『この世界は』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この世界は美しく醜悪だ。
一見この言葉を見ると矛盾している様にも思えるだろう。
けれど矛盾などしていない。
この世界は美しさ醜悪さを兼ね備えている。
それでこそこの世界なのだ。
なので、例えば美しさか醜悪さ何方かが欠けたとすれば
それはもう、この世界とは違う別の世界なのだ。
私達はこの美しさと醜悪さが交差する
この世界で今日も息をする
題名∶この世界は
この世界はどうやら、私中心で回っているわけではないらしい。
私がもっと小さい頃は、世界は自分が中心に回っているのだと思い込んでいた。
家族、先生、友達、街行く人々、近所の野良猫。生きているもの全ては、私という物語の中に出てくる一要素でしかなくて、全ての出来事は私の為に作用しているのだと、信じてやまなかった。
私は言わばこの世界の王だ。何をしてもこの世界で咎められる事など一切ない。と、何度自分勝手な行動で他人を傷つけてきたのだろう。
ある日、私の信じていた世界が崩れ落ちたとき、漸くこの世界の豊かさに気がついた。誰が中心でもない、生きるもの皆がそれぞれが主人公で、毎日を一生懸命生きているのだと。
一人ひとりが輝くこの世界はなんて美しいのだろう。
これは私の実体験である。
数年ほど前に北海道でブラックアウトという大規模停電が起こった。もちろん電気は使えない。私の家はオール電化だったが、家庭用コンロがあったのでなんとかなった。ご飯は乾麺やカップラーメンがあったのでなんとかなった。でもスマホも充電出来ないので暇つぶしに使うことができない。緊急の時のために充電を残しておかなければいけないからだ。そうなると時間が余ってしまう。昼はラジオを流しながら本を読むことができた。でも夕暮れが近づいてくると暗くなってくる。私は本を読むのをやめ、気分転換に外に出ることにした。外に出て空を見上げてみると、今までに見たことがないほど綺麗な星々、天の川がこんなにはっきり見えるなんて今までなかった。どこの家庭も電気が使えないため星と月以外の灯りは一切なく空が透きとおっていた。この時私は初めてこの世界に生まれて来てよかったと思った。
「この世界は」
この世界において、生きるということは、最も高尚な行為である。そうだろう?
息を吸って、吐いて、栄養を採って、排泄して、休息を取って、また息を吸う。こんなにも面倒で仕方の無いプロセスを人々ひいては全生物がしているのだ。生きているのだ。そうして毎日、記憶の1ページを綴っている。
しかしながら、全員が毎日当たり前にしている行為は、果たして高尚と言えるのだろうか?現代における日本語は、やや面倒くさい。京言葉のように、本来の言葉の用途とは逆に、皮肉を効かせて使うこともままある。
「とても高尚な趣味をお持ちですね」なんて言葉、果たして素直に受け止められるだろうか。私は性格がねじ曲がっているので、言葉の裏を探ってしまう。つまり素直に受け取ることはないだろう。受け取ることはないし、それはきっと、発することに関しても同じだ。
ここでもう一度言っておこう。
この世界において、生きるということは、最も高尚な行為である。そうだろう?
