お金より大事なもの』の作文集

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お金より大事なもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

3/9/2024, 4:41:07 AM

「班ごとに分かれましたね。じゃあ今から紙配るのでみんなで意見出し合ってメモなりまとめなりしてください。テーマは『お金より大事なもの』です。最後発表してもらうとき理由も聞きますので、しっかり話し合ってくださいね」

 先生の号令の後、教室が一瞬にして騒がしくなった。机同士くっつけあった四人班になった。席替えしたばかりであまり交流もない人たちだから少し怖い。
 先生が班を回って紙を配る。B5の白紙だ。
「ありがとうございます」
 隣の席で、今は向かい合わせに机を並べている坂本さんが受け取った。坂本さんは裏っ返したりしながら、何も書かれていないことを確認していた。
「誰書く?」
 普段は後ろの席の吉田くんが隣から声を発した。班学習だと操作していなければ注意されないから、スマホを机の上に置いていた。
 あっ。
「このまま私書くよ」
「あざーっす!」
 立候補が遅れてしまった。書記を担当したら発表者候補から逃れられると思ったのに。前に出て話す、もしくはその場で立って話すなんて緊張しちゃう。絶対やりたくない。
 音もなく、スッと隣から手が挙がった。
「発表者、俺で良い?」
 神様は私を見捨てていなかった。全員でお礼を言ったけれど、私が一番声出ていたと思う。
 吉田くんは手を下げてニカッと笑い、
「俺ありきたりなのしか思いつかないから、武藤と高倉さんで案いっぱい出してね」
 と、爆弾投下して机に肘をついた。神は私を見捨てた。
「案はみんなで出し合うんだよ。ほら、私と一緒に無い頭絞ろう」
「えー、苦手なんだよな、こういう道徳的なの」
 坂本さんと吉田くんだけで話が盛り上がっているが、そもそもこの班はクラス内で平均点以上の成績を収めている人しかいない。得意分野はそれぞれバラバラだけど。

 英語の学内スピーチコンテスト三位の坂本千香さん。
 今年数学検定二級に合格した吉田一成くん。
 日本史テストの学年最高得点をキープしている私。
 そして、オールラウンダーの武藤博昭くん。

 ただ武藤くんは極度の人見知りらしく、私と同じで音読やスピーチ等の対話や発表が苦手なようだ。
 そんな武藤くんは、私の斜向かいに座りながらじっと机を見ている。どうやら目線が上げられないらしい。最近髪を切って、隠れていた顔を初めて拝んだ。アイドルの卵にいそうなイケメンでびっくりした。多分あと眉毛整えたらすごくモテると思う。
 今まで遮っていたものがなくなって、本人としては落ち着かないかもしれない。でもこちらとしては表情や目線がわかるからありがたかった。

「とりあえず、無難な案から出そう。人間関係」
「うーわ、言われた」
 早い者勝ちだよこんなのって吉田くんが笑った。
「人間関係ね、理由は?」
「家族も友達も恋人も、お金じゃ買えない。あとお金が絡んで損得勘定が生まれると関係が破壌しやすいから、お金を絡ませない方がむしろ良い」
「確かに」
 道徳苦手とはどの口が言っていたのだろう。
「武藤くんは何か思いついた?」
 武藤くんは一瞬ビクッと肩を揺らして、ようやく顔を上げた。くっきり二重が可愛いクリクリお目目を坂本さんに向けている。「あー」とか「うー」とか言いつつ、
「愛情、とか?」
 と静かに答えた。坂本さんは大きく頷いた。
「確かに、人間関係に恵まれるには、お互いに愛情を持って接する必要があるかも」.
「愛情を持って?」
「人類皆ライク精神的な?」
「そこまでは、いらないと思う、ます」
 私は必死に笑いを堪えていた。坂本さん、ボケなのかギャグなのか。とにかく急にぶっ込まないでほしい。
「高倉さんは何か思いついた?」
 坂本さんが私に話を振ってきた。そこでまともに考えてなかったことに気がついた。ヤバい、何か案出さなきゃ「人任せの女」って認識されちゃう。
 私も二人を見習って、無い頭を絞り出す。お金より大事ってことは、お金じゃ買えないものか、お金にできない中で究極に大切なもの。お金と同等もしくは少し価値が低くても良いから何か、何か思いつけ!

