『この場所で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『この場所で息をする』
私の心が疼く時 言葉はなぜか降り積もる 積雪を掻き分けて適切な何かを探す 再びあなたに逢えたなら
私は何を伝えよう 言葉はナイフ刺し違う事が怖くって 散弾銃のように喚き散らしてしまうのだ そんな時にも月はきれいで 夜はこの星がつぶらなことを教えてくれる だからその場所からそっと離れてこの場所で息をしよう 深く深くできるだけ裸になるように
場所。それぞれに色んな思いがあり、もう一度行きたい場所、もう二度と行きたくない場所。行ってみたい場所などがある。ですが自分がお話するのは、「居場所」についてです。
みなさんには自分の居場所はちゃんとありますか?
居心地の良い場所。落ち着く・安らぐ。
私にはそんな居場所はありません。10年以上前に親父が他界し、実家は取り壊しました。私の生まれ育った居場所は無くなりました。
付き合っていた彼女とは何回か引っ越し後、マイホームを購入しました。ですが、自分の家なのに帰りたいって気持ちがありませんでした。家ではバイキン扱いをされ、家に居たくない。帰りたくない気持ちが強かった。
だから私は家を出ました。自分のちゃんと居たい居場所を求めるために。
職場も同じです。
コロナの影響で以前務めてたセンターは閉鎖。
別の拠点に異動となりました。新天地では早く業務になれ、みんなに名前を覚えてもらおうと必死に取り組みました。1人1人と会話し、コミュニケーションを取る。そうやってみんな名前を覚えてくれ、異動前のセンターみたいに凄く居心地が良かった。
でもそう長くは続きませんでした。今現在、今の職場が凄く窮屈に感じる。
でも私は諦めません。昔、先輩に言われました。
「自分の居場所は自分で作る」
自分の居場所の家庭は作れませんでしたが、自分の居場所のある職場。これは諦めずに探します。
だってほしいですから。居心地の良い居場所を・・・
この場所でいつか合格発表したいもんだよ
#この場所で
この場所でまた貴女と会えたらどれだけ幸せだろう。貴方はもうこの場所に来ない。それくらいのことは分かっている。それでもまた貴女に会いたいんだ。だから何日でも何年でも待ち続ける貴女がこの場所にまた来たときに久しぶりと言えるように。
この場所で____
「くさーい」
「え?」
びっくりするぐらい拍子抜けした声が出た。その言葉は、私の左隣から聞こえた。まさみだ。
「きもーいww」
続けて言ったのは右隣にいる親友だった。次はしっかり聞き取ることができた。
「ちょと、!聞こえるわ!笑」
と笑いながらなんとか声を出す。
「くさいくさいくさいwww」
そう、二人が早口で笑いながら、通り過ぎた先生の後ろ姿をチラチラ見て話す。その間に挟まれた私は驚きでどうすればいいかわからず「あんたら、強すぎるわw」と誤魔化した。これは、絶対に聞こえている。なんなら、わざわざ目の前に来てから言っていた。
二人はとても似ている。おそらくこのクラスで二人が一番強くて陽キャだ。なぜそんな二人に私が囲まれているのかは謎だが。
通りすがりに悪口を言う。
普通ならこんなの普通なのだろうか。
人前で悪口を言う。
それがおかしいと思う私はおかしいのだろうか。
テーマ:この場所で #91
「またこの場所で会おうね」
「うん…。約束だから!」
まいちゃんは可愛くて、同じ女の子の私でも勝てない。そんなまいちゃんは優しくてみんなからも好かれている。私もそんなまいちゃんが大好きだった。
ちっちゃい頃から隣りに住んでいたまいちゃんとは、いわゆる幼馴染だった。私はまいちゃんみたいに優しい子と仲良くいられることが嬉しかった。
そんなまいちゃんが引っ越したのは幼稚園を卒園するときだった。母曰く、暇さえあればまいちゃんの所へ遊びに行くような子だったらしい。
そんなまいちゃんと離れる時、私はわんわん泣いていたらしい。まぁ、幼稚園生だったら分からなくもないが…。
「そういえば…まいちゃん、帰ってきたってね」
「え…? そうなの?」
私は母の言葉に素早く反応した。まいちゃんとは文通をしている。姿は覚えていないが、まいちゃんと手紙でやり取りしているときは楽しくてたまらない。
手紙を通してする会話はできたとしても、もしまいちゃんと会ったとして話せるだろうか…。話すとしても、何を話せばいいのだろう…。
「あれ? 言っていなかったっけ? 今日来るって言っていたけど…」
「え!? 今日!??」
私は声が裏返る。なにそれ! 私なんにも準備していないよ? 出かけることになったらどうしよう…。あぁ、心の準備も……なんて考えていると
ーーピーンポーン
インターフォンがなる。まさか……。
そのまさかだった。
母が
「あら、まいちゃん」
そう言って玄関の方へ行く。わ、どうしよう…。私なんにもして無い…。
「え? 舞桜(まお)? いるわよ? 舞桜〜?」
玄関の方から、私の名前を呼ぶ母の声が聞こえる。
あぁ…まだ心の準備が。
私はリビングでソワソワしているとドアが開く。私は咄嗟に背を向ける。
「も〜。舞桜? 呼んでいるでしょう? まいちゃんが会いたがっているわよ」
「まぁまぁ…」
そう言って聞こえてきたのはなんだか低い声だった。
「舞桜ちゃん?」
後ろから呼ばれる。なんだろう。私が想像しているよりずっと低い声…。
私は振り向いた。そこには背がスラッとした細身の綺麗な美男子が立っていた。え…、誰?
