『あじさい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
貴方はあじさいが好きだったね。
夏の時期になると、私をあじさい畑に連れて行って、笑顔を見せてくれたね。
初夏の雨、夏の日差し、あなたの笑顔。
私の好きなもの。
でも、今となってはあなたは好きなものを見せてくれない。
初夏の雨、夏の日差し、遺影のあなたの笑顔。
そんなあなたにあじさいを飾る。
じめじめどんよりした日々の中で、その色だけが綺麗に輝いていた。
「その色、綺麗だね」と言ったら、君は嬉しそうに「でしょー?」と言った。
髪を青紫に染めていた。どうやら、あじさいをイメージしたらしい。
暗い雨の中でも美しく咲く花。君にぴったりだね。
でも、何色でも綺麗だって思ってしまうんだけどね。
『あじさい』
老人になっても悲しくなると知る
自分がいつの間にか老人となってる事を知る
分厚く強固になる皮膚と同じに心も分厚く強固になると思ってたのに
傷つくんだな
脆い硝子だった心はひび割れぐらぐらに撓み抽出液を塗り固めぶよぶよとなんだって飲み込む気持ちの悪い心になったと言うのに
まだ傷つく
まだ傷ついてしまう
何気ない言葉に悲しくなる
もらえない手に立ち竦む
早く早く早く!思い通りに動かなくなった手脚を無様にうごかして早く早く早く早く早く早く早く
投げられた言葉に悲しくならない心手に入れなくては
もらえなくなった手の代わりの頑丈な杖を生やさなくては
やっぱり傷つかないロボットになりたい
あじさい
いつもの時間
いつもの坂道
いつものあじさい
いつかと違う
移ろう彩り
見つけて思わず
喜び微笑む
題:「紫陽花」
『今日も、一日を通して雨になるでしょう。お出かけの際は足元に十分、お気をつけください。以上、天気予報でした』
テレビから聞こえてくる天気予報を確認して、身支度を整える。
カメラをバッグにしまい、大きめな傘を手に取り外に出た。
目的は、雨に濡れても美しく咲く花を撮る事。
「雨なのに出かけるの?」
「紫陽花が今見頃なんだ。君も行くかい?」
「行かないわ。まだ寝ていたいもの」
「わかったよ」
ベッドに横になりながら、眠たそうな目を擦っている恋人にキスを落とし家を後にする。
目的地は近い。
今が満開だとニュースで観てから早く行きたくて仕方なかった。
カメラを片手に、満開に咲きほこる紫陽花をまずは目に焼きつける。
色鮮やかに咲き乱れている紫陽花たちは、雨にあたりイキイキとしている。
彼女にこの景色を見せたいのに……
出不精な彼女のために、緑色の紫陽花をみつけカメラに収める。
「気に入ってくれるかな」
今から現像が楽しみだ。
2024年6月14日
SIVA5052
あじさい
(本稿を下書きとして保管)
2024.6.13 藍
「あじさいって、君に似てる」
(小さな花が寄り集まって丸くなって、咲く場所に合わせていろんな色に着飾るところが健気で可愛いから)
「へえ、そうなんだ?」
(本当は豆粒より小さな花なのに萼を広げて取り繕ってるところとか?)
あじさい…
雨が紫陽花を輝かせるように、人を輝かせるのは恋である
(名無しの格言)
友達に孫ができた、この年になって思う。
「恋は遠い日の花火ではない」
っていうコマーシャルが刺さったのは、
一般的中高年の私らにとって、恋が遠い日の花火だからだ。
命短し恋せよ乙女…(。・ω・。)ノ♡
『あじさい』
梅雨は嫌いだ
雨よ降らないで
じとじとした暑さの中
上品に咲く紫陽花があると
一気に梅雨を風情が彩る
お気に入りの傘で雨の中
この時期だからこそ咲く花を見れば
梅雨も悪くないなと思えるのだ
毎日の忙しさにくたびれて
毎朝の憂鬱な移動の中で
ちょっとした喜びをくれる紫陽花の花
朝、雨が降るとなんだか憂鬱な気分になる。
雨が滴るあじさいは迚も綺麗なものだけれど、浮気、と云う花言葉と相まってなんだか泣いているようでどうも良い気分にはなれなかった。
あじさいが泣いているように見えて、悲しくなってしまう。
青、紫、ピンクえとせとらと沢山の色で彩られた近所に植えられたあじさいは見事なものだ。ほぅっとため息をついてしまいそうなほど美しい。
雨が嫌いな訳では無い、梅雨は好きな季節だ。
あじさいが嫌いな訳でもない、花の中では好きだ。
それでも何となく憂鬱な気分になる。
可笑しいでしょうね。何の矛盾かしら。
梅雨もあじさいも大好きなのに、憂鬱になるのは、この上なく悲しい。
私は今日も矛盾を抱えて生きていきます。
美しいあじさいのように、然し、何処か悲しく、悲恋に満ちたあじさいのように、私は生きていきます。