 あっ。
「時間、とか?」

 周りが騒がしい中、この班だけシンとした。私の発言は不躾だったのかもしれない。三人とも私をじっと見ている。間違ったことを言ってしまったかもしれない。
 だんだん恥ずかしくなってきて視線が下がる。ソワソワして落ち着かない。
「それだ」
 吉田くんが私を指差した。
「時は金なり、タイムイズマネー。よく言うもんね」
 何かを紙に書き込む坂本さん。
「確かに、カラオケや漫喫の三十分いくらの料金表は時間というより施設・サービス使用料に付随されるから時間のみ買っているわけではないか」
 小声で呟いているけど丸聞こえの武藤くん。
 私はまさか自分の意見に共感してもらえるとは思わなくて狼狽えた。このまま結論が時間になってしまうと、最初に言い出した私に全責任回ってきそうで怖い。何か他にも案を出そうと頭を捻る。
 シャーペンを動かしていた坂本さんが、不意に顔を上げた。

「じゃあ空間も大事ってこと?」
 パルキアか。

 突っ込みたいところをグッと我慢した。坂本さんのようなキラキラ女子は、ポケモンを知らない可能性がある。たとえポケモンが一般人にも知れ渡っている偉大なコンテンツだとしても、ここでオタクみたいな発言は避けたい。

「いやパルキアじゃねぇんだから」

 吉田くん! と心の中で叫んでしまった。
「時間と空間って確かニコイチじゃなかったっけ?」
「パッケージデザインの伝説ポケモンをニコイチ扱いする人がいるとは思わなかった」
 あれ、もしかして坂本さん意外とポケモン知っている人なのかもしれない。
「現実世界で考えると、家とか土地とか、道だって料金払ってるから、お金が有利かな」
「道を? 高速道路以外に払ってる?」
「道路整備とか公園とかって、自治体の管理になるから。うーん、住民税とか?」
「働く世代が払ってくれて、整えてくれる人がめちゃくちゃ頑張ってくれてるから歩きやすい道ができてるってことだろ」
「あぁ、なるほど納得」
 正確さは置いといて、自分たちで答えを見つけるのが、この班の私以外の人は得意なのかもしれない。
「じゃあ空中は?」
「人間が浮かない限り、物理的に無理かな」
「じゃあパルキアよりディアルガが有利か」
「そもそもパルキアとディアルガはアルセウスから生まれたんだから、アルセウスこそ大事ってことあるんじゃない?」
 坂本さんのパッと出た疑問に、おそらくポケモンに詳しいだろう他三人の動きが止まった。
「神はダメだろ」
 苦虫を噛み潰したような顔で、吉田くんが言う。

「神を信仰しても金は増えない。むしろ献上金として失っていく一方だ。信仰って一見心が満たされるような良いことのように聞こえるけど、実際はお金も時間も心も労力も全てすり減らすんだよ。じゃなかったら今、世間で被害者の会が発足されたりしないはずだ。それに信仰する神によっては宗教にまつわる争いごとが歴史上の付き物だろ。キリスト然り、ブッダ然り、アッラー然り。レジェンズアルセウス貸そうか?」

 正論すぎて補足することも何もなかった。また、彼が宗教に関してここまで現実的なイメージを持っていたなんて、過去に何があったか聞きたかった。けれど触れられたくない事情かもしれないので、そっとすることにした。
「オッケー、神はやめよう」
 あとクリア済みだから大丈夫、ありがとう、と坂本さんは続けた。紙に書いたアルセウスとパルキアとディアルガにバツがつく。その紙がチラッと見えたらしい吉田くんは呟いた。

「むしろピカチュウとか、身近な存在こそお金より大事で尊いんじゃね?」
 今度はピカチュウかよ。

 その発言に、武藤くんは何度も頷いた。
「わかる、ピカチュウは尊い」
「まぁ、ピカチュウは可愛いけど」
 坂本さんは戸惑い気味に苦笑いした。内心まだポケモン続くのって思ってそうだ。
 確かに、ポケモンというコンテンツの中でも、ピカチュウは世界中で愛されるキャラクターではあるけれど。

