『これからも、ずっと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
(これからも、ずっと変わらないでいて欲しい。)
言われた時に僕は君を嫌いになった。
今の自分は子供だと思っていたから。
( 変わらないね。)
久しぶりに会ったとき君はそう言ってきた。
自分では、良くも悪くも変わってしまった。
これからも変わるだろう。
けど、君から言われた (変わらない) の言葉が嬉しかった。
僕は、まだ自分で思うほど汚れてなかった。
いや、ただ隠すのが上手くなっただけかな。
散策の途中に見つけた廃墟。
興味津々な君は、俺の静止に耳を貸さずに駆け出してしまった。野盗や動物が寝ていたら危険だ。ましてや廃墟ならいつ崩れてもおかしくない。急いで後を追いドアすら残っていない入り口を抜けると空間が広がっていた。朽ちてはいるが整然と並べられた木製の長椅子に中央奥には祭壇に燭台が置かれて、外観では何の建物か判断がつかなかったがここは教会だったらしい。ステンドグラスもほとんど割れ落ち、歩くたびにガラス片がガラスくずになっていく。もはや何を祭っていたのか見る影のない祭壇前で君が言う。
「すごく昔の話らしいんだけど私の先祖が式を挙げたらしくて、一度来てみたかった場所なの」
何代かはここで式を挙げ土地の神にも感謝を捧げていたらしい。もうなにもないね、とステンドグラスを背に笑う君は何を想像しているんだろうか。過去の姿に思いを馳せているのか、未来を見ているのか。
「きっと白いウェディングドレスにステンドグラスの色が映ってとっても素敵だったと思うの。それでこの場所で指輪の交換をして…」
一人芝居のように祭壇前で式の再現を試みている。空想上の相手にだって君を渡したくなくて割り込んだ。
「『これからも、ずっと』そばに。この指は空けておいて」
絵本のような白馬に乗った王子様は俺の柄ではないが、真似事くらいなら。男の俺の厳つい手は指先まで手入れの行き届いた白い手を掬い上げる。顔に持っていくと甘さを孕んだ君の香りが広がっていくようで、左手の薬指に感触を確かめるようにゆっくりと唇を押し当てた。
「俺のために誓ってくれる?」
君をさらって閉じ込めて、永遠に一緒にいることを望む…絵本では悪役と例えられるそれが一番似合っているんだ。教会で誓わせてしまう俺のタチがが悪いことは君も十分知っているだろうけど。
気が付いたら隣にいて
笑っている時も
泣いてる時も
いつの間にか隣にいてくれた
これからも、ずっと
この先も、ずっと
でも、そんな日は突然消えた
僕は君に何をしてあげられただろう
一緒にいて幸せだっただろうか…
答えを聞くことはできないけれど
僕の中で君は生き続ける
これからも、ずっと
この先も、ずっと…
「これからも、ずっと」
愛してる。
ただそう伝えたい人がいる。
彼女は嫌われ者だ。いつも何かとグチグチ言われている。
でも、それで良い。
彼女のいい所を知っているのは、私だけで良い。
愛しているよ。
これからも、ずっと。
これからも、ずっと
これからも、ずっと
わたしはわたしのままなんでしょうか
変わることは不可能ですか
変わりたいと願うことは愚かですか
あーあ、まったく。
これで何回目だよ、ボクの顔にヒビを入れるの。
前回は転んで顔面強打だったよね。
で、今回は何もしてないのにヒビが入ってた?
そんなわけないでしょ。
カバンの中でずっと何かがゴンゴン当たってたよ。
せめて面倒くさがらずに、保護フィルムを貼ってくれればなぁ。
あ、ちょっと待って、もう電池が切れる!
ほらぁ、だからさっき言ったのに。
ボク切れそうになったらいつも忠告してるよねぇ。
まぁ、そんなキミと一緒にいられるのなんてボクだけだろうからね。
もう少しだけ付き合ってあげるよ。
とりあえず今はもう寝むくて仕方ないや。
早く充電してボクの事を起こしてね。
そしたらまた、キミのために、働いて、あげ………。
#これからも、ずっと
これからも、ずっと、許さない。あなたの隣に居るのは私だけだと思っていた。
私の宝物なのに、私のなのに...私だけの彼女なのに...なので?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?
