『この道の先に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
実は、私は少し朝が弱い。
早朝、アラームを止めて、寝ぼけ眼で時計を確認する。まだ時間に余裕はある。
とぼとぼとベットから抜け出し、流しで手を洗い、食パンをトースターに入れて、洗面台へと向かう。冷たい水を浴びてようやく、私は覚醒する。
キッチンに戻り、焼きたてのバターをトーストに塗る。私は分厚くてふわふわの生地を好んでいるけれど、あの人はそうではない。ペラッペラの八枚切りをカリカリに焼くのが好きらしい。
情報番組をBGMに食器を洗う。ついつい、洗剤を贅沢に使ってしまうのが私の悪いところ。ふるさと納税の返礼品が一気にきたせいで、しばらくなくなる気配がないんだもの。
制汗シートで肌を拭き、通勤用のブラウスに腕を通す。仕事に行くだけなのに、アイメイクをきちんとしてしまうのは、私が浮かれているせい。ややきついウエストは、美味しい食事に連れて行ってくれるあの人のせい。
「行ってきます」
返事はないけれど、言葉に出すことにしている。なんとなく、スイッチが入るような気がして。
マンションから出て一本道。職場に向かうにはバスに乗って、それから電車に乗り換える。浮ついた気分で歩いていると、バス停に見えるあの人が、私に手を振る。
私はここからバス停までの一本道が、一番好き。
「おはよう」
忙しそうにしているあの人との少しの逢瀬を大事にしているから。
今私が歩いてるの
この道の先は何が待ち受けているのだろうか...
正直、何も分からないことが怖かったりする。
けど、何も決まってないから楽しかったりする。
一概に、なんとも言えないけれど、
私が歩みたいと思うみちは、自分で道路を作るしかない。
親が作った、道を歩く人もいるだろうが
普通の道路のように、劣化すすむ。
だから、ただ道を歩くのではなく。
ヒビや破損箇所があれば、分析し寄り良い
方法で、修繕する必要がある。
それに、この先の道はあなたのとらえかた
次第で辛い方にも楽しい方にもなる。
私は、寄り道が好きだ。人が1人通れるだけの抜け道なんかを見ると、この道の先に何があるのか気になってウズウズとしてしまい、通らざるをえなくなる。結果回れ右の行き止まりになることも、ただの大回りになることも、良くある。
だけどあの行き止まりの枝垂れ桜も、階段を登った先の白い梅の大木も、私には宝物だ。
通ってきた学校、勤務先に着くまでのほんのささやかな私だけの頭の地図。
窓際で眠る猫が見れる家
甘く香ばしい焼ける匂いがたまらないパン屋さん
細くうねった緑の生垣に囲まれた道
出汁の香りがするうどん屋さん
両手を広げるより大きな紫陽花
陰だけを通って歩ける涼しい道
百日紅がわんとはみ出して咲く家
紅葉が美しい川縁
陽だまりが続く暖かい道
大事にされているお地蔵様がおられる曲がり角
人懐こい大型犬とよく出会う道
この道の 先には。
___________
田舎の雑木林の横道(蛇苺や山桃のある道とか美味しくなくても見つけると嬉しい)も、上記のような住宅街や小売店も、都会も好きです。都会だと、めちゃくちゃ安い店とか隠れ家のような喫茶店とかビルの合間にできたよくわからん専門店とか、すごく好きな螺旋階段とか、近代芸術の作品名当ても楽しい。
この道の先に
なんの光も見えなくても
光があると信じて進む
いつかきっと辿り着くだろう
僕だけの光
この道の先に