「ピカチュウは、経済を回してお金を生み出しているけれど、いざピカチュウと生活するには、余計な苦労をさせないためにもお金が必要なのでは?」

 私が思わず声に出すと、三人は頭を抱えた。私が発言するたびに団体芸を披露しないでほしい。笑い堪えるの大変なんだから。
「そ、そうだね。ピカチュウと暮らすには、ポケモンと暮らせる住居の用意に餌代に治療代に、モンボのメンテナンス費とかゲーム世界じゃ省かれているところにもお金が必要かもしれない」
 武藤くん、私はポケモンライト勢だからポケモン世界にそんな設定があるかもなんて考えたことなかったよ。
「モンボのメンテ?」
「だって、あれだけ伸び縮みしてパカパカ開くじゃん。何年も使ってたらさすがに壊れるって」
 その発想、私にはなかった。
 坂本さんは無言でメモし続けている。チラッと覗いたら私のピカチュウ発言がメモされていた。恥ずかしいからやめてほしいけど、言い出せない。
「ポケセンも現実にあったらお金掛かるのかな」
「それは、ほら、あの、住民税で」
 大切な税金を便利道具扱いするな。

「私たちの生活って本当にお金で成り立ってるんだね」

 しみじみと坂本さんが言った。その言葉に男子二人はまだ続きそうだったポケモンの話を引っ込めた。そうだね、今はグループワーク中だからね。ポケモンは終わってから話そう。
「高倉さんはさ、なんで時間だと思ったの?」
 吉田くんがこちらを見た。
 私は焦った。秒で突発的に言ってしまったから理由なんて考えてなかった。大慌てで頭を巡らす。
「まず、時間単品を商品・サービスとしてお金で買えないから。武藤くんも言ってたけど、施設・サービスの利用料金にプラスで時間が付くから時間のみってどう買うのかも思いつかないかな」
 三人の真剣な目がこちらを向いている。狼狽えそうになるところだけど、グッと堪えて言葉を続ける。
「次に、お金を生み出すのに欠かせないから。大人になって社会に出たら、もしくは今何かしらバイトしてるなら、労働時間の対価としてお金をもらうでしょう? そこから時間って唯一お金を作れるのかなって」
 坂本さんのシャーペンが走る。
「最後は、時間をかけることで解決する物事があるからかな。辛いことや苦しいことを忘れようにも、お金は支払って何かすることになる。その間は忘れられるかもしれない。でも何もしなくなったら途端に思い出しちゃう。それが、時間の経過とともに昇華されることがあるんじゃないかなって」
 言い切って、我ながらよくまとめられたと思った。
 三人の沈黙は続く。坂本さんの書き取りの音だけが響く。そのシャーペンの音が鳴り止んだ時、吉田くんが口を開いた。
「もう採用。それ以外思いつかない」
 吉田くんの言葉の後、武藤くんは小さく拍手をしてきた。坂本さんも武藤くんに倣って手を鳴らした。
「じゃあ今の超良い感じにまとめてもらって」
「まっっって! 超待って!」
 思いっきり吉田くんの話を遮った。待ったをかけられたことが意外だったのか、三人ともキョトンとしている。
「こんな理由で時間がお金よりも大事って決められちゃうと、責任重大と言いますか」
「責任って、ただの授業発表だしそんなに重く受け止めなくても……」
 気まずそうに坂本さんが言った。
「人間関係と愛情と時間の三つから選ぶとは早計すぎると言いますか」
「いや候補三つ目でめちゃくちゃ良いの出たから」
 吉田くんが恐る恐る呟いた。
「待ってください、もっと出します。えっと、あ! そうだ命! 命がないと生きられないです! 人間関係も愛情も時間もお金も、生きてこそ初めて価値を知ると言いますか! その尊さは我々の命があってこそです! あと空気! コイツがないと生きられないのは科学的に証明されていますよね! これこそ具体的で分かりやすいかと」
「高倉さん」
 思った以上に口が回る私を、武藤くんが静かに制した。私は途端に口を閉じた。
「高倉さんが、何を気にして責任感じているか、分からないけど、そんなに怖がることない、と思う。俺は、理由を聞いて、すごく良いと思った。だから、時間がお金よりも大事って結論で、発表したい」
 武藤くんの真剣な顔に気圧されてしまった。こちらも、頷き返すことしかできなかった。

