【あいまいな空】
晴れてる訳でも、雨が降っている訳でもない曖昧な空の朝。
僕は君の世界から静かに去った。
いつもの7時のアラームで起きた君は動かなくなった僕に気づくと、これでもかってぐらい強く抱き締めて泣いてくれた。
もう振れない尻尾を千切れるぐらいブンブン振り回すぐらいには嬉しかった。
多分怒ってるよね。
ごめんね、ちゃんとお別れできなくて。
でも、最期まで見守られたら君のことが心配でちゃんと逝けなくなっちゃうからさ。
恥ずかしくってあんまりやらなかった添い寝をしてあげたんだからこれくらい許してよ。
僕が居なくても、もう君は大丈夫。
僕が子どもの頃より何十倍、何千倍、何万倍も君は強くなった。
君と過ごした12年、僕は幸せだったよ。
曖昧な空だけど、今ならずっと遠くに飛べそうだ。
…次も、その次も、またその次も、大好きな君と一緒に過ごせたら良いのにな。
6/15/2024, 7:53:11 AM