『あいまいな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題『あいまいな空』
天気予報が嘘をついた。
夕方から降り出す予報だった雨が、午後からぽつりぽつりと。
梅雨に入ってからというもの、毎日毎日曖昧な空模様。
今日の主様のお召し物は、衣装担当のフルーレが仕立てたアジサイモチーフのワンピース。主様はカラフルなそれを着て、庭に出たいとおっしゃられたので俺がエスコートさせていただいた。しかしその途端に雨が降り出してしまったのだ。
それでも楽しそうにはしゃいでいた主様だったけれど、風邪をひいてしまっては大変なので、すぐさま引き返してお風呂のご用意をする。
オレンジスイートのアロマバスにした。湯加減も大丈夫。
「主様、お風呂のご支度ができました。ゆっくり浸かって温まってくださいませ」
バスタオルを頭からすっぽり被って居室のソファで足をぶらぶらさせていた主様は、パッと顔を明るくさせると、俺にとんでもないことを言い出した。
「久しぶりにフェネスもいっしょに入ろう!」
もうすぐ十歳になろうとしている女性と入浴するのは、俺の方が居た堪れなくなる。
「いえ……俺は外に控えていますので……」
「それじゃ他の……そうだ、ハウレ」
えっ! いや、ハウレスは。
「もっとだめです!!」
これは独占欲なんかじゃなくて、俺の父性、俺の父性……そう自分に言い聞かせながら主様を浴室に押し込んだ。
主様、お願いです。今時分の空模様のような曖昧な言動で、俺の心を試さないでください。
あいまいな空
空があいまいとな
灰色で、湿気もたかく
やる気もおきない
体も不調になりがち
いっそ雨降らないかなって気分
強いていうなら
月明かりや太陽の光が雲の隙間からでる景色は
なんとも言えない風景ですよね
……雨上がりとかに多いから
あいまいな空なのかは、知らんけど
あいまいな空
あいまいな空はいつも
届かない思いの行き先
もうわからなくなって
全てに手を伸ばしたら
なにもかもをと焦って
結局、何かをわからず
すべてあいまいになり
そもそもがなんなのか
わからないまま歩んで
この空から逃れられず
心を覗かれてる気分で
今日という日を過ごす
あいまいな空でも、きれいなときはきれいだよね。
僕は、あいまいでも、きれいなのは好きだよ。
ほら、こうやって君の心臓を高々とあげて、空と重ねてみたらもっときれいに見える。
はぁ、きれい。
あいまいな空はゆっくりと揺れて時間を告げていた。君が消えたことを嫌と言うほど分からせてくる赤色の夕焼けはまるで私を皮肉っているかのように美しかった。じりじりと日が沈んで暗くなっていく。
あぁ、最悪だ何故今日に限って君が好きな星空がこんなにも美しく夜空を照らしているのだろう。死んだら星になるなんて大嘘だ君がこんなに私を攻め立てるようなことするはずないのだから目に落ちてきたあいまいな空は私に涙を流させた。
快晴でも曇りでもない空を見て、おまえのことを思い出した。
おまえは、曖昧なのが好きで。白黒はっきりさせるのが苦手だ。
全てを煙の中に隠しておきたいのに、嘘がつけないおまえは、やっぱりバカみたいに単純で複雑だから。
ずっと、目が離せない。目を離したら、煙みたいに消えそうだ。
あいまいな空。
あいまいな空だと
思うでしょ?
もう少しで
土砂降りに
なるから。
飛行機雲が
好きだったのに
雨が降ってくる
合図だって。
あーあ明日は
電車が
とまりませんように。
いいじゃない、あいまいでも。
雨は降ってないのだから。
自分の心よりは、
はっきりしてるかもしれないよ。
#あいまいな空
察してほしい女の子みたいにコロコロ表情を変える。
#あいまいな空
6/14 お題「あいまいな空」
雲ひとつない青空ならぬ、青ひとつない曇り空だった。午前中から、小雨が降ったり止んだりを繰り返している。昼まで待ったが晴れることはなさそうだ。旅立ちには微妙な天気と言わざるを得ない。
「じゃあ、行ってくるよ」
「いつ帰ってくるの?」
「いつかなぁ」
正直に言ってから、これではまずいと気づいた。
「まあ2ヶ月もすれば帰って来れるかな」
密命がある。2ヶ月で帰ってこれるはずはない。下手をすれば一生だ。
「姉ちゃん…」
不安げな弟の頭をなで、青空のような笑みを見せて、親指を立てた。
「次会う時までいい子にしてるんだよ」
「…うん!」
つられたように笑顔になる弟に、背を向けて駆け出す。振り向かない。
あいまいな空が、精一杯隠した心を映していた。
(所要時間:10分)
「あいまいな空」って
曇りのことですか
これから晴れるのか
雨がふるのか
わかりにくい空のことを言ってるの?