「みんなまとまった? そろそろ発表始めるよ」
 発表は一、二分程度の短いものだけど、自分たちの班に回ってくるまで緊張していた。他の班は、愛や家族、友達と命、もちろん時間も出た。ところどころ被ってしまって、やっぱりありきたりになっちゃったなと思っていた。
「じゃあ次、最後ね」
 先生の声で、隣の吉田くんが席を立つ。手には坂本さんがまとめてくれたメモを持って、みんなの方を向いた。

「僕たちの班では、お金より大事なものは『時間』ではないか、と決まりました。候補としては、人間関係、愛情、命、空気が上がりましたが、お金で買えない商品・サービスであることと、お金が生み出せる唯一の手段であることから『時間』を選びました。また、時間の経過とともに解決へ導ける物事は、お金では解決できない事柄であるとも考えました。以上のことから、僕たちは有限の時間をお金以上に大事にしたいと思います」

 以上です、と締めくくり、吉田くんは席に着いた。まばらの拍手が、余計に傷つく。教室の後方で発表を聞いていた先生が、教卓へ登った。

「タイムイズマネー、時は金なり。大人たちは労働時間の対価としてお金を貰ったり、株や投資をしてお金を増やしたりしますから、そのプラスのイメージが強いのかもしれません。今まで発表した班でも時間が挙げられましたね。
 ただ、吉田くんたちの班では、『時間で物事を解決できる』と言ってくれました。
 皆さんはまだ身を引き裂かれるような悲しい出来事や、呼吸をすることもままならないような苦しい出来事には遭遇したことないと思います。できれば経験しないまま人生を終えてほしいくらいですが、そうもいかない状況に陥るかもしれません。
 そんな時は、時間という長期戦の味方に任せてしまうのも一つの手です。ゆっくり、じっくり、時間の経過とともに想いは昇華されるでしょう。心の奥底に留めておいてくださいね。
 じゃあ、メモを回収しますので、班全員の名前を書いて提出したら終わりです。先に号令します、日直」
 日直の人が号令をかける。席を立ってお辞儀をしても、なんだか心がフワフワしたままだ。

 私の意見、人生で初めて否定されなかったかも。

 ボーッとしてしまっていて、肩をトントンとされた時に、体が跳ねた。振り向くと、坂本さんが笑顔でメモを渡してくれた。
「良かったね、責任負わなくて」
「そ、そうだね」
「やっぱりうちの班が一番良かったよね!」
「そ、そうだね」
 改めてそう言われると自分が褒められたと勘違いしてしまいそうだ。少し恥ずかしくなって、ニコニコ笑う坂本さんを避けるように急いで名前を書いた。『坂本千香』『武藤博昭』『吉田一成』『高倉亜莉寿』と四人分並んでいることを確認して、
「提出してくる!」
 と、先生のところへ向かった。坂本さんが何か言いたそうにしていたのに気が付かなかった。
 受け取った先生が、ザッとメモを眺めてこちらに目を向けた。
「『ピカチュウは経済を回してお金を生み出しているけれど、いざピカチュウと生活するには、余計な苦労をさせないためにもお金が必要』」
「えっ……あっ!」
「ピカチュウ推しの先生に配慮した素晴らしい言葉選びですね。メモに書いてあるってことは、どなたかの意見だったんでしょう? 先生握手したいんだけど、誰かしら?」
 声色は優しいのに、目の奥から冷たさが感じられる気がする。きっと関係のない話をしていたからだ。
 血の気が引いた私は、先生に向かって恐る恐る手を差し伸べるしかなかった。



『お金より大事なもの』

3/9/2024, 4:38:39 AM

お金より大事なもの


時間かな。
お金があっても時間がなければ、好きなこと出来ないから。
時間大事にしなきゃね!