突然、のうのうとやって来て、私の宝物を奪うなんて、もうほんと最悪。絶対許さない。殺してやる。絶対殺してやる。いや、殺しても、許さない。これからも、ずっと、許さない。
これからも、ずっと
結婚式を控えている矢先の事だった。
僕が世界で一番愛している志穂が亡くなったのは。
これからも、ずっと一緒に居るって約束したのに。
それなのに志穂は·····志穂は自分の意思でこの世を去ってしまった。
隣で笑っていた志穂の笑顔がずっと忘れられない。
コロナ禍だし、お金が無いわけじゃないけど、先の事を見据えて、「結婚式は大々的にやる必要は無いからやらなくてイイよ!」なんて、僕のお嫁さんになる志穂は言ったよね。
でも僕は志穂のウエディング姿が見たいと思っていたので、「結婚式は小さくてイイからチャペルで挙げよう」と提案したのは一年程前の事。
志穂も本音はウエディングドレスが着たいという想いを抱いていたので、身内だけの式にする案に何とか賛成してくれて、準備は順調に進んでいった。
所が、身内だけの挙式にしようとしたのが良くなかったらしい。
結婚式を挙げる事を伝えた後から、志穂にはお金があると思ったのか、志穂の母親(小学生の頃離婚していて片親)が事ある毎に実の娘に対してお金をせびる様になったのだという。
それを知ったのは志穂が亡くなる三日前のこと。
半年ほど程前から志穂から笑顔が消えていていることに気付いたけど、人手不足で仕事が忙しいって説明してくれていたから、たまの休みには美味しいもの食べに連れてってあげたり、温泉に行ったりしたよね。
暫くすると笑顔が戻って一安心していたけど、ふた月程前からどんなに手を尽くしても志穂に笑顔が戻らなくなっていた。
「今も仕事大変なの?」
「うん、人が入ると、別の人が辞めちゃうループがあってね·····それで常に人手不足!」
「大変だね、志穂は無理してない!?」
「ま、まぁね·····中々休みが思うように取れないけど、仕事は好きで働いてるか無理なんてしてないよ」
そう言って一瞬笑ったあの時の笑顔·····。
悔しいい!
気付いていたら違ったのかな。
本当は仕事だけでなくお母さんの事もかあったから、凄い大変だったんだよね、一緒にいたのに気付いてあげられなくてごめんなさい。
市の役所の待合室でキミと待っている。
普段は手続きなんてめんどくさいことこの上ないのだが、今日に限っては僕もキミもどこかソワソワしている。
手に持つ書類には、同じ苗字の書かれた届出。
そう、僕らは今日、結婚するのだ。
僕らの番号が呼ばれる。手続きは案外シンプルに終わり、逆に拍子抜けするほどだ。
しかしこのあと残っている免許とかマイナンバーとかの手続きの残り時間が大丈夫なのだろうか。
僕は焦るように時間を確認していたら、突然肩を叩かれた。
「これからもずっと、よろしくね」
キミは書類を仕舞いながら、笑ってそう言った。
「付け焼き刃の素人話だから、」
土曜日の午後の、帰宅前。先輩と寄ったマッケ。
「鵜呑みにせず、話半分で聞いてほしいが、過剰なストレスが長く続くと、心にも脳にも悪いそうだ」
私がマッケシェイクのバニラをちゅーちゅーしてる隣で、プレミアムコーヒーをブラックで飲んでる職場の先輩が、難しい、長い話を始めた。
「勿論、全部のストレスが悪いワケではない。けれど、酷いストレスが長く続くと、脳の神経細胞が一部、いわゆる過労死を起こすらしい」
コルチゾールだ。名前は知っているだろう。
私の「毎年の仕事とノルマがクソ」って愚痴に、リアルタイムで上司から大量の仕事を押し付けられてる、地獄真っ只中なハズの先輩が、真面目に答えてる。
嫌なら転職した方が良いと。
「強過ぎ、長過ぎなストレスで、コルチゾールがじゃんじゃん脳に来ると、そこで色々あって神経細胞が活発になる。ただ活発に、なり過ぎるから、最終的にそいつらは死んでしまうそうだ。つまり過労死だな。
お前にとって今の仕事が苦痛なら、この頭の過労死がずっと、これからもずっと、繰り返されるワケだ。
高血圧高血糖、心臓発作や脳卒中のリスクも上がる。文字通り仕事で『体を壊す』前に、離れろ」
あの職場と心中してやる恩も義理も無いだろう。
先輩はそう結んで、コーヒーをひとくち飲んだ。
「先輩は、」
「ん?」
「先輩だって、今の仕事ストレスなんじゃないの?」
「何故私の心配をする?」
「先輩、絶対私より大変だし。絶対過労死中だし」
「お前に頼む手伝いは、最小限になるよう努力しているつもりだが、……何か無理強いしただろうか」
「あのさ、そうじゃ、そうじゃなくてさぁ」
「んん………?」
なんで先輩の、この手の話は、先輩本人のエクストリームハードな状況が勘定に入ってないんだろう。
私がため息ついて目をそらして、バニラシェイクをちゅーちゅーすると、
視界の端っこで先輩が、やはり何か無理強いとか悪いこと言ったりとかしただろうか、って、ちょっと困ったような顔でコーヒー飲んでた。
変わらない何かを求めて 私は歩き続ける