コンクリート舗装の曲がりくねった坂を登り、神社の門前通りに出た。昔ながらの土産屋と駄菓子屋の間にとても細い路地がある。この道の先にあるのだと訳知り顔の友人に言われたのだけど本当だろうか。バランス栄養食とスポーツ飲料をたくさん詰めたリュックを背負い直して一歩踏み出す。水に落とした水彩画のように景色がにじみ、ぼやけ、歪み始める。この道の先に何があるのか知らない。知らないけど、ずっと切望してきたものがすでにここにある。
僕はとても方向音痴だ。
それは十分自分でも自覚している。
でもすすんでいたかった。
ある土曜日の朝ぱっと目が覚めた。
まだ寝たい気もするが体が先に起きてしまった。まだ寝たかったな…。
朝ご飯を食べて僕は散歩に行くことにした。
お気に入りのぬいぐるみと一緒に。
ひとりはさみしいからね。
「いってくるねー」
「はーい。何時くらいに帰っくる?」
「わかんない、でもあんまり長くいないつも
りだよ。じゃあいってくるね」
「夕飯までには帰ってきてよー」
「んっ」
僕は家を出た。
外は曇っていて少し風が吹いていて
丁度いいくらいだった。
僕が一番すきな天候だ。
久しぶりの散歩だしちょっと冒険してみようと思った。
そして僕は未開の大地に足を踏み入れた。
少し歩くといい匂いがした。
ここにはカレー屋さんがあったんだ。
「ねぇみな、いい匂いだね。
今度機会があったら食べいこうね」
ちょっと幸せな気分だ。
あそこの店はチキンカレーが一番人気みたい。さっきご飯食べたのにもうお腹が空きそう…。
曲がり角までやってきた。
まっすぐ進むか横か…。
うーん…。
「ねぇみな。どの方向がいいのかな?」
『…』
「わかった!右に曲がるね」
僕は右に曲がった。
ここ見たことあるかも。
この道をいくとここに繋がるのか。
新しい発見だ。
みなは僕の心の支え。
いつも僕のそばに居てくれる。
この道に来れたのもみなのおかげ。
あとはここから帰れたら完璧だったな。
この道の先に色があると信じて、僕は練り続ける。すべての道はいずれ、ねるねるねるねに繋がっているのだ。
この道の先に
(本稿を下書きとして保管)
2024.7.3 藍
この道の先に
さぁ、行くのです。かわいいワタシのコドモ達。この荒れた道を超えて天で待つ聖なる父と母の元へ。
両腕を大きく広げ、掌を空に向けて妙な熱気と陶酔した表情で見つめる老若男女を見下ろす。ゆっくりと一本の道を指差しうなづく。
一人一人緩慢な動きで指し示された道へノロノロと歩き出す。やがて一列となり先頭が点のように見える。
そして絶叫が聞こえてきた。
幾人が恐怖の表情を浮かべて走り戻ってきた。
道が突然大穴になり皆を飲み込んでしまった。これは天への道なのですか?
慌てる事なくそうだとうなづく。父と母は空腹なのです。その子もまた空腹で笑みを保てません。
顎が嘘だろうというぐらい開き長い蔓のような舌が
救いを求めに来た幾人かを絡め取り飲み込んだ。
か、満腹感が欲しかった為しっかりと咀嚼した。
次の食料調達は この道の先にあるだろう。
肉はいいから野菜にしよう。バランスは必要だ。
とぅいまてん、角のたばこ屋さんはどこでしゅか?
角のたばこ屋さんなら この道の先の
角のたばこ屋さんのとこを左に曲がったら通り過ぎてしまうので 角のたばこ屋さんのところを左に曲がらずに立ち止まると角のたばこ屋さんが在るのでそこが角のたばこ屋さんです。
どーもありがとーございました。
・・・?
もっかいきーてもいーでしゅか?
