『この場所で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この場所で
この場所にはお宝が眠っている!
見つけろーい!
「この場所で」
この場所で君と出会い
この場所で君に恋して
この場所で君と愛し合い…
今、この場所で君と別れようとしている。
出会った頃よりも皺が増え、
痩せ細った妻の顔を覆った白い布をとる。
生前と変わらず綺麗な顔をしている。
「綺麗にしてもらえて…よかったなぁ」
言葉は返ってこないが、話しかけてしまう。
まだ妻の死を受け入れられていない自分がいる。
だって、ずっと一緒だった。
もちろん、いいことばかりじゃなかった。
キツイこともたくさん言われた。
きっと、こんなことを、おまえさんに伝えたら
「私の方が我慢してましたよ!
本当に都合が悪いことはすーぐ忘れる!」
と、怒られるだろう。
でも、おまえさんといると楽しかったんだ。
最後までおれと一緒にいることを選び、
この場所に、おれたちの家に、帰りたいと
病院から電話をかけてきてくれたこと、嬉しかった。
「ありがとう」
頬に流れる雫は、感謝と寂しさ。
おれももういい年だから近いうちに上で会える。
また、会える日まで
君と過ごしたこの場所におれはいる。
この場所で「おはよう」を言えるのはあと何回だろう
友達、ルーティン、電車、道
あと少しで普段の当たり前が終わってしまう。
この場所で
あの場所で起きた事件をみなは口を揃えてこういう。
「そんな事件、あったんだ」
私にとっては凶悪な事件だった、なのに他の人からはただの他人事にすぎない。
みな自分が体験しなければ何もわからないのだ。
なのに分かったような口を聞く警察に両親。
この場所で起きた事件がまた繰り返されるのだ。
お別れのタイミング
心に小さな違和感を
見つけてしまったの
自分に嘘をつくのが
嫌になっただけなの
あなたは悪くないの
正直に生きてみたい
心がそう叫んでいる
さようなら、あなた
新しい門出に祝福を
今日、私は生まれた
『この場所で』
この場所で
今思い返してみれば,あの頃の俺は人間関係,進路,部活…など。挙げればキリのない程の物事に悩まされていたものだ。毎朝,耳元でけたたましく鳴り響く目覚まし時計を止めれば一日が始まり,ドロドロとした人間関係の軋轢を超えてやっと帰宅すれば溜め込んでいた課題に手をつけて…気付けば寝落ちしている,そんなありふれた日常。いつになったらこの堂々巡りの日々から抜け出し,前に進めるのかと非常に頭を痛めた。けれど,あの場所にいる時だけは…そんな俺も全ての事柄から開放されるのだ。
部活を終え,だらだらと重苦しい足取りで真っ暗な廊下を1人,歩いていた時のこと。普段はなんの光もない音楽室の小窓からふっと,無機質な廊下に不似合いな様の柔らかい…暖色系の色合いの光が盛れ出しているのが目に入る。俺は困惑した。こんな時間に…誰か音楽室にいるのだろうか。はたまた,音楽教師が授業後に消し忘れたのだろうか。けれど,不意に微かなピアノの音色が己の鼓動を震わせた時,そんなことはどうでも良くなった。
極小さな光の粒がさわさわと淡い光に照らされて時折光り輝くような…本当に,繊細な音。それは己の心の奥深くまで入り込んでは出ていこうとしない。俺は,その場から動けなくなった。いや,これには些か語弊があるかもしれない。正しく言えば…その場から動きたく無くなった。
__このまま,時が止まれば良い,なんて思った。
開けば会える、簡単に
開かなければ、会えない人
それ以上でも以下でもない
結局アプリなんて、そんなもんっすよ
#この場所で
「この場所で」
昨年ある温泉地へ旅行に行きました。
その温泉地はだいぶ前だけど一回行ったことがあり、その時の感想は、「寂れてるな」と思ったことを記憶してます。
でも、昨年行ってびっくりしました。
かなり様変わりしてました。
本当は違う場所に行って帰るつもりだったけど、時間ギリギリまでその温泉地で過ごす事にしました。
楽しくブラブラしてたら、あるお土産屋さんに辿り着きました。
そこは以前来た時に置き物を買ったお店です。
温泉街は様変わりしてたけど、そのお店があった事、私がそのお店を覚えていた事に感動してしまいました。「このお店で、この場所で前に来た時、置き物を買いました。」とどうしても伝えたくて、お店の人に声を掛けました。
普段の私なら絶対にしない行動を、この場所でやったことに自分でもびっくりです。
私が前に買った置き物は、もう作ってないらしく、終わりに「ありがとうございます。」と言われ、嬉しかったです。
そして私はそのお店で、またお土産を買いました。
何年か後にまたこの温泉地に来たとき、
この場所で「わぁ〜」ってなるんだろうな。
この場所で
この場所で生きていきます。
自分とは縁もゆかりもないここで。またまた買ったこの家が、ここだった‥それだけなんですが。
のどかで少し不便なこの場所。今では、この場所が最高だったと思つて死ねると思ってます!
