『あなたに届けたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「あなたに届けたい」
生きているあなたへ
体を自分で傷付けても、
誰も知らずに涙を流しても、
生きているあなたは美しい。
頑張れ、なんて無責任な言葉で片付けたくない。
苦しさしか生まないこの世界から、
抗ってもがいて生きろ。
2023/01/30 今日のお題:あなたに届けたい
食べ物が食べれるという感動を
大切な人の側にいるという感動を
風邪を引かないでいるという感動を
今日を生きれるという感動を
あなたに届けたい。
毎日朝が来るって、とっても素敵だよね。
どうも。いいねが70超えてスマホ落とした者です。
控えめにいうと皆さん。神です。
ありがとうございますm(_ _)m
さて。お題と全然関係ないけど書きたいことが浮かんだので、
書いていこうと思います(笑)
お題(?) 行かないで
最近。彼氏のリオの様子がおかしい。
「リオ…最近..なんかあった....?」
「…」
リオは黙り込む。
はっと、私は思い出した。
リオと私の暗黙のルール。
問い詰めすぎるのはダメ。
それを守れなかったら、この関係は終わりにする。
私はリオとずっと一緒にいたい。
そう思って、この話題を出さないことにした。
数日経った。
私はリオに問いたことなんてすっかり忘れていた。
「カリン…この前の.....事なんだけどさ…」
「?」
「あ‥最近なんかあったかって聞いてたでしょ。」
「うん」
「僕…」
リオはポケットから紙を取り出す。
「なんの紙?」
開いて見せてくれた紙の上部分に書いてあった。
召集令状、と。
「え…リオ‥?」
「僕は戦場に行く。」
「戦いに行くの…?」
「うん。」
「戻って....来る‥よね....?」
リオはなんとも言えない表情だった。
「そんな....嫌だよ‥!」
「カリン、落ち着いて‥!」
「落ち着けるわけ無いでしょう!!?」
「…」
「大切な人と会えなくなるかもしれないんだよ…?落ち着けるわけないじゃない…」
リオは困ったようにしゃがんで、私の頭を撫でる。
温かい手は、微かに震えてる気がした。
「大丈夫。」
「大丈夫だから。」
「ごめんね。今まで言わなくて。ごめん。」
そっ....か......
戦場へ行くのはリオだよね。
私じゃない。
リオは私よりももっと怖いはず‥
私は泣くのを辞めた。
これ以上。リオを困らせてはいけない。
そして決めた。
私の命が尽きるまで。
リオを心から愛しようとおもった。
「行っても....戻って来るんだよ.....?」
「約束する。」
そんな泣きそうな笑顔で言われたら、心がきゅってなる。
私はこれからの長い長い人生を、一人の男性に捧げようと思った。
「じゃあ。」
「うん。」
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
リオは私にキスして、最後まで笑顔で手を振ってくれた。
「.....戻ってこないと。許さないからね‥!」
ぽつんと呟いたのと、ドアが閉まるのは同時だった。
はい。展開が早すぎる小説でしたけれど。
皆さんついてこれましたか…?
愛しい人と離れ離れになる事はとても辛いことです。
それ以上に、離れ離れになる人が現実には沢山いるという事も辛いことです。
これからも平和を願い、戦争を起こさないようにする義務が、私達にはあると思います。
そういえば、みなさんがいつも聞いている、行ってらっしゃいには、
行って、無事に帰ってきてね。という思いが込められているそうですよ。
では。ここまで読んでくれてありがとうございました!
またねっっ!!!
お題:あなたに届けたい
「ごめん、ちょっとおつかい頼んでもいい?」
春の陽気が抜けてきた、穏やかな昼過ぎ。
お昼を食べ終わると同時に付き合い始めたばかりの彼女がそう言ってきた。
「いいよ、どんなやつ?」
慣れたものでさらっと返す。
と言うのも、こんな形でおつかいを頼まれるのは初めてではない。
既に2回くらい経験している。
さて、今回はどんなおつかいなのか。
「ありがと。シャーペンの芯を買ってきて欲しいんだ。」
「シャーペンの芯?わかった。」
シャー芯であれば購買に売ってるはずだ。
と思っていたところに彼女が口を挟んだ。
「まって、隣町の商店街で買ってきて欲しいの。」
隣町の商店街?