ぁ、やっぱいーでしゅ
ほかのしとにききましゅ。
悪人だと言うには、世間の常識に足を引っ張られて。
正義の味方だと、言い切るにはこの両手は血で染まっている。
目的を果たすためだとはいえ、中途半端な立ち位置でいる自分に嫌気がさしてくる。
「✕✕✕」
相棒はそんな私を見て微笑む。私の道についていけなくなって、さよならをした人が多い中、彼だけは私のそばにいた。
「今日は何色がいい?」
なんでも良いよ、と答えれば彼は決まって赤を選ぶ。彼の好きな色だ。
「また、考えごと?」
「まぁ」
曖昧な返事に彼は苦笑を浮かべるだけだった。
爪紅を塗られ、手が出せないことを良いことに、彼は私の右手の甲に唇を落す。
「この先が地獄でも俺は最期まで傍にいるよ」
ホント、物好きだなぁ。
この道の先に待っているのは何だろう。どこまでも落ちていく崖だろうか。じごくまで続いていくような。それとも明るい未来かな。毎日笑顔で笑いあって楽しく暮らせる幸せな未来であって欲しい
この道の先に…
子供には通学路というのがある。
そういうのをほぼ守らない子供だった。
ある日の帰り道
随分遠回りして、初めて通る道だった。
ボールのぶつかる音がして、そちらを見ると
同級生のT君が、テニスの壁打ちをしていた。
彼とは一度も話したことがなかった。
声をかけるでもなく遠くに見ながら通り過ぎた。
少ししてT君は転校した。
その後、テニスの大会に出て、準優勝したと
クラスメイトが騒いでいた。
人知れず練習していたT君の姿は、とても良いと思った。
しかし、私はそれを誰にも言わなかった。
人知れずする努力は、誰にも知られてはいけないのだ。
結局、T君とは一度も会話しなかった。
今、どこかで偶然会ったとしても、きっとわからない。
けれど、あの日に偶然見た努力は、一生忘れないだろう。
何があるかわからない。だけど、そこが前だと思って進んでいったら、望んでいたものかはわからないけど何かは掴めるんじゃない?
この道の先に、大きな荷物を持ったおばあさんがおろおろしている。
あそこの角を曲がれば、引ったくりに遇った男性と出会う。
今来た道を戻れば、風船が高いところに引っ掛かって泣いている子供に助けを求められる。
へえ、この「自分の周りの困っている人が視える」って能力、便利。
人助けし放題じゃん。
※語り手は純粋な善意によりこの能力を使用して
います。
【この道の先に】
この道の先に、穴がありました。
あずきちゃんが、穴に落ちました。
きたちゃんが見つけて、死んでた〜♪
で、ライオンが来て、みんなみんな食べた。
きたちゃんはギリギリ逃げた。
あずきちゃんが
「ほよよ〜、世界のゴールまで着いたよ〜」
と言いました。
きたちゃんは、
「カウントしない」
と言いました。
「世界のゴールまで行けないよ〜、ブーブー行けない行けない、ダメダメ」
とあずきちゃんが言いました。
そして、あずきちゃんが世界のゴールから落っこちました。
この道の先に何が続くのかなんて
考えたってわからないけど
今ある幸せが続けばいいなって
そう願ってしまうのは。
ちぎれてしまいそうな糸を繋ぎ止めるすべは。
何もないと思いながらも
何かと共に歩んできたから。
道の先があるって思えるの
迷ってもまだ、先はあるから
【この道の先に】
しばらく歩いてきたけれど
何も見えないや
この道の先に
どんなものがあるのか
この道の先に
進んでいいのか
分からないまま
分からないまま
それでも見えないものに
背中を押されながら
日々前に進んでいくんだ
この道の先に
この道の先に、と言われたらイメージしたものが幾つかある。
その内の1つにありきたりだけど人生をイメージした。
アラサーにもなり正直、道をいまだに見つけきれずにフラフラとしている。あれもしたい、これもしたいと考えるせいか寄り道ばかりしてしまう。それでも、根っこではしたい事が決まっており自分が見つけきれないのだと思う。
人生の終わりに、振り返った時にどんな道を歩みそして、どれだけ彩れたかを楽しみにしている。
『この道の先に』
この先何があるかわからない
けれどもひたすら歩き続ける
怖がりな私は立ち止まったり
きょろきょろ見回しながら歩くから躓いちゃったり
それを繰り返す
一人じゃ不安だ
でも、一緒に歩みを進めてくれる人はいない
這ってでも進まなくては