私が何処にいるかご存知かしら。
もう二度とお目にはかかりません。
あじさい…
道ばたに あじさい灯す 雨あがり
見つけた人は 幸せになれ
急な夕立なので、小さな折り畳み傘で帰らなければならなくなった。
私は梅雨は大嫌いだ。
ずっと雨に降られている気がするし、心なしか気分も悪くなる。それに、偏頭痛も酷くなる。できれば梅雨なんて、1日でも少ない方が私はありがたい。
ふと道端の花を見た。
見事なほどに水色のあじさい。形容するなら、夏の昼頃の空の色。太陽が空の頂点にいる時の、透き通った青い空。
梅雨のせいで空はねずみ色の雲に覆われて、空が見えない日が続いていたけど、このあじさいの色が、私に夏が来ること、そろそろ空も見られると教えてくれたんだ、多分。
夕立は少し穏やかになり、雲の隙間から太陽が顔を出した。そして、虹がねずみ色の空を彩っていた。
いつまでも君との関係が続くと思ってた。
だけどそんなことはないこと無かった。
1週間前、君が他の女とデートしていたのを
見つけてしまった。
あのときの君は私とのデートの時以上に
とても楽しそうだった。
私は今までたくさん君に尽くしてきたのに
裏切るなんて
どうしようかと考えている時、
君が花言葉に詳しかったことを思い出した。
だから君に紫陽花送ろう。
たとえ君が私が気づいていることを知っても
君なら私よりもあの女を選ぶだろう。
だから君に紫陽花はぴったりなんだ。
「移り気」で「冷酷」な君に
夏がすぐそこまでやってきている
今日も雨。
雨は好きだ。
人によっては憂鬱になったりするのかもしれないが
私は静かな雨音に耳を傾けながらの読書も悪くないと思っている。
しかし私ももう歳だ。
出不精とゆうのは体を壊す一因になりかねない。
私の好きな天気で散歩も悪くないだろう。
妻が好きだと言う少しだけ可憐な気もする雨傘を差し
そっと家から出てみる。
いつも通りな道は水溜まりが出来て
いつも猫が居る高い塀はじっとりと濡れて
いつも子供の声が聞こえる公園は閑散としている。
公園には紫陽花が咲いていた。
梅雨も終わり日差しが肌を焼くような猛暑
孫が遊びに来て宿題の自由研究をやっている。
鈴の音を転がすかのような声が言う
『公園に行こうよ、おじいちゃん!』
彼女の可愛らしい水筒を首から下げさせ
元気に飛び出す彼女を見ながら
そっと家から出る
いつも通りな道は蝉の声が聞こえ
いつも猫がいる高い塀は触ればやけどしそうな暑さ
いつも子供の声が聞こえる公園はいつもより元気な声が聞こえる。
『あ!みて、紫陽花だ!』
日がジリジリと照りつける中で
今にも枯れそうな紫陽花はそこに確かに咲いていた。
雨に抱かれた紫陽花は
まるで
恋する乙女のよう
胸に秘めた想いを
隠しきれないほどに
雨の雫で色を増す
# あじさい
緑の美しい葉の上に
ぽっかり浮かぶ玉ような
紫陽花の花
色も形もそれぞれ
土の状況によっては
咲いてから
色を変えたりもする
思うままに
しなやかに
今を咲き誇る
その姿に
しばし
足を止める
あじさい
昨日水辺に咲いてて
ふと梅雨を感じた。
季節の花だったり、
季節の色、匂い、文化…
色んな事に頭を使える人って
素敵だと私は思う
色のうつろう
あじさいの花が咲く頃に
色うつろわぬ
純白のドレスを
まといたかった
しとしとしとしと、梅雨の雨でたっぷり栄養を貰って育ったアジサイの葉の上を、ナメクジさんとカタツムリさんが歩いていました。
「良い感じにジメジメしてきましたね、ナメクジさん。ワタクシは歌を歌いたい気分です」
と言って、カタツムリさんは雨の中歌い始めました。
とても綺麗な歌声で、ナメクジさんが聴いていると、マイマイカブリと言う昆虫がやってきました。
「綺麗な歌声ですねマドモアゼル、ちょうどアナタのような美味しそうな婦人を探してたのです」
むしゃむしゃくちゃくちゃ、なんかカタツムリさんが食べられて、助けを求めてたけど、ナメクジさんには関係ありません。
何故なら、カタツムリさんは友達でもないし、さっき知り合っただけで、馴れ馴れしく急に歌い出して、勝手に天敵であるマイマイカブリを自分で呼ぶなんて、雨が降るとテンション上がって危機感を失うのだろうか?
ナメクジさんは、基本天敵を呼ばないようにしてるので、カタツムリさんが食べられてる隙に逃げました。
この世は弱肉強食。それを忘れた瞬間にエサとなる。そんな残酷な自然界の掟が、大きく育ったアジサイの中で起こっておりましたとさ。
あじさい
いろいろな
表情を変え
雨に打たれ
一層色付く
苦手な梅雨を
少し癒やしてくれる