3/9/2024, 4:27:43 AM

命。いや、希望だと思いました。
命があったとしても、私は希望がなければ
生きて行けませんから笑

3/9/2024, 4:21:12 AM

お題 お金より大事なもの

お金より大事なものはない。お金が無ければ、衣食住を賄えない。病院にも通えない。生きていけないではないか。

そう思っていた。
コロナ前までは……

緊急事態宣言が発令されて、買い物と病院、散歩と、リモートワークだけの毎日。

ほとんどの店は休業した。

生活は出来るのだが、楽しみがない。

息が詰まりそうな毎日だった。

リモート飲み会しても、終わったら虚しくなった。

まさかこんな事態になって、お金より大事なものがあると痛感したのだ。

お金より大事なものとは、そういうものなのかも知れない。

3/9/2024, 4:03:18 AM

「お金よりも大事なものって何?」

彼女は、彼に聞いた。

彼は困ったように笑うと、
「決められないよ」と言う。

「何が決められないの?」と聞くと、

彼は首を横に振った。

「私じゃないの?」

「無責任なこと言えない」

「何が無責任なの?
他に大事な女がいるだけじゃないの?」


彼の浮気がバレるまで、あと数秒。

3/9/2024, 3:43:34 AM

愛とか命みたいな
ありきたりなものしか思い浮かばないのだけど
こういうとき
自分って案外くそつまんない人間なのかもと思う

3/9/2024, 3:42:22 AM

お金よりも大事なこと

お金よりも大事なことって何だと思う?

今日のテーマは、私が仕事を始めてからずっと自分自身に問うてきたテーマだった。

そして、今の私はお金よりも大事なことを聞かれたら豊かさと答えるだろう。

これを読んだ貴方は、
豊かさは何のことだと考えるのかな?

人はお金と、お金でない別の何かを比べるときは、
お金で買えるものか、買えないものかが判断軸になっている気がするんだよね。

お金は見える世界のエネルギー。

お金では買えないもの、こそ
それは目に見えないもの。

後でもう少し、
熟考しよう。

3/9/2024, 3:41:14 AM

よく動く手足が何より大事 それを司る頭脳はもっと大事 美しい桜を見て感激する心も大事 だから今日も生きているって事が素晴らしく大事なのです🤗

3/9/2024, 3:39:51 AM

いいっ・・・たぁ・・・・。
っ・・・・・。     ガタ、ゴトン・・

鮮血が、傷から滴り落ちる。
その痛みに数秒の間、息を止めて耐えていた。
思わず、数歩後ずさりして棚に寄りかかる。
その振動で、棚にのっていた置物などが二、三個倒れてしまった。

あっ・・・直さなきゃ・・
と、手を伸ばした。
今負傷したばかりの手を伸ばしてしまい、痛みで握れない。
咄嗟の行動とは言え、我ながら少し呆れてしまった。怪我をしたばかりだというのに、そのことを忘れてしまうのだから。


物置のドアが壊れてしまい、鍵がかかっていないというのに開かなくなってしまった。
そんな状態のドアを、半ば無理やり開閉を続けた結果、ドアノブ自体が取れてしまった。
その修理を始めたら、他にもいろいろと目についた箇所が出てきてしまい、物置全体の修繕作業をしていた。

その最中、工具の扱いを誤り、傷を負ってしまった。

よく、舐めたら治る、などと言うけど・・
この傷はその範疇ではなさそうだ。
血が流れるのを止める処置くらいはしないと。

手を負傷してしまったため、ほぼ片手だけで処置しなければならず、うまくいかない。
血は止められたものの、やはり包帯を巻かないとと思うのだが・・

っ・・・あっ、また傷が・・
片手で包帯を巻くのは、難しい。そうこうしているうちに、再び傷が開き血が滲みはじめてしまう。そんなことを繰り返していた。


ただいま。・・どうしたんだ?

