『「ごめんね」』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この空疎のなかで、君は何度許してくれるだろうか。
仏は三度、君はもっと。
「いいよ」の声が聞きたくて。
僕だけが、君のやわいところへ触れたいのだ。
このクソのなかで、君は何度眉を寄せるだろうか。
そのたびほっと、ため息はっと。
「ばかだなあ」と笑えばいい
僕ひとり、君のこころを揺さぶりたい。
/ごめんね
おどけた私に笑いかける貴方が好きで、幻想にすぎないそれをただただ追いかけていた。画面越し、大口を開けて豪快に笑う貴方は私たちしか知らないもの。ささやかな暮らしを歩み、水のようなあのひとと微睡む日々は、ふたりのたからもの。そこに介入などできるはずも、しようとも思わないのだ。
題名『最終回』
(裏テーマ・ごめんね)
そろそろ最終回。
ソンジェ背負って走れ…も終わった。
私も卒業かな?
ここは狭すぎて窮屈になりました。
手探りで書き始めたスタート地点。大切な場所なので、これからも気が向いたら書きたい。
詩はまだ続けたい。
小説は場所を移します。
誰もいないと思いますが、
もしも私の作品を読んでくれている人がいたなら、感謝しかありません。
「ごめんね、さようなら」
新月下旅舟。(つきした、りょしゅう)
しばらくは、この名前で頑張ります。
1【ごめんね】
雨音が鳴り響く五月下旬。
僕は学生時代のある人を思い出す。
完璧主義で文武両道の彼はずっと僕の憧れだった。
たぶん妬んでもいた。それは自分でも分からない。
でも愛とか、恋とか、気づかないような彼だった。
シャボン玉みたいに流されるそんな彼だった。
僕はそれに優越感を抱いていた。
でも違うんだ。「そっか」と漏れた声、雨漏りの音。
彼にも愛する人はいるんだ。
勝てるわけない。彼と同じ好きな人なんて。
そう、あの時言われた一言は今でも胸に刻まれている。
『――――。』
「ごめんね」
たったひとことが
言えない。
「ごめんね」
たったこれだけが
言えない。
「ごめんね」
が言えない。
「ごめんね」
ごめんね、君の大事な靴下を
洗濯機で迷子にしたんだ
片方だけがどこかに旅立ち
もう戻ってこないみたい
ごめんね、君の髪を切ろうとして
うっかり前髪を斜めにしちゃった
ミラーボールの下で輝く君を
想像して笑ってしまった
ごめんね、朝のコーヒーを作ったら
塩と砂糖を間違えちゃった
君の顔が驚きで歪むのを見て
笑いが止まらなかったんだ
ごめんね、でも君の笑顔が好きだから
たまにはこんな失敗もいいかな
君の許しを待ちながら
次の「ごめんね」を考えてる
「ごめんね」
嬉しいときに涙を隠すときのごめん
悲しいときに涙を隠すときのごめん
どちらも同じ言葉なのにどちらも同じ重みなのに
なんで意味が違うんだろう
謝られても 何にもならないから
謝られる立場にならない
―「ごめんね」
君と喧嘩した
分からないけどこれは喧嘩だと思う
突然、君が話してくれなくなった
冷たい反応しか返ってこなくなった
私に笑ってくれなくなった
どうしてかは分からない
別の人と話している君はすごく楽しそう
私、何かした?
君の気に障ることをした?
嫌われるようなことをした覚えは全くない
離れたらいいと他の人は言うけれど
私は離れたくない
でも、理由も分からないのに謝罪するのも何か違う気がする
だから、私は花を送るよ
重いって思われちゃうかもしれないけれど
『寂しい』の言葉とともに
___カモミールを____
なぜ私はこんなにも賢いのか
なぜ私はこんなにも格好いいのか
なぜ私はこんなにも立派なのか
なぜ私はこんなにも周りに「ごめんね」と言いたくなるほど幸せなのか
生きている一瞬一瞬に神の愛を感じる
いや待てよ、もしかして
私自身が神なのか?
創作:
「ごめんね」をあの時云えていれば
ここ迄後悔することはきっと無かっただろう
歪みに歪みきった性格と関係性を抱えて
今日も私と君は別の道を歩むんだろうね
「ひとつの嘘」が「ごめんね」に繋ぐ紐を粉々にしてしまった
けれど 云いたい 何時でも電話に反応できるわけじゃないし 何時でもメールに気づいてすぐ返信出来るわけじゃないんだよ
ただただ素直に「ごめんね」と「別れよう」を云えば良かっただけなのにね
君と離れたいがために「ひとつの嘘」を連鎖させた私が全部悪いよ
No.13
家族という身近な存在にごめんねと言えないことがみんなあると思うけどなんで言えないんだろって自分も思って謝れなくて不思議でしょうがなかった。サッカーで間違えたり、ミスったりしたらすぐ「ごめん!」ってあやまれるし、学校でもぶつかったらごめんっていえるのに
なんで身近な人には、、って思ってる。けど家族には言えないけど自分の中では言える「いつもありがとう」
そして「迷惑かけてごめんね」もう一つ「これからもよろしく」
【ごめんね】
ごめんね
自分の体なのに優しくできなくてごめん
自分こと好きじゃないから
つい辛く当たってしまう
ほんとは優しくされたいよね
私もほんとは優しくしたい
何でだろう傷つけたくなんかないのに
どうしたら優しくできる?
いつか優しくできたなら
あなたは幸せになってくれるかな?
そしたら私も幸せになれるかな?