「この世界は」
この世界は広い
日本だけじゃなく
196カ国もある
色んな人がいて
色んな人と繋がり
結ばれていく
私は素晴らしいと思う
言語も違う人と繋がれるって事
恐ろしい。
何もかもを許容したかと思えば何もかもを否定する。
ただ漠然と我が身に起こった事を理解する。
順調に進めていた計画はいよいよ最終局面を迎えていた。
多少のイレギュラーやミスはあれど概ね順調でもはや失敗はありえないと計算が叩き出されていたにも関わらず。
ありえないと否定しながらやはりかと納得する。
この世界は我々を容認しつつ否定したのだ。
この世界は
No.8『この世界は』
生きることに疲れてしまう時がある。
もう止まってしまいたいって。
でも動画で綺麗な景色とか見ると
この世界にはこんなに綺麗なとこがあるんだ。
この景色を見ないで生きることをやめてしまうのはもったいない。
そう思って今日も生きる。
〝この世界は〟残酷だけど、美しい。
2024.1.15.˹月˼
もしあの時花を買おうなんて思わなかったら
きっと貴方には出会えていなかった
この世界は奇跡が重なって
貴方と出会えたけれど
別の世界でも貴方と出会えただろうか
運命はきっと思うよりずっとてきとうで
何千の出会いを用意してくださるのでしょうね
こんなてきとうな出会い方でいいのかと
笑ってしまいそうなものもあれば
ずっともっと過酷な出会いだってあるかも
なんてね
この世界は
『この世界は』
だれなんだ、まったく。学校の本に落書きをするなんて。
ぼくは筆箱からちっちゃくなった消しゴムを出して、図書室で借りていた本の落書きを消した。
でも鉛筆の落書きはまだいい方なんだ。なかには、ボールペンで書かれていて消せないものもある。そういう時はぼくにはどうすることもできないから、図書室の先生に気づいてもらえるようにメモを挟んで返却することにしている。
ぼくは背の順だと前から2番目で、残念ながら小さい方だ。
だけど毎日トレーニングを欠かさないから、力はともかく体力は同級生に負けてない。それに毎朝牛乳をたくさん飲んでるから、これから誰よりも身長が伸びていくはずだ。
ぼくはスポーツはそんなに得意じゃないけど、これだけはだれにも負けないということがある。
実はぼく、みんなの知らないところでいろんな良い事をしてるんだ。
朝、誰よりも早く学校に行って教室の机を並べて黒板消しをきれいにするし、校庭に乗り捨てられた一輪車をいつも置き場に戻しているのもぼくだし、だれもやりたがらない係も進んで引き受けている。
学校の中だけじゃなくて、街でお年寄りの荷物を持つのを手伝ったり、バスで席を譲ったり、道にゴミが落ちてたらぼくのゴミじゃなくても拾うことにしている。
でもそれを自慢したり、見せびらかしたりするのはなんかカッコ悪いって気がするんだ。ぼくは、あくまでも"さり気なく"を大事にしている。だれにも気づかれなくたっていい。むしろその方がカッコイイ。たぶん、だけどね。
でもたまに。本当にたまになんだけど、ぼくはだれかに言いたくなっちゃうんだ。
「この世界は、ぼくのこの手に守られてるんだ」ってね。
私が今いるこの世界は
色が無い空白の世界。
いや、『まだ』色が無いだけ。
まだ色が染まっていないだけ。
どんな色に染まるのかは
自分自身にしか分からない。
さぁ、真っ白なキャンバスに
描こう。
自分自身の人生を
必ず良いことがある
助けてくれる人がいる
幸せにかこまれている。
毎日が楽しい。
辛いことがあっても必ず良いことがある。
見えていたものに蓋をして
気付いていたことに目を背け
罪悪を憶えるばかりで
千の良心は一の恐怖には勝てず
自分の弱さと他人の隠す弱さから逃げて
向き合おうとしなかったから
こんなにも汚くて醜い
今まで多くの人々が生まれては死に
これから多くの人々が生まれてくるのでしょう
そうやって多くの種が誕生しては絶滅し
いつかのどこかまでずっと
それを繰り返し続けるのでしょう
はあ、どうせ100万年後には絶滅する生き物
そのいつかのどこかの私
莫迦みたいに小さくて短くて軽い人生だけど
とんでもなく苦しくて痛くて永いの
過去未来全ての苦痛を抱えて廻り続ける意味を
——、知っているのでしょうか
『この世界は』2024/01/1612
この世界は、今までにどんな歴史を歩んできたのだろう。
