藤宮

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夏がすぐそこまでやってきている
今日も雨。

雨は好きだ。
人によっては憂鬱になったりするのかもしれないが
私は静かな雨音に耳を傾けながらの読書も悪くないと思っている。

しかし私ももう歳だ。
出不精とゆうのは体を壊す一因になりかねない。
私の好きな天気で散歩も悪くないだろう。

妻が好きだと言う少しだけ可憐な気もする雨傘を差し
そっと家から出てみる。

いつも通りな道は水溜まりが出来て
いつも猫が居る高い塀はじっとりと濡れて
いつも子供の声が聞こえる公園は閑散としている。

公園には紫陽花が咲いていた。



梅雨も終わり日差しが肌を焼くような猛暑
孫が遊びに来て宿題の自由研究をやっている。

鈴の音を転がすかのような声が言う
『公園に行こうよ、おじいちゃん!』

彼女の可愛らしい水筒を首から下げさせ
元気に飛び出す彼女を見ながら
そっと家から出る

いつも通りな道は蝉の声が聞こえ
いつも猫がいる高い塀は触ればやけどしそうな暑さ
いつも子供の声が聞こえる公園はいつもより元気な声が聞こえる。

『あ!みて、紫陽花だ!』

日がジリジリと照りつける中で
今にも枯れそうな紫陽花はそこに確かに咲いていた。

6/13/2024, 9:51:11 PM