『あいまいな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「何も感じてはいけないよ
静かにね 息を殺していてね」
自分にそう言い続けた末路を
私は私の中に見た
はりつけた笑顔の裏は
いつだって あいまいな空
晴天のように ご機嫌でもなく
雨模様のように 涙に暮れることもなく
喜びもなく 怒りもなく
何もない 何も
ただ重い重い 沈黙の空
————— あいまいな空
雨があがったら
空を見上げて虹を探して
何色あるか数えてみて
グラデーションになっていて
その境界に線を引くなんて
きっと難しいけど
あなたの思うままに引いてみて
そして区切られた色には名前をつけて
先人に負けないくらい
美しい名前をつけて
空からは虹が切り取られ
空色からは無数の色が生み出される
君にはそういう力がある
◼️あいまいな空
あいまいな空
空が暖色と寒色がきれいにグラデーションしている時間。そんな時間にあるマンションの一室、落ち着いた声が響いていた。
「今は朝、昼、夜のどの時間か分かる?」
「分からない。」
その答えで僕の心は喜びで満たされていた。
それもそうだ。こんなに時間がかかったんだから…
1週間ほど前、ある1人の女性を誘拐した。
始めは反抗的で、毎日叫んでいた。「助けて!」と、助けなんてくるはずないのに………
そう思いながらその光景を眺めるだけで、僕がこの子を誘拐した利益が十分にあったと言えた。
その子のいる部屋はシャッターが完璧にしまっていて、日の光なんてものは1ミリも入ってきてこない。おまけに時計もない。いつか狂って、朝か夜か区別できなくなってしまったらどれだけよいものか………。そう期待を高めながら、毎日同じ質問をする。
「今は朝か昼か夜どれか分かる?」
「夜。」
まぁまだ1日目だし、こんなもんだろ。
そう思って始まった誘拐生活も早1週間。
長かったやようで短かった。
(けっこうこの子ちょろいな)
そんなことを思いながら、さっきの答えが脳内をループしている。(「分からない。」)
あぁ、まさか1週間で感覚が麻痺するなんて…。
おかげで、あの子は虚ろな目をしている。
部屋の隅には睡眠薬。
(あぁ、可哀想。なんもしてないのにね。)
そう思いながら笑みを向ける。
彼女は無表情。だが、それすらも可愛さを感じた。
(よし、今日はこれぐらいでいいかな。)
そう思ってその一室から出る。「ガチャ。」
鍵かけも万全だ。
この先は僕がしらない話。
僕が去っていった瞬間、彼女の目は一回まばたきをすると、しっかりと焦点があっている目へと変化した。
(まじ、あいつちょろすぎ)
今は、朝か、昼か、夜か、それともそれ以外か……
彼女はシャッターを開けながら思った。
(ほら、やっぱり夕方じゃん。)
彼女が見上げる空には、虹色に近いあいまいな空が広がっていた。
あいまいな空
昨夜は飲みすぎた
朝から頭の中で鉛玉がうごめいているみたいに鈍痛がする
仕事がはかどらない、ため息だけが唯一の二日酔いのリハビリだ
昼休み、外に出た少し頭痛は治まっている昼食を食べ、空を見上げると
そこには、自分と同じような、あいまいな空が広がっていた
快晴でも雨でもなく。曇り、と表現するほど雲は広がっていなかった。けれど空の色は綺麗な青ではなかった。
まるで私の心模様を表しているみたいだな、と思った。今の気持ちは嬉しいでも悲しいでもない。怒っているわけでも焦っているまけでもなかった。しいていうなら“虚無感”を抱いていた。やるせなさ、無気力感、投げ出してもいいやと思えるほどの執着の無さ。何にも心動かされることなく、ただ空気を吸って生きている。こんなのって楽しいのかな。生き甲斐って何だろう。それが分かったら人生の意味ってものができるのかもしれない。
「あーあ」