突然の彼の帰宅に驚き、私は思わず傷を負った腕を後ろに回して隠した。

あっ、おかえりなさい。・・早かったね。
ちょっと、物置の修理を中断して休憩してたの。

あぁ、それで物置の前にいろいろ置いてあったわけか。・・あそこまで壊れたら、いっそのことちゃんとした業者に頼んで、直してもらったらいいのに。


でも、ドアを直すだけでもそれなりにお金はかかるよ。大丈夫。ちゃんと今日中に直すから。ついでにいろいろ直しておくよ。
前よりは、使いやすくなるよ。
と、言いながら修繕に戻ろうとした。

しかし、彼に肩を掴まれて、止められてしまう。そして、隠していた腕を掴み上げられてしまい、痛みで思わず声を上げてしまった。

っ!?こんな傷・・意地張ってないで、ちゃんと手当しないとダメじゃないか。
何か隠してるとは思ってだけど・・こんな大きな傷まで隠そうとするなんて。
どうせまた、病院に行くのもお金がかかるから、とか考えて自分で何とかしようとしたんだろ。まったく・・
そんなにお金のことが心配か?


否応無しに、強制的に彼は私の傷の手当てを始めた。丁寧に血を拭きとり、包帯を巻いてくれる。

お金の心配もあるけど・・できることなら大切にしたいんだ。だって、立て替えたりしたら、今までの思い出とかもなくなってしまいそうでさ。
お金を出せば、綺麗に丈夫になるかもしれないけど、愛着がなくなってしまいそうで。
それはお金じゃ、得られないものでしょ。
だから、できるだけ自分の手で直したかったの。


彼は、ふと優しい眼差しを向けてきた。

君のそういう見えるところだけじゃなくて、本質を感じて大切にしようとするところは素敵だと思うし、尊敬するよ。
たしかに、そういうお金では得られないものはあるよな。オレもそう思うよ。


じゃあ・・と、言葉が出そうになった。
しかし、優しい眼差しから、真剣な眼差しになった彼に見つめられ、その気迫に思わず口をつぐんだ。

彼は手当てが終わった私の手を、優しく包み込んでくれた。


だけど、それ以上にお金では得られないもので、大切にすべきものがあるだろ。
少なくともオレは、君がこんな怪我をしなくてすむのなら、物置の修理代を出すことくらい何とも思わない。
むしろ喜んで出すさ。君のあんな痛みに耐える声を聞かなくて済むのなら。


思わぬ言葉に、返す言葉が見つからない私は、彼の手を握り返すことしか出来なかった。

えっと・・心配かけて、ごめん。
それから、手当てしてくれて、ありがとう。
実は、自分だけではうまくできなくて。
助かったよ。

彼は手当ての道具を片付け、立ち上がった。

その手じゃ、修繕はもうやめた方がいい。
とりあえず物置を、片付けてくる。
それが終わったら、久しぶりに外食しよう。
たまには、そういう贅沢くらいしても、バチは当たらないさ。


彼の嬉しい提案を聞いて、私は思った。

お金を出して贅沢するのが幸せだと思うのではない。
それを一緒に共有してくれる相手がいること。それがあるから、幸せに感じるのだと。

これも、お金では得られない、
大切にしたいことだ。

3/9/2024, 3:34:38 AM

某YouTuberがちょうど今日のテーマの話をしていて「書いて」を後回しにしていたことを思い出した。

お金じゃ充たされないことってあるよね。
そういうものこそ実は幸せを感じるために大切だったりする。
昔の私は物欲お化けで、欲しいものは手に入れないと気が済まない性分だった。
到底、手の届かない高価なものは諦めざるを得なかったけれど。

この歳になってようやく気づく。
欲しいもので充たそうとすればするほど、
心は空っぽだということを思い知らされる。
「本当は何が欲しいんだろう?」状態に陥る。
そう、物で心は充たされないのだ。