天気予報はスマホでチェックできるし
便利な世の中ですねえ
けれど
あいまいな空のままでもかまわない
なんにもしない
なんにもしたくないそんな日は
ぜんぶあいまいなままで
おやすみ
赫い涙水晶
月宵に照らされ
煌く細水晶
浄化されし今宵
月光に翳し掌が
遠く輝いて
枯らし聲の旋律
「何故貴女は居なくなったの…」
交わした約束
遥か彼方に
もう 逢えなくなり
口付けたのは
別れを刻む
もう 逢えなくなる
美しい世界は
私の鼓動は
黒き雨が降り
流し堕とした
赫い涙水晶…
題名あいまいな空
くもりか晴れかわからない空
くもりか雨かわからない空
晴れかわからない空
くもりかわからない空
雨かわからない空
わたしはこれらだと思う。
けどわたしは同時にこうも思う。
あいまいな空ってどんなのだろう?
どんな空があいまいなのだろう?
[あいまいな空]
朝、いつもより早く起きたとき外を見ると
日が上がる前に少し空が白くなる時間帯がある。
私は、あのあいまいな空が大好きで、早く起きれた
日はラッキーですね。
【あいまいな空】
夜とも夕方ともわからないそら。
朝やけとも昼間ともわからないそら。
曖昧な境目の中で、僕は1人立っている。
天界とも地上とも異なるこの場所。
あやふやな存在の僕。
ただ漂うこの空間で、僕は今日も待ち続ける。
次の命を。次の人生を。次のーーーーーーーー。
雨が降るのかな?
何だか気分がのらない時は
自分の気持ちを表しているような
あいまいな空
だけどね。大丈夫だよ。
ちゃんと、気持ちが晴れてスッキリな空がこの後に待ってるよ。
ずっと、あいまいな空なわけないからね。
1週間前コロナになった
テスト前で死ぬ気でコロナと闘い、勉強と戦った。
陽性が分かって3日目
1回しか話したことがなかった男の子が急に
「最近学校来ないけどどうしたん?」
とDMをくれた。
あまりに急だったものだから、すごくびっくりしたし
それ以上に嬉しかった
何日かだけテストの話やらいろんな話をした
この日から普段クールでもの動じない彼に
たまに見せる素敵な笑顔に惹かれ
少しだけでも気になっている自分がいる。
泣くのか、泣かないのか
何をそんなに意地になっているんだろうか。
泣いてスッキリすれば良いのに。
何を躊躇っているのだろう。
泣いたらこちらは準備だって出来ている。
泣かなかったら泣かなかったで
準備を整えるのだから。
さぁさ、どうするのさ
お空さん。
今日も疲れたなー
歩きながら上を向くと
あいまいな空が目に入る
ぼんやりとしていて
なんだか嫌な予感がする
今日は早く帰ろう
予感は的中
その日は豪雨
良かったー
だが、早く帰ったせいで
限定品を買いそびれてしまった
最悪だよ…
まっ風引くよりましか
外が荒れる中
ゆっくりと眠りにつく
〈あいまいな空〉
今日の空にはいつもの青はなく、代わりに灰色で埋め尽くされていた。ただ、どんよりと曇っていた。教室に残る2人の時間がゆっくりと流れる。
「お前はさ、いつも曖昧だよな」
「どこがよ。私はいつもハッキリしてるわ」
「そうか?俺にはそう見えないけど」
彼女は物事をハッキリ言うタイプであり、強気で男勝りな性格。
そんな彼女にひとつだけある、俺しか知らない「曖昧な部分」を知っている。俺が知っているそれを彼女は知らない。
俺が知ってる時点で俺の勝ちだ。
「で、アンタいつまでもそこで寝てていいの?私、もう帰るけど」
「ちょっと待て、今日、一緒に帰ろう」
「…はいはい、早くしなさいよね」
「そういえばさ、俺のことを好きな人がいるんらしいんだけど」
「…そう、誰?」
「俺は知らない。まあただの噂なんだけど。みんな隠すんだよ、そういう大事な部分。曖昧だよな」
「曖昧、ね…」
「…それね、私のことよ」
「……知ってた」
ほらな、お前は曖昧だ。
_2023.6.14「あいまいな空」