過去、現在、未来
私たちが何気なく、当たり前に過ごしている世界が、何事もなくこのまま続いてほしいと願ってしまう。
だけど、当たり前に時間は過ぎていくなかで周りも自分自身も少しずつ変わり終わりに近づいていく。
だから、絶え間なく変化するこの世界、そしてなにより今の自分自身を受け入れ、変化を恐れずに、未来を真っ直ぐに信じ、幸せを願うことが出来るように強くありたいと思う。
こんな世界なんて嫌い。
だって私なんかがいるから。
逃げようとして後退り その内ぐるりと周り
辿り着いたのは同じ場所
ただいま、どうやら戻って来たみたい
たまにちょっと乱れて 気が付いたら元通り
命の音色 重ねて繋がった世界
幾つか失くなったとしても星は廻る
それが普通で とても当たり前の事
暗くて良かった だって 気付けたから
普段は使わない 「ありがとう」
少しだけ素直になれた気がするよ
恍惚と 我を忘れる 時空間
邪魔をしないで 潮の満ち引き
#この世界は
はるか地平の向こうで砂埃が上がっている。
右から左に一直線で、かなり早い。
あれは恐らく多足蟲だろう。緊張しながら目を細めながら視線を追わせる。
と、砂埃は小さくなり、やがて消えた。こちらとは逆の方角に向かったのだろうか。
ともかくこちらにくる様子はないことに金土(かなと)アキラは安堵した。
−特に蝗や蟻に系譜を持つ蟲は、視界にはいったら直ぐに逃げなさいませ。捕獲されたら、死ぬより辛いですから−
伊-ハ三六がかつてアキラに言った言葉だ。
一度だけハグれに小蜘に遭遇したことがあるが、あれは獣族や器械族(または妹のヒスイ)ならともかく、アキラのような生身の人間に太刀打ちできるものではない。
この世界の食物連鎖に最上位は、間違いなく奴ら蟲族と言える。
「あれは、百足、かな。こっち来なくて良かったねえ」
ヒスイが手のひらを額に当ててアキラと同じ方向を見ながら言った。
「遮るものがないとはいえ、相変わらず凄まじい視力だな」
半分呆れながら「たぶん4-5キロはあるぞ?」
「あたし、視力10.0だからね!」
ヒスイは笑いながらアキラを横目でみた。
「まあ、伊ハと離れてから、お前がいるのは心強いよ」
彼女の言葉は誇張ではなく、寧ろ謙遜しているくらいだろう。もっと詳細にみえているはずだ。
「そうでしょう、そうでしょうとも。」
もっと頼りなさいと胸を張るヒスイ。
「生意気な。必要な時だけ頼むよ。あの双子を見習って、一方に寄りかからないようにしたいもんだよ」
「…そうだね。今日こそ街につきたいな」
ヒスイはひとつ伸びをして、南を指差す。
「じゃあ気合い入れなきゃな」
「走る?」
無理無理と手をヒラヒラさせて、アキラは南へ歩き出した。
今、この瞬間、一分一秒が過ぎていき
私が現在書いているこの文章も
文字を綴ろうとする時から未来であり、
綴っている現在、
綴った瞬間から過去へと移り変わっていく
この世界では、誰かが決めた当たり前が基本となるが、
誰が決めた基本を自分の当たり前にするかはそれぞれである
同じことをして生きていても
同じようで同じにはなれない
真似をしても、それもその人の個性である
誰1人同じ人など居なくて
みんな孤独を抱えて、1人であり、独りではない
前を向けば誰かしらが居る
知らない人でも、勇気を踏み出して1秒先の未来に、今進み出せば1秒前の過去の自分を誇れるだろう
今は出来なくてもいつか出来るように
周りが否定しても自分だけは誇れるように
この世界で生きていく限り、辛いこともあるけど
この世界は小さいから、せめて自分はこの世界よりも大きく居たいと願う
残酷で、矛盾に満ちてて、理不尽で。
無力さに打ちのめされたり、諦める方が楽になるかも、と思ったりしてしまうけれど。
ふと見上げた空が。
瓦礫の中に咲く花が。
何気なく交わした視線が。
――とても綺麗だったから。
懸命に前に進む足が。
人々を鼓舞する声が。
誰かを支える腕が。
――とても力強かったから。
残酷で、矛盾に満ちてて、理不尽で。
どうしようもない世界でも、この世界は生きるに値する、とあなた達が思わせてくれたのです。
前を向ける日ばかりじゃないけれど、立ち止まったり蹲ったり、怒りに任せて喚き散らしたりしてしまうけれど、生きていこうと思ったのでした。
END
「この世界は」