「十年後さ、またここで会おうよ」
「キザっぽキモすぎ」
「うぜー」
よくある再会の約束だった。離島で育った二人の少女は、その後順当に地元を離れ、十年がたった。
片方の少女は有給を使い、約束の少し前から準備を始めた。
準備というのは、そう、舟を借りたのだ。
急速な温暖化の影響でふるさとが海に沈んだから。
それでも行こうとするのは義理堅さなんかてはなく、単に彼女はかつて地元の空だった場所での再会という如何にもなイベントに胸を踊らせているだけだった。
当日、女は舟を漕いだ、櫂でひたすら。
島への道に浮きで道ができていた。かつての地元を私のように見に来る人間は少なくないのだろう。
やがて、島らしきものが海底に見えてきた。
そこに舟があった。
お互い、大概ばかだよなぁ。
約束した地が海に沈んだ、なんて反故にしても仕方ない再会にふたりは立っていた。
……ひさしぶりという言葉は口の中で飽和している。
『まじで来るか〜死ぬほど待ったわ』
船の中には白骨化した遺体と、置き手紙。
死ぬほど待ったやつが死んで待ってるなんて笑えなすぎるジョークだ。
最近連絡がつかなかったのはこういうことか。言ってくれればよかったのに。いや、知っていたのに目を逸らしていたのは私だった。持病で長くないって、昔から言われてた、そうだった。
しばらく黙って舟を寄せていた。鎖を外して陸に持ち帰ろうとも思ったが、まあ、まあ……。
女は手を伸ばす――。
二隻の舟が同時に転覆したのはその直後だった。水飛沫は空高く、女と女だったものは海底よりも深く沈んでいった。
時の流れに風化しない者が生き残る。座礁した船は大海に往かない。
じゃあ、この話はこれでシュウソウ……なんつって。
【この場所で】2024/02/11
舟葬/終奏
今日この場所で
食べて
寝て
起きて
スマホをみ
テレビを見る
毎日変わらない場所
今日もねこの場所で
あなたと共に生きている
いつも通りの場所ってどこだよ。
ハッキリ場所の名前を言えや。
濁すなや。ウザいな。
カンカンカンカン、ガタンガタンガタン。
踏切の前で俺らは足を止める。
「なあ、今更聞いても遅いけどよ」
「うん?どうしたの?」
「…マジで、引っ越すんだよな。」
「…そーだねえ。マジだね。」
隣のコイツは、明日には学校に居ない。
今日、深夜に引越し先に向かうらしい。
「……寂しい。」
「僕だって寂しいさ。」
「俺ら、ずっと一緒だよな」
「もちろん」
そう言って、そいつは俺の手を思い切り握る。
「ね!また会える事をここに誓おうよ!」
「…いいな!いつも通ってた踏切の前で誓いを立てんのか…」
俺らは自然と向き合う。
「言う言葉は揃うと思う?」
「ああ。」
【またいつか、この場所で。】
この場所で数年を過ごしたい。そう思って受験生たちは追い込みをかけている頃だろう。
月並みだが、受験生みなが第一志望に合格すればいいと思う。叶わないのは残念だ。
第二志望以下、あるいは浪人の道を選んだとしても、良い出会いがあってくれたらと願う。かけがえのない出会いがあれば、きっとその道も悪くないと思えるだろうから。
この場所でまた会いましょう?
馬鹿げたことね…
そう言って、去年もここにこなかったくせに
また他の人間に言ったのよね
この場所で…って
愛する人だって?
一生忘れないって?
嘘つき!
何から何まで嘘ばっかり!
騙してばっかりじゃない!
大っ嫌いよ!
私のせいって?
知らないわ!
あんたのせいでもあるのよ!
この場所で…あんたを道連れにする!
あんたが叶えようって言ったこと
私が最悪な形で叶えてあげる!
それじゃあね
この場所、でね
はじめまして。児の場所が私の居場所になれたら嬉しいです。
この場所で
(本稿を下書きとして保管)
2024.2.11 藍
原っぱと木があるだけの中庭――昼休みを過ごすには都合のいい場所。
お前と出会って間もない頃この場所でよく話をした。
打ち解けからも晴れた日の昼休みはここで過ごすこのがお決まり。
騒がしい食堂で昼を食べるのもいいが、売店で昼飯を買って騒がしさから離れたこの場所で食べる方が好きだ。
今日は雑誌の発売日。お前は「早く読みたいから」と急いで昼飯を食べ終えると雑誌を読み始める。
黙々と読むところを邪魔する訳にもいかずこちらは寝ることにした。
太陽の光が暖かい。
話ができず退屈な時間ではあるがたまにはそれも悪くない。
一緒に過ごすことが自分にとってのささやかな楽しみ。
「おーい、そろそろ起きろ」
お前に起こされるのは好きなんだがそれは同時に昼休みの終わりを告げる合図。
じゃあまた後で、と別れを告げてこの場所を後にした。
この場所で
第一印象は笑顔が可愛い。
僕は大雨の中歩いてきたから、
傘が届かない部分はずぶ濡れだった。
カフェに入って2人でミルクティーを飲んだね。
どんな話をしたっけ。
家族構成だったり、将来何になりたいとか、
そういうことを話したね。
この場所で初めて会った。
この場所に来るたび思い出してしまう。
この場所で
ここに来てから2ヶ月たった。歌を歌う君と一緒に歌ううちに、私まで歌を歌うようになってしまった。
歌い方のコツや、ハモリのやり方を教えてもらったりもした。
雑草さえも焼く太陽を背にして、ひたすらに君と歌った。
結局旅の果てなんてなかった。自分がそうと決めつけるまで旅は続く。
この場所でずっとずーーーっと、生きていければいいのに
そこで私は目を覚ました。
(過去の投稿から「旅路の果てに」がテーマの文章を読むことを推薦します)