自転車で片道15分くらいかかる場所だ。
「できれば3限の時間いっぱい使ってお願い。」
「う、うん。わかった。」
「0.5mmのHBでお願いできると嬉しいな。」
そう言いながら500円玉を僕に差し出す。
控えめに言って僕の彼女は不思議な人……だと思う。
ただ高校の時女子とあまり話してこなかったので、これが変なのか普通なのかよくわからない。
「大変なお願いしてごめんね、谷原くん。」
申し訳なさそうな顔を見ると、僕は頷くほかなかった。
シャツにじっとりと汗が滲む。
この時期でも自転車を走らせると暑くなるものだ。
自転車から降り、息を整えながら駐輪場に停める。
自転車を走らせている間考えていた。
彼女はなんでこんな遠いところまでおつかいを頼んだんだろうか。
嫌がらせ、と言うわけではない。と思う。
3限の間は授業中だと思うし、僕がいない間に何かというのもない。と思う。
あーでもない、こーでもないと上を向きながら考えていた時だった。
どんっ。と強い衝撃が身体に響いた。
ぶつかったのだ。
「す、すみません。」
つい反射でそういい、ぶつかった人に謝る。
「ごめんごめん。ちょっとスマホに夢中になっちゃっててさぁ。」
相手はヘラヘラしながらそんなことを言い、その後僕の顔を見てこう言った。
「あれ?同じ授業受けてる人?」
同じ授業受けてる人?と言われても1人で黙々と授業を受けてる僕には覚えがなかった。
というよりなんで覚えてるんだ?
別に話したことないと思うんだけど。
「あ、やっぱり。水曜2限の授業の時、いつも左後ろの端っこに座ってるっしょ?」
「……は、はい。そうです。」
その男は急に嬉しそうにやっぱりと言う。
なんなんだ、この距離感。
高校の時の友人にこんな奴はいなかった。
「あ、名前教えてよ。俺は雄二。」
「あっ…….ゆう……谷原。」
「よろしく。谷原くん。」
雄二くんはにこやかな笑顔をこちらに向けた。
……正直少し苦手だった。
なんでこんなに初対面の人に対してフレンドリーに接することができるんだろう。
「谷原くんこんな時間に何してんの?」
「う、うん。実はおつかい頼まれてて。」
「おつかい?誰に?」
彼女……とは言いたくなかった。
なんか恥ずかしい。
というかこの人に彼女の話をしてからかわれたりしたくなかった。
「友達に?」
「……それパシられてね?」
……たしかに。
あれ?パシられてんのかな。僕。
「何頼まれたんだ?」
「シャーペンの芯。」
「シャーペンの芯!?シャーペンの芯のために商店街!?」
そう、商店街。
確かに変だよね。
「……購買で買えばいいんじゃね?」
「う、うん。」
「……ん?ひょっとしていじめられてんのか?」
「いやいやいや、そうじゃないよ。別にそんな感じじゃないし、僕も嫌じゃないし……」
挙動不審になった僕を雄二くんはじーっと見つめ、静かに頷いた後、
「よし、俺も行く。」
と言った。
商店街の文房具屋の中は狭く、きつきつに商品が並んでいた。
「お、あったぞ。シャーペンの芯。」
雄二くんが指差す先にはシャー芯のコーナーがこぢんまりと存在していた。
僕は足早にHBのシャー芯を一つ掴むと、レジ打ちのおじさんのところに持って行く。
「200円。」
おじさんがこちらも見ずに言う。
手早く預かっていた500円をカルトンに放り込んだ。
おじさんが緩慢な動作でレジからお釣りを取り出す。
そして、机の下からなにかを取り出し一緒に僕に渡した。
……なんだ?