空を見上げて息と溜め息を吐いた。こんなふうに思うってことは、私は現状に満足していないわけで。心の何処かで“何か”を求めているのだろう。それがスリルなのか安息なのか分からない。人生分からないことだらけ。空がモヤモヤ変な色してるみたいに、私の心も日々一喜一憂している。なだらかになることはない。とりあえずそんな日々を今日も過ごしている。
「私が今ここにいることって多分奇跡なんだよね」
隣に座っている友人が空間を見つめながらそう言った
「一昨日ね、お母さんに包丁を突きつけられたの」
友人はお化粧も綺麗にして
可愛い服を着て、
落ち着きをもって私の隣に普通に座っていた
一昨日お母さんと美味しいディナーを食べたのと言いそうな風貌だった
「私が朝帰りしたのが許せなかったんだって、
昼の11時に土下座するなんて、私この人生でもう二度としたくないなあ」
あははと乾いた笑いが響く
私もこんな話をされて黙っているのは気が引けた
だからとっておきの秘密を話してみた
彼女の心に寄り添うつもりで
すると驚愕された
「ええっすごいね、よく乗り越えられたね」
私からすると包丁の方がよく乗り越えられたと思うが、
その言葉を飲み込んで
私も乾いた笑いを響かせた
窓の外からは何時なのか分からない光がさしている
あいまいな空からこぼれる
あいまいな光だけが
私たちを守るように確かに存在していた
あいまいな空
雲がかる空は、僕の気持ちみたい。
僕の気持ちを表現する。
白いキャンバスに白い絵の具を垂らす。
筆で軽快なリズムで跡をつける。
白に白でも色がそれぞれ違う、あいまいな色だ。
それは僕に似すぎている。
この雲は僕であり、雲は僕である。
雲の形は様々なんだ。
あいまいな空はない。
あいまいさは雲なんだ。
#08
生きてるうちにはもう、二度と会えないのだと思うと、胸が締め付けられる。
生きているからこそ、とても苦しくて
生きているからこそ、また笑える日がやってくるかもと思う
たくさん休んで、ゆっくり、ゆっくり、また起き上がる
今日は何曜日だったかな
「頭痛が痛い」
やっと絞り出した声に対するパートナーの答えは厳しかった
「重複表現だよ」
分かってます
分かってますけどそんなことに脳みそのシナプスを震わせたくないほど頭が痛いのです
まどから覗くあいまいな空
晴れでもなく雨でもない曇天
こういった気圧の変わり目にくる所謂天気痛に悩まされる
頭痛が痛いは重複だとしたら
天気痛が痛いはいいのか?
いいよな?
だって天気が痛いじゃ意味わかんないもんな
と、反論したかったが
頭がそれを拒否し
光と音を遮断すべく
私はまた布団を被った
あいまいな空。
灰色の厚い雲とじめったい空気。
これから雨が降るかもしれないし、
もしかしたら雲が太陽から逃げて
青空が帰ってくるかもしれない。
生徒は乾いた水着袋と窓を交互に眺める。
先生は、黒板をみない彼らに対して自身を重ね
昔の担任へ軽く謝罪しながら
「雨だと、水泳はなしだな」と呟いた。
喜ぶ生徒。残念そうに眉を下げる生徒
この教室も空と一緒であいまい
あいまいな空。
【あいまいな空】
晴れてる訳でも、雨が降っている訳でもない曖昧な空の朝。
僕は君の世界から静かに去った。
いつもの7時のアラームで起きた君は動かなくなった僕に気づくと、これでもかってぐらい強く抱き締めて泣いてくれた。
もう振れない尻尾を千切れるぐらいブンブン振り回すぐらいには嬉しかった。
多分怒ってるよね。
ごめんね、ちゃんとお別れできなくて。
でも、最期まで見守られたら君のことが心配でちゃんと逝けなくなっちゃうからさ。
恥ずかしくってあんまりやらなかった添い寝をしてあげたんだからこれくらい許してよ。
僕が居なくても、もう君は大丈夫。
僕が子どもの頃より何十倍、何千倍、何万倍も君は強くなった。
君と過ごした12年、僕は幸せだったよ。
曖昧な空だけど、今ならずっと遠くに飛べそうだ。
…次も、その次も、またその次も、大好きな君と一緒に過ごせたら良いのにな。
この選択が正しかったのかなんて分からない
どうすればいいのか分からなかった。
ま、空だからね
あいまいでも仕方ないよね。