変えることの出来ないものを信じて
これからもずっと生き続ける
私の考える方程式が
答えのないものだとは思いたくないから
変化に溢れたこの世界のどこかに
居心地のいい私だけの場所を願い
今日も明日もこの先も答えを探し続ける
『これからも、ずっと』
これからも、ずっと一緒にいられるって思ってた。
だけど現実は違った。
時間は有限で、一瞬で過ぎ去っていく。
もっと一緒にいたかった
なんて、今さら後悔しても遅いけど。
でも、いつかきっと僕も誰かを置いていってしまう立場になる。
その時に、"もっと一緒にいたかった"って思ってもらえたらいいな。
これから
ずっと
あなたの隣にいたい。
だめですか。
私では。
あなたの隣は務まりませんか。
これからもずっと
あなたの隣で笑っていたい
あなたの隣で年をとりたい
これからもずっと
あなたと共に歩んで
最期を迎えたい
お題/これからも、ずっと
隣にいたい、と思った。君の、となりに。だから全部、全部、全部。必死に頑張った。なんでも出来てしまう君に追いつくために。何度も転んで、何度も泣いて、諦めかけて。それでも折れなかったのは、君という目標があったからだ。
君の隣にいたいと、そうして走ってきた自分に誇りがあったからだ。
今日、はじめて。君に勝った。君は、とても悔しそうで、不思議な達成感があって。でも、君は言ってくれた。
「次は負けない!」
その言葉で、思った。
──ああ、これからも、君のライバルでいていいんだね
これからも、ずっと
(宝石の国二次創作)
夕暮れ、見廻りから戻って先ずすることは、保健室にパパラチアの顔を見に行くこと。ルチルが作業する横で、箱の中の彼の顔を見つめる。穏やかな顔が、動くことはない。均整の取れた美しい形で、君は眠る。
「今日もいい日だったよ」
これはナイショの話だけど、僕は君が起きることを望んでいないよ。目覚めて、優しい君が戦って、その美しい形が崩れるくらいなら。穏やかな表情が、歪むくらいなら。こうして眠ったまま、いつまでも僕の横にいて欲しいよ。そこにいるだけでいい。これからも、ずっと。
あなたの言葉を、私はまだ憶えているの。
静かに腰を下ろした電車の座席。朝焼けの色がやけに朱く視界に映る。その光景はまるで夕焼けの様にも見える。ただ、日の居場所が違うだけ。淡い日の光に薬指をかざすと、指輪の縁が小さな星の様に、白く輝いた。
やがて扉が閉まり、私を乗せて電車は動き出す。中々返信の来ない携帯を触るのは気が引けて、窓の外を窺った。私を乗せた電車は進んでいるというのに、空は動かない。じっと、ただ立ち止まってそこにいる。まるで、夜を待っているかのように。私は、指輪にそっと手を触れた。あの人と私を繋ぐ、確かな形が指を通して伝わってくる。あと、一年。地平線の向こうのあの人を想って、片方の手のひらで包み込む。縁に彫られた二人のイニシャルに、指を這わせて。
アナウンスが車両内に響き渡る。いつもの駅に着いたようだ。まだ目が覚めない太陽の代わりに、白い月が空に昇っていた。夜の時の様な輝きも持たない、ただの白い岩の塊。けれど、違う様で、同じ月な事に変わりはない。不意に、あの人の笑顔が脳裏にちらついた。あの人と私の形も、学生の時とは変わったのだろう。だけど、変わらないものだって、私達の間には存在する。その事に気づかせてくれたのは、他でもないあの人の言葉だった。髪もボサボサで、ちっとも格好なんてついていなかったけれど。でも、来てくれた。逢って、私がずっと欲しかった言葉を私にくれた。互いの想いが、漸く通じ合った。その時の私は、世界で一番幸福だったに違いない。空っぽだった私の心は、確かにその言葉で満たされたのだから。
随分と長く待たされたけれど、これからその空白をゆっくりと埋めていこう。顔にかかった後れ毛を、耳に掛ける。地平線の向こうの小さな星の持ち主に、笑みを一つ残して歩き出した。
これからも変わる事のない、たった一つの想いを胸に抱いて。
これからも、ずっと桜は咲き続ける。
桜って儚いようで実は図太くて
満開の期間は短いけど、絶対1年後にはまた咲きはじめる
それを日本人は初めて見たかのように
綺麗だねと声をあげる
全部桜の思惑通りなのかも知れません
でも
それもそれで良い
桜を眺めていた
亡き曽祖父が植えた見事な一本桜を
ある年は
まだ若かった両親や幼かった兄妹と
ある年は
共に青春を謳歌した旧友と
ある年は
永遠を誓って去っていった元恋人と
そして今年は
いつの間にか大きくなった息子と
まだ小さな娘と
桜はまた一つ年輪を重ねて
私たちを見守るように満開になった
三色団子を嬉しそうに頬張る子供たちと
散ってゆく花びらを眺めながら
この幸せな時が止まれば良いのにと願う
𓏸︎︎︎︎𓈒 𓂃ずっとこのまま
これからも今までと変わらずに君といつまでも一緒に
いられると思っていたのに。
君はどうしてそんなにも早く先に行ってしまったんだろう。
私を置いて。