渡された物をよく見るとチョウチンアンコウがギョッとした目でこちらを見ている。
どうやらシールのようだ。
少しリアルな感じで気持ちが悪い。
「……?これなんですか?」
「いらない?」
「あ、いや。ありがとうございます。」
僕は受け取ったシールとシャー芯をポケットに詰め込む。
と、雄二くんが声を出した。
「おっちゃん。このシール何?」
「文房具買うと付いてくるシールだよ。本当は期間限定なんだけど、終わってからも余ってるから適当に配ってんのさ。」
「ほーん、なるほどなぁ。」
雄二くんはそれだけ言うと行こうぜ、と言って店を出た。
僕も慌ててついていく。
「まあわからんねぇけど、そのシールが欲しかったんかね。」
「う、うん。多分?」
文房具屋からでて駐輪場へと向かう。
僕は雄二くんの少し後ろを歩いていた。
……特に会話がない。
このいたたまれない沈黙はかなり辛い。
でも、こちらから言うことも何もないし……
話題を捻り出そうとしていたら駐輪場へついていた。
鍵を外し、じゃあこれでと足早に去ろうとした時に、雄二くんが口を開く。
「正直よくわからないけど、なんかいじめられてるっぽいなら相談してくれよ。
何か助けになれっかもしれないし。」
「……いや、本当に大丈夫。そんなんじゃないから。」
この場に長くいたくないと言う思いもあり、僕は雄二くんの話を受け流して自転車を漕ぎ始めた。
「シャーペンの芯と、これ。シール。」
彼女の前にそれぞれとお釣りを置く。
彼女は顔は一瞬驚きの表情になったが、その後喜びに溢れた。
「ありがとう。大変だったよね。」
「いや、そうでもないよ。」
キラキラした目でシールを見つめる彼女。
その目を見て僕は思った。
ああ、この顔を見るために僕は商店街に行ってきたんだな。
このシールを君に届けるために。
彼たちは 「あなたに届けたい」 って毎回言っていて、あなた
に当てはまるの私じゃなくて、"みんな" に言っていて、
気づいたら好きなのかも分からなくて、"あなた" そう
大事そうに、愛しい声で 別の人に言っていて、
愛している人はきっと"あなた"のような人に愛されて
幸せなんだろうな、知りたくもない、けどそれだけ
いい人、なのかな。
私はこれからもたくさんの人に届けたいって言わなきゃいけない、でも本当はたくさんの人に届けたくないし、こんなたくさん魅力のある、あなた達を見て欲しくない。
でも、届けたい彼たちの思いに私はそっと、寄り添うしか
ないけど、もっと色んなことを経験して色んな人に愛されて欲しい私が居るのはほんとだから。
いつか、私の名前も呼ばなくなるのは寂しいな、
いつか、直接歌を聞けなくなるのは嫌だな、、
いつか、あなた達を見れなくなるのは悲しいな。
歌声がもっと色んな人に広まるといいなぁ、
顔だけで広まらないで欲しいなぁ、、
でも、彼たちの良さを届けたい。
あなたに届けたい____
仕事、バイト、学校、家庭で疲れた人、
みーんな、まじでお疲れ様。
今日も一日、よく頑張りました。偉すぎる。
受験生、テスト前、試験前の人、
春から中学生、高校生、大学生、社会人の人、
みーんな、無理せずゆっくり成長しよ。
大丈夫、不安なのは一緒やから。大丈夫。
寝れない人、仕事、バイトの人、
学校に行きたくない人、寝たくない人、
みーんな結局、頑張っちゃってさ。
頑張って仕事して、頑張って休んで、
頑張って寝て、頑張って起きて。
偉すぎやろ。本当に頑張りすぎ!!
頑張るのも本当に程々にして?!ヽ(`Д´#)ノ
何故かこのお題を見てここにいる方々に
寄り添いたくなりました。今日もお疲れ様でした。
【あなたに届けたい】
元気がない日も
悲しい日も
どんな日だって
君は私に笑顔くれた
嫌な日でも君と会った日々はキラキラしてたな…
今はもう君には会えないかもしれないけど
また会えたら届けたいな
『ありがとう』
出会ってから随分時間が経った
僕らは長い間一緒にいたね
来週は君の誕生日
きっと待ちくたびれただろうな
ダイヤモンドではないけど
君の誕生石のアメジストの指輪を
「あなたに届けたい」
あなたに届けたい
誰よりもあなたを想っているということ
隣には居られないけど、この気持ちは届けたい
だけど、現実しかみないあなたには届かない想いだけど
人は、夢見心地と嗤うかもしれない。それでいいわけじゃないけれど、嗤われたって貶されたって、やめることは叶わないから。
……〝どうして〞?
そりゃあ、そうさ。たった一語、一音、一筆を生み出すために、ともすれば無限のような時間をかけて、その間どうしようもないもどかしさにかられながら。
それでも、何かを創りたいと願ったのだから。
やめられないのは、唯、問いたいから。自分に見えてるこの世界が、君は、君には、いったいどう見えているんだい。自分の考えは、思考は、好みは、思い出す世界は、こんなにも美しく醜く、情緒に溢れているんだと。それを見た君は、一体何を思うんだい。……その答えばっかりが、なによりも欲しくて。
言うまでもない、エゴイズムの塊だ。自分のそれを思い返せば、いつだって吐く程嫌悪する。それでも、そんな傲慢な想いが、届いたらいい。
そう願って、僕らは今日も、筆を取る。
【あなたに届けたい】
あなたに届けたい
何を?届けて何になる?
