No.338『涙の跡』
涙を拭うことはできるけど涙の跡を拭うことはできない。
遅いんだよ。泣いた後に僕のところに来ても本当に苦しい時、僕は君のそばにいることができてないじゃないか。
ねえ、どうか、君の涙を拭わせて。涙の跡がつかないように、全部ちゃんと拭うから。
No.337『もしも過去へと行けるなら』
年齢を重ねるほどに世界の醜さを思い知らされる。
今日ネットで見た。みんながみんな、訴えられるのが嫌だから女の人が倒れてても助けないんだって。
一番悪いのは恩を仇で返した奴なのに。
誰かがとる無責任な行動の被害者はいつも優しい人たちだったり、何もしてない無関係な人たちだ。
こんな世界知りたくなかった。
もしも過去へ行けるのなら、何も知らずに生きていた幼い頃の私へ──。
No.336『またいつか』
私は今まで大切な人を亡くしたキャラに「またいつか」を願わせてきたけど、実際に大切な人を亡くした私は「またいつか」なんて願えなかった。
だって、私はあの日、「もう2度と会えない」ことに心の底から絶望したんだから。
そうだよ。もう2度と会えないから苦しくて、悲しかったんだ。今までのありがとうもさようならも言えずにその日を迎えてしまったから、私は痛いほど後悔したんだ。
きっと、私がこれまで書いてきたキャラも同じ。
ここはファンタジーの世界じゃない。そう、それが現実だった。
No.335『星を追いかけて』
人は死んだら星になるらしい。
だから僕は待ってるんだ。
君が流れ星となって落ちてくることを。
そして、そんな君を見つけるために僕は今日も流れ星を追いかける。
No.334『今を生きる』
大切なものを失っても私たちは今を生きるしかない。
過去に戻りたいと願っても今を生きるしかない。
明日なんて来ないでくれと願っても明日はやってきて、昨日の明日を生きるしかない。
こんな嫌な人生、私が望んだものじゃないのにね。