何事も無かったみたいに。
待ち合わせをして、一緒にご飯を食べて、他愛のない話をして。
行く先も決めずに歩いて、違う歩幅を互いに合わせて。
同じものを見て、聞いて、ふとした瞬間に笑って。
分かれ道にたどり着いたら、笑顔でさようならを言おう。
ごめんね。
今日で、もうお別れ。
「ごめんね」ではなく
「ごめんなさい」と言えるようになった。
大人になったな…自分。
「ごめんね」
そう、目の前の悪魔は笑いながら言った。
ふざけるな。申し訳ないなんて微塵も思ってないくせに。
こいつはどれだけ私を虐げれば気が済むのか。
はぁ。いるよな。こういう『自分は周りの人間よりも優れてる、だから周りの人間よりも偉い』とか心の底で考えてる奴。
なんか、どうでもよくなってきたな。
こういう人間は自分が同じ目に遭うなんて事考えたりしないんだろうな。
「ハハッ」
「ごめんね」
ボールを投げる。相手に当てる
ごめんね。と思う
ボールを投げる。相手に当たる
ごめんね。と顔を下げる。
ボールを蹴る。相手に当てられる。
ごめん、と手を合わせる
ボールを投げる。相手は取れない。
ごめん!と叫ぶ
ボールを置く。相手は居ない、
ごめんね。 と 背を向けた
詮方ない。本当に詮方ない娘だよ、お前は。
いいかい、お前の生きているそこはね、私らが大事な人のためを思って苦労して用意してやった、最高の環境なんだ。そう、それはお前のことだよ、もちろん。
あいつらはお前に甘々だからね、貴女の好きなように生きてくれれば幸せです、とか抜かしているだろう。だがあいつらは、お前のいる場所がどれだけ恵まれているのか、お前に理解させる必要性があると分かっているのに、そのことに目を瞑っている。どうせ、お前に恩着せがましく言うのが嫌なんだろう。
仕方ないから私が言おう。
お前のその環境は、二千年の魂の旅路を辿ってきたお前の生の中でも、最も豊かで、便利で、美しく、優しい世界だ。そしてそれは、お前の今世の努力でもたらされたものじゃない。お前を守る者たちによって必死にお膳立てされ、お前が生まれた時に与えられた、この世で最高の贈り物なんだよ。
それがどういうことか分かるかい。つまり、お前がもしこの環境を投げ捨てたとしたら、お前はもう二度とそれを取り戻すことはできないんだ。もう一度言うけどね、これはお前の努力で手に入ったものじゃない。だからもし手放したなら、もうお前は自分の力ではそれを取り戻せないんだ。
言うべきことは、もう一つある。
この環境が特殊だということを、お前は全く分かっていない。今の環境を投げ捨てて、もっと良いものを探しに行きたいと、お前は時折本気で考えるね。だがお前は、この世には「お前の環境よりももっと良いもの」がほとんど存在しない、ということを知らない。だからお前が「もっと良いもの」を見つけられる可能性は、限りなく低い。
ああ、別に、放り捨てたって構わない。お前が本当に望むなら、私らも文句は言わない。だが、後からいくら謝られたって、お前にそれを取り戻してやることはできないということは、分かっておくんだよ。謝って、後悔して、泣いたって、もう仕方ないんだ。
今のお前は全く詮方ない娘だが、私らはお前を愛しているんだよ。どうか、幸せになっておくれよ、私らの愛しい子。
11日目
「ごめんね」ってある種の免罪符だ
微々たるミスは許される気がする
言われた側は思いに関わらず基本的に
「大丈夫だよ」と言うことが強いられる
下手に出た相手を責めるのは困難だ
贖罪の気持ちを踏みにじるのは気が悪い
では許せない時はどうすればいいのだろう
「ごめんね」には悪意がないからタチが悪い
『「ごめんね」』
私は小学生の頃に1度、母に手紙で「出来損ないでごめんなさい」と伝えた事があるらしい。体験教室で何かを作って、メッセージを添えて渡そう…的な催し(?)の手紙との事。
少し前、母と一緒にご飯を食べた時、話の流れで「こんな事があったねー」と教えてくれた。(どんな流れだ)
断っておくと、毒親などでは断じてない。多少の衝突はあれど、母娘として愛してるし、愛されてる自覚もある。そこに疑問は持っていない。
その手紙は、十数年経った今も母の財布の中に保管されている。
戒めとして。「出来損ない」と子供に言わせてしまったのは、母が間違いなく悪いのだから、と。
1番タチが悪いのは、言った当人がこれを全く覚えていない事。
当時そんなに思い詰めていた…なんて記憶は全くない。そして私の当時の性格を考えると、ちょっと捻ったメッセージカードにしたかった結果、斜め上な方向に捻じ切った可能性が高い。
だから、もう…ひたすらに、謝るしかなかった。
「ごめんね」
必死に子育てしてくれたのに、重い言葉を書いてしまって。
「育ててくれてありがとう」
私はお母さんの娘でいられて、ちゃんと過去も現在(イマ)も、幸せなんだよ。
「ごめんね」
は?
気持ちが昂りいっきに感情が爆発して、私の瞳孔と鼻腔が開いた。
喉の奥から込み上げるモヤモヤとした噴煙を思いっきり相手に吐き出した。
顔がいっきに熱くなり、真っ赤になりながら強い口調で相手の心を矢継ぎ早に突き刺しまくった。
言い終えた後もまだ私は怒りを収めることが出来ずやや過呼吸になっていた。
が、その時、
「ごめんね」
相手はあっさりとこのたった4文字を言ってのけた。
どんな窮地に追いやられようとも、不利な現状を強制終了させるこの言葉は、便利で鋭利なカウンターと言っても過言ではないと思う。