あなたのことを考えて、
届けないほうがいいって理由を探してる。
保身のために、自分のために。
こんな自分じゃ届くものも届かない。
あなたに届けたい
あなたに届けたいことは
たくさんある
あなたをこんなにも
愛おしく想うこと
あなたにいつも
笑っていて欲しいこと
あなたの優しさに
感謝してること
愛を知らなかった私が
こんなにもたくさんの愛を
知ったこと
あなたのことをずっと
永遠に愛してるってこと
今の私と昔の私
昔の私元気だったかな?
昔の事は今あまり覚えてない
覚えてるとしたら病気にかかって
友達の意見しか聞いてなかったな
今も
病気にかかって友達の意見しか聞いてない
皆んなもいろんな自分の昔があるかもだし
これからだって未来が変わっていくと思う
だから私も皆んなもこれからとこれまでを
振り返りながら未来を進んで行こう
私も頑張るから皆んなもこれから
頑張って行こう!
私と皆んなが
自分に自信が持てるように
宛先_
私たちの感情は包み紙の中に入れて相手に届けることも出来ない。
宛先を書いて誰かに運んでもらう。そんなこともできるわけが無い
お金では買えない買って貰えないこの気持ち
でも届けたいんだ。
_ より
届く想いなのに
届けれる距離なのに
どうしてもその一歩が踏み出せない
君の隣にいる資格なんて
私には無いのかな
『配達員』
雨露光る葉っぱの上にちょっと怪訝そうなアオムシをみつけました それをみながら片手に持ったおにぎりに120円の孤独を感じてます 13時過ぎには旅に出ます
わりと終わりの見える旅ですが なんとか.jpにはいい加減背を向けたいのが実情です ああ届けたい 僕は届けたいんだ ぼくの届けたいものを届けたい できればそうだな一日くらいそんな配達員になってみたい
ヒントは与えてんだけどな
動いてくんねえかな
この気持ち、分かってねえんだろうな
ほんっとに伝えんのて難しい
#あなたに届けたい
あなたに届けたい、
あなたが思う私と私が思うあなたは全くの別物
私はあなたの事なんとも思っていない
でも
あなたに対する態度は大の親友
外面を良くするために接してる、
...多分
あなたが居なくなっても
あなたが話しかけてくれなくても
あなたが私を嫌っても
あぁそっか、
もう構ってくれないね
これしか思えない
そうなれば私は私から話しかけには行かないし
挨拶を交わすただの知り合いと同じ反応だってできる
悲しいなぁ
虚しいなぁ
人に対してちゃんとした感情を持てない
薄っぺらい紙みたいな感情、
ものすごく分厚い金属みたいな壁、
本当の気持ちなんて伝えられない
皆は違うだろう
対等な感情を持てるのだろうね
それができない自分は、、
もう
ははは、
本当はあなたの事や君の事
そんな大事じゃない
それを知っても
「友達」でいてくれるのかい?
「仲良し」でいれるのか?
「親友」といってくれるのか?
「気を許せる人」の認識は壊れてしまわない?
私は、俺は、人の目を気にしてる弱虫なんだよ
本当はこれを伝えたい、けど、
伝えたら他の他人の目までが変わってしまいそうで
怖い
怖いんだ...
