ライ麦粉

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 人は、夢見心地と嗤うかもしれない。それでいいわけじゃないけれど、嗤われたって貶されたって、やめることは叶わないから。
 ……〝どうして〞?
 そりゃあ、そうさ。たった一語、一音、一筆を生み出すために、ともすれば無限のような時間をかけて、その間どうしようもないもどかしさにかられながら。

 それでも、何かを創りたいと願ったのだから。

 やめられないのは、唯、問いたいから。自分に見えてるこの世界が、君は、君には、いったいどう見えているんだい。自分の考えは、思考は、好みは、思い出す世界は、こんなにも美しく醜く、情緒に溢れているんだと。それを見た君は、一体何を思うんだい。……その答えばっかりが、なによりも欲しくて。
 言うまでもない、エゴイズムの塊だ。自分のそれを思い返せば、いつだって吐く程嫌悪する。それでも、そんな傲慢な想いが、届いたらいい。

 そう願って、僕らは今日も、筆を取る。

【あなたに届けたい】

1/30/2023, 11:52:00 AM