星蒼楼

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この世界はどうやら、私中心で回っているわけではないらしい。

私がもっと小さい頃は、世界は自分が中心に回っているのだと思い込んでいた。
家族、先生、友達、街行く人々、近所の野良猫。生きているもの全ては、私という物語の中に出てくる一要素でしかなくて、全ての出来事は私の為に作用しているのだと、信じてやまなかった。
私は言わばこの世界の王だ。何をしてもこの世界で咎められる事など一切ない。と、何度自分勝手な行動で他人を傷つけてきたのだろう。

ある日、私の信じていた世界が崩れ落ちたとき、漸くこの世界の豊かさに気がついた。誰が中心でもない、生きるもの皆がそれぞれが主人公で、毎日を一生懸命生きているのだと。

一人ひとりが輝くこの世界はなんて美しいのだろう。

1/15/2024, 4:42:17 PM