お金じゃ買えない、目に見えない。
けれど、心で感じられる。
他者とのふれあいや温もりにこそ「幸せのヒント」が隠されているのではないかと。

気づいてる、解ってるはずなのに。
今日もまた、手の届く範囲の大して欲しくもない
ソレで空虚な心を満たすのだろう。

3/9/2024, 3:32:48 AM

お金より大事なものを知るなんて
それはある意味、悲劇でもある。


題目「お金より大事なもの」

3/9/2024, 3:30:22 AM

お金より大事なもの、それは、まごころ。
人の心と思いやりは、お金では買えないものだ。
私たちの一つ一つの優しさが、きっと何かを変えると信じて。

3/9/2024, 3:27:44 AM

お金より大事な物

お金があったから、生まれてこれた

お金があったから、学校に行けた

お金があったから、ご飯が食べれた


お金が存在しなければ、争いが起きなかった。

お金が存在しなければ、戦争ほ起きなかった

大切な人を失うことはなかった

父は、治療を受けることが出来た


価値をお金に定めてしまう時代に

お金にコウベを垂れるふりをして生き

血の流れる日を身を潜め待ちわびる

革命の日を

そして行き過ぎた金信仰のこの世は

人間本来の姿を取り戻そうと治癒していく

忘れてはならない、大量の血が流れたあとに

3/9/2024, 3:18:21 AM

お金より大事なもの
「世の中、お金で回っているんだ。お金を持っていれば
それだけで安泰なんだ。お金で買えないものなんて、ないんだぞ」

世界に一本しかない、貴重な剣を狙った女盗賊が言った。俺の剣を奪い、売って、大金を得る算段だったようだ。そんな女盗賊に、ふんと鼻で笑って、こう返す。

「それじゃあ、お前はその金で買えるだけの安い男でも探すんだな。ちっぽけな愛を金で買った、馬鹿な女だ」

その言葉にカチンときたらしく、痛い目にあったのにまた俺に飛び掛かってきた。それを軽くいなしてから、こう付け加える。

「お前はまだカタギの道に戻れる所にいる。カタギになって、誰か良い男の嫁にでもなれば良い。かわいい顔してるんだ、いくらでも嫁の貰い手はあるだろう」

カァっと顔を赤く染めて、女盗賊は動きを止める。

「ふ、ふん!だ、誰がお前なんかの口車に乗るもんか!
いいか!私はお前に引っ付いて剣を奪うまで、どこまでもついて行くから、覚悟しろよ!」

「はいはい。勝手にしろよ。また痛い目みてもしらないからな」

こうして、貴重な剣を持つ剣士と、その剣を狙った女盗賊の珍道中が幕を開けたのだった。

3/9/2024, 3:03:59 AM

世の中の悩みの9割はお金で解決できる、なんて説もある。
 9割は大げさだけど、半分以上は解決しそうな気がする。
 かつて所ジョージが宝くじのCMで「当たれば1億3000万円、人生たいがいのことはかたがつく」と言っていたのをいまだに覚えている私。
 今の最高額は10億円だそうな。

 愛情とか健康とか家族とか、お金より大事そうなものは思いつくけど、みみっちい自分が書くと綺麗事を語っているようで、まるで説得力がない。
 お金より大事なもの……。
 とりあえず、運? 
 生まれた瞬間から努力だけではどうにもならないことが人生にはたくさんあるから。


『お金より大事なもの』

3/9/2024, 2:55:56 AM

お金より大事なもの

お金より大事なものは時間だと思う。
ことわざにもあるわけで。
自分の時間も大事。仲がいい人といる時間も大事だし。
それは人それぞれだけど。
ちょっとでも時間短縮して、用事終わらしたいって思うし。
仕事以外も楽しみにないと息抜きできないと思う。

3/9/2024, 2:39:40 AM

幼い子供の頃に

近所の兄や姉みたいな人達に見なよ!と

言われたのが

初アニメ化された

Dr.スランプ あられちゃんでした

フジテレビだったと思います

夜7時から放送でした

多分毎週水曜日だったと思います


せんべいさん にこちゃん大王

お坊っちゃマン ピー助 好きなキャラクターです


アラレちゃんが…♪巻き💩…に♪

木の枝で…♪に…♪ツンツンって…


当時の夕食時の茶の間で…家族でテレビを見ながら…

ドリフターズ加藤茶さんの💩チンチン的な事を

可愛いキャラのアラレちゃんが…

にこちゃん大王が頭からオナラをして…

漏らすとか…(笑)

にこちゃん大王が
アラレちゃんにキーンって…
宇宙船を壊されて…
せんべいさんに作ってもらうけど
空を飛ばない普通の自動車で…
何時飛ぶの?を延々と繰り返して(笑)

幼い私は吹き出すくらいに大爆笑させていただきました!!