嫌だなこんな自分消し去ってしまいたいね、
あなたに届けたい
あなたはわたしに
とって大切な大切な人
あなたはわたしに
対しては天の邪鬼…
素直じゃないの…
でも…
ありきたりな言葉より
あなたの毒のあることば
に愛を感じる…
いつもいっぱい
楽しませてくれて
ありがとう
あなたに愛を
届けたい…
「あなたに届けたい」
私にももちろん人と離れる経験も、過去を生きた自分もありますが
過去を振り返ることはあまりしたくないので
今自分が生きるなかで未来の自分のため努力しているからこそ、未来の自分へ
全力で頑張ります
未来をもっと照らしてみせます
生きていれば誰かのあたたかい気持ちを受けることは少なくはないと思うが、同じようにあたたかい気持ちでなにかをしてあげたいと思ったことはとても多異様に感じる。幼少の頃より周囲のあたたかく優しい心に触れてきたが、そのどれもが見返りを求めるものではなく慈悲や慈愛、或いは単に親切心からなるものだったと感じている。そしてどんな言葉も気持ちも、相手を想うという素直なものだったようにも思う。私もまたそう感じて心から嬉しく思ったし、この喜びをほかの誰かにも共有したかった。共感して欲しいという思いと、自分が受けた親切心の心温まる気遣いを誰かにしてあげたいと思った。時にお節介と思われようが迷惑だと思われようが、誰かに喜んで欲しい。私が味わった喜びと嬉しさ、温かさと見返りを求めない優しさを同じように誰かに注ぎたかった。だから毎日誰彼構わず声をかけ、手伝いを申し出たり話を聞くなどしてきた。驚く人、戸惑う人もあったが皆一様に最後は笑顔を見せ「ありがとう」と笑った。
「恩返し」という言葉は、誰でも一度は耳にしたことがあるだろう。実際に、恩を受けた相手にその恩を報いて返すことを考えたことのある人は多いのではないだろうか。例えばの話になるが、イベント事であるないに限らず、ひとから頂き物をしたときに機会をみてお礼をしようと考えるだろう。それは単なるお礼であるように思えるが、その実は「どんなものを贈れば喜んでくれるだろうか。何をしてあげれば嬉しいだろうか」と相手の気持ちになって考えたりする。相手の喜ぶ顔を思い浮かべ、あれこれ考えては想いをめぐらせる。友や知人から受けたものを以上に、相手の幸福を考えるのはとても素晴らしい事だ。恩返しと言うと難しく考えてしまうかもしれないが、実のところ恩返しというのは自分自身が与えられ、または施された善意に感謝し相手を想うことだと私は考えている。「恩」と言う言葉だけが独り歩きしているが、深く考えることは無い。されて嬉しかった、有難かったというその喜びをそっくりそのまま返すだけなのだ。バレンタインデーに女性からチョコを頂き、それは女性が義理で用意したのだとしてもその心遣いや頂いたという事実は嬉しいものだ。そしてそれを返したい、喜んで欲しいと思うことで相手のことを考えて思案してプレゼントを贈る。このとき胸にあるのは単純な気持ちに過ぎないが、その気持ちが重要である。「喜んでくれるだろうか」というその人に寄り添った心と、喜ばせたいと思うあたたかく優しい想いた。恩というのは押し付けるものでも、押し付けられるものでもない。恩というのは無理に感じるものでもなければ、無理に返そうとするものでもない。義務感を持った途端に、相手を慮る気持ちなどなくなってしまう。ストレスでしかなく、「返さねば」という重い枷になってしまいかねないものだ。
人から受けた親切や気遣い、あたたかい言葉や愛情が受け手の心を豊かにする。「あの先輩にはとても可愛がってもらったし優しくしてもらったから、今度は私が後輩や他の人に優しくしよう」と思うことは誰にでもあるだろう。そして実際にそのように行動する。優しい言葉をかけ、必要に応じて手を差し伸べたり助言をしたりといったサポートをする。これらの言行は、先輩の優しさや温もりを今度は自分が誰かに与えたいという思い。或いはそんな先輩のように、「人のために、自分に出来る何かをしてあげられるような人間になりたい」という思いからなるものだろう。恩というものを何にでも併せて考えるのは、私は少々強引で非常に矮小だと捉えている。しかし、人から受けた優しさを今度は誰かに贈りたいというものを「恩送り」という。
「還著於本人」という言葉がある。これは日蓮宗の法華経(妙法蓮華経)の中で説かれている教えである。「還って本人に著きなん」といういみである。わかり易く言えば、自分の行いは善行悪行にかかわらず巡り巡って還ってくるというもの。つまり、人にやさしくすればいつか誰かの優しさを受けるだろう。人に悪意をもって接すれば、いつか誰かの悪意に晒されるだろうというもの。恩送りというのは非常にこの教えに近いものがある。先程の例えで言うと、先輩に優しくしてもらったから今度は後輩に優しくする。するとその優しさを受けた後輩は優しくしてくれた人だけでなく、その先輩のことも良く思う。恩送りとは、本人に直接恩を返すのではなく受けた恩を今度は誰かに与えることで恩人に音を返す(還す)ことに繋がる。
私は今までに数え切れないほど多くの人達と関わって来た中で、同じように数え切れないほどの施しを受けた。時にアドバイスであったり、お叱りであったり。躓いたときは手を、辛い時には肩を何も言わず貸してくれた。そんな人々に、ついに恩を返すことは叶わなかった。しかし、私が受けた慈悲や慈愛。あたたかい心や気遣いを今度は誰かに注げばいいのだ。だから、私はいつも胸に恩人の一人一人の優しい笑顔を大切にしまっている。いつもどんな時も支えてくれた人達と同じように、この想いが誰かの心に届けるために。
そしてまだ見ぬあなたに届けたい、私が受けた愛を。