
あなたを決して忘れない。
いつかまたどこかで。
#107
さよならは言わないよ
また逢える日がきっと来るはずだから、その時までこの言葉はお預けにしてくれないかな。
ううん、わかってる。これもそれも全部わたしのわがままだっていうこと。
だけど、わたしは今日の日を、これで終わりにしたくないだけなんだ。
「さよなら」はちゃんと言いたい
また、「出会う」ために...
お題:さよならは言わないで
また明日ね
おやすみなさい
元気でね
お気をつけて
いってらっしゃい
笑顔で見送る言葉はたくさんある
だけどね
絶対に言わないよ
「さよなら」なんて…
さよならなんて言わないで………
さよならは言わずに去るね もう二度と 会いたい気持ちになりたくないし
題目「さよならは言わないで」
さよならは言わないで
この年齢になると肉親はもう既に、彼岸に渡っています。
父も母も、兄弟も逝ってしまいました。
ドラマのように、枕元で涙を流しながら送った訳ではありません。
亡くなったことを、電話で知った別れです。
さよならは言わないで別れた、最期の別れです。
さよならを言えたら、悲しい思いが薄らぐわけではないけど、
直接伝えたかったと今も思います。
「ありがとう、お世話になりました」と。