その後…母からの拳固が多数有りました…

良い意味も悪い意味も古い悪しき時代ですかね…(笑)

団地の公園で泣いてた私にポテチやコーラをくれたのが

アラレちゃんを教えてくれたお兄さんお姉さんでした…

お前はよく泣くよね…ピー助だね✨(笑)と言われ

お母さんとこに一緒に行くか?とか

デニーズ行くか?図書館か?とか

この子のために1人で帰らせなとか…

幼い私をサポートする声がありました

弟キャラ全快な温かな記憶です🐱🍀(笑)

人を思う大人になりたい…

そんな記憶です😅🐈️🍀



私が少し大人になって

幼い近所の子供たちに見なよ!って…

言ったのが ちびまる子ちゃん でした


あたしゃ…とか…

子供らしくないお年寄り言葉のキャラ

静岡県の設定で…


だいぶ歳を重ねてから…

静岡の人と暮らした事がありましたが

1度も あたしゃ…

とは自分の事を言ってなかったぁ(笑)


初めて資格試験に合格発表を見に行く時に電車の中で

友人が脇に抱えていたのが さくらももこさんの

著書 ももの缶詰でした🍀



漫画からたくさん学びました

手塚治さん デカスロン かぼちゃワイン ホセメンドーサ

ザブングル キスより簡単 宜しくメカドック 原沢良美

マカロニほうれん草 ナナハンライダー ヨコスカOP

ジューンブライド 頭文字D あいつとララバイ 父の魂

キャプテン フリーザ 小さな恋の物語 ナウシカ パズーシータ

石坂啓スーパーギャング さくらももこオールナイトニッポン

ほんとに1部だけでも簡単に出てきます…

その後に私に繁栄されたからだと思います🍀

きっとこれからも学ぶことも多いので楽しみです🐱🍀



ありがとー鳥山明さん!!

ありがとーTARAKOさん!!


これからも歳を重ねて生きますが…

あなた方が教えてくれた遊び心をわすれません!!

ありがとうございました!!

………

りんりんラン・ラン ソーセージ…♪

ハイ!ハイ!ハムじゃない…♪

何て事は…♪

走れ正直者 西城秀樹さん


近藤房之助さんもポンポコリンを…♪

桑田佳祐さんもエンディングを…♪

3/9/2024, 2:32:14 AM

創作)7話

宗乃さんがやっと帰った。
彼女が何者なのかはまだ分からないままだ。
でも流麗の友達でないことは確かだ。
そうなると、ずっと嘘の話をしていた事になる。
すべて嘘なんだと考えながら宗乃さんの話を思い出すと
ゾッとする。「前、一緒に遊園地に行った時ー」とか、
「流麗はお金より大事なものに気付かせてくれたー」
とか…

「まぁでもお金より大事なものって言うのは分かる。
流麗や家族、それと…、いや、それは違うか。
お金より大事………でも気付けたところでお金は
必要じゃん。お金より大事って人とか物とか、
その大事なものがあれば、居ればお金はいらないって事?
その人が居てもお金は必要……だよね、、、
はぁ〜、私馬鹿だからやっぱ分かんないわ〜。
こんな時、流麗がいてくれればなー。」

そう考えてる内に席を外していたお母さんが戻って来た。
お母さんに色々聞かれた。宗乃さんの話、すべて嘘なんだ
って事は言わずに、宗乃さんが言ったこと覚えているだけ
話した。

でもお母さんが聞いたところで何になるんだろうか。

3/9/2024, 2:31:35 AM

『お金より大事なもの』


正直お金がないと生活できないわけで。
生きていけないわけで。

命がないとお金持ってても使えないわけで。
難しいね。
でも今の私の胸中はお金より大事なものは見つからない。

きっとこれは今の状況や環境で変わるものなんではないだろうか。

3/9/2024, 2:27:57 AM

お金より大事なもの

病気なら健康  戦争なら平和  抑圧なら自由

「お金より大事なものかー えーやっぱりお金があればなんでも手に入るかー じゃあやっぱりお金が大事かな?」

なんて思ってる自分は、自分が思ってる何十倍、何百倍も幸せなんだね。

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