自然のことだし。
実際、今現在うちの上空は
降りそで降らないどんより空だし。
あいまいだわね。
これが対人関係
恋愛がらみとかだったら
不誠実とかってなりかねないね多分。
とは言え、社会の一員としては
最適解だったりね。
(あいまいな空)
「曇り…」
空を見て私は静かに溜息をついた。
今日は晴れると天気予報で出ていたのに、生憎の曇天だ。
曇りが嫌いなわけではない、雨の方が嫌だと云う人の方が多いだろう。然し、あいまいなこの感じが私はどうも気に入らない。
蒸し暑さに流れ滴る汗を拭って、私は曇り空の下を歩いた。
何だか気持ちは少しブルーだ。
今日はどんな一日になるかしら。
あいまいな空のようにあいまいに終わるかしら。
それもまた一興ね。
あの夕焼けはどこへ行っちゃったんだろう。
って、夏になるといつも思う。もう既に暑すぎる気温に
配慮してなのか、空は燃えなくなっていくね。
想像しよう。
19時手前。やっと辺りが薄暗くなる。明るい黄色と
薄いピンクと、それから淡いオレンジでぼかした空。
生ぬるい風を添えれば、夏の気配はブレンド完了です。
ねぇ。
夜が来てるってことに気づかないまま、話をしようよ。
この時期の異世界感がたまらなく好き。
とか思いながら、勉強机に向かう日々です。
#26 あいまいな空
「あいまいな空」
題と関係ない
・この前の続き
病院で内臓をエコーでみる検査をしたら
怪しまれていた肝臓は大丈夫だったけど
胃の壁が厚くなっていて、これ以上悪化させない
ほうがいいですね、次は胃カメラしましょうと
言われた。
そんなに悪かったんだ…
ここで気づけたからいいけど、やっぱり不安だなぁ
胃カメラ初めてだし。
晴れていると聞けば傘を持たずに外へ出る。普通のことだ。自分も以前はそうしていた。しかしこの頃、日が差すなかでよく雨が降る。いつどこでそれが訪れるかいまだに予測がつかない。この人と付き合い始めてからだ。些細なことで喜んで舞い上がって、決まってぼたぼたと涙を流す。すぐ隣で急速に雨雲が発達。自分と一緒の世界はどうやら気候が相当不安定らしい。だから備えをする。晴れているのに傘を差すのも妙な話だから、水滴を拭うハンカチ。本音を言えばこの身に直接降らせても別に構わないのだけど、照れくさいからバレるまでは黙っていようと思う。
(題:あいまいな空)
『あいまいな空』
とある日空を見上げた。
空は真っ暗だった。
曇りでも夜でも無いような感じだった。
空には何も無かった。
星も月も太陽も何も見つけることは出来なかった。
天体観測の為の望遠鏡で空を見てみた。
そこにはゴミに見えるものが沢山浮いていた。
これは、空?と思ってしまった。
何故こうなったのか分からない。
周りに人影を探してみたが見つからなかった。
何故か、自分だけ地球?に残されている。
周りは更地だった。
砂漠でもアスファルトでもなんでもない。
土の上…だが、地面はボコボコしており
所々何か分からない破片が落ちている。
自分は察してしまった。
ここはブラックホールの中なのだと。
周りの人々は飛んで行った…
空を見た時のゴミに見えたものは人なのでは、、
周りが更地なのは吸い込まれていったからではないか。
では、何故自分だけこの地に残されたのか。
それは自分でも分からない。
あいまいな空
行こうか、どうしようか?
駅前のロータリーで見上げた空は、
白っぽい灰色の空。
明るいような、じきに雨が降ってくるような、
迷うわたしのような、あいまいな空。
あいまいな空ってなんだ!!!!
本当になに...??
甘い空??それもなに???
甘い空なら雲はわたあめで青空はソーダとか、夕焼けオレンジジュースとか、夜はブルーベリースムージー...?
ブルーベリースムージーなら名前は
『ブルーベリースムージー 〜星を添えて〜』
とかかな。
でも空食べてみたかったりするよね。
太陽は何味だろう。
りんご?オレンジ??でもオレンジは夕日だと思う。
『あいまいな空』