そう思って呆然としていると
「あぁ…舞桜ちゃん。変わってない!! 会いたかった!!」
気がつくとその人に抱きしめられていた。
「は…」
私は固まってしまった。
なに、なに、なに? 何が起こっているの? え、誰?
私は頭が混乱していた。母がフフフと笑う。
「大きくなったわね、まいちゃん」
「舞桜ちゃんのお母さん。その呼び方、すごく懐かしいですね。そう言えば舞桜ちゃんも、文通で僕のことそう呼ぶよね」
「え…? まい、ちゃん?」
「え…? そうだけど…?」
私は眼の前にある美形の顔を見つめる。
これは、一体どういうコト…?
「もしかして…舞桜。まいちゃんって女の子だと思っていた?」
「え? 違うの…?」
「僕、男だけど…?」
それは見ればわかる。何? この人、天然なの?
じゃなくて。まいちゃん=男の人?
「あぁ、そっか。僕ちっちゃい頃、両親に女の子みたいな格好させられていたから…」
「あぁ、そうね! それが原因かも」
まいちゃん? と母は打ち解けているがなんだろう。この不思議な空気感。何も不思議じゃないの? 私が変なだけ?
「あれ? 舞桜ちゃーん?」
「え? 本当にまいちゃん?」
「うん」
「私の幼馴染の」
「うん」
「文通やっている?」
「うん」
「女の子の?」
「ううん?」
え…?
「あ、証拠。別れるときに公園の桜の下で言った言葉言おうか?」
そう言えば、そうだ。私とまいちゃん別れるときに…。
「『またこの場所で会おうね』」
「……!」
私は頭の中でそのセリフが過去のまいちゃんのセリフに重なる。そして気がつく。この人は本当にまいちゃんなんだって。
この場所で
生きている
違う所に居たことも
あるけれど
戻ってきたのは
やはりここが
落ち着く場所だから
どこにいても
ここが帰る場所
零れ散った 涙の数だけ
あまいやさしさを ください
今夜は それを
枕にして
おとなしく 眠るから
一人ぼっちの この場所で
想い出 抱いて 眠るから
# この場所で (35)
この海辺
十数年ぶりになるかな
夏休みになるといつも
父さんが連れてきてくれたっけ
今日は自分が子連れで来てる
浮き輪で泳いだ 砂掘った
おにぎり食べた 日に焼けた
遊びつかれた帰り際
小さな岩場が目に入る
その瞬間 突然涙があふれた
そう いつもあの岩場に座っていた父さん
不意に引き戻されて
なつかしい日焼けした笑顔が
瞼の裏いっぱいに広がる
「この場所で」
#14
この場所だけは覚えてる
君と笑ったところ、君と泣いたところ
たとえ何年経っても忘れない
君と約束したところだけは
ずっと此処で待ってる
だって君は言ってくれたんだよ?
「また一緒にこの場所で笑いあおう」って
ねえ 君待ってるから…
またこの場所で君に会う日が来るのだろうか?
お互い振り向かずに別々の方を歩いていく
またいつかこの場所で……
「この場所で」
息をするの あの頃のように
吸っては吐いて 大きく吸い込んでみるの
感じてみるの あなたの事を
肩を寄せ合い 歩いた道を踏みしめてみるの
この場所で 語り尽くせぬ夢を見たいの
テディベア
『この場所で』
産まれた
育った
生きてきて
成長し
キミに出会い
アナタと別れて
また
色んな人と
出会いと別れを繰り返し…
この美しい星で
小さなひとつの細胞から
分裂し 変化し 進化し
望む方向へと歩みを進め
生きていく為に
昔々のその昔
人間が人間に進化していった
と思っていた
この地球上で
美しいもの
楽しいもの
役立つものを
生み出し
未来に残そうとしていた
と思っていた
人の命を脅かし
傷つけ 苦しめ
奪いつくすような
武器や爆弾や毒薬を
作り出し
武力で人を
支配しようとするとは
思ってなかった
人間は本当に進化してきたのか?
それとも退化してきたのか?
その手は
人の命を奪う為にあるのか?
しっかりと手を繋いで
平和や幸せを願う為にあるのか?
私の手は 私の言葉は
誰かを傷つけるための
武器となっていないだろうか?
誰かを救うためや誰かの役に立つために
使うことができているだろうか?
様々な問いと答えを繰り返し
自問自答の毎日を
本当に見つけたい答えを
見つけられないまま
私は この場所で
今日も生きていく
「転生」
居場所を探して旅に出る
ここはあの子が嫌だから
あっちは私が変だから
そっちは環境が悪いから
リセマラばっかで進みやしない
サブの人生
ウラの人生
この場所で、生きれるはずがない
2.11.この場所で
もう一度だけ、
あと少しだけでいいから
あの場所であの時間に彼に会いたい
どうしてわかってくれないの
私はこんなにも好きなのに
生涯であなたをここまで愛したのは私だけだと思う
あなたを見捨てた母より
あなたに暴力を振るった父より
私の方があなたを好きだと。
けれどあなたは私を選ばなかったね
あなたにこれから不幸なことが起きたとしても
私はその不幸を心の底から喜んでしまうかもしれない
だって仕方のない事じゃない。
あなたは私を不幸にしたのだから
一生後悔すればいい。
今私は生きている。
死なないように気をつけながら。
とりあえず生きると決めたあの頃から
一体何が変わったんだろうか。
どこにも何にも全然
こだわりはないんだけど、
ただこの場所できっと
常に迷い苦しみ
たまに笑い泣きながら
命を続けてゆくんだろう。
『この場所で』
『この場所で』
大好きだった親友と
門限まで色々な話をした、この場所で
私はいつも後悔している
小学校4年生の夏休み
いつものように、朝起きて
いつものように、ラジオ体操に行って
いつものように、親友と会って
いつものように、他愛ない会話をして
いつものように、私は去り際に「またね」と言って
いつものように、親友も私に「またね」と返してくれた
それが夏休み中ずっと続くと思っていた
夏休みが終わったら、また遊べると思っていた
まさか、もう「また」がないなんて思わなかったから
彼女が引っ越したと聞いたのは
その翌日だった
『どうしてなにも言わずに引っ越してしまったの』
という気持ちでいっぱいで
昔貰った手紙を1人で読んでぼろぼろと泣いた
数年が経った今も、未だにその手紙は捨てられていない
彼女の連絡先も
彼女が引っ越した先も
何も分からない私は
ただこの場所で後悔するしかない
この場所は自分にとって嫌な場所。
でもあの人の隣は自分にとって一番落ち着く場所。
少し移動するだけで、隣に誰が居るかが変わるだけで
自分にとってこんなにも心地よい場所に変わる。
あなたの居る場所が俺にとって一番の場所になる。
「ここいいですか?」
その日は凄く冷える夜だった。空気が澄み渡り、星が爛々と輝いている。公園のベンチは一人では大き過ぎる。だから隣に座ってくれるのは大歓迎だ。
「お兄さんはここで何を?」
女の声だ。夜特有の暗さと、マフラーや帽子で素顔が見えなかったので気が付かなかった。いや、寧ろ好都合か。誰とも知らぬ相手と語らうのも悪くない。
「幼馴染と昔、ある約束をしましてね。次に帰ってきたら、この場所でまた会おうと。あれから随分経ったし、所詮は子供の頃に交わした約束、律儀に守る方の頭がおかしいんですよ」
と、見ず知らずの人に愚痴を零してしまった。
やはり他人に話すと、いい加減自分の愚かさに気が付き始めた。やはり昔の事は忘れて、今はここでの生活を───。
立ち上がろうとした俺の服の裾がぐいと引っ張られる。思わず振り返るとその女性は僅かに聞こえるくらいの声量で、
「じゃあ私の頭もおかしいって事になるのかな?」
イタズラが成功した小悪魔的な微笑を浮かべて、彼女は隠していた素顔を顕にした。その瞬間、昔の記憶が、感情が、湯のように溢れ出て、俺の心が瑞々しく震えた。
「おかえり、お兄さん?」
ケラケラと弾むように笑う彼女の笑顔を俺は今後一生、絶対に忘れないだろう。
「20年後みんなで掘り起こそうや」
そう言って埋めた卒業式前日のタイムカプセル。
6人分の手紙とおもちゃを土の中に。
それから時はたち、
結局掘り起こさなかったけど、
きっといつでも集まってる。
心のどこかで